30 / 77
第1章
30.燻る恋
しおりを挟む
「あれ? トーヤじゃない。何してるの、こんなとこで」
「おう、リサか。何って、仕事だよ。城の見回り」
「なんだ、つまんなそうに歩いてるから暇なんだと思った」
「お前なあ……」
「何よ、暇なんでしょ? 陛下もユキ様もいないもんね」
「あいつらがいなくても、仕事はあるんだよ! お前こそ暇そうじゃねえか」
「私だって仕事はいくらでもあるんですぅー。ま、奢ってくれるならこの後お茶してあげてもいいけど?」
「なんだよそれ! ……ちっ、しょーがねーな。お茶くらい奢ってやるよ」
「やった!」
ユキとソウが旅行に行って、今日で四日目。何も連絡がないところを見ると、無事二人で旅行を楽しんでいるのだろう。
二人がいない城の中はいつもと変わらないようでいて、少しだけ静かだ。ソウに捕まってからかわれることも、ユキと会って話し込むこともないから、リサに言われた通り俺はなんだか気の抜けた日々を過ごしていた。
見回りを終えて、リサと約束した城下のカフェに向かう。
サウスに来てしばらく経つが、まだ少し違和感が拭えない。そんな俺の胸中とは無関係に、街中の店は活気に溢れ、行きかう人々の声も明るい。
あの決闘のあと、ノースで傷を癒しながら過ごしていたときは、両国民がお通夜のように静まり返り、異様な雰囲気が国全体を覆っていた。ソウが結婚式で正式に合併宣言をした際も、人々はそれをうまく飲み込めずにいたと思う。
それもそのはずで、ノース国民は自国を吸収され、サウスの下につくのだと思っていた。サウス国民はサウス国民で、まだ年若い敵国の王を無慈悲に叩きのめし、そのうえ強制的に結婚させた自国の王に恐怖していた。
あれから、ソウが具体的にどんな政策を布いたのかは分からない。しかし、俺の目から見てもカトライアの国全体が落ち着きを取り戻し、以前にも増して豊かになっているのが分かった。
「あ、トーヤ! こっちこっち!」
「悪い、待たせたな」
「別にいいよ、先に注文しちゃったし。カフェオレとパンケーキ!」
「おい、パンケーキは聞いてねーぞ」
先にカフェテラスに来ていたリサを見つけ、その向かいに腰を下ろす。普段なら二人ともまだ仕事をしているか、ユキたちと過ごしている時間だ。あの二人がいないと、どうも城に居づらいのは俺だけではないらしい。
「はぁ……ユキ様、無事かしら……」
「お前、心配しすぎだろ。少しは自分とこの王を信用してやれよ」
「なによ、あんただって心配してるくせに。ずーっとそわそわしてるもんね」
「そ、そわそわなんて……!」
言い返そうとしたとき、ちょうどリサが注文していたらしい飲み物とパンケーキが運ばれてきた。ついさっきまでユキの身を案じていたくせに、もうすでにナイフとフォークを持ってパンケーキに釘づけのリサを見てため息をつく。
「……お前、言うほど心配してねえだろ」
「してるわよ。でもまぁ、最近の陛下ならちょっとは安心かな。じゃ、いただきまーす!」
リサがパンケーキに夢中になっているうちに、俺も店員に飲み物を頼んだ。
あくびをしながら伸びをすると、爽やかな風が吹き抜ける。天気もいいし、なんだか眠くなってきた。
「ちょっと、人が食べてるのにあくびしないでよ」
「別にいいだろ」
「……それだからモテないのよ」
「ああ!?」
「あらごめんなさい、気にしてた?」
リサといいソウといい、サウスの人間は人をからかうのが得意なのだろうか。最近、王族担当医のタカミとも接する機会が増えたが、あいつも何かにつけて俺をからかってくる。
「ほんと、トーヤってからかい甲斐があるわ」
「なんだよそれ……」
「考えてること丸わかりだもん。ユキ様も言ってたしね、トーヤはすぐ顔に出るって」
「ユキが!? あいつに言われたら終わりだな……」
「それくらい分かりやすいってことよ。ほんと、陛下とは真逆」
「…………」
「ん? どうしたの?」
前から、頭の隅で考えていることがあった。一瞬、口にすべきか悩んだが、思い切って聞いてみることにした。
「なあ、リサ。お前、初めて会ったとき言ったよな。俺らは似た者同士だって……ソウのこと、好きだったって」
