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どうも、サバイバルです
どうも、ドラゴンです
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せっかくルイスがクレアの稽古をつけようと思っていたのに、クレアが魔法を発動する前に、勇はクレアの肩を押しのけて前に進み出た。そのまま、敵2人を庇うように両手を広げて立ちはだかる。
「勇者、そいつらは敵だぞ」
「敵じゃない! 同じ人間、同じ学生だ! 彼らは僕が守る!」
クレアに応じる勇の台詞に、昨日のアゲハの話を聞いていた面々は気持ち悪くなった。勘違いでクラスメイトを死に追いやった人間が、同じ学園の生徒とはいえ見ず知らずの人間を、何を根拠にどう守るというのか。
「できないことを言うな。人間全員を守るなんて無理だ。それに、今はサバイバル中だ。やらなきゃやられるんだぞ」
「そんなことない! 人間同士ならわかり合える!」
「ボ、ボク…もうだめ…」
「もういいかしら? こういうの飽きたのよ」
真面目に言い合うクレアと勇の横で、ペタは顔色を悪くし、リズは眉をひそめていた。勇の熱すぎる正義感にあてられたらしい。
「気絶した人間とどうやってわかり合えるのかな?」
尋ねるルイスは笑顔だ。何か案があるのだろう。
「話し合えばいい!」
だからアゲハも乗ることにした。断言した勇に問いかける。
「気絶してたら話し合えないぞ?」
「起こして話し合えば!」
勇は即答した。
「なるほど。じゃあ【サンダーボルト】」
ルイスが唱えれば、気絶している2人に小さな雷が落ちた。
それがとどめになり、石の砕ける音がしたのち、2人の姿は消えた。
「あれ、起こそうとしただけなのに、おかしいな」
「このダメージ吸収ペンダントというのは、ダメージを蓄積するのだろう? もう壊れる寸前だったのかもしれないな」
「そうだね、ちょっと感電する程度、目覚まし程度の威力だったからね。本当ならダメージになるはずもないのに」
お互い笑顔のルイスとアゲハの会話はわざとらしい。
「ということで、今の雷属性や、クレアの土属性も、使い方によっては遠隔攻撃ができる。目の前に勇者がいても、敵の足元の地面を尖らせたり抉って落とし穴にしたりすれば、気にせず敵を撃破できるからね」
勇者を避けて敵と戦う方法を伝授するのは、根本的におかしい。しかし、そうしなければまともに進まない。それはそれでおかしいのだが、それを言っても仕方がないのもまた事実。
「そうですね…。次からはそうします」
「素直でよろしい」
生真面目なクレアはぺこりとルイスに頭を下げた。
それから練習の機会を奪った勇を睨んだが、勇はなぜ睨まれたのか理解できなかった。
「なんで、同じ学校の生徒を……」
「遅い。くどい」
指をパチンと鳴らし、アゲハはなおも言い募ろうとした勇の頭上に木の枝を落とした。
勇しか暇つぶしがなかった時代には勇の言い分を逐一聞いてやっていたが、今は他にも面白い人間がいる。不愉快な問答に時間を費やすのは、言葉の通り時間の無駄なのである。
「でも、彼らは――」
枝を払いのけながら勇が何かしらの反論をしようとした瞬間、今度は大地が大きく揺れた。
かすかに咆哮が聞こえる。まだ遠く小さいが、声の低さや響き方からして巨大生物だろう。
「なんだ?」
「ま、魔物…?」
「どっからや…」
「南西、近づいて来てるわ」
驚きの割には呑気なフレイと、怯えるペタ。咄嗟の魔力探知で声の源を探るミケルとティティス。リズはキョロキョロと辺りを見回し、ルイスも険しい顔で空の一点を見つめている。
その反応に驚いたのはアゲハだった。今の声はウインドドラゴンの咆哮だが、下僕のいびきよりもはるかに小さく可愛らしいものだ。隣でもザガンが「この程度で?」と首を傾げている。
ドラゴンだけでなくあらゆる生物の咆哮が飛び交う魔界では、ドラゴンのひと鳴きなど日常生活音の一種なのである。
(あー、魔王様。魔界で様子を見ていた魔族の一部が、勇者の言動に耐えられなくなって出てきたそうです)
(様子を見ていた?)
(観測水晶で…。とりあえず、どうしましょう? ドラゴンを操って勇者を駆逐するとのことですが)
ザガンがカクカクシカジカで…と説明し、アゲハは誰にも悟らせぬよう溜息をついた。
(気持ちはわかるが、まだ早い。相手するから適当に帰れ)
(わかりました。……え? 魔王様が相手?)
