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34 真相への一歩
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伊左次と清兵衛を連れ、西瓦屋町の瓦工房に向かった。分部宗一郎の私邸で清兵衛を保護する当初の計画変更を示唆したのは、近松門左衛門である。寺島寮ではなく瓦工房を選んだのは、工房には寺島の職人が大勢いるからである。いやむしろ、根来衆、雑賀衆の末裔が多いその区画こそ、敵から身を護る最後の砦といえるかもしれない。
……そんな近松の判断に誰も異存はなかった。
相変わらず清兵衛は喋ろうとしない。おときが矢継ぎ早に問い詰めようとしたのを近松が押し止めた。
「……ここは年嵩のこの門左衛門にお任せあれ」
その一言には重みがあった。ここは近松に任せようと分部がうなづくと、おときの口撃は伊左次に向けられた。
「あんまりやわ、イサさん、うちになあんも言わんと居なくなるなんて! 一体、どこにおったん? なにしてたん? ……どれだけ心配したんか、ほんま、うち……」
いきなり感情の塊を投げつけられた伊左次は仲裁を請う目で分部にすがったが、分部は分部で配下の者に指示を与え、土岐家邸内にある市中探索目附役所へのつなぎなどの処理に追われている。
「……それに仇討ちって、どういうこと? イサさん、お江戸で人を斬ったん?」
「そ、そんなことはない……」
「ないの? あるの? どっちやの?」
清兵衛の事だけでなくおときには問い質したいことは山ほどある。けれど伊左次はことばを濁し、うむふむと唇を噛んだ。福島源蔵を久富大志郎の謹慎長屋で保護していることを伊左次が知ると、
「あいつ、いいように利用されたにちがいない……」
と、つぶやいた。
「あ! イサさん、やっぱり、心当たりあるんや!」
「・・・・・・」
と、困り顔の伊左次に救いの手を差し伸べたのは近松である。どうやら、清兵衛が喋る気になったようだった。
清兵衛は、正座したまま虚空をみつめて嗚咽混じりに叫んでいる……。
「わ、わてが、お民を、殺しましたんや。まちがいおまへん」
「な、なんやて?」
おときは、ふらっと、自分の体が前後に大きく揺れたように感じた。感じたと思ったとたん、うしろに倒れかけた。それを伊左次が受け止めた。
分部も近寄って、清兵衛を見下ろした。
清兵衛は同じ言葉を何度も繰り返している。
「す、すんまへん、ほんま、すんまへん。お民さんを、こ、この、わ、わてが……」
近松が清兵衛の耳元でなにごとかを囁くと、嗚咽はそのままになんとか喋り出した。さすがに近松の年の功というべきだったろうか。
……どうやら清兵衛は、お民に懸想していたらしかった。要するに、片想いである。
話の順序が前になったり後になったりで、また、ときおり脈絡がみえなくなることもあってなかなか理解できなかったが、我慢強く聴けば、おときにもようやくその輪郭がつかめてきた。
淀屋辰五郎が金に物をいわせ無理やりお民を自分の女にしたのだ、と清兵衛は思い込んでいた……らしい。
「……淀屋の旦那はんが囲っていなさったお駒さんも、自分を追い出して、若いお民を、金で買ったんやと云っていました……」
「えっ? お駒? それは、いつのこと?」
「はあ、三月の半ばやったとおもいます」
清兵衛はそう答えたが、おときにはそれが納得できない。
なぜなら、その頃は、もうお民は淀辰のもとから姿を消していたはずだったからだ。
「うーん、なんや、ようわからへんわ。ほな、お駒はんとあんたは、どうやって知りおうたんや? 前からの知り合いやったん?」
「いえ、お駒さんが店まで訪ねてきて、話があると……」
「わざわざ向こうはんから訪ねてきて、お民ちゃんを淀辰はんが金で買うたとか、そんなことをしゃべったんかいな」
「ええ、そうでおます」
清兵衛が話せば話すほど、余計につかみどころがなくなっていくような感じがしてきていた。まとまった一本の筋が見出せない。たまりかねたのか、伊左次が横から口を出した。
「お民が影絵茶屋で働いていると、誰に聴いた?」
「……それは、それからしばらくしてからのことでした。お得意さんの留吉はんが、お駒からの言伝て言うて、《明日の昼八ツ半頃に、太左衛門橋のふもとにある影絵茶屋に行けばお民に会える》と、告げられました。木札も渡されました。それを見せると、金を払わずに中に入れると……」
「それで、なかでお民ちゃんを見つけたんやね。驚いて、カッとなって……」
おときは、お民の顔がふっと頭のなかに浮かんできたのを、振り払うようにして、頭を左右に動かした。
「いえ、最初は薄暗く、なあんも、見えませんでした」
「じゃあ、どうして、お民ちゃんを……」
