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17.受け入れ難いもの(2)
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いつもと違う感覚に戸惑うばかりのミーアを見つめながら、リオンは挿入している指をぐっとくの字に曲げる。その途端、電流が流れたようにミーアの背が反った。
「ああぁっ!!」
「おっと。……ふふ、やっと可愛らしい声が出たな」
自分の口から出たとは思えない甲高い声に、ミーアは驚いて目をみはった。慌てて両手で口を押さえるも、リオンの指が動くたびに悩ましい声が漏れ出てくる。
「ひぅ、んんんっ……! や、やぁ、なにこれぇっ……!?」
「反応がいいな。ここが好きか?」
「やあぁっ! っあ、んんっ……や、やめて、もう抜いてっ!」
「恥ずかしがらなくともいい。快感を覚えれば、毎夜の房事も苦痛でなくなるだろう」
――房事が苦痛でなくなる。
それは、この憎い男を受け入れることと同義ではないか。
憎悪を忘れ、リオンによって与えられる快楽に溺れていく自分を想像して、ミーアは全身が総毛立つのを感じた。
「いやっ、いやああぁっ!」
「どうした? 気持ちいいだろう。その証拠に、きみの此処もようやく濡れてきた……ははっ、敷布まで垂れてしまいそうだ」
「っ……!? う、うそ……っ」
「嘘ではないさ。ほら、聞こえるだろう? きみの流した蜜が奏でる、いやらしい音が」
聞きたくなどないはずなのに、ミーアは思わず息を止めて耳をすませた。リオンが指の腹で膣壁を擦りあげると、そのたびにじゅぷじゅぷという淫靡な音が響いてくる。
それを悟った瞬間、ミーアの体ががたがたと震え出す。そして、リオンの手から逃れようと死に物狂いで暴れた。
「は、離してっ! いやあぁっ!!」
「何を怖がることがある? 快感に身を任せているだけで、きみは役目を果たせるんだ。楽な仕事じゃないか」
「い、いや……っ、お願いですから、今日はもう……!」
「本当に変わった娘だな……痛みを与えられている方がよかったのか? いや、それほどまでに快楽に弱いということか」
リオンは合点がいったように頷くと、それまでミーアの中を責めていた指を急に引き抜いた。そして、自分の着ていた衣をくつろげ、既に勃起していた自身を彼女の蜜口に押し当てる。その熱さに恐怖を感じて、ミーアは無我夢中でもがいた。
「ひっ……! いやあっ!!」
「きみがいくら暴れようと、力で敵わないのは分かりきっているだろう。ほら、簡単に入りそうだ……!」
「や……っ、んんんぅ――……っ!」
リオンの言葉通り、ミーアの濡れきった蜜穴は難なく彼を受け入れた。同時に、彼女の体は確かにそれを快感と捉え、挿入されたことを喜ぶかのように彼自身をきゅうきゅうと締め付ける。自分の体の変化に、ミーアは愕然とした。
「は……っ、これは、予想以上だな」
「いや、いやぁっ……! おねがい、動かないで……!」
「だが、動かないといつまで経っても終わらないだろう? いつも『早く終わって』と言うじゃないか」
「で、もっ……! うっ、ああっ!」
熱い楔がミーアの中を穿つと、その度にあられもない声が喉をついて出てくる。必死に声を抑えようと唇を噛んだが、血が滲むばかりでほとんど意味を為さなかった。それどころか、今までになく快感を滲ませるミーアのその仕草を目にして、リオン自身もさらに硬く熱をもっていく。
「良い顔をする……やはり、痛みに耐える表情よりもずっといい。私に嬌声を聞かれるのがそんなに嫌か?」
「ひ、ううっ……! い、いやっ……!」
「そうか。ならば、こうしよう」
律動を止めないままリオンは言うと、うっすらと血の滲むミーアの唇に自分のそれをそっと重ねた。
思いもしなかった突然の口づけに、ミーアはこれ以上ないほど目を見開く。
「んぅっ――……!?」
