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どうも、戦闘訓練です
どうも、野生の勇者です
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「アゲハ、その…人? は誰だ?」
魔法陣から人間が出てくるはずはないが、どこからどう見ても人間なザガンに戸惑っているフレイ。
「あー、俺の――」
アゲハの台詞に被せて派手な爆発音がしたと思えば、閃光が一瞬で目を焼いた。
恐る恐る目を開いた者から、元凶へと視線を移してゆく。
皆予想していたが、やはり勇がいた。
それも、幼女とグラマー美女の2人に抱きつかれている。若干服がはだけているのもまさしく勇者。
人間ではなく、召喚使い魔の2体だろう。女型が2体、それも勇者にメロメロとは。これでハーレムメンバーが追加されたというわけだ。
「フハハハハッ! 幼女まで巻き込むか!」
「失礼な! 妾は光の属性神、天界に属する者じゃぞ。ひれ伏せ愚民どもよ」
仮にも属性神にクズ避けは作用せず、勇の唇を奪っていた幼女はアゲハを睨んだ。
「属性神!?」「天界!?」とクラスメイトは騒然としていたが、もちろんアゲハは知っている。あと、見ればわかる。
この幼女は…300年ほど前にひねり潰してやったはずだ。
「…つまり中身は老婆か」
300歳超えの幼女。うむ、やはり老婆のほうが正しいな。アゲハはひとり頷く。
「聞こえておるぞ愚民1号」
「まだ耳は遠くないらしい」
「アゲハ、煽りすぎだ。ロリが怒ってるから」
「そうだぞアゲハ。怒った子どもは怖いんだ。泣き止んでくれないんだぞ」
呆れるクレアと幼児に手を焼いたらしいフレイの苦言で止められる。一体2人に何があったのか。
ここで「そいつの中身は300超えてるぞ」などと言っても、異世界人が何を言うと馬鹿にされるか正体がバレるかのどちらかだ。愚民と呼ばれるのは気に食わないが、仕方なくアゲハは黙った。
300年前とは姿が違うため、幼女はアゲハに気づいていないのだろう。あの頃は銀髪で、今より背も高かった。成人してたし…。
と懐古に忙しいアゲハは口を閉ざす。
すると、黙ったアゲハに満足した幼女は、また勇に絡みに行った。
もう面倒なので遠目で眺めるだけにしておく。
「ア、アゲハ。それで、その人? は誰?」
見たくないものから目を逸らそうと、ペタが話題を戻した。人前とは思えぬラブコメ展開を繰り広げる勇者から目を逸らしたいようだ。
さっきはアゲハの笑いっぷりに引いていたのに、そのアゲハに話しかけるとは、よほど勇者と関わりたくないらしい。
「俺と同郷の村の人」
「え? うん、そうそう! アゲハの幼馴染的な?」
端的に答えたアゲハの尻拭いをさせられて冷や汗をかくザガン。
そういえば昔もこうだったと懐かしく思った。
まだアゲハが魔王になる前だ。一緒に魔界の村で生活していた頃。
すぐにアゲハは魔力が膨大になり、前魔王との決闘の末、魔王の座に最年少即位してしまったが…。
離れたのが寂しくて、努力を重ねて四天王にまで登り詰めた純粋な友情に我ながら泣きそうになった。
「なんか、泣いてないか…?」
「大丈夫か? どこか痛いのか?」
「これ、使ってもいいわよ」
引いたクレアと心配して肩を叩くフレイ、ハンカチを差し出すリズ。
情緒のおかしな人は怖いと、ペタは近寄らなかった。ペタの野生の勘は侮れない。
「じゃあ、アゲハと同郷ってことは、勇者とも同郷なわけ?」
フレイはザガンを慰めながら、さらに尋ねた。
「え? 地球の人? アゲハの使い魔って地球の人なの? でも僕は知らないよ?」
「同郷」という単語につられ、野生の勇者が現れた。
魔法陣から人間が出てくるはずはないが、どこからどう見ても人間なザガンに戸惑っているフレイ。
「あー、俺の――」
アゲハの台詞に被せて派手な爆発音がしたと思えば、閃光が一瞬で目を焼いた。
恐る恐る目を開いた者から、元凶へと視線を移してゆく。
皆予想していたが、やはり勇がいた。
それも、幼女とグラマー美女の2人に抱きつかれている。若干服がはだけているのもまさしく勇者。
人間ではなく、召喚使い魔の2体だろう。女型が2体、それも勇者にメロメロとは。これでハーレムメンバーが追加されたというわけだ。
「フハハハハッ! 幼女まで巻き込むか!」
「失礼な! 妾は光の属性神、天界に属する者じゃぞ。ひれ伏せ愚民どもよ」
仮にも属性神にクズ避けは作用せず、勇の唇を奪っていた幼女はアゲハを睨んだ。
「属性神!?」「天界!?」とクラスメイトは騒然としていたが、もちろんアゲハは知っている。あと、見ればわかる。
この幼女は…300年ほど前にひねり潰してやったはずだ。
「…つまり中身は老婆か」
300歳超えの幼女。うむ、やはり老婆のほうが正しいな。アゲハはひとり頷く。
「聞こえておるぞ愚民1号」
「まだ耳は遠くないらしい」
「アゲハ、煽りすぎだ。ロリが怒ってるから」
「そうだぞアゲハ。怒った子どもは怖いんだ。泣き止んでくれないんだぞ」
呆れるクレアと幼児に手を焼いたらしいフレイの苦言で止められる。一体2人に何があったのか。
ここで「そいつの中身は300超えてるぞ」などと言っても、異世界人が何を言うと馬鹿にされるか正体がバレるかのどちらかだ。愚民と呼ばれるのは気に食わないが、仕方なくアゲハは黙った。
300年前とは姿が違うため、幼女はアゲハに気づいていないのだろう。あの頃は銀髪で、今より背も高かった。成人してたし…。
と懐古に忙しいアゲハは口を閉ざす。
すると、黙ったアゲハに満足した幼女は、また勇に絡みに行った。
もう面倒なので遠目で眺めるだけにしておく。
「ア、アゲハ。それで、その人? は誰?」
見たくないものから目を逸らそうと、ペタが話題を戻した。人前とは思えぬラブコメ展開を繰り広げる勇者から目を逸らしたいようだ。
さっきはアゲハの笑いっぷりに引いていたのに、そのアゲハに話しかけるとは、よほど勇者と関わりたくないらしい。
「俺と同郷の村の人」
「え? うん、そうそう! アゲハの幼馴染的な?」
端的に答えたアゲハの尻拭いをさせられて冷や汗をかくザガン。
そういえば昔もこうだったと懐かしく思った。
まだアゲハが魔王になる前だ。一緒に魔界の村で生活していた頃。
すぐにアゲハは魔力が膨大になり、前魔王との決闘の末、魔王の座に最年少即位してしまったが…。
離れたのが寂しくて、努力を重ねて四天王にまで登り詰めた純粋な友情に我ながら泣きそうになった。
「なんか、泣いてないか…?」
「大丈夫か? どこか痛いのか?」
「これ、使ってもいいわよ」
引いたクレアと心配して肩を叩くフレイ、ハンカチを差し出すリズ。
情緒のおかしな人は怖いと、ペタは近寄らなかった。ペタの野生の勘は侮れない。
「じゃあ、アゲハと同郷ってことは、勇者とも同郷なわけ?」
フレイはザガンを慰めながら、さらに尋ねた。
「え? 地球の人? アゲハの使い魔って地球の人なの? でも僕は知らないよ?」
「同郷」という単語につられ、野生の勇者が現れた。
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