「……なんだ、その話ね」
「お前は、辛くないのか? 好きな奴が……ソウがユキのこと好きで、しかもその二人のために働いたりして」
「辛くないよ。これっぽっちも」
何でもないことのように言うリサに、俺は思わず面食らった。
俺は、リサのようにはっきりと言えるだろうか。ユキがソウのことを好きでも、その二人が幸せになるのを見ても辛くない、と。
「トーヤは辛いの?」
「……分かんねぇ。あの二人を引き離したいとは思わない。……けど、全然辛くないって言ったら嘘になる」
ユキが幸せそうにしていたら、それだけでいい。でも、その隣に居られるのが自分だったらと、今でも時々考えてしまう。結局、ユキへの気持ちは宙ぶらりんなまま、どこへも行けず胸の中でずっと燻っているのだ。
「私は……私の家はね、兄弟が多くて、家柄の割に貧乏だった。だから早く家を出て働きたくて、十五歳でやっと城で仕えることになったの」
パンケーキを食べ終えたリサが、唐突に話し始めた。
「やっとの思いで城仕えができるようになったのはいいんだけど、まだ子どもだったし仕事が辛かった。お城での暮らしは楽しいこともあったけど、すぐにホームシックになっちゃったんだ」
リサがカップを片手に、少し照れくさそうに笑う。俺はただ黙って、話の続きを待った。
「そんなとき仕事で失敗して、庭の隅でこっそり泣いてたら、よりによって陛下に見つかってさ。最初は焦ったけど、陛下はなんで泣いてるんだとか、そういうことは何も聞かないで、ただ『ボクの愚痴、聞いてくれへん?』……って」
「……愚痴?」
「そ。愚痴。あの頃の陛下は留学から帰ってきたばかりで、王の仕事も闇雲にこなしてるって感じだった。だから、あの大臣はうるさいだとか、言う事聞かないだとか、口が臭いだとか、本当にただの愚痴」
「なんだよそれ……」
「おかしいでしょ? 一国の王が、新米侍女に愚痴こぼしてんの。でも、わたしはなぜかそれで元気出たんだ。王様でも、悩むんだなぁって」
過去に思いを馳せるように、リサが空を仰ぎ見る。少しだけ風が冷たくなってきた。
「そのとき、ユキ様の話も聞いたの。好きな子がいるんだ、でも今は会えない……って」
「…………」
「それから陛下に会うたびに愚痴と、ユキ様の話を聞いた。そのうち、愚痴が溜まると陛下の方から私のところに来るようになった。迷惑な話でしょ? こっちは仕事中だってのにおかまいなし」
「……今と同じだな」
「ふふっ、ほんとにね。それでそんなのが一年くらい続いてくうちに、ふと気づいたんだ。あ、私陛下のこと好きだ、って」
リサがカフェオレを一口飲んで、息をついた。トーヤも早く飲みなよ、と促されて、注文していたコーヒーが運ばれていたことに今さら気付く。
「トーヤ、さっき聞いたよね? 辛くないのか、って」
「ああ」
「私はね、どれだけ離れていてもユキ様のことを大事に思う陛下を見て、好きになった。だから、トーヤのユキ様に対する感情とは少し違うかもしれない」
「…………」
「ユキ様と初めてお会いしたとき、私はすぐにユキ様のことも好きになったの。陛下がずっと話していた通りの人だったから」
「……よく、分かんねぇ」
「そう? なんて言ったらいいのか分かんないけど、ユキ様がサウスに来てから、不思議と陛下に対する気持ちが薄れたの。別に嫌いになったわけじゃないけど、恋慕っていうより、二人が幸せになるのを見てみたいって思うようになったんだ。でもトーヤは、違うんでしょう?」
「俺、は……」
すっかり冷めてしまったカップを握りしめながら考える。俺は、リサのようにきっぱり、辛くないと言えるだろうか。
ユキが、ずっとソウを想っていたことは初めから知っていた。でもリサのように、ソウのことが好きなユキを好きになったのかと問われれば、それは違った。ユキはソウのことが好きなのだと知りながら、それでも好きになるのを止められなかったのだ。
「別に、私に言わなくたっていいよ。でもユキ様には言ってみたら?」
「そっ……そんなの、言えるわけねぇだろ! あ、あいつはもう、王妃なんだし……」
「そうかな。でも、いつまでもそんなモヤモヤした感情持ち続けるつもり? その方が辛いと思うけどなぁ」
