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第11部

第四章 炎と風の姫➄

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「……ジェイク」

 それは、数分前のことだった。
 おもむろに、コウタが神妙な声で親友の名を呼んだのだ。

「ん? どうした? コウタ?」

 リーゼたちの戦いを観戦していたジェイクが、コウタの方に視線を向けた。
 そして顔つきを変える。

「……どうした?」

 声色も変えて、再び親友に問う。
 コウタが、まるで戦場に立つような真剣な顔をしていたからだ。

「あれ、見える?」

 コウタは、リーゼの方を指差した。
 正確には、彼女の足元の地面辺りだ。

「……ん?」

 ジェイクは眉根を寄せた。
 コウタが指差す先。そこには何もないように見える。

「いや? 何もねえが?」

「……そう」

 そう呟き、今度はコウタが眉根を寄せた。

「……コウタ?」

 ジェイクが、再び親友に声を掛けた。
 コウタは両腕を組み、「う~ん」と唸った。

「そこまで危険ではないと思うけど、どうも嫌な予感がするんだ」

 一手、視線をアノースログ学園の生徒たちの方へと向けた。
 そこにいる黒髪の少女を見やる。
 ジェイクは、コウタの視線の先を追った。

「向こうの生徒会長さんと一緒にいた子だな。あの子になんかあんのか?」

「……確証は持てないんだけど……」

 コウタは、ジェイクの方に視線を向けた。

「ちょっと怪しい。ジェイク。少し探りを入れてきて欲しんだけど……」

「探りか?」ジェイクは首を傾げた。「別に構わねえが、コウタは行かねえのか?」

 ジェイクの問いかけに、コウタは「うん」と頷いた。

「ちょっと、リーゼが心配なんだ」

 コウタは、アンジェリカと激しい攻防を繰り広げるリーゼに目をやった。
 コウタの目で見ても、互角の戦いだ。
 だが、

「あと十二手」

 ポツリと呟く。

「多分、あと十二手で、リーゼはあの場所に足を踏み入れてしまう。多分、感じからして大変なことは起きないような気もするけど……」

 コウタは双眸を細めた。

「万が一もあるしね。ボクはリーゼの方に集中したい」

「……そっか」

 意味まではよく分からなかったが、コウタがリーゼを心配していることだけ分かった。
 コウタの危機察知能力は群を抜いている。動く理由としては充分だった。

「分かった。ちょいとあの嬢ちゃん……いや、もう一人いたな。あの嬢ちゃんたちに声を掛けてみるよ。けどよ、オレッち一人だと少し不自然だな」

 一手、ジェイクは近くの級友たちに声を掛けた。
 アノースログ学園の生徒たちと親睦を深めようぜという声掛けだ。
 クラスメートのシルバやフドウが、「おお!」「任せるでござる!」と乗り気になった。
 しかし、興奮気味の野郎だけではなんなので、他にも女生徒たちが数人付いてきてくれることになった。

「じゃあ、行ってくるよ」

「うん。頼むよ」

 コウタは、頼りになる親友を送り出した。
 これで、自分はリーゼと……彼女のことだけに集中できる。

(…………)

 コウタは、リーゼの戦闘に気を向けながら、黒髪の少女の方を見やった。

(確か、名前はシキモリさんか)

 双眸を、微かに細める。
 自分と同じ黒髪の少女。悪い子ではないと思う。
 ただ、不思議な感じもした。気配が凄く独特なのだ。
 それに――。

(あの。あの子が何かした途端、起こった)

 地面の一ヵ所だけ、紫色に光る現象。
 見たこともない不思議な現象だというのに、誰も……あの慎重なリーゼでさえ、気づいている様子はない。
 あの光が視えているのは、自分だけなのかもしれない。

(何なんだろう? 《黄道法》とかとは違う。《星神》の力とも違うような気がする)

 ――星霊を操る神秘の種族・《星神》。
 その一人であるアイリに、その能力を見せてもらったことがある。

『……コウタにだけだよ』

 そう告げて、普段は見せたくないはずの力を、アイリは見せてくれた。
 試しに、無から金のスプーンを創り出したことにも驚いたが、銀色に輝くアイリの髪がとても神秘的で、美しかったことを強く憶えている。

(似ているような気もするけど、やはり違う)

 コウタは、黒髪の少女を見据えた。
 すると、彼女もコウタの視線に気付いたようだ。
 こちらを、驚いたような顔――実際はほとんど無表情に近かったのだが、コウタには何故か彼女の感情が動いたことが分かった――で凝視している。

(やはり彼女が、あれを仕掛けたのか?)

