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呪具
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「さて、ヘルゲイムの呪具についてでしたね」
ルドは依頼人と再度謁見するのが翌日になった。その夕刻にアルフの待つ宿屋に帰ると、アルフに抱擁を求めたが、瞬殺で却下され、首根っこを捕まれ、引き摺られ、強制的にテーブルの席に座らせられ、そして今に至る。
「お前の辞典に記されているヘルゲイムの呪具について知り得る限りのことを洗いざらい吐け」
アルフはティーカップが弾む程テーブルを掌で叩いた。
「やれやれ、これではまるで取り調べの様ですね」
「様ではない。尋問そのものと捉えても構わん。ふざけているとどうなるか、分かっているだろうな?」
アルフの目は鋭くルドを見据えていた。
「はぁ、若様にならどんな拷問をされても、私は耐えられる自信がありますよ! 鞭打ちですか? 水責めですか? ふふふっ・・・・・・」
ルドの顔は上気し、恍惚とした表情をしていた。その様子を見てアルフは逆に顔を凍りつかせ、みるみるうちに青ざめていく。
「くっ、若様はやめろ。お前に脅しをかけたのが間違いだったようだな。兎に角、さっさと呪具について言え」
「はいはい、まず、ヘルゲイムの呪具の特徴ですが、形状は首に着ける物や頭に着ける物が多いですが、アルフ様が見た形状は特注品かと思われます。まあ、首にあろうと、頭にあろうと、目にあろうと、死ぬ時は大して変わりませんがね」
ルドは他人事の様に笑って言った。
「その死ぬ条件は何だ?」
「まず、核と呪具は二つで一つ。核から呪具がある一定の距離を離れる事によって呪いが発動する。こう、スパッと一気に絞まるようになってるみたいで、首なら一瞬で生首が出来上がるし、頭なら一瞬で脳味噌が・・・・・・」
ルドは嬉々として身振り手振りで答えた。
「お前の表現は気持ち悪いからもう良い・・・・・・」
聞いた事を想像してしまったアルフはルドの話に耳を塞ぎたくなった。だが、顔色を変えることなくルドを見据えて言った。
「で、その呪いを解く方法は何だ? あるんだろう?」
「方法はただ二つ。一つは核を破壊する事。もう一つは専用の鍵で解放する事ですね」
エルリィスの呪具の後ろ側には確かに小さな鍵穴があったのをアルフは思い出した。
「あの位ならちょっと弄れば・・・・・・」
「あ、勿論無理矢理こじ開けようとしたり、呪具自体破壊しようとすると呪いが発動するので、いつもみたいに針金で解錠しようとしないで下さいね。専用の鍵でないとあの娘は死にますよ」
アルフは特技の鍵開けも通用しないと分かり舌打ちをした。
「鍵はどうせオルディンが持ってるとして、核はどんな物なんだ? どこにある?」
オルディンは城から離れる事もあるが、エルリィスが城から離れられないという事は核は城のどこかに安置されているとアルフは考えた。狙うなら常に持ち歩いている鍵よりも、核の方が狙い易い。
「核は城のどこかにあるのは確かなんですが、形は呪具の作成者によって異なるようですね。丸い水晶の形だったり、盃だったり、剣だったりと様々です」
「形が決まってないならどう探せと言うんだ!」
苛立たし気にアルフは拳に力を入れてテーブルを叩いた。
「そうですね、あとは核には呪具と同じ紋章がどこかにあるはずです。それで見分けるしかないですね」
「紋章か・・・・・・」
アルフはエルリィスの呪具に六芒星の中心に禍々しい目が描かれた紋章を思い出した。
「まさか、城に忍び込んで核を探すおつもりですか? どんな形をしているかも分からないのに?」
「ふん、そうするしかないだろう」
城に潜入して人に見つからないようにするのはアルフにとってお手の物であったが、実際どんな形状をしているのか分からない物を闇雲に探すのはかなり骨が折れる事なのをアルフは覚悟していた。
「一思いに殺っちゃえば良いのに」
「俺達はただの情報屋だ。暗殺が仕事じゃない」
「ええっ! 毒殺しようとしてましたよね? それもこの私に、何に混ぜても良いように無味無臭で尚且つ効果がキツめの作成難易度の高い毒薬を作らせてまで。あれには作るのに三日掛かったんですよ? まあ、凡人なら数ヶ月掛かるでしょうがね、ふふっ」
ルドは自慢気に述べた。ルドは素の頭の良さや器用さもあったが、何より天啓の力で十啓以外のどんな事も脳裏にある辞典で調べる事が出来た。アルフ達はそれを利用して情報屋として路銀を稼ぎ、時に依頼があれば薬の類も作っていた。