「はっ……なんだ、口づけに驚いているのか? 仮にも夫婦なのだから、これくらいして当然だろう」
リオンはにたりと笑うと、驚きのあまり動けずにいるミーアにもう一度口づけた。今度は重ねるだけでなく、薄く開いた唇の間から舌を入れ、ミーアの舌を追いかけるように絡めとる。初めての深い口づけに、彼女はなすすべもなく翻弄されるしかなかった。
「んむっ、ん、んんんぅ……!」
「んっ……、おっと、舌は噛まないでくれよ。きみは遠慮が無さそうだ」
リオンは唇を離して、肩で息をするミーアを見下ろしながら心底楽しそうに笑ってみせた。
もはや彼を睨みつける余裕すらないミーアは、少しでも快楽から逃れようと体を捩らせる。しかし、がっちりとリオンの手によって腰を押さえつけられているせいで、たいした抵抗にはならなかった。
「ああ……やはり、催淫成分が効いているんだな。ここも、普段とは見違えるくらい勃ちあがっている」
「え……? ひあっ!? あっ、ぅあああっ!」
突然、先ほどまでとはまた違った鋭い快感が走る。何が起こったのか分からないまま、ミーアは戸惑いに満ちた表情でリオンを見つめる。その不安げな顔に苦笑しながら、リオンはもう一度蜜穴の近くにある突起をそっと押し潰した。
「あ、ああっ! ……ひっ、や、やだ、なに……っ」
「ここも好いだろう? 女性がよく感じる場所だ」
「なっ……、や、やめてっ……!」
「大丈夫。きみは慣れていないだろうから、いきなり激しく責めたりはしないさ。優しく触るだけだ」
その言葉通り、リオンはミーアの突起をもどかしいほど優しい手つきで擦りあげる。そこを触られるたびに、刺激を喜ぶかのように膣内が蠢いて、リオン自身をぎゅうぎゅうと締め付けた。
「う、ああっ! や、やぁっ、もうやめっ……!」
「ふふ、すごいな……昨日までのきみとは大違いだ。こんなにもいやらしく乱れて……」
「ああぁっ! も、やだぁ、うごかないで、触るのもいやぁっ!」
「そう言うな。気持ちいいのだろう? 何も考えず、ただ快楽に溺れればいい。その方が、無意味に反抗し続けるよりよっぽど楽だよ」
リオンの言葉が耳に入ってくるが、ミーアはもうそれに応えることすらできなかった。
「ああぁっ!!」
「おっと。……ふふ、やっと可愛らしい声が出たな」
自分の口から出たとは思えない甲高い声に、ミーアは驚いて目をみはった。慌てて両手で口を押さえるも、リオンの指が動くたびに悩ましい声が漏れ出てくる。
「ひぅ、んんんっ……! や、やぁ、なにこれぇっ……!?」
「反応がいいな。ここが好きか?」
「やあぁっ! っあ、んんっ……や、やめて、もう抜いてっ!」
「恥ずかしがらなくともいい。快感を覚えれば、毎夜の房事も苦痛でなくなるだろう」
――房事が苦痛でなくなる。
それは、この憎い男を受け入れることと同義ではないか。
憎悪を忘れ、リオンによって与えられる快楽に溺れていく自分を想像して、ミーアは全身が総毛立つのを感じた。
「いやっ、いやああぁっ!」
「どうした? 気持ちいいだろう。その証拠に、きみの此処もようやく濡れてきた……ははっ、敷布まで垂れてしまいそうだ」
「っ……!? う、うそ……っ」
「嘘ではないさ。ほら、聞こえるだろう? きみの流した蜜が奏でる、いやらしい音が」
聞きたくなどないはずなのに、ミーアは思わず息を止めて耳をすませた。リオンが指の腹で膣壁を擦りあげると、そのたびにじゅぷじゅぷという淫靡な音が響いてくる。
それを悟った瞬間、ミーアの体ががたがたと震え出す。そして、リオンの手から逃れようと死に物狂いで暴れた。
「は、離してっ! いやあぁっ!!」
「何を怖がることがある? 快感に身を任せているだけで、きみは役目を果たせるんだ。楽な仕事じゃないか」
「い、いや……っ、お願いですから、今日はもう……!」
「本当に変わった娘だな……痛みを与えられている方がよかったのか? いや、それほどまでに快楽に弱いということか」
