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最強は騙される

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「そろそろ3年が経つ。軍から除隊したい。」

そう話すのは王国で最も強い少年。
戦闘力1位の主人公であるレイアである。


「とは言ってもね、レイア。君は王国最強の軍、ジャスティス軍の中枢にいる人物なんだよ。そう簡単にやめられないことくらいわかるだろう……。」

どうやらジャスティス軍の総帥が引き留めているようだ。


「ルールはルール。ナンバーズ(10番以内)に入れば何でも1つ願いを叶えられると言ったじゃないか。」

「叶えられないものもあると…」

「1位ならなんでもいいと言ってたのを忘れてないぞ。」


「っ…」

どうやら総帥よりレイアは1枚上手のようだ。


「っ、だがこのまま1位の身分証ではどこへ行っても提示を求められるぞ。偽造証がないと普通の生活は送れないぞ。」


「!?総帥、それは脅しか?」


「脅しではない。1つ言うことを聞いてくれたら3年後除隊して構わないし、偽の身分証も渡すさ。」


こうして彼は3年間、学園へ通い卒業したら除隊して良いという条件のもと入学することになったのだった……


「レイアにはまだ守りたい者がいない。幼少期、遊ぶという子供の当然の権利を私たちは奪ってしまった。これで市民を守る大切さを知ってくれるといいが……。」



そんな大人のエゴや偽善によって総帥、ひいては国民は本当に大切なものはなにか知ることになる……。
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