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楼蘭妃の憂鬱

お仕置きされました ※

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「ローレンス。お前が望むものは、何でも与えよう。魔法の研究を続けたければ、世界中の書物とエルフの教師を。幻獣の研究ならば、彼らを直接招こう。決して退屈などさせない。私の愛しい妻」

 故国から皇国までは、陸路で半年の道のり。輿入れの際、夫は馬車の中で睦み合いながら、繰り返しそう言った。皇国は精霊の国。亜人と呼ばれるエルフ族やノーム族、龍人や神獣など、精霊の血を引いたり、半ば非物質的な種族が住まう国だ。幼い頃から一度まみえたいと願っていた、おとぎ話の中の不思議な存在たちと、実際触れ合い、共存できるなんて。私の胸は高鳴りっ放しだった。そしてそんな国に妻として迎えてくれる、レナードにも。

 だがしかし、蓋を開けてみれば。

「女公といささか距離が近すぎるのではないか、ローレンス」

 背後からのしかかられて、あの長大な肉棘ペニスをぐっちょぐっちょと突き入れられる。

「しょ♡、しょんな♡、ことッ♡、はっ♡、も♡、やぁっ♡」

 中程が太いそれは、みっちりと雄膣を圧迫し、柔らかな棘が胎内をザリザリと撫で回す。一度挿れられたら終わりだ。思考も舌もまともに回らない。かつて腸壁だったものはキュンキュンと夫に媚び、腰は彼のリズムに合わせて淫らに揺れ、貪欲に快楽を求める。ああ、またイぐッ…!!

「~~~~~!!!」

「ふふ。いやらしく媚びて。これでは、仕置きに、ならぬ、なッ!」

 レナードは私が達したのを見計らって、ぐいぐいと強い抽送を始める。

「い”やッ!!ら”めッ!!イ、イっでッ!!イっでッ!!イ”あああ!!!」

 精緻な刺繍の施された見事な龍袍ロンパオが、もう男として用を成さない私のザーメンで汚れて行く。彼の「仕置き」はどんどん激しさを増して、イボイボペニスがものすごい速さでずりゅずりゅと…

 あっ駄目っ、狂っちゃう…狂っちゃう!!狂っちゃう!!!

「ひァっ☆、イ°☆、イ°☆、や°ッ…☆」

 真っ白にチカチカする視界。大量に子種をぶち撒けられた後、間髪入れずに次のペニスがごちゅん!と突き入れられる。交互に繰り返される、終わりのない陵辱。ああ、また朝まで寝かせてもらえない。



 つまり、夫の言いたいことはこうだ。

 私がもっと魔法を学びたいと言うものだから、エルフの女公を講師として招いた。しかし私は故国で男子として育ち、それなりに女性経験もある。女公ならばおいそれと恋仲になることはなかろうが、間違いが起こらぬとも限らない。そう思うと気が気ではなかった、と。

「それもこれも、お前を愛するがゆえ」

 レナードは上機嫌で、ツヤッツヤのニッコニコだ。

「お前…」

 結局あの後、朝までどころか翌々日までぶっ通しで「仕置き」された。毎回こうだ。大体毎日朝まで抱き潰され、午後も近くなってようやく起き上がり、たまに客人を招いてほんの一刻二刻ほど会談をしては、夜にはこんな憂き目に遭う。

 確かに私は、この国に来て、故国ではまみえることの叶わない他種族や幻獣族と相対して、教えを乞い、議論を交わし、知見を深めることに、無上の喜びを感じている。正妃として丁重に遇され、夫の寵愛もめでたく、子にも恵まれ、この上なく幸せだ。セックスだって、信じられないくらい気持ちいい。

 だが、ものには限度というものがある。

 相手が女性ならば「女性経験があるから心配だ」。私の身体を作り替え、生殖能力を失くしたのはお前だ。しかも相手が男性ならば「不埒な目で見られたのでは」と称して、余計に苛烈な「仕置き」。お前が講師として招いておきながら、一体これは何の仕置きなのだ。

「結局お前がヤりたいだけだろう!」

「機嫌を直してくれ、我が妻。もうせぬゆえ」

「こないだも、もうしないって言った!」

 そう、毎回「もうしません」なのだ。そしてこれっぽっちも反省していない。その証拠に、今も私にべたべたとまとわり付き、ひたすら髪に口付けている。手癖の悪い手を胸元から差し込んで、乳首をこねこねとね回し、私が陥落するのを待っている。だが、今度という今度は許さない。

「気分が優れない。今日はこどもたちと休む」

 私はレナードの手を振り払い、続きの間へと退しりぞき、夫の部屋との間の扉に丈夫なかんぬきを掛ける。彼がその気になれば簡単にへし折ることが出来るが、せめてもの意思表示だ。私の部屋で控えていた女官は、親指を立ててウィンクした。これで少しは懲りるといい。



 次の来客の後。夫からの「仕置き」は止んだ。だがしかし、

「我が妻は、勉強熱心で誠に結構」

 ということで、今度は「ねぎらい」が始まった。そしてそれは、「仕置き」と寸分違わぬものだった。私は彼との結婚を、ちょっぴり後悔し始めている。
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