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どうも、学内対抗戦です
どうも、予選でも勇者です
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「同じ学校の生徒同士で戦うなんて、悲しすぎるよ! 僕たちは話し合えるはずだ!」
「素敵ですわ勇者様…」
「いや、これ学校行事…」
リング中央で叫ぶ勇への反応は両極端だった。
取り巻きの令嬢は別のリングへ行かせたはずなのに、早々に新たな取り巻きができている。勇者のハーレム属性はなかなか外れないものらしい。
そんな彼女らは勇者の鼻で笑える綺麗事にうっとりしている。
一方で男子と、一部のまともな女子は勇者の言い分に引いていた。
「バトル行事で戦いたくないなら棄権すれば?」
どこからかまともな指摘が飛ぶ。しかし勇は首を振った。
「戦いたくないんじゃない! 戦ってほしくないんだ! 皆は僕が守る! だから皆は仲良くしててほしいんだよ! それに僕が戦ったら、皆を傷つけてしまうし…」
「はあ?」
わかるようなわからんような、でも勇者として召喚されたのならこのくらい正義感が強いのは当然なのかおかしいのか…と複雑怪奇なモノを見る目で珍妙な顔をしていた生徒たちは、勇の最後のひと言で我に返った。
召喚されてまだ数ヶ月の勇者が、生まれてこのかたずっと鍛錬してきた自分たちより強い? 笑わせる。
「勇者って魔力のない世界から来たんだろ? なのに俺たちに勝って当然とか、ふざけんなよ!」
「そこまで舐められるなんて、心外よね」
「いくら勇者でも、こっちは経験値があるんだぞ!」
憤る生徒と。
「勇者様がせっかくお慈悲を垂れてくださっているのに!」
「なんて口答えなの!?」
「勇者様は勇者様なんだから強いに決まっているでしょ!」
反論する新・取り巻き。
「あのー、試合はー…」
「司会は黙ってろ」
「司会は黙ってなさい」
勝負を促す司会の声は、両者からの声で掻き消えた。
なるほど、こうしたやり取りが繰り返されていたため、他のリングで予選がすべて終了していても、このリングだけは始まってもいなかったのである。
「こういうの、生徒会長として放置できひんのちゃう?」
「そうなんだけど、関わりたくないんだよね」
「実際に目の当たりにすると、これまでのことに合点がいくね」
解決するよう促すミケルと、笑顔で拒むルイス。初めて勇者の言動を目にして、これまで生徒会を騒がせてきた様々な騒動暴動に納得がいったニコライ、その横で頷くツヴァイゲルト。そしていつの間にかクッキーをつまみ食いしているティティス。
「ティティス先輩、おいしそうですねそのクッキー」
「精神安定作用のあるハーブを練り込んでいるの。あなたもどうぞ」
合同授業以来スイーツ巡り友達となっていたリズとティティスは、クッキーをともに食べ始める。
ティティスはルイスを筆頭に生徒会メンバーと男子勢にもクッキーの小袋を渡した。
「あなたたちも食べなさい。で、事態を収拾して」
「ありがとう。クッキーはいただくよ。あの中に入りたくないけど」
ルイスは1枚口に含むと、リングに張られた見えない壁ギリギリまで近寄った。
その後ろで、アゲハもクッキーを口にする。
「うまい。落ち着く味だな」
「オチツキ草とイガイタクナクナールを配合して作ったの。お口に合うなら嬉しいわ」
なんと胃薬として使われる薬草まで入っていた。どれほどのストレスを予期していたのか。
「ティティス先輩の手作りですか!? 今度ぜひ作り方を教えてください!」
「いいわよ。簡単だし、女子寮で作りましょう」
「僕も混ぜてもらえるかな」
「わ、私も作りたいのでしてよ!」
女子勢のほんわかした会話をバックに、なんとも気の重い顔をしたルイスは、拡声魔法を使いながらリング内へ語りかけた。
「諸君! これでは埒が明かない! 今から3つ数える。その後は各自、攻撃に移るように。もちろん守りに入っても構わない。とにかく戦闘に移れ。これは生徒会長としての命令である」
「でも――」
「たとえ勇者としても、この命令に背くのであれば予選敗退とする。では始めよう。3、2、1、始め!」
「【ウォーターボール】!」
「【ファイアレーザー】!」
「【ウインドカッター】!」
「【アースニードル】!」
反論する勇者を押し切ってのルイスの声により、予選賛成派はすぐさま攻撃に移った。
「そんな! 同じ人間、同じ生徒同士を争わせるなんて! でも仕方ない。僕は勇者、やられるわけにはいかないんだ! 行け! 【ライトレーザー】!」
ルイスは無言でティティスにクッキーを要求した。何やらイラッとする前置きが長かったためだろう。
