一瞬だけ忘れていいですか？

ファル国

この世界の人々は２つに分かれ争っていた。



だがそれももう300年前の話。


今では交流が全くないものの温暖で住みやすいところにファル国
極寒で住みにくいとされているところフリュ国
を建て平和に暮らしていた。


そんな時、ファル国五大貴族の男は亡くなった。

「カシュ様……。」


当主が死んだことで当主と共に今までを歩み付き従う彼は途方に暮れていた。


「どうして……。」


当主と当主の奥様との間に子供は恵まれなかった。いくら貴族が重婚が認められるといっても頑として当主は愛人を作らなかった。そう、



当主には跡継ぎはいないのである。
彼は安らかに眠る当主を見て手に力をこめる……。


当主はすべてを犠牲にして国民のために力を尽くしてきたのに、







パラッ





「これはっ！」

当主が一番大切にしていた使用人である彼にあてた最期の手紙。






この1通の手紙から物語は動き出す。