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シュートリア王国

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 リリーラは孤児であった。


 暖かいシュートリア王国に珍しく雪が積もった日、寂れた孤児院の前に リリーラは捨てられていた。
 
 リリーラは 珍しい、真っ白の髪と真っ白の瞳を持つ 少女だった。
 シュートリア王国は 黒い髪、黒い瞳をもつ人が大半だ。

 孤児院では その異質な容姿からいじめられ、常に孤独だった。


 
 リリーラの状況が少し変わったのは 6歳頃のことであった。

 シュートリア王国では、6歳になると 魔力の測定がある。

 神殿に行き、宝玉に触れると色によって 魔力が測定できる。
 宝玉の色は魔力なしは色が変わらず、黄色、青、赤、1番魔力があるのは銀色の順となっている。
 

シュートリア王族がもつ魔力は青。青は高い攻撃力を持っている。
リリーラは赤。赤は治癒力が高く、中々な希少な魔力を持っていた。




 
 シュートリアは大陸間での戦争に参加し、国王は 命に関わる傷を負い、何日も高熱が続いていた。
 ちょうどその時期に、癒しの力がある 赤色の魔力を持つリリーラが発見され、リリーラの魔力で 国王の状態は快方にむかった。
 
 赤の魔力を持つものは 普通は神殿に大切に守られて 囲われる。
 しかし、リリーラが国王の命を救った事を 王妃が気に入り、リリーラはシュートリアの王子ガイアスの婚約者となった。


 ガイアスはシュートリア王国の国民が持つ、黒髪、黒い瞳をもつ容姿であった。

 自分とは まるで正反対である容姿をもつ、リリーラを気味悪がり、婚約者とは扱おうとはしなかった。
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