アゲハもフレイたちもクッキーのおかわりを求める。特に生徒会メンバーはクッキーの取り合いを始めた。普段から負担を強いられているからこそ、一刻も早くこのイライラを解消したいのだ。
「オチツキ草ならあるが」
「草のままでいいからくれ」
アゲハが言えば生徒会メンバーは真顔で振り返ってきた。顔がマジすぎて怖い。魔王を(違う意味とはいえ)怖がらせるなど、前例にないことである。
とにかくアゲハは指を鳴らした。
「はいはーい、そういうことねー」
観測水晶で予選の様子を見守っていたザガンがすぐさま現れ、皆にオチツキ草を渡す。加熱しなければ、そのまま食べるには苦みが強いはずだが、生徒会メンバーは人目も気にせずもっしゃもっしゃ食べた。
その横で、勇者の放った極太魔力そこそこ密度のレーザーが有象無象の攻撃を焼き切り全員に直撃していた。戦いたくないと言っていた割には容赦ない攻撃である。
「多少訓練したのは嘘ではないんだな」
「これで…被害が増える…」
感心するアゲハの横でルイスが項垂れた。つられるように生徒会の面々もどんよりしている。
「ザガ…ザク、イガイタクナクナールとやらも見つけてきてやってくれ」
ザガンは跪きながら頭を垂れて一礼し、すぐさま転移で去った。
「なんかアゲハとザクさんって、幼馴染って割には不思議な関係だよなー」
フレイの呟きは、女子の甲高い悲鳴にかき消された。
「私たちは棄権しますわ!」
「勇者様と戦うなんて!」
「できないですもの!」
「皆、ありがとう! 僕も皆を傷つけるなんてできないから良かったよ!」
茶番が行われていた。
「私は棄権しなくてよ! 勇者様とともにあるのが私の使命ですもの!」
「マリア! ありがとう、嬉しいよ!」
まだ茶番が続いていた。
「えー、第4リングの勝者は、勇者と王女様でーす。ちなみに試合で棄権とはー実戦では命を差し出す行為にあたるのでー命を差し出す側も差し出された側もーその重みを知るようにー」
この結末はテンションが上がらなかったらしい。司会は嫌そうにだるそうに宣言し、理事長はその横で深く何度も頷いた。
「皆の命…もらった命は無駄にしない! 僕の力にしてみせる!」
「キャー!」
「勇者様ー!」
「素敵ですわー!」
どうやら通じてほしい人々には通じなかったようだ。
「よーし、じゃあ本戦は明日だぞー。今日負けた奴は観戦だからなー。俺が出勤なのに勝手に休むなよー…ったく、今から観客席作りかよ…ボーナス出せよー…」
シラが締めるが、まったく締まっていなかった。
「ま、ともかく明日、ここにいる皆で本戦だ」
「後輩だからって手加減はしないからね。お互い頑張ろう」
ルイスとニコライのほうが、余程上手な締め方をした。
「素敵ですわ勇者様…」
「いや、これ学校行事…」
リング中央で叫ぶ勇への反応は両極端だった。
取り巻きの令嬢は別のリングへ行かせたはずなのに、早々に新たな取り巻きができている。勇者のハーレム属性はなかなか外れないものらしい。
そんな彼女らは勇者の鼻で笑える綺麗事にうっとりしている。
一方で男子と、一部のまともな女子は勇者の言い分に引いていた。
「バトル行事で戦いたくないなら棄権すれば?」
どこからかまともな指摘が飛ぶ。しかし勇は首を振った。
「戦いたくないんじゃない! 戦ってほしくないんだ! 皆は僕が守る! だから皆は仲良くしててほしいんだよ! それに僕が戦ったら、皆を傷つけてしまうし…」
「はあ?」
わかるようなわからんような、でも勇者として召喚されたのならこのくらい正義感が強いのは当然なのかおかしいのか…と複雑怪奇なモノを見る目で珍妙な顔をしていた生徒たちは、勇の最後のひと言で我に返った。
召喚されてまだ数ヶ月の勇者が、生まれてこのかたずっと鍛錬してきた自分たちより強い? 笑わせる。
「勇者って魔力のない世界から来たんだろ? なのに俺たちに勝って当然とか、ふざけんなよ!」
「そこまで舐められるなんて、心外よね」
「いくら勇者でも、こっちは経験値があるんだぞ!」
憤る生徒と。
「勇者様がせっかくお慈悲を垂れてくださっているのに!」
「なんて口答えなの!?」
「勇者様は勇者様なんだから強いに決まっているでしょ!」
反論する新・取り巻き。
「あのー、試合はー…」
「司会は黙ってろ」
「司会は黙ってなさい」
勝負を促す司会の声は、両者からの声で掻き消えた。
なるほど、こうしたやり取りが繰り返されていたため、他のリングで予選がすべて終了していても、このリングだけは始まってもいなかったのである。
「こういうの、生徒会長として放置できひんのちゃう?」
「そうなんだけど、関わりたくないんだよね」
「実際に目の当たりにすると、これまでのことに合点がいくね」
解決するよう促すミケルと、笑顔で拒むルイス。初めて勇者の言動を目にして、これまで生徒会を騒がせてきた様々な騒動暴動に納得がいったニコライ、その横で頷くツヴァイゲルト。そしていつの間にかクッキーをつまみ食いしているティティス。