「あれは単なる実験だ。オルディンが死ぬかどうかのな。ただ、実験と言えど本気でなければ意味は無い。本当に殺すつもりなら剣を交えた時に殺している」
「でもあの御方に大口叩いちゃったじゃないですか、オルディンを玉座から降ろすーって」
ルドがそう言うとアルフは不敵な笑みを零した。
「そんなの俺が手を下すまでもないだろう。暗殺しようにも奴には夢見の巫女の力がある。それに、これ以上目立つ事をしてみろ、情報屋稼業を続け難くなるだけだ」
「城で騒動を起こしてる時点で既に目立ってると思いますけどね・・・・・・。でも妬けちゃいますね、そんなにその娘が魅力的なのでしょうか? それとも十啓を集める気にでもなったのですか?」
「馬鹿を言え。俺があいつを助けるのは仕事の為だ。それ以下でもそれ以上でもない。それに、十啓を集める気は更々ない。だから、お前もいつでも俺から離れて良いんだが?」
深い溜息を吐きアルフはそう言った。アルフがルドの方を見やると、ルドが今にも泣きそうな顔でこちらを見ている事にアルフはギョッとした。
「わ、若様ぁ、お見捨てにならないで下さいぃ!」
アルフは少し後悔していた。ルドが泣きながら鬱陶しく抱きついて来たからだった。この展開を予想していなかった訳ではなかった。だが、アルフがルドを自分から離れる事を望んでいるのは本当だった。
「若様ぁ、私の事が・・・・・・お嫌いなのですかぁ?」
ルドはまるで雨の日に濡れ、お腹を空かせた子犬のような濡れた瞳をアルフに向けた。
ルドを嫌っているからではなかった。多少、鬱陶しく思ってはいるが見所はある奴だとアルフは認めていた。
「そんなんじゃない」
アルフは養母とも言えるウカの言葉を思い出していた。
『十啓は自然と互いに引き寄せられる。それが十啓の運命』
ルドには自分の事に執着せずにもっと自由に生きて欲しい。十啓の運命等に捉われずに。アルフは心からそう願っていた。
「はぁ・・・・・・お前の好きにするが良い。今は・・・・・・な」
そう言われたルドはパッと顔を明るくした。
「ええ、好きにしますとも! どこまでだって付いて行くと、あの時決めましたから。例え地獄の果てまででもね」
アルフはルドのその瞳に強い意志が宿っているのを見た。ルドを説得するのはきっと何をするのと比べても骨が折れる。そして今はその時ではない。アルフはそっと目を瞑った。
ルドは依頼人と再度謁見するのが翌日になった。その夕刻にアルフの待つ宿屋に帰ると、アルフに抱擁を求めたが、瞬殺で却下され、首根っこを捕まれ、引き摺られ、強制的にテーブルの席に座らせられ、そして今に至る。
「お前の辞典に記されているヘルゲイムの呪具について知り得る限りのことを洗いざらい吐け」
アルフはティーカップが弾む程テーブルを掌で叩いた。
「やれやれ、これではまるで取り調べの様ですね」
「様ではない。尋問そのものと捉えても構わん。ふざけているとどうなるか、分かっているだろうな?」
アルフの目は鋭くルドを見据えていた。
「はぁ、若様にならどんな拷問をされても、私は耐えられる自信がありますよ! 鞭打ちですか? 水責めですか? ふふふっ・・・・・・」
ルドの顔は上気し、恍惚とした表情をしていた。その様子を見てアルフは逆に顔を凍りつかせ、みるみるうちに青ざめていく。
「くっ、若様はやめろ。お前に脅しをかけたのが間違いだったようだな。兎に角、さっさと呪具について言え」
「はいはい、まず、ヘルゲイムの呪具の特徴ですが、形状は首に着ける物や頭に着ける物が多いですが、アルフ様が見た形状は特注品かと思われます。まあ、首にあろうと、頭にあろうと、目にあろうと、死ぬ時は大して変わりませんがね」
ルドは他人事の様に笑って言った。
「その死ぬ条件は何だ?」
「まず、核と呪具は二つで一つ。核から呪具がある一定の距離を離れる事によって呪いが発動する。こう、スパッと一気に絞まるようになってるみたいで、首なら一瞬で生首が出来上がるし、頭なら一瞬で脳味噌が・・・・・・」
ルドは嬉々として身振り手振りで答えた。
「お前の表現は気持ち悪いからもう良い・・・・・・」
聞いた事を想像してしまったアルフはルドの話に耳を塞ぎたくなった。だが、顔色を変えることなくルドを見据えて言った。
「で、その呪いを解く方法は何だ? あるんだろう?」
「方法はただ二つ。一つは核を破壊する事。もう一つは専用の鍵で解放する事ですね」
エルリィスの呪具の後ろ側には確かに小さな鍵穴があったのをアルフは思い出した。
「あの位ならちょっと弄れば・・・・・・」