「……ユキが、困るだろ」
「まぁ、戸惑いはするでしょうね。でも、陛下に対する気持ちとは違ったとしても、ユキ様はトーヤのことだって大事に思ってる。少なくとも、私が見てる分にはそう思うけど?」
返す言葉が見つからなくて、俺はただリサの目を見つめていた。
きっと、あの二人が旅行から帰ってきたら、前にも増して二人が心から深く繋がっていることを思い知らされるだろう。その姿を受け止められる自信が、俺には無かった。
でも、リサに言われた言葉を思い返して、自分の気持ちに少し整理が着きそうな気がした。
「……ありがとな、リサ」
「こちらこそ。カフェオレ、おかわりしちゃったし」
「いつの間に!?」
「おう、リサか。何って、仕事だよ。城の見回り」
「なんだ、つまんなそうに歩いてるから暇なんだと思った」
「お前なあ……」
「何よ、暇なんでしょ? 陛下もユキ様もいないもんね」
「あいつらがいなくても、仕事はあるんだよ! お前こそ暇そうじゃねえか」
「私だって仕事はいくらでもあるんですぅー。ま、奢ってくれるならこの後お茶してあげてもいいけど?」
「なんだよそれ! ……ちっ、しょーがねーな。お茶くらい奢ってやるよ」
「やった!」
ユキとソウが旅行に行って、今日で四日目。何も連絡がないところを見ると、無事二人で旅行を楽しんでいるのだろう。
二人がいない城の中はいつもと変わらないようでいて、少しだけ静かだ。ソウに捕まってからかわれることも、ユキと会って話し込むこともないから、リサに言われた通り俺はなんだか気の抜けた日々を過ごしていた。
見回りを終えて、リサと約束した城下のカフェに向かう。
サウスに来てしばらく経つが、まだ少し違和感が拭えない。そんな俺の胸中とは無関係に、街中の店は活気に溢れ、行きかう人々の声も明るい。
あの決闘のあと、ノースで傷を癒しながら過ごしていたときは、両国民がお通夜のように静まり返り、異様な雰囲気が国全体を覆っていた。ソウが結婚式で正式に合併宣言をした際も、人々はそれをうまく飲み込めずにいたと思う。
それもそのはずで、ノース国民は自国を吸収され、サウスの下につくのだと思っていた。サウス国民はサウス国民で、まだ年若い敵国の王を無慈悲に叩きのめし、そのうえ強制的に結婚させた自国の王に恐怖していた。
あれから、ソウが具体的にどんな政策を布いたのかは分からない。しかし、俺の目から見てもカトライアの国全体が落ち着きを取り戻し、以前にも増して豊かになっているのが分かった。
「あ、トーヤ! こっちこっち!」
「悪い、待たせたな」
「別にいいよ、先に注文しちゃったし。カフェオレとパンケーキ!」
「おい、パンケーキは聞いてねーぞ」
先にカフェテラスに来ていたリサを見つけ、その向かいに腰を下ろす。普段なら二人ともまだ仕事をしているか、ユキたちと過ごしている時間だ。あの二人がいないと、どうも城に居づらいのは俺だけではないらしい。
「はぁ……ユキ様、無事かしら……」
「お前、心配しすぎだろ。少しは自分とこの王を信用してやれよ」
「なによ、あんただって心配してるくせに。ずーっとそわそわしてるもんね」
「そ、そわそわなんて……!」
言い返そうとしたとき、ちょうどリサが注文していたらしい飲み物とパンケーキが運ばれてきた。ついさっきまでユキの身を案じていたくせに、もうすでにナイフとフォークを持ってパンケーキに釘づけのリサを見てため息をつく。
「……お前、言うほど心配してねえだろ」
「してるわよ。でもまぁ、最近の陛下ならちょっとは安心かな。じゃ、いただきまーす!」
リサがパンケーキに夢中になっているうちに、俺も店員に飲み物を頼んだ。
あくびをしながら伸びをすると、爽やかな風が吹き抜ける。天気もいいし、なんだか眠くなってきた。
「ちょっと、人が食べてるのにあくびしないでよ」
「別にいいだろ」
「……それだからモテないのよ」
「ああ!?」
「あらごめんなさい、気にしてた?」
リサといいソウといい、サウスの人間は人をからかうのが得意なのだろうか。最近、王族担当医のタカミとも接する機会が増えたが、あいつも何かにつけて俺をからかってくる。