リオンは合点がいったように頷くと、それまでミーアの中を責めていた指を急に引き抜いた。そして、自分の着ていた衣をくつろげ、既に勃起していた自身を彼女の蜜口に押し当てる。その熱さに恐怖を感じて、ミーアは無我夢中でもがいた。
「ひっ……! いやあっ!!」
「きみがいくら暴れようと、力で敵わないのは分かりきっているだろう。ほら、簡単に入りそうだ……!」
「や……っ、んんんぅ――……っ!」
リオンの言葉通り、ミーアの濡れきった蜜穴は難なく彼を受け入れた。同時に、彼女の体は確かにそれを快感と捉え、挿入されたことを喜ぶかのように彼自身をきゅうきゅうと締め付ける。自分の体の変化に、ミーアは愕然とした。
「は……っ、これは、予想以上だな」
「いや、いやぁっ……! おねがい、動かないで……!」
「だが、動かないといつまで経っても終わらないだろう? いつも『早く終わって』と言うじゃないか」
「で、もっ……! うっ、ああっ!」
熱い楔がミーアの中を穿つと、その度にあられもない声が喉をついて出てくる。必死に声を抑えようと唇を噛んだが、血が滲むばかりでほとんど意味を為さなかった。それどころか、今までになく快感を滲ませるミーアのその仕草を目にして、リオン自身もさらに硬く熱をもっていく。
「良い顔をする……やはり、痛みに耐える表情よりもずっといい。私に嬌声を聞かれるのがそんなに嫌か?」
「ひ、ううっ……! い、いやっ……!」
「そうか。ならば、こうしよう」
律動を止めないままリオンは言うと、うっすらと血の滲むミーアの唇に自分のそれをそっと重ねた。
思いもしなかった突然の口づけに、ミーアはこれ以上ないほど目を見開く。
「んぅっ――……!?」
「はっ……なんだ、口づけに驚いているのか? 仮にも夫婦なのだから、これくらいして当然だろう」
リオンはにたりと笑うと、驚きのあまり動けずにいるミーアにもう一度口づけた。今度は重ねるだけでなく、薄く開いた唇の間から舌を入れ、ミーアの舌を追いかけるように絡めとる。初めての深い口づけに、彼女はなすすべもなく翻弄されるしかなかった。
「んむっ、ん、んんんぅ……!」
「んっ……、おっと、舌は噛まないでくれよ。きみは遠慮が無さそうだ」
リオンは唇を離して、肩で息をするミーアを見下ろしながら心底楽しそうに笑ってみせた。
もはや彼を睨みつける余裕すらないミーアは、少しでも快楽から逃れようと体を捩らせる。しかし、がっちりとリオンの手によって腰を押さえつけられているせいで、たいした抵抗にはならなかった。
「ああ……やはり、催淫成分が効いているんだな。ここも、普段とは見違えるくらい勃ちあがっている」
「え……? ひあっ!? あっ、ぅあああっ!」
突然、先ほどまでとはまた違った鋭い快感が走る。何が起こったのか分からないまま、ミーアは戸惑いに満ちた表情でリオンを見つめる。その不安げな顔に苦笑しながら、リオンはもう一度蜜穴の近くにある突起をそっと押し潰した。
「あ、ああっ! ……ひっ、や、やだ、なに……っ」
「ここも好いだろう? 女性がよく感じる場所だ」
「なっ……、や、やめてっ……!」
「大丈夫。きみは慣れていないだろうから、いきなり激しく責めたりはしないさ。優しく触るだけだ」
その言葉通り、リオンはミーアの突起をもどかしいほど優しい手つきで擦りあげる。そこを触られるたびに、刺激を喜ぶかのように膣内が蠢いて、リオン自身をぎゅうぎゅうと締め付けた。
「う、ああっ! や、やぁっ、もうやめっ……!」
「ふふ、すごいな……昨日までのきみとは大違いだ。こんなにもいやらしく乱れて……」
「ああぁっ! も、やだぁ、うごかないで、触るのもいやぁっ!」
「そう言うな。気持ちいいのだろう? 何も考えず、ただ快楽に溺れればいい。その方が、無意味に反抗し続けるよりよっぽど楽だよ」
リオンの言葉が耳に入ってくるが、ミーアはもうそれに応えることすらできなかった。
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