「あ、勿論無理矢理こじ開けようとしたり、呪具自体破壊しようとすると呪いが発動するので、いつもみたいに針金で解錠しようとしないで下さいね。専用の鍵でないとあの娘は死にますよ」
アルフは特技の鍵開けも通用しないと分かり舌打ちをした。
「鍵はどうせオルディンが持ってるとして、核はどんな物なんだ? どこにある?」
オルディンは城から離れる事もあるが、エルリィスが城から離れられないという事は核は城のどこかに安置されているとアルフは考えた。狙うなら常に持ち歩いている鍵よりも、核の方が狙い易い。
「核は城のどこかにあるのは確かなんですが、形は呪具の作成者によって異なるようですね。丸い水晶の形だったり、盃だったり、剣だったりと様々です」
「形が決まってないならどう探せと言うんだ!」
苛立たし気にアルフは拳に力を入れてテーブルを叩いた。
「そうですね、あとは核には呪具と同じ紋章がどこかにあるはずです。それで見分けるしかないですね」
「紋章か・・・・・・」
アルフはエルリィスの呪具に六芒星の中心に禍々しい目が描かれた紋章を思い出した。
「まさか、城に忍び込んで核を探すおつもりですか? どんな形をしているかも分からないのに?」
「ふん、そうするしかないだろう」
城に潜入して人に見つからないようにするのはアルフにとってお手の物であったが、実際どんな形状をしているのか分からない物を闇雲に探すのはかなり骨が折れる事なのをアルフは覚悟していた。
「一思いに殺っちゃえば良いのに」
「俺達はただの情報屋だ。暗殺が仕事じゃない」
「ええっ! 毒殺しようとしてましたよね? それもこの私に、何に混ぜても良いように無味無臭で尚且つ効果がキツめの作成難易度の高い毒薬を作らせてまで。あれには作るのに三日掛かったんですよ? まあ、凡人なら数ヶ月掛かるでしょうがね、ふふっ」
ルドは自慢気に述べた。ルドは素の頭の良さや器用さもあったが、何より天啓の力で十啓以外のどんな事も脳裏にある辞典で調べる事が出来た。アルフ達はそれを利用して情報屋として路銀を稼ぎ、時に依頼があれば薬の類も作っていた。
「あれは単なる実験だ。オルディンが死ぬかどうかのな。ただ、実験と言えど本気でなければ意味は無い。本当に殺すつもりなら剣を交えた時に殺している」
「でもあの御方に大口叩いちゃったじゃないですか、オルディンを玉座から降ろすーって」
ルドがそう言うとアルフは不敵な笑みを零した。
「そんなの俺が手を下すまでもないだろう。暗殺しようにも奴には夢見の巫女の力がある。それに、これ以上目立つ事をしてみろ、情報屋稼業を続け難くなるだけだ」
「城で騒動を起こしてる時点で既に目立ってると思いますけどね・・・・・・。でも妬けちゃいますね、そんなにその娘が魅力的なのでしょうか? それとも十啓を集める気にでもなったのですか?」
「馬鹿を言え。俺があいつを助けるのは仕事の為だ。それ以下でもそれ以上でもない。それに、十啓を集める気は更々ない。だから、お前もいつでも俺から離れて良いんだが?」
深い溜息を吐きアルフはそう言った。アルフがルドの方を見やると、ルドが今にも泣きそうな顔でこちらを見ている事にアルフはギョッとした。
「わ、若様ぁ、お見捨てにならないで下さいぃ!」
アルフは少し後悔していた。ルドが泣きながら鬱陶しく抱きついて来たからだった。この展開を予想していなかった訳ではなかった。だが、アルフがルドを自分から離れる事を望んでいるのは本当だった。
「若様ぁ、私の事が・・・・・・お嫌いなのですかぁ?」
ルドはまるで雨の日に濡れ、お腹を空かせた子犬のような濡れた瞳をアルフに向けた。
ルドを嫌っているからではなかった。多少、鬱陶しく思ってはいるが見所はある奴だとアルフは認めていた。
「そんなんじゃない」
アルフは養母とも言えるウカの言葉を思い出していた。
『十啓は自然と互いに引き寄せられる。それが十啓の運命』
ルドには自分の事に執着せずにもっと自由に生きて欲しい。十啓の運命等に捉われずに。アルフは心からそう願っていた。
「はぁ・・・・・・お前の好きにするが良い。今は・・・・・・な」
そう言われたルドはパッと顔を明るくした。
「ええ、好きにしますとも! どこまでだって付いて行くと、あの時決めましたから。例え地獄の果てまででもね」
アルフはルドのその瞳に強い意志が宿っているのを見た。ルドを説得するのはきっと何をするのと比べても骨が折れる。そして今はその時ではない。アルフはそっと目を瞑った。
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