「ほんと、トーヤってからかい甲斐があるわ」
「なんだよそれ……」
「考えてること丸わかりだもん。ユキ様も言ってたしね、トーヤはすぐ顔に出るって」
「ユキが!? あいつに言われたら終わりだな……」
「それくらい分かりやすいってことよ。ほんと、陛下とは真逆」
「…………」
「ん? どうしたの?」
前から、頭の隅で考えていることがあった。一瞬、口にすべきか悩んだが、思い切って聞いてみることにした。
「なあ、リサ。お前、初めて会ったとき言ったよな。俺らは似た者同士だって……ソウのこと、好きだったって」
「……なんだ、その話ね」
「お前は、辛くないのか? 好きな奴が……ソウがユキのこと好きで、しかもその二人のために働いたりして」
「辛くないよ。これっぽっちも」
何でもないことのように言うリサに、俺は思わず面食らった。
俺は、リサのようにはっきりと言えるだろうか。ユキがソウのことを好きでも、その二人が幸せになるのを見ても辛くない、と。
「トーヤは辛いの?」
「……分かんねぇ。あの二人を引き離したいとは思わない。……けど、全然辛くないって言ったら嘘になる」
ユキが幸せそうにしていたら、それだけでいい。でも、その隣に居られるのが自分だったらと、今でも時々考えてしまう。結局、ユキへの気持ちは宙ぶらりんなまま、どこへも行けず胸の中でずっと燻っているのだ。
「私は……私の家はね、兄弟が多くて、家柄の割に貧乏だった。だから早く家を出て働きたくて、十五歳でやっと城で仕えることになったの」
パンケーキを食べ終えたリサが、唐突に話し始めた。
「やっとの思いで城仕えができるようになったのはいいんだけど、まだ子どもだったし仕事が辛かった。お城での暮らしは楽しいこともあったけど、すぐにホームシックになっちゃったんだ」
リサがカップを片手に、少し照れくさそうに笑う。俺はただ黙って、話の続きを待った。
「そんなとき仕事で失敗して、庭の隅でこっそり泣いてたら、よりによって陛下に見つかってさ。最初は焦ったけど、陛下はなんで泣いてるんだとか、そういうことは何も聞かないで、ただ『ボクの愚痴、聞いてくれへん?』……って」
「……愚痴?」
「そ。愚痴。あの頃の陛下は留学から帰ってきたばかりで、王の仕事も闇雲にこなしてるって感じだった。だから、あの大臣はうるさいだとか、言う事聞かないだとか、口が臭いだとか、本当にただの愚痴」
「なんだよそれ……」
「おかしいでしょ? 一国の王が、新米侍女に愚痴こぼしてんの。でも、わたしはなぜかそれで元気出たんだ。王様でも、悩むんだなぁって」
過去に思いを馳せるように、リサが空を仰ぎ見る。少しだけ風が冷たくなってきた。
「そのとき、ユキ様の話も聞いたの。好きな子がいるんだ、でも今は会えない……って」
「…………」
「それから陛下に会うたびに愚痴と、ユキ様の話を聞いた。そのうち、愚痴が溜まると陛下の方から私のところに来るようになった。迷惑な話でしょ? こっちは仕事中だってのにおかまいなし」
「……今と同じだな」
「ふふっ、ほんとにね。それでそんなのが一年くらい続いてくうちに、ふと気づいたんだ。あ、私陛下のこと好きだ、って」
リサがカフェオレを一口飲んで、息をついた。トーヤも早く飲みなよ、と促されて、注文していたコーヒーが運ばれていたことに今さら気付く。
「トーヤ、さっき聞いたよね? 辛くないのか、って」
「ああ」
「私はね、どれだけ離れていてもユキ様のことを大事に思う陛下を見て、好きになった。だから、トーヤのユキ様に対する感情とは少し違うかもしれない」
「…………」
「ユキ様と初めてお会いしたとき、私はすぐにユキ様のことも好きになったの。陛下がずっと話していた通りの人だったから」
「……よく、分かんねぇ」
「そう? なんて言ったらいいのか分かんないけど、ユキ様がサウスに来てから、不思議と陛下に対する気持ちが薄れたの。別に嫌いになったわけじゃないけど、恋慕っていうより、二人が幸せになるのを見てみたいって思うようになったんだ。でもトーヤは、違うんでしょう?」
「俺、は……」