 確証はないが、確信を得る。
 コウタが真っ直ぐ彼女を見つめていると、ジェイクたちが向こうに到着したようだ。
 親し気な様子で、黒髪の少女と、隣にいた水色の長い髪の少女の肩を掴んでいる。

(流石はジェイクだ)

 これで、少なくとも彼女たちの動きは抑えられた。
 コウタは、意識をリーゼにだけ向ける。
 リーゼたちの攻防は、すでに十手目まで進んでいた。
 アンジェリカの打ち込みを、リーゼが木剣で受け止める。

(……あと一手)

 コウタは双眸を鋭くした。
 そして、リーゼが強く地面を踏み込み、刺突を繰り出そうとする――が、

「―――え」

 リーゼの呟きが、ここまで聞こえてきたような気がした。
 彼女の渾身の刺突が、不自然な形で止まったのだ。
 まるで片足を誰かに掴まれたかのようだ。

(……そういう力か)

 それを見極めて、コウタは一歩踏み出した。


       ◆


(………え?)

 アンジェリカは目を剥いた。
 突然のリーゼの硬直に一番驚いたのは、実は彼女であった。
 まるで刺突の嵐。
 あれほど洗練されていたリーゼの攻撃が、突然、不自然な形で中断されたのだ。
 それも、恐らくは渾身の刺突が、だ。

 混乱する。
 混乱するのだが、アンジェリカの体は勝手に動いていた。

 リーゼの木剣を弾き、剣を振り上げたのだ。

(――マズい!)

 アンジェリカは焦る。
 リーゼに何か異変が起きたことは分かる。
 常ならば、アンジェリカも即座に戦闘を中断する。
 しかし、リーゼは強すぎた。
 実力が拮抗しすぎてしまったのである。この絶好の勝機に、騎士として鍛え上げられたアンジェリカの体は、反射的に動いてしまったのだ。

(と、止めないと!)

 撃ち出してしまった木剣を止めようとするが、一流の騎士ほど、思考よりも体の方が早く動いてしまうものだ。
 木剣は、リーゼの頭部へと、振り下ろされようとしていた。

(――ダ、ダメ!)

 リーゼの回避は間に合わない。
 その時だった。
 ――ガンッ!

「……………え」

 アンジェリカは目を剥いた。
 彼女の木剣が、短剣の鞘で受け止められたからだ。
 彼女の前には、温和な顔つきの少年がいた。
 一体、いつ割り込んだのか――。

「ここまでですね。コースウッド生徒会長」

 その少年は、言う。

「あ、あなたは?」

「ヒラサカです。リーゼの補佐の……」

 そう名乗って、少年は視線をリーゼの方へと向けた。

「大丈夫。リーゼ」

「は、はい」

 リーゼは頷いた。それから彼女は自分の右足を見やる。
 恐る恐る足を地面から離して……。

「……これは?」

 眉をひそめた。
 地面に足が張り付くような異常は見られない。
 コウタは、双眸を細めた。

「……やっぱり何かあったんだね」

「え? コウタさま?」

 リーゼが目を瞬かせると、

「おい! 邪魔すんなよ!」「折角のチャンスだったのに!」「助っ人なんて卑怯だぞ!」

 アノースログ学園の生徒たちが、次々と罵声を浴びさせた。彼らにしてみれば、自分たちの生徒会長の勝利の邪魔をされたのだ。不満が出てくるのも当然だろう。

「ふざけんなエリーズ!」「負けそうになったら中断か!」

 罵声は、かなり強い敵意も宿していた。
 一方、不快なのはエリーズ国側も同様だ。特にリーゼを信奉する《煌めく心の団ナイツ・オブ・ミューズ》の面々はリーゼを侮辱されたようで青筋を浮かべている。
 事実、罵声の中には、リーゼを侮辱するような声があった。

「――この卑怯モンのちっぱいが!」

 ――ブチンッ!
 一斉に何かが切れる音がした。

「――うっせえッ!」

 エリーズ国の生徒の一人が叫ぶ!

「そんなにデカいのがいいのか! そんな脂肪の塊がよ!」

 言って、アンジェリカを指差した。
 ビクッと体と胸を震わせて、アンジェリカは顔を強張らせた。
 思わず、自分の胸を両腕で隠してしまう。

「ふざけんじゃねえ!」「アンジェリカ会長の美の極致たるおっぱいに何を言うんだ!」

 アノースログ学園の生徒たちもブチ切れた。

「この悪しきちっぱい派が!」「何事も適度が良いんだよ! そんなことも分かんねえかクズどもが!」「大は小を兼ねるって知らねえのか!」

 生徒たち――特に、男子生徒たちが一歩前に踏み出した。
 両校の女生徒たちは、ゲスを見る眼差しを男子たちに向けている。一方、まさしく渦中にいるアンジェリカとリーゼは、互いに胸を両腕で隠して真っ赤になっていた。
 思わずコウタは頬を強張らせて、この場を管理している教師たちも「お、おい! 待てお前ら!」「やめるんだ! これは交流会だぞ!」「コースウッドのおっぱいは至宝」「否。レイハートのちっぱいこそが……」「落ち着け、お前たち! つうか、いま変な呟きがなかったか?」と、生徒たちを落ち着かせようとしていた。

