上 下
32 / 66

スッキリしない気持ち

しおりを挟む

 リリーラは朝から胸がモヤモヤしていた。

 庭を散歩しても お茶を飲んでも ティアラと遊んでも どうも気分が晴れない


「どうしたの?元気なさそうじゃない?」
 ライアンがアッシュに呼び出され 一緒にやってきたセピアがリリーラに聞く


「いえ…そんなことないですよ
 セピア様 今日も会えてとっても嬉しいです」
 ちょっとぎごちない笑顔をセピアにかえす


「元気ならいいんだけど…
 私も2日続けて会えて嬉しいわ  
 でも 昨日も会ったのに アッシュ様 なんのご用事かしらね」


 朝ライアンがアッシュからの呼び出しが会ったとセピアに話していたらしい
「アッシュ様 今日はお忙しいらしく…
 昨夜でかけたようで 朝からお会いできてないんです…」


 いつもなら、一緒に朝食をとって1時間ほど散歩をするという生活をおくっていたが、今日は忙しくて 会えないらしいとアンナからリリーラは言われた


「リリーラちゃんが元気なかったのは 朝からアッシュ様に会えていないからなのね」
「い、いえ そんなことはないのですが…
 今日はアッシュ様お忙しいみたいなのですが 神獣はどんなお仕事をされるのですか?」


 セピアに図星をつかれ、リリーラは慌てて話題をかえた
「そうね…今日のライアンが呼び出された内容はわからないんだけど… 

 最近は…2つの国の国境問題で ちょっと揉めたけど 解決したし、その他は何もなく平和みたいよ。
 昔は大変だったみたいだけどね」


「昔どのようなことがあったのですか?」
「10年くらい前らしいけど 私もライアンに教えてもらったんだけど、神獣どうしで対立したみたい…アッシュ様とサリエルっていう狼の神獣とね」

「アッシュ様が戦ったのですか?」

 リリーラは驚いて 立ち上がた
 ふふっとセピアが笑う

「まぁ 落ち着いて…

 アッシュ様が守護する国の一つにサリエルの国が戦いを仕掛けてきたの
 2つの国は貿易で交流があったみたいなんだけど お金関係で揉めちゃって

 最初はアッシュ様も向こうの神獣も戦争にならないように 穏便に済ませようとしてたみたい

 でも ある時向こうの神獣が態度を変えて 一緒になって戦いはじめたの
 片方の神獣が戦争をはじめたら もう片方の神獣も参戦しないと 戦争は終わらないの…

 でね、アッシュ様が勝ったのよ
 相手の神獣は深手を追って 癒すために長い眠りにはいったみたいよ
 狼の神獣には 番がいないのよ…そこは可哀想よね…」


「狼さんには 番はいないんですね…」
 セピアは 頷く

「前話したと思うんだけど 何世代か前の狼の神獣が番を殺しちゃったの
 そこから生まれてないのよ 狼の神獣は…」


 リリーラはちょっと疑問に思ったことを聞いてみた
「神獣は…どう生まれるのですか?」
 あーとセピアは額を押さえながら詫びる


「そうそう 伝えてなかったわね
 アッシュ様にも ライアンにも両親はいるわ
 普通の人間よ
 アッシュ様のご両親はもうお亡くなりになられたみたいだけどね
 普通の人間から アッシュ様は竜の姿で ライアンは獅子の姿で生まれたみたいよ


 ライアンのお母様に聞いたけど それはそれはびっくりしたみたいよ
 子供を産んだと思ったら 竜とか獅子の姿なんだもの」

 セピアは また ふふっと笑って 紅茶を一口飲む

「神獣は大体人と同じくらいの寿命なの
 神獣が亡くなると すぐに人間界で新しい神獣が産まれるの
 そして 人間のご両親と共に城で生活されるのよ」
 

アッシュの執務室でみた 幼い頃の写真
 笑顔の幼いアッシュの隣で微笑んでいる大人2人 瞳も髪の色が違うので気にしていなかったのだが、あの人達がアッシュの両親だったかもしれないと リリーラは思った


♫♫♫♫♫♫♫♫♫♫♫♫♫♫♫♫♫♫♫♫♫
今日も読んでいただき ありがとうございました
明日も7時にUPいたします
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

竜王陛下の番……の妹様は、隣国で溺愛される

夕立悠理
恋愛
誰か。誰でもいいの。──わたしを、愛して。 物心着いた時から、アオリに与えられるもの全てが姉のお下がりだった。それでも良かった。家族はアオリを愛していると信じていたから。 けれど姉のスカーレットがこの国の竜王陛下である、レナルドに見初められて全てが変わる。誰も、アオリの名前を呼ぶものがいなくなったのだ。みんな、妹様、とアオリを呼ぶ。孤独に耐えかねたアオリは、隣国へと旅にでることにした。──そこで、自分の本当の運命が待っているとも、知らずに。 ※小説家になろう様にも投稿しています