すっかり冷めてしまったカップを握りしめながら考える。俺は、リサのようにきっぱり、辛くないと言えるだろうか。
ユキが、ずっとソウを想っていたことは初めから知っていた。でもリサのように、ソウのことが好きなユキを好きになったのかと問われれば、それは違った。ユキはソウのことが好きなのだと知りながら、それでも好きになるのを止められなかったのだ。
「別に、私に言わなくたっていいよ。でもユキ様には言ってみたら?」
「そっ……そんなの、言えるわけねぇだろ! あ、あいつはもう、王妃なんだし……」
「そうかな。でも、いつまでもそんなモヤモヤした感情持ち続けるつもり? その方が辛いと思うけどなぁ」
「……ユキが、困るだろ」
「まぁ、戸惑いはするでしょうね。でも、陛下に対する気持ちとは違ったとしても、ユキ様はトーヤのことだって大事に思ってる。少なくとも、私が見てる分にはそう思うけど?」
返す言葉が見つからなくて、俺はただリサの目を見つめていた。
きっと、あの二人が旅行から帰ってきたら、前にも増して二人が心から深く繋がっていることを思い知らされるだろう。その姿を受け止められる自信が、俺には無かった。
でも、リサに言われた言葉を思い返して、自分の気持ちに少し整理が着きそうな気がした。
「……ありがとな、リサ」
「こちらこそ。カフェオレ、おかわりしちゃったし」
「いつの間に!?」
0
お気に入りに追加
284
あなたにおすすめの小説
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
逃げるための後宮行きでしたが、なぜか奴が皇帝になっていました
吉高 花
恋愛
◆転生&ループの中華風ファンタジー◆
第15回恋愛小説大賞「中華・後宮ラブ賞」受賞しました!ありがとうございます!
かつて散々腐れ縁だったあいつが「俺たち、もし三十になってもお互いに独身だったら、結婚するか」
なんてことを言ったから、私は密かに三十になるのを待っていた。でもそんな私たちは、仲良く一緒にトラックに轢かれてしまった。
そして転生しても奴を忘れられなかった私は、ある日奴が綺麗なお嫁さんと仲良く微笑み合っている場面を見てしまう。
なにあれ! 許せん! 私も別の男と幸せになってやる!
しかしそんな決意もむなしく私はまた、今度は馬車に轢かれて逝ってしまう。
そして二度目。なんと今度は最後の人生をループした。ならば今度は前の記憶をフルに使って今度こそ幸せになってやる!
しかし私は気づいてしまった。このままでは、また奴の幸せな姿を見ることになるのでは?
それは嫌だ絶対に嫌だ。そうだ! 後宮に行ってしまえば、奴とは会わずにすむじゃない!
そうして私は意気揚々と、女官として後宮に潜り込んだのだった。
奴が、今世では皇帝になっているとも知らずに。
※タイトル試行錯誤中なのでたまに変わります。最初のタイトルは「ループの二度目は後宮で ~逃げるための後宮でしたが、なぜか奴が皇帝になっていました~」
※設定は架空なので史実には基づいて「おりません」
【R18】出来損ないの魔女なので殿下の溺愛はお断りしたいのですが!? 気づいたら女子力高めな俺様王子の寵姫の座に収まっていました
深石千尋
恋愛
バーベナはエアネルス王国の三大公爵グロー家の娘にもかかわらず、生まれながらに魔女としての資質が低く、家族や使用人たちから『出来損ない』と呼ばれ虐げられる毎日を送っていた。
そんな中成人を迎えたある日、王族に匹敵するほどの魔力が覚醒してしまう。
今さらみんなから認められたいと思わないバーベナは、自由な外国暮らしを夢見て能力を隠すことを決意する。
ところが、ひょんなことから立太子を間近に控えたディアルムド王子にその力がバレて――
「手短に言いましょう。俺の妃になってください」
なんと求婚される事態に発展!! 断っても断ってもディアルムドのアタックは止まらない。
おまけに偉そうな王子様の、なぜか女子力高めなアプローチにバーベナのドキドキも止まらない!?
やむにやまれぬ事情から条件つきで求婚を受け入れるバーベナだが、結婚は形だけにとどまらず――!?