「ティティス先輩、おいしそうですねそのクッキー」
「精神安定作用のあるハーブを練り込んでいるの。あなたもどうぞ」
合同授業以来スイーツ巡り友達となっていたリズとティティスは、クッキーをともに食べ始める。
ティティスはルイスを筆頭に生徒会メンバーと男子勢にもクッキーの小袋を渡した。
「あなたたちも食べなさい。で、事態を収拾して」
「ありがとう。クッキーはいただくよ。あの中に入りたくないけど」
ルイスは1枚口に含むと、リングに張られた見えない壁ギリギリまで近寄った。
その後ろで、アゲハもクッキーを口にする。
「うまい。落ち着く味だな」
「オチツキ草とイガイタクナクナールを配合して作ったの。お口に合うなら嬉しいわ」
なんと胃薬として使われる薬草まで入っていた。どれほどのストレスを予期していたのか。
「ティティス先輩の手作りですか!? 今度ぜひ作り方を教えてください!」
「いいわよ。簡単だし、女子寮で作りましょう」
「僕も混ぜてもらえるかな」
「わ、私も作りたいのでしてよ!」
女子勢のほんわかした会話をバックに、なんとも気の重い顔をしたルイスは、拡声魔法を使いながらリング内へ語りかけた。
「諸君! これでは埒が明かない! 今から3つ数える。その後は各自、攻撃に移るように。もちろん守りに入っても構わない。とにかく戦闘に移れ。これは生徒会長としての命令である」
「でも――」
「たとえ勇者としても、この命令に背くのであれば予選敗退とする。では始めよう。3、2、1、始め!」
「【ウォーターボール】!」
「【ファイアレーザー】!」
「【ウインドカッター】!」
「【アースニードル】!」
反論する勇者を押し切ってのルイスの声により、予選賛成派はすぐさま攻撃に移った。
「そんな! 同じ人間、同じ生徒同士を争わせるなんて! でも仕方ない。僕は勇者、やられるわけにはいかないんだ! 行け! 【ライトレーザー】!」
ルイスは無言でティティスにクッキーを要求した。何やらイラッとする前置きが長かったためだろう。
アゲハもフレイたちもクッキーのおかわりを求める。特に生徒会メンバーはクッキーの取り合いを始めた。普段から負担を強いられているからこそ、一刻も早くこのイライラを解消したいのだ。
「オチツキ草ならあるが」
「草のままでいいからくれ」
アゲハが言えば生徒会メンバーは真顔で振り返ってきた。顔がマジすぎて怖い。魔王を(違う意味とはいえ)怖がらせるなど、前例にないことである。
とにかくアゲハは指を鳴らした。
「はいはーい、そういうことねー」
観測水晶で予選の様子を見守っていたザガンがすぐさま現れ、皆にオチツキ草を渡す。加熱しなければ、そのまま食べるには苦みが強いはずだが、生徒会メンバーは人目も気にせずもっしゃもっしゃ食べた。
その横で、勇者の放った極太魔力そこそこ密度のレーザーが有象無象の攻撃を焼き切り全員に直撃していた。戦いたくないと言っていた割には容赦ない攻撃である。
「多少訓練したのは嘘ではないんだな」
「これで…被害が増える…」
感心するアゲハの横でルイスが項垂れた。つられるように生徒会の面々もどんよりしている。
「ザガ…ザク、イガイタクナクナールとやらも見つけてきてやってくれ」
ザガンは跪きながら頭を垂れて一礼し、すぐさま転移で去った。
「なんかアゲハとザクさんって、幼馴染って割には不思議な関係だよなー」
フレイの呟きは、女子の甲高い悲鳴にかき消された。
「私たちは棄権しますわ!」
「勇者様と戦うなんて!」
「できないですもの!」
「皆、ありがとう! 僕も皆を傷つけるなんてできないから良かったよ!」
茶番が行われていた。
「私は棄権しなくてよ! 勇者様とともにあるのが私の使命ですもの!」
「マリア! ありがとう、嬉しいよ!」
まだ茶番が続いていた。
「えー、第4リングの勝者は、勇者と王女様でーす。ちなみに試合で棄権とはー実戦では命を差し出す行為にあたるのでー命を差し出す側も差し出された側もーその重みを知るようにー」
この結末はテンションが上がらなかったらしい。司会は嫌そうにだるそうに宣言し、理事長はその横で深く何度も頷いた。
「皆の命…もらった命は無駄にしない! 僕の力にしてみせる!」
「キャー!」
「勇者様ー!」
「素敵ですわー!」
どうやら通じてほしい人々には通じなかったようだ。
「よーし、じゃあ本戦は明日だぞー。今日負けた奴は観戦だからなー。俺が出勤なのに勝手に休むなよー…ったく、今から観客席作りかよ…ボーナス出せよー…」
シラが締めるが、まったく締まっていなかった。
「ま、ともかく明日、ここにいる皆で本戦だ」
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