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物語は
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とにかく物語通りに進んだら大変なことになる。
先程のベルサーチ=バド=フォンデーテ。彼はこの世界で悪名をこれでもかと轟かせていて、知らぬ人はいない暴君王子。
我儘、暴君、王家特有の思慮深さを産まれる時に置いてきたであろう品性の欠片もない王太子である。
主人公のエルフィム=マクファードは王太子の婚約者として“選ばれてしまった”。
そこからこの物語の悲劇が始まる。
主人公のエルフィム君。実は公爵家の一人息子であり本来なら嫁に行く立場ではなく、嫁を貰う立場である。
ああ、私は先走りすぎてる、動揺してるみたいだ。
いつだって私は冷静だというのに……。
簡単に言おう。この物語の世界の主要人物エルフィム、ヴェルサーチこの両名は不遇も不遇である。
エルフィムはめちゃくちゃ優秀で次代の国王を支えるマクファード次期公爵として期待されていた。
だが、ヴェルサーチ殿下が王子が王太子になった時、余りにも出来損ないで許嫁が逃亡、婚約者候補も我先にと別の者と結婚し、相手がいなくなってしまった。
勿論、王様も黙って見てた訳でもない。多少見劣りのする家格が落ちるところや年齢が低いところの女性にも広げお相手を見つけるため遁走した。
だが、どこも無理であった。
王様が婚約者を躍起になって見つけるその頃に彼はグレて横暴な王太子となっていたから。
見つけてきた女性を存外に扱い、尊重しようとはしなかった。貴族の女性はそんな扱いをご両親、そして親戚からされたことはない。
皆が一瞬にして離れた。
そこで筆頭公爵であるマクファード家に泣きついた。
男で尚且つ優秀なエルフィムなら、公務も支えられるだろう、もし横暴な態度をとろうとも王家の次に偉い身分であり窘められるだろう。
万一、無体な扱いをしようが男である。
それこそ、大事には至らないだろうと。
現公爵、父に売られたエルフィムは毎日罵詈雑言を浴びされながら、何故かまだ決まらない次期公爵としての仕事と使い物にならない王太子がやるべき公務、王太子の婚約者がやる公務、王太子のお守りをやらされているのである。
女の少ない世界で2番目に偉い身分だというのに、男としての幸せな家庭を望めず。
自分が好きでもない男の女になるという未来を実の父に簡単に命じられた過去を背負いながら。
先程のベルサーチ=バド=フォンデーテ。彼はこの世界で悪名をこれでもかと轟かせていて、知らぬ人はいない暴君王子。
我儘、暴君、王家特有の思慮深さを産まれる時に置いてきたであろう品性の欠片もない王太子である。
主人公のエルフィム=マクファードは王太子の婚約者として“選ばれてしまった”。
そこからこの物語の悲劇が始まる。
主人公のエルフィム君。実は公爵家の一人息子であり本来なら嫁に行く立場ではなく、嫁を貰う立場である。
ああ、私は先走りすぎてる、動揺してるみたいだ。
いつだって私は冷静だというのに……。
簡単に言おう。この物語の世界の主要人物エルフィム、ヴェルサーチこの両名は不遇も不遇である。
エルフィムはめちゃくちゃ優秀で次代の国王を支えるマクファード次期公爵として期待されていた。
だが、ヴェルサーチ殿下が王子が王太子になった時、余りにも出来損ないで許嫁が逃亡、婚約者候補も我先にと別の者と結婚し、相手がいなくなってしまった。
勿論、王様も黙って見てた訳でもない。多少見劣りのする家格が落ちるところや年齢が低いところの女性にも広げお相手を見つけるため遁走した。
だが、どこも無理であった。
王様が婚約者を躍起になって見つけるその頃に彼はグレて横暴な王太子となっていたから。
見つけてきた女性を存外に扱い、尊重しようとはしなかった。貴族の女性はそんな扱いをご両親、そして親戚からされたことはない。
皆が一瞬にして離れた。
そこで筆頭公爵であるマクファード家に泣きついた。
男で尚且つ優秀なエルフィムなら、公務も支えられるだろう、もし横暴な態度をとろうとも王家の次に偉い身分であり窘められるだろう。
万一、無体な扱いをしようが男である。
それこそ、大事には至らないだろうと。
現公爵、父に売られたエルフィムは毎日罵詈雑言を浴びされながら、何故かまだ決まらない次期公爵としての仕事と使い物にならない王太子がやるべき公務、王太子の婚約者がやる公務、王太子のお守りをやらされているのである。
女の少ない世界で2番目に偉い身分だというのに、男としての幸せな家庭を望めず。
自分が好きでもない男の女になるという未来を実の父に簡単に命じられた過去を背負いながら。
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