僕のユニークスキルはお菓子を出すことです

店舗が増えていく…

父上とベルさんに２店舗目も建てることになった経緯を説明すると唖然とされたが、２店舗目の証明書の用意をお願いしておく。
この時、学園長のやり方に思うところはあったが、あわよくば自分もいけるのでは？と、ベルさんはチーズケーキ専門店を自費で建てるのを計画したらしい。
そして僕がこの事実を知るのはまだ少し先になる。

国中に僕のお菓子屋「アンジュノラン」の店舗が広まるのは、これが原因であった。

学園長が前例を作ってしまったのだ。



店舗の内装は母上、兄上、姉上に相談した。
女性でも男性でも店内に入れる雰囲気を出しつつも、流行り廃りのない内装に仕上げたかったから。

この時は意見がぶつかり合って大変だった。
母上と兄上のこだわりが凄かったのは意外で、兄上は木を基調としたナチュラルな内装にこだわり、母上はロココ調っぽい可愛らしくも上品な内装が良いと両者譲らず。

まさかこんなに熱くなるなんて…！？

と驚いてばかりは居られないくらいに、火花を散らしていた。
実際は落ち着いたトーンでの話し合いだったが、それが逆に怖かった…。

貴族特有の笑顔で相手をやり込める技を実践！って感じだったよ。
僕、やっぱり貴族向いてないわ。

あまりにも勝負がつかなかったので、僕が折れました～。

はい、ナチュラル店舗とロココ調店舗を作ることに決定～………。おかしいな？どんどん店舗が増えていくぞ？

ナチュラル内装の方は僕の予算で出来るけど、ロココ調内装は家具が高い。
母上の譲れないこだわりのおかげで、テールム家の予算で建てることになってしまった。

本当になんでこんなことに？？

１店舗出す話が、あれよあれよと３店舗に…。

もう決まったものは腹を括ってやるしかない。

ナチュラル店舗はテールムの領地のゆったりとした場所。
販売するお菓子は比較的シンプルな見た目にする。

ロココ調店舗は王都に近いところの貴族と市民が来れる場所。余計なトラブル回避のため、入り口を分けておく必要もあるし、貴族特有のマナーがあるかもしれないので全て母上に丸投げした。
好きにしちゃってください。
販売するお菓子は豪華に可愛く、シンプルに可愛く、とにかく可愛く、がコンセプト。

最後に学園長の和菓子店は、やっぱり日本の和菓子屋さん風にしたくって和モダンを目指した。入り口には暖簾も必須だよね！
学園長要望のみたらし団子を始め、大福とか煎餅も売る予定。学園前のお店ならおじいちゃん先生も買いに来るからね。

コンセプトや内装が決まると、あれよあれよという間にお店の建築が始まった。
大体３ヶ月ほど工期がかかるみたいで、僕はその間にお菓子を量産することに集中した。
ギルドのマジックバッグで保管してくれるので、じゃんじゃん送っちゃうよ。
店舗が出来たらギルドから店舗別に送ってくれるので、僕はお菓子の説明書と店舗別の仕分けの説明書をベルさんに渡しておいた。

またまた魔法がレベルアップ！

今度は同じ種類のお菓子なら１０セット同時に出せるようになりました～！
助かるぅ！

その分魔力消費が多くなってると思うけど、スピードはアップしたのが最高だよね。