「そもそもだ!」

 そんな中、一人の生徒の声が騒動を断ち切った。

「レイハートと互角程度で何を喜んでやがる! レイハートは次席だぞ!」

「………え?」

 その台詞に驚いたのは、アンジェリカだった。
 アノースログ学園の生徒たちも一瞬、言葉を失った。
 凪のようなその時に、アンジェリカはリーゼに問う。

「……あなた、その実力で次席なの?」

 少々信じられない思いで尋ねると、リーゼは「ええ」と頷いた。

「わたくしは第二学年の次席です。この学校の主席は……」

 言って、誇らしげに、コウタを紹介しようとした時だった。

「な、なんだありゃあ!」

 アノースログ学園の男子生徒の一人が声を張り上げた。
 彼は一つの方向を指差していた。
 全員がそっちに注目する。と、そこには――。

「………え?」

 アンジェリカが目を丸くする。
 フランと、アヤメも驚いた顔をしていた。
 なにせ、そこに居たのは、鋼の鎧を着込んだ人物だったからだ。
 それもニセージルを超える紫銀色の巨人だ。
 何故かヘルムに、ネコミミらしき突起物を備えた巨人は、いきなり注目を浴びて、ビクッとしたようだ。

『よ、予想以上に人が多いです……』

 ポツリと呟く。
 その声に、アンジェリカを筆頭に、アノースログ学園の生徒たちは愕然とした。

「「「お、女の子ッ!?」」」

 そのツッコミに巨人の少女は、再びビクッとしたが、

『あっ、コウタ』

 騒動の中心にコウタを見つけて、巨人の中にいる少女――メルティアはホッとした笑みを見えた。どれだけ人がいても、そこに彼がいるのなら大丈夫なのだ。
 人混みを避けるのと、コウタの傍に行くのとでは、当然ながら後者を選ぶ。

『すみません。少しどいてください』

 言って、近くにいた二人の男子生徒の頭を両手で掴んだ。

「ぎゃあ!?」「ひいイィ!?」

 両足を宙に浮かされた生徒たちが悲鳴を上げる。メルティアは彼らを脇にどけた。

『どいてください』

 再び、メルティアがそうお願いすると、人垣は、ザザザっと一気に割れた。
 メルティアは道を開けてくれた同級生たちに『ありがとうございます』と言って、グラウンドを、ズシンズシンと進んでいく。
 アンジェリカも含めて、アノースログ学園の生徒たちは唖然とするばかりだ。
 そうこうしている内に、メルティアはコウタの元に辿り着いた。

 頑張って一人でここまでやって来たのだ。
 メルティアとしては、コウタに褒めて欲しかったのだが……。

「あ、あなたが主席なのね!」

 唐突に、そんな声を掛けられた。
 アンジェリカの声だ。
 ……まあ、アンジェリカがそう叫んでも仕方がないだろう。
 なにせ、明らかに格の違う威圧感だ。
 しかし、メルティアにとっては『……はい?』と首を傾げる内容だった。
 アンジェリカは「むむむ」と唸った。

「確かに凄い迫力だわ。まさかリーゼ以外にもこんな子がいるなんて……」

「え、えっと、アンジュ……」

 流石に誤解がある。リーゼがフォローを入れようとした時だ。

「――今日はここまでだ!」

 教師の一人が叫んだ。

「エリーズ国側は教室に! アノースログ側はホテルに戻れ!」

 そう指示した。
 生徒たちは互いに顔を見合わせていたが、教師に誘導されてぞろぞろと動き始めた。
 アンジェリカは、その様子を一瞥して、

「今日はここまでね」

 アンジェリカは、リーゼに視線を向けた。

「リーゼ。良い試合だったわ。明日また会いましょう」

 と告げて、次にメルティアの方に目をやった。

「あなたともその時、話をしたいわね」

『え? わ、私とですか?』

 メルティアが困惑する。が、アンジェリカは構わない。

「ええ。ゆっくり話してみたいわね。それと……」

 アンジェリカは、最後にコウタを見やり、微笑んだ。

「ヒラサカ君だったわね。止めてくれてありがとう」

「……いえ」

 コウタも微笑んだ。

「どうやらハプニングがあったようですし」

「ええ。そうね。リーゼとは再試合をしたいところね」

「……ええ。そうですわね」

 リーゼも頷く。アンジェリカは「ありがとう」と呟くと、その場でスカートをたくし上げて優雅に一礼した。

「では。ごきげんよう」

 そう告げて、彼女はアノースログ学園一向に合流した。
 彼女の傍には、水色の髪の少女と、もう一人。

「………………」

 黒髪の少女の姿があった。
 彼女は一瞬だけコウタと視線を合わせたが、すぐに人の流れに紛れ込んでいった。
 コウタは静かに、その様子を窺っていた。
 ――と、

「よう。コウタ」

 ポンと肩を叩かれる。ジェイクだ。

「どうだ? あれで良かったのか?」

「うん。ありがとう。ジェイク」

 親友の問いかけに、コウタは頷く。ジェイクは双眸を細めた。

「そんで、何か分かったか?」

「……うん。少しはね」

 コウタは、もう一度だけ人の流れに目をやった。
 その中に消えてしまった黒髪の少女の姿を幻視する。
 そして――。

「……うん。そうだね」

 思わず、コウタは苦笑を浮かべた。

「どうやら、今回のイベントも一筋縄じゃいかないみたいだ」
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