「肩を叩かれ振り向くと留吉はんがいて、もうすぐやで、と……。そのうちに蝋燭が灯され、まん中あたりがぼやっと明るくなりました。けれど、小屋の出窓もすべて閉められてましたさかい、部屋のなかに、誰がいるのか、何もわかりませんでした。蝋燭は、障子紙の向こう側に灯されていたので、やがて、おなごの姿が障子紙に映った時も、なにがはじまるのかさっぱりわかりませんでした。すると、隣にいた留吉はんが突然惚けたようになって、口から泡を流しながら、ふらふらと、部屋を仕切っていた障子紙のあたりまで歩いていって、それを止めようとした男達といっしょに倒れた拍子に、紙が破れて、裸の女が三人、叫びながら、風呂敷のようなものを体にかけようとしゃがみ込みましたんや。その時、はっと、目と目が合って……その女がお民やったんですわ……」
・・・・そのとき、清兵衛は、自分の目を疑った。まさかお民が裸になってこんな場にいようとは誰が想像できるだろうか。清兵衛が夢中でお民に近づこうとした時、一度、つまずいた。その時、布で巻かれた包丁が目についた。無意識にそれを拾うと、右手に持った。また、お民と目が合った。お民は赤らめ、這いずるようにその場から逃れようとしていた。清兵衛は『待ってくれ!』と叫びながら、お民の前にしゃがんでいた。お民の手をとろうとした時、背後から誰かが清兵衛の体を押した。その拍子に、持っていた包丁が、ぐいいっとお民の横腹に刺さった・・・・
そこまで清兵衛がしゃべった時、おときは、
「ちょっと待って!」
と叫んだ。
「あんた、お民ちゃんを殺そうとしたんやないやん!」
「いや、殺したのはわてでおます」
「でも、包丁は、たまたま、そこにあったんやろ?それで、誰かが、そのとき、うしろから体を押したんやね」
「ええ、そ、そんな感じでございました」
おときは、ふいに伊左次と近松の顔を見た。かれらの目も、うなづき返している。なにも清兵衛はお民を殺してなどいなかったのだ。
「なあ、清兵衛はん、その時のことを、ようく思い出してみぃ。あんたが持った包丁の先は、お民はんのほうを向いていたんか?」
「いや、刃の先は、こうやって持ってたから、上を向いていたはず」
「それでは、誰かに後ろから押された時、包丁を持っていた清兵衛はんの右手を、誰かがぎゅっと掴まなかったかいなあ?」
「そういえば、背中を押された時、いっしょに、手首を握られたような……けど、はっきりとは思い出せへんのです。なにしろ、そのあと、すぐ、お民がうめいて仰向けに倒れて……みると、包丁が……お、お民、お民ゆるしてくれ……」
その時の生々しい様子が浮かんだのか、清兵衛は再び激しく泣き崩れた。
……そんな近松の判断に誰も異存はなかった。
相変わらず清兵衛は喋ろうとしない。おときが矢継ぎ早に問い詰めようとしたのを近松が押し止めた。
「……ここは年嵩のこの門左衛門にお任せあれ」
その一言には重みがあった。ここは近松に任せようと分部がうなづくと、おときの口撃は伊左次に向けられた。
「あんまりやわ、イサさん、うちになあんも言わんと居なくなるなんて! 一体、どこにおったん? なにしてたん? ……どれだけ心配したんか、ほんま、うち……」
いきなり感情の塊を投げつけられた伊左次は仲裁を請う目で分部にすがったが、分部は分部で配下の者に指示を与え、土岐家邸内にある市中探索目附役所へのつなぎなどの処理に追われている。
「……それに仇討ちって、どういうこと? イサさん、お江戸で人を斬ったん?」
「そ、そんなことはない……」
「ないの? あるの? どっちやの?」
清兵衛の事だけでなくおときには問い質したいことは山ほどある。けれど伊左次はことばを濁し、うむふむと唇を噛んだ。福島源蔵を久富大志郎の謹慎長屋で保護していることを伊左次が知ると、
「あいつ、いいように利用されたにちがいない……」
と、つぶやいた。
「あ! イサさん、やっぱり、心当たりあるんや!」
「・・・・・・」
と、困り顔の伊左次に救いの手を差し伸べたのは近松である。どうやら、清兵衛が喋る気になったようだった。
清兵衛は、正座したまま虚空をみつめて嗚咽混じりに叫んでいる……。
「わ、わてが、お民を、殺しましたんや。まちがいおまへん」
「な、なんやて?」
おときは、ふらっと、自分の体が前後に大きく揺れたように感じた。感じたと思ったとたん、うしろに倒れかけた。それを伊左次が受け止めた。
分部も近寄って、清兵衛を見下ろした。
清兵衛は同じ言葉を何度も繰り返している。
「す、すんまへん、ほんま、すんまへん。お民さんを、こ、この、わ、わてが……」
近松が清兵衛の耳元でなにごとかを囁くと、嗚咽はそのままになんとか喋り出した。さすがに近松の年の功というべきだったろうか。