アゲハの補足に顔面蒼白になったザガン。タイミング的にはドラゴンの襲撃に怯えているように見えるから不思議だ。
ようやく視認できたウインドドラゴンは、アゲハたちの上空からブレスを吐いてきた。
「全員退避! 学園に戻って緊急事態だと説明してくれ」
「わかった」
「気をつけてね」
ミケルとティティスは自分の判断で各々のペンダントを砕いて消えた。それに驚いているフレイたちのペンダントはルイスにより壊され、勇とアゲハを除いた1年生全員も転移した。
「危ない! アゲハと会長も逃げて! 【ライトレーザー】」
ようやくドラゴンに気づいた勇がルイスの前に割って入り、魔力スカスカ極太レーザーをぶっ放す。
「今まで気絶してたくせに余計なことするなよ…」
ルイスが小声でぼそっと本音を漏らす。
それでも勇者をリタイアさせなかったのは生徒会長として、元帝としての判断を優先させたのだろう。
勇者がサバイバル程度の魔物にやられたとあっては、勇者の強さが問題になるのはもちろんのこと、勇者を召喚できる唯一の国としての王国の威信にも関わる。
ウインドドラゴンはレーザーを軽々と避けて勇の前に降り立った。
『小さき者は小さく細々しておれば良いものを、小さき者が態度ばかり大きくなりおって……ヒッ! も、もちろん陛下のことではございません!』
ドラゴンの言葉など人間には理解できないだろうが、それでもウインドドラゴンは勇者へとぐちぐちと文句を言ったのち、自分を見つめるアゲハに気づいて怯え始めた。
そう怯えられると我が態度ばかり大きいように聞こえるではないか、とアゲハは首をひねる。
ザガンはアゲハの無自覚な傲慢さを喜ぶべきか、複雑な気分になった。
「ドラゴン以外の魔力も感じるけど…。それに、このドラゴン何か言ってるような…」
「【ライトボール】! 【ライトレーザー】! 【ホーリーランス】!」
魔族には理解できても人間にはただの咆哮にしか聞こえないはずのドラゴンの言葉に首を傾げるルイスの横で、勇は躊躇いなく魔法を放っていた。サッカーボール大の数十個の光の球と、数本の極太の光の束、数個のひと際白く輝く槍がウインドドラゴンへと向かう。
まだまだ未熟とはいえ対魔物戦では有利になる聖魔法まで使えるようになっているとは、ここ数日で勇者に何があったのか。
「ギルドの練習とはそこまで過酷なのか?」
「時間や過負荷を操作できる訓練室があるから、たぶんそこを使ったんだろうね。それより……勇者はどうして攻撃できるのかな? あんなに攻撃するなってうるさかったのに」
「人間相手ではないからだ。話の通じない魔物は殺しても構わんのだろう」
「また極端な…。それに、力量差もわからず突っ込むなんて愚かすぎる」
いくら勇者がギルドで特訓しようが、ドラゴンはちょっとやそっとの努力で敵う相手ではないのだ。
アゲハとルイスはドラゴン対勇者の戦い――いや、ドラゴンによる一方的な暴力を見守りながら、棒立ちで会話していた。
「勇者、そいつらは敵だぞ」
「敵じゃない! 同じ人間、同じ学生だ! 彼らは僕が守る!」
クレアに応じる勇の台詞に、昨日のアゲハの話を聞いていた面々は気持ち悪くなった。勘違いでクラスメイトを死に追いやった人間が、同じ学園の生徒とはいえ見ず知らずの人間を、何を根拠にどう守るというのか。
「できないことを言うな。人間全員を守るなんて無理だ。それに、今はサバイバル中だ。やらなきゃやられるんだぞ」
「そんなことない! 人間同士ならわかり合える!」
「ボ、ボク…もうだめ…」
「もういいかしら? こういうの飽きたのよ」
真面目に言い合うクレアと勇の横で、ペタは顔色を悪くし、リズは眉をひそめていた。勇の熱すぎる正義感にあてられたらしい。
「気絶した人間とどうやってわかり合えるのかな?」
尋ねるルイスは笑顔だ。何か案があるのだろう。
「話し合えばいい!」
だからアゲハも乗ることにした。断言した勇に問いかける。
「気絶してたら話し合えないぞ?」
「起こして話し合えば!」
勇は即答した。
「なるほど。じゃあ【サンダーボルト】」
ルイスが唱えれば、気絶している2人に小さな雷が落ちた。
それがとどめになり、石の砕ける音がしたのち、2人の姿は消えた。
「あれ、起こそうとしただけなのに、おかしいな」
「このダメージ吸収ペンダントというのは、ダメージを蓄積するのだろう? もう壊れる寸前だったのかもしれないな」
「そうだね、ちょっと感電する程度、目覚まし程度の威力だったからね。本当ならダメージになるはずもないのに」
お互い笑顔のルイスとアゲハの会話はわざとらしい。
「ということで、今の雷属性や、クレアの土属性も、使い方によっては遠隔攻撃ができる。目の前に勇者がいても、敵の足元の地面を尖らせたり抉って落とし穴にしたりすれば、気にせず敵を撃破できるからね」
勇者を避けて敵と戦う方法を伝授するのは、根本的におかしい。しかし、そうしなければまともに進まない。それはそれでおかしいのだが、それを言っても仕方がないのもまた事実。