【完結】365日後の花言葉

Ringo
恋愛
許せなかった。 幼い頃からの婚約者でもあり、誰よりも大好きで愛していたあなただからこそ。 あなたの裏切りを知った翌朝、私の元に届いたのはゼラニウムの花束。 “ごめんなさい” 言い訳もせず、拒絶し続ける私の元に通い続けるあなたの愛情を、私はもう一度信じてもいいの? ※勢いよく本編完結しまして、番外編ではイチャイチャするふたりのその後をお届けします。

異世界で狼に捕まりました。〜シングルマザーになったけど、子供たちが可愛いので幸せです〜

雪成
恋愛
そういえば、昔から男運が悪かった。 モラハラ彼氏から精神的に痛めつけられて、ちょっとだけ現実逃避したかっただけなんだ。現実逃避……のはずなのに、気付けばそこは獣人ありのファンタジーな異世界。 よくわからないけどモラハラ男からの解放万歳!むしろ戻るもんかと新たな世界で生き直すことを決めた私は、美形の狼獣人と恋に落ちた。 ーーなのに、信じていた相手の男が消えた‼︎ 身元も仕事も全部嘘⁉︎ しかもちょっと待って、私、彼の子を妊娠したかもしれない……。 まさか異世界転移した先で、また男で痛い目を見るとは思わなかった。 ※不快に思う描写があるかもしれませんので、閲覧は自己責任でお願いします。 ※『小説家になろう』にも掲載しています。

王命で泣く泣く番と決められ、婚姻後すぐに捨てられました。

ゆうぎり
恋愛
獣人の女の子は夢に見るのです。 自分を見つけ探し出してくれる番が現れるのを。 獣人王国の27歳の王太子が番探しを諦めました。 15歳の私は、まだ番に見つけてもらえる段階ではありませんでした。 しかし、王命で輿入れが決まりました。 泣く泣く運命の番を諦めたのです。 それなのに、それなのに……あんまりです。 ※ゆるゆる設定です。

口は禍の元・・・後悔する王様は王妃様を口説く

ひとみん
恋愛
王命で王太子アルヴィンとの結婚が決まってしまった美しいフィオナ。 逃走すら許さない周囲の鉄壁の護りに諦めた彼女は、偶然王太子の会話を聞いてしまう。 「跡継ぎができれば離縁してもかまわないだろう」「互いの不貞でも理由にすればいい」 誰がこんな奴とやってけるかっ!と怒り炸裂のフィオナ。子供が出来たら即離婚を胸に王太子に言い放った。 「必要最低限の夫婦生活で済ませたいと思います」 だが一目見てフィオナに惚れてしまったアルヴィン。 妻が初恋で絶対に別れたくない夫と、こんなクズ夫とすぐに別れたい妻とのすれ違いラブストーリー。 ご都合主義満載です!

皆で異世界転移したら、私だけがハブかれてイケメンに囲まれた

愛丸 リナ
恋愛
 少女は綺麗過ぎた。  整った顔、透き通るような金髪ロングと薄茶と灰色のオッドアイ……彼女はハーフだった。  最初は「可愛い」「綺麗」って言われてたよ?  でも、それは大きくなるにつれ、言われなくなってきて……いじめの対象になっちゃった。  クラス一斉に異世界へ転移した時、彼女だけは「醜女(しこめ)だから」と国外追放を言い渡されて……  たった一人で途方に暮れていた時、“彼ら”は現れた  それが後々あんな事になるなんて、その時の彼女は何も知らない ______________________________ ATTENTION 自己満小説満載 一話ずつ、出来上がり次第投稿 急亀更新急チーター更新だったり、不定期更新だったりする 文章が変な時があります 恋愛に発展するのはいつになるのかは、まだ未定 以上の事が大丈夫な方のみ、ゆっくりしていってください

ヤンデレお兄様に殺されたくないので、ブラコンやめます!(長編版)

夕立悠理
恋愛
──だって、好きでいてもしかたないもの。 ヴァイオレットは、思い出した。ここは、ロマンス小説の世界で、ヴァイオレットは義兄の恋人をいじめたあげくにヤンデレな義兄に殺される悪役令嬢だと。  って、むりむりむり。死ぬとかむりですから!  せっかく転生したんだし、魔法とか気ままに楽しみたいよね。ということで、ずっと好きだった恋心は封印し、ブラコンをやめることに。  新たな恋のお相手は、公爵令嬢なんだし、王子様とかどうかなー!?なんてうきうきわくわくしていると。  なんだかお兄様の様子がおかしい……? ※小説になろうさまでも掲載しています ※以前連載していたやつの長編版です

わたしを捨てた騎士様の末路

夜桜
恋愛
 令嬢エレナは、騎士フレンと婚約を交わしていた。  ある日、フレンはエレナに婚約破棄を言い渡す。その意外な理由にエレナは冷静に対処した。フレンの行動は全て筒抜けだったのだ。 ※連載

処理中です...