……どうやら清兵衛は、お民に懸想していたらしかった。要するに、片想いである。
話の順序が前になったり後になったりで、また、ときおり脈絡がみえなくなることもあってなかなか理解できなかったが、我慢強く聴けば、おときにもようやくその輪郭がつかめてきた。
淀屋辰五郎が金に物をいわせ無理やりお民を自分の女にしたのだ、と清兵衛は思い込んでいた……らしい。
「……淀屋の旦那はんが囲っていなさったお駒さんも、自分を追い出して、若いお民を、金で買ったんやと云っていました……」
「えっ? お駒? それは、いつのこと?」
「はあ、三月の半ばやったとおもいます」
清兵衛はそう答えたが、おときにはそれが納得できない。
なぜなら、その頃は、もうお民は淀辰のもとから姿を消していたはずだったからだ。
「うーん、なんや、ようわからへんわ。ほな、お駒はんとあんたは、どうやって知りおうたんや? 前からの知り合いやったん?」
「いえ、お駒さんが店まで訪ねてきて、話があると……」
「わざわざ向こうはんから訪ねてきて、お民ちゃんを淀辰はんが金で買うたとか、そんなことをしゃべったんかいな」
「ええ、そうでおます」
清兵衛が話せば話すほど、余計につかみどころがなくなっていくような感じがしてきていた。まとまった一本の筋が見出せない。たまりかねたのか、伊左次が横から口を出した。
「お民が影絵茶屋で働いていると、誰に聴いた?」
「……それは、それからしばらくしてからのことでした。お得意さんの留吉はんが、お駒からの言伝て言うて、《明日の昼八ツ半頃に、太左衛門橋のふもとにある影絵茶屋に行けばお民に会える》と、告げられました。木札も渡されました。それを見せると、金を払わずに中に入れると……」
「それで、なかでお民ちゃんを見つけたんやね。驚いて、カッとなって……」
おときは、お民の顔がふっと頭のなかに浮かんできたのを、振り払うようにして、頭を左右に動かした。
「いえ、最初は薄暗く、なあんも、見えませんでした」
「じゃあ、どうして、お民ちゃんを……」
「肩を叩かれ振り向くと留吉はんがいて、もうすぐやで、と……。そのうちに蝋燭が灯され、まん中あたりがぼやっと明るくなりました。けれど、小屋の出窓もすべて閉められてましたさかい、部屋のなかに、誰がいるのか、何もわかりませんでした。蝋燭は、障子紙の向こう側に灯されていたので、やがて、おなごの姿が障子紙に映った時も、なにがはじまるのかさっぱりわかりませんでした。すると、隣にいた留吉はんが突然惚けたようになって、口から泡を流しながら、ふらふらと、部屋を仕切っていた障子紙のあたりまで歩いていって、それを止めようとした男達といっしょに倒れた拍子に、紙が破れて、裸の女が三人、叫びながら、風呂敷のようなものを体にかけようとしゃがみ込みましたんや。その時、はっと、目と目が合って……その女がお民やったんですわ……」
・・・・そのとき、清兵衛は、自分の目を疑った。まさかお民が裸になってこんな場にいようとは誰が想像できるだろうか。清兵衛が夢中でお民に近づこうとした時、一度、つまずいた。その時、布で巻かれた包丁が目についた。無意識にそれを拾うと、右手に持った。また、お民と目が合った。お民は赤らめ、這いずるようにその場から逃れようとしていた。清兵衛は『待ってくれ!』と叫びながら、お民の前にしゃがんでいた。お民の手をとろうとした時、背後から誰かが清兵衛の体を押した。その拍子に、持っていた包丁が、ぐいいっとお民の横腹に刺さった・・・・
そこまで清兵衛がしゃべった時、おときは、
「ちょっと待って!」
と叫んだ。
「あんた、お民ちゃんを殺そうとしたんやないやん!」
「いや、殺したのはわてでおます」
「でも、包丁は、たまたま、そこにあったんやろ?それで、誰かが、そのとき、うしろから体を押したんやね」
「ええ、そ、そんな感じでございました」
おときは、ふいに伊左次と近松の顔を見た。かれらの目も、うなづき返している。なにも清兵衛はお民を殺してなどいなかったのだ。
「なあ、清兵衛はん、その時のことを、ようく思い出してみぃ。あんたが持った包丁の先は、お民はんのほうを向いていたんか?」
「いや、刃の先は、こうやって持ってたから、上を向いていたはず」
「それでは、誰かに後ろから押された時、包丁を持っていた清兵衛はんの右手を、誰かがぎゅっと掴まなかったかいなあ?」
「そういえば、背中を押された時、いっしょに、手首を握られたような……けど、はっきりとは思い出せへんのです。なにしろ、そのあと、すぐ、お民がうめいて仰向けに倒れて……みると、包丁が……お、お民、お民ゆるしてくれ……」
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