「そうですね…。次からはそうします」
「素直でよろしい」
生真面目なクレアはぺこりとルイスに頭を下げた。
それから練習の機会を奪った勇を睨んだが、勇はなぜ睨まれたのか理解できなかった。
「なんで、同じ学校の生徒を……」
「遅い。くどい」
指をパチンと鳴らし、アゲハはなおも言い募ろうとした勇の頭上に木の枝を落とした。
勇しか暇つぶしがなかった時代には勇の言い分を逐一聞いてやっていたが、今は他にも面白い人間がいる。不愉快な問答に時間を費やすのは、言葉の通り時間の無駄なのである。
「でも、彼らは――」
枝を払いのけながら勇が何かしらの反論をしようとした瞬間、今度は大地が大きく揺れた。
かすかに咆哮が聞こえる。まだ遠く小さいが、声の低さや響き方からして巨大生物だろう。
「なんだ?」
「ま、魔物…?」
「どっからや…」
「南西、近づいて来てるわ」
驚きの割には呑気なフレイと、怯えるペタ。咄嗟の魔力探知で声の源を探るミケルとティティス。リズはキョロキョロと辺りを見回し、ルイスも険しい顔で空の一点を見つめている。
その反応に驚いたのはアゲハだった。今の声はウインドドラゴンの咆哮だが、下僕のいびきよりもはるかに小さく可愛らしいものだ。隣でもザガンが「この程度で?」と首を傾げている。
ドラゴンだけでなくあらゆる生物の咆哮が飛び交う魔界では、ドラゴンのひと鳴きなど日常生活音の一種なのである。
(あー、魔王様。魔界で様子を見ていた魔族の一部が、勇者の言動に耐えられなくなって出てきたそうです)
(様子を見ていた?)
(観測水晶で…。とりあえず、どうしましょう? ドラゴンを操って勇者を駆逐するとのことですが)
ザガンがカクカクシカジカで…と説明し、アゲハは誰にも悟らせぬよう溜息をついた。
(気持ちはわかるが、まだ早い。相手するから適当に帰れ)
(わかりました。……え? 魔王様が相手?)
アゲハの補足に顔面蒼白になったザガン。タイミング的にはドラゴンの襲撃に怯えているように見えるから不思議だ。
ようやく視認できたウインドドラゴンは、アゲハたちの上空からブレスを吐いてきた。
「全員退避! 学園に戻って緊急事態だと説明してくれ」
「わかった」
「気をつけてね」
ミケルとティティスは自分の判断で各々のペンダントを砕いて消えた。それに驚いているフレイたちのペンダントはルイスにより壊され、勇とアゲハを除いた1年生全員も転移した。
「危ない! アゲハと会長も逃げて! 【ライトレーザー】」
ようやくドラゴンに気づいた勇がルイスの前に割って入り、魔力スカスカ極太レーザーをぶっ放す。
「今まで気絶してたくせに余計なことするなよ…」
ルイスが小声でぼそっと本音を漏らす。
それでも勇者をリタイアさせなかったのは生徒会長として、元帝としての判断を優先させたのだろう。
勇者がサバイバル程度の魔物にやられたとあっては、勇者の強さが問題になるのはもちろんのこと、勇者を召喚できる唯一の国としての王国の威信にも関わる。
ウインドドラゴンはレーザーを軽々と避けて勇の前に降り立った。
『小さき者は小さく細々しておれば良いものを、小さき者が態度ばかり大きくなりおって……ヒッ! も、もちろん陛下のことではございません!』
ドラゴンの言葉など人間には理解できないだろうが、それでもウインドドラゴンは勇者へとぐちぐちと文句を言ったのち、自分を見つめるアゲハに気づいて怯え始めた。
そう怯えられると我が態度ばかり大きいように聞こえるではないか、とアゲハは首をひねる。
ザガンはアゲハの無自覚な傲慢さを喜ぶべきか、複雑な気分になった。
「ドラゴン以外の魔力も感じるけど…。それに、このドラゴン何か言ってるような…」
「【ライトボール】! 【ライトレーザー】! 【ホーリーランス】!」
魔族には理解できても人間にはただの咆哮にしか聞こえないはずのドラゴンの言葉に首を傾げるルイスの横で、勇は躊躇いなく魔法を放っていた。サッカーボール大の数十個の光の球と、数本の極太の光の束、数個のひと際白く輝く槍がウインドドラゴンへと向かう。
まだまだ未熟とはいえ対魔物戦では有利になる聖魔法まで使えるようになっているとは、ここ数日で勇者に何があったのか。
「ギルドの練習とはそこまで過酷なのか?」
「時間や過負荷を操作できる訓練室があるから、たぶんそこを使ったんだろうね。それより……勇者はどうして攻撃できるのかな? あんなに攻撃するなってうるさかったのに」
「人間相手ではないからだ。話の通じない魔物は殺しても構わんのだろう」
「また極端な…。それに、力量差もわからず突っ込むなんて愚かすぎる」
いくら勇者がギルドで特訓しようが、ドラゴンはちょっとやそっとの努力で敵う相手ではないのだ。
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