ただの契約妃のつもりでいた、自分に自信のないチートな女の子 × ハナから別れるつもりなんてない、女子力高めな俺様王子
────────────────────
○Rシーンには※マークあり
○他サイトでも公開中
────────────────────
冷徹御曹司と極上の一夜に溺れたら愛を孕みました
せいとも
恋愛
旧題:運命の一夜と愛の結晶〜裏切られた絶望がもたらす奇跡〜
神楽坂グループ傘下『田崎ホールディングス』の創業50周年パーティーが開催された。
舞台で挨拶するのは、専務の田崎悠太だ。
専務の秘書で彼女の月島さくらは、会場で挨拶を聞いていた。
そこで、今の瞬間まで彼氏だと思っていた悠太の口から、別の女性との婚約が発表された。
さくらは、訳が分からずショックを受け会場を後にする。
その様子を見ていたのが、神楽坂グループの御曹司で、社長の怜だった。
海外出張から一時帰国して、パーティーに出席していたのだ。
会場から出たさくらを追いかけ、忘れさせてやると一夜の関係をもつ。
一生をさくらと共にしようと考えていた怜と、怜とは一夜の関係だと割り切り前に進むさくらとの、長い長いすれ違いが始まる。
再会の日は……。
後宮の棘
香月みまり
キャラ文芸
蔑ろにされ婚期をのがした25歳皇女がついに輿入り!相手は敵国の禁軍将軍。冷めた姫vs堅物男のチグハグな夫婦は帝国内の騒乱に巻き込まれていく。
☆完結しました☆
スピンオフ「孤児が皇后陛下と呼ばれるまで」の進捗と合わせて番外編を不定期に公開していきます。
第13回ファンタジー大賞特別賞受賞!
ありがとうございました!!
【完結】冷酷眼鏡とウワサされる副騎士団長様が、一直線に溺愛してきますっ!
楠結衣
恋愛
触ると人の心の声が聞こえてしまう聖女リリアンは、冷酷と噂の副騎士団長のアルバート様に触ってしまう。
(リリアン嬢、かわいい……。耳も小さくて、かわいい。リリアン嬢の耳、舐めたら甘そうだな……いや寧ろ齧りたい……)
遠くで見かけるだけだったアルバート様の思わぬ声にリリアンは激しく動揺してしまう。きっと聞き間違えだったと結論付けた筈が、聖女の試験で必須な魔物についてアルバート様から勉強を教わることに──!
(かわいい、好きです、愛してます)
(誰にも見せたくない。執務室から出さなくてもいいですよね?)
二人きりの勉強会。アルバート様に触らないように気をつけているのに、リリアンのうっかりで毎回触れられてしまう。甘すぎる声にリリアンのドキドキが止まらない!
ところが、ある日、リリアンはアルバート様の声にうっかり反応してしまう。
(まさか。もしかして、心の声が聞こえている?)
リリアンの秘密を知ったアルバート様はどうなる?
二人の恋の結末はどうなっちゃうの?!
心の声が聞こえる聖女リリアンと変態あまあまな声がダダ漏れなアルバート様の、甘すぎるハッピーエンドラブストーリー。
✳︎表紙イラストは、さらさらしるな。様の作品です。
✳︎小説家になろうにも投稿しています♪
婚約破棄された検品令嬢ですが、冷酷辺境伯の子を身籠りました。 でも本当はお優しい方で毎日幸せです
青空あかな
恋愛
旧題:「荷物検査など誰でもできる」と婚約破棄された検品令嬢ですが、極悪非道な辺境伯の子を身籠りました。でも本当はお優しい方で毎日心が癒されています
チェック男爵家長女のキュリティは、貴重な闇魔法の解呪師として王宮で荷物検査の仕事をしていた。
しかし、ある日突然婚約破棄されてしまう。
婚約者である伯爵家嫡男から、キュリティの義妹が好きになったと言われたのだ。
さらには、婚約者の権力によって検査係の仕事まで義妹に奪われる。
失意の中、キュリティは辺境へ向かうと、極悪非道と噂される辺境伯が魔法実験を行っていた。
目立たず通り過ぎようとしたが、魔法事故が起きて辺境伯の子を身ごもってしまう。
二人は形式上の夫婦となるが、辺境伯は存外優しい人でキュリティは温かい日々に心を癒されていく。
一方、義妹は仕事でミスばかり。
闇魔法を解呪することはおろか見破ることさえできない。
挙句の果てには、闇魔法に呪われた荷物を王宮内に入れてしまう――。
※おかげさまでHOTランキング1位になりました! ありがとうございます!
※ノベマ!様で短編版を掲載中でございます。
皇帝陛下は皇妃を可愛がる~俺の可愛いお嫁さん、今日もいっぱい乱れてね?~
一ノ瀬 彩音
恋愛
ある国の皇帝である主人公は、とある理由から妻となったヒロインに毎日のように夜伽を命じる。
だが、彼女は恥ずかしいのか、いつも顔を真っ赤にして拒むのだ。
そんなある日、彼女はついに自分から求めるようになるのだが……。
※この物語はフィクションです。
R18作品ですので性描写など苦手なお方や未成年のお方はご遠慮下さい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる