上 下
494 / 499
第15部

第八章 二人の未来➄

しおりを挟む
「おい、おっさんよ」

 暗いVIPルームにて。
 アッシュは、隣に陣取るゴドーを睨みつけた。

「フォクス選手の《極光石》。もしかして、あれもてめえの仕業かよ?」

 ――S級 《星導石》である《極光石》。
 大国である皇国でも《極光石》の数はかなり限られている。
 いかに侯爵家の令嬢であっても、そうそう手に入れられる代物ではないのだ。
 仮に、あれを手に入れられるとしたら……。

「いかにも。その通りだ」

 両肘を背もたれにかけたゴドーが、ふてぶてしく告げる。

「あれは、シェーラ君の勝利を願って俺が用意したモノだ」

 ゴドーは、さらに言葉を続ける。

「それだけではないぞ。短期間ではあるが、彼女には戦闘の手ほどきもした。まあ、実際に訓練をしたのは、そこのラゴウだがな」

 言って、親指で背後に立つラゴウを指差すが、ラゴウ本人は無言だった。

「……なんでだ?」

 アッシュは表情を険しくしたまま、率直に尋ねる。

「裏組織の社長さまが、なんで彼女に加担する?」

 一拍おいて、

「まさか、彼女までお前の嫁だとか言い出す気じゃねえよな?」

 フォクス選手は、アッシュの目から見ても相当美しい女性である。
 同じ系統であるアリシアやミランシャ相手でも、見劣りしないほどの美女だ。
 それほどの美女ゆえに、この男の琴線に触れたのかもしれない。
 そもそも、準決勝において、彼女自身、そのようなことを匂わせていた。
 もしや、その相手とは、この男なのだろうか……。

「いや、違う」

 しかし、意外にもゴドーは否定してきた。

「確かにシェーラ君は魅力的だ。しかし、俺としては――」

 そこで、ゴドーはレナに目を向けた。
 アッシュの隣に座ったレナは「……う」と眉をしかめた。

「やはり、俺としてはおっぱい派なのだろうな。ミランシャのような例外もあるが、好みとしては大きいのに心奪われる。本大会では、スコラ選手とレナ選手が一押しだ」

 言って、邪悪なおっさんは、わしゃわしゃと片手の指を動かした。
 ゴドーの後ろで、ラゴウが深々と嘆息していた。

「……アッシュ」

 レナが、ギュッとアッシュの腕にしがみつく。

「このおっさん、何なんだ? なんか嫌だぞ」

 彼女は、ソファに座ってから、ずっとアッシュの腕にしがみついていた。
 怯える少女のように、決してアッシュから離れようとしない。
 恐らく、この部屋が息苦しいのだろう。
 なにせ、ゴドーにしろ、ラゴウにしろ、まごう事なき怪物だ。
 危険に鋭いレナにとっては、猛獣と一緒に檻の中にいるような気分なのだろう。

「……大丈夫だ」

 アッシュは苦笑いを浮かべつつ、レナの前髪に手をやった。
 レナが「……ん」と声を零して、少し目を細める。

「俺が傍にいる。このおっさんに好きにさせるつもりはねえ」

「……うん」

 レナは、こくんと頷いた。
 若すぎる見た目もあって、本当に少女のように見える。

「……ほほう」

 その様子を見て、ゴドーが興味深そうに呟く。

「なるほど。オトハだけではなく、レナ選手もすでに落としているようだな」

 ニヤリと笑う。

「ふむ。貴様は、傭兵になるような勝気な娘が好みなのか? 俺に似ているな。ふふ、貴様も、少しは自分の『本性』を受け入れるようになったか」

「……うっせえよ」

 アッシュは、眉間にしわを寄せた。

「俺のことはどうでもいい。それよりもフォクス選手のことだ。自分の女でもねえのに、なんで、てめえは彼女に力を貸してんだよ」

「ふむ。それはだな」

 ――ガギンッッ!
 互いの武器を交差させる二機に目をやって、ゴドーは告げる。

「すべては、シェーラ君が愛しい者と結ばれるため。彼女を、俺の友――アランの花嫁にするために手を貸したのだ」

 一拍の間。

「………………は?」

 アッシュは、キョトンとした。

「は? アラン? いや、確かその名前は……」

「うむ。その通りだ」

 ゴドーは、舞台で戦う白い機体の方に目をやった。

「アラン=フラム。俺の友であり、サーシャちゃんの父親だ。そう」

 ゴドーは舞台に掲げるように、グッと拳を固めた。

「この決勝戦は、奇しくも、未来の継母と、義理の娘の戦いなのだ」

「――おォい!? 待てェ!?」

 流石にアッシュも、手を突き出してツッコんだ。

「待て待ておっさん! サーシャの親父さんだって?」

 レナも驚き、パチパチと目を瞬かせている。

「いやいや、フォクスさんって確か二十歳だろ!?」

 出会ったことはないが、サーシャの父親は、ガハルドや目の前の男と同世代だと聞いている。ならば、四十代半ばぐらいのはずだ。

「年齢が違いすぎんだろ!? マジの話なのか!?」

「ふん。年齢がなんだ」

 そんなアッシュの動揺を、ゴドーは鼻で笑った。

「最も重要なのは、シェーラ君が本気でアランを愛していることだ。生涯を共にしたいほどにな。そして少なからず、アランもあの子を想っている」

「お、おう……」

 ゴドー相手に、珍しくアッシュは言い淀んだ。
 確かに、こればかりは二人の意志によるものだ。
 愛に年齢は関係ないのかもしれない。

「そんじゃあ、フォクスさんは、この大会で優勝したら、メットさんの親父さんと結婚する約束をしてんのか?」

「いや、残念ながら、そうではない」

 ゴドーは、かぶりを振った。

「その最初の一歩といったところだな。あとはシェーラ君の頑張り次第だ」

「……そうか」

 驚いた。
 確かに、これには驚いたが――。

「……そんで、てめえは二人のために力を貸した訳か」

 ――《黒陽社》の社長・ゴドー。
 かつて、アッシュの故郷を焼き払った組織を統べる男。
 今も人身売買を行っている輩の長である。
 疑いようもない外道だった。
 しかし、その外道な男も、身内には、随分とお優しいことである。
 そんなアッシュの心情に気付いたのか、ゴドーは「ふん」と鼻を鳴らした。

「犯罪組織の長であっても大切な者はいる。命の価値は平等ではない。俺にとって、アランとガハルドは、やはり友であり、特別なのだ。幸せを願って何が悪い」

「……そいつは、同感ではあるな」

 ――命の価値は平等ではない。
 それは、やはり一つの真理だろう。
 誰にとっても、愛しい者と、見知らぬ他人では価値が違うものだ。
 だが、それを奪った側の人間に言われる筋合いはない。

「……………」

 アッシュは、無言でゴドーを睨みつけた。
 隠そうともしない殺意が、部屋中を満たした。
 ラゴウが警戒するように、片眉を上げ、レナが微かに震えた。少し顔色が青ざめるが、それでもアッシュの腕を離さない。

「……アッシュ」

 ただ、不安の声だけは上げた。
 アッシュは、ハッとして、レナを一瞥した。
 男勝りな彼女が、今はとても怯えているように見える。

(……何してんだよ。俺は)

 アッシュは、小さく息を吐いた。
 守るべき者が、こんな近くにいるというのに何をしているのか。

「……悪りい。レナ」

 言って、彼女の頭に手を置いた。
 しかし、それだけでは、レナの不安は払拭されなかったようだ。
 少し理解する。レナは意外と怖がりなのだ。

(臆病なのも、傭兵には必要な素養だしな)

 ――危機を察知する。危険を警戒する。
 それは、ある意味、戦闘能力以上に傭兵に問われる資質だった。
 アッシュは目を細めると、彼女の頬に、そっと片手を添えた。
 レナは、ビクッと肩を震わせた。

「……大丈夫だ。レナ。心配すんな」

 アッシュは、彼女の頬をポンポンと軽く叩いた。

「お、おう」

 レナは、コクコクと頷いた。
 普段の勝気で元気なレナも魅力的だが、大人しい時の彼女にもまた別の魅力がある。
 何というか、無条件で守りたくなるようなオーラを出しているのである。
 実のところ、これはレナ自身、今まで一度も見せたことのない仕草でもあった。
 ここまで不安になるのも、レナ自身初めての経験なのである。

(……むむむ)

 レナは内心で唸った。そんな自分の心境の変化に困惑しつつも、今は、ぎゅうっ、とアッシュの腕にしがみつく。

「……おお」

 そんなレナの仕草に、ゴドーは感嘆の声を上げた。

「現役の傭兵の娘と聞いて、オトハ以上に勝気なイメージがあったのだが、これはこれで男心をくすぐるな。う~む、これは、さぞかし夜は甘えん坊ではないのか? そこんところはどうなのだ? 《双金葬守》よ」

「……マジでうっせえよ」

 アッシュは心底うんざりした様子で、そう返した。
 それから、レナをゴドーの視線から守りつつ、アッシュは舞台に目をやった。

「それよりも、決勝戦だろうが。わざわざ、そのために俺を呼んだんだろう」

 言って、アッシュは白い鎧機兵に目にやった。
 紫色の鎧機兵の猛攻を必死に凌ぐ、愛弟子の愛機を見据える。

「てめえが望んでんのは、要は『代理戦』の見物ってことだろう。てめえが加担したフォクス選手か。それとも俺の愛弟子か」

 一拍おいて、アッシュは告げる。

「どちらが勝つか。その決着を見届けるためによ」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

外れ婚約者とは言わせない! 〜年下婚約者様はトカゲかと思ったら最強のドラゴンでした〜

秋月真鳥
恋愛
 獣の本性を持つものが重用される獣国ハリカリの公爵家の令嬢、アイラには獣の本性がない。  アイラを出来損ないと周囲は言うが、両親と弟はアイラを愛してくれている。  アイラが8歳のときに、もう一つの公爵家で生まれたマウリとミルヴァの双子の本性はトカゲで、二人を産んだ後母親は体調を崩して寝込んでいた。  トカゲの双子を父親は冷遇し、妾腹の子どもに家を継がせるために追放しようとする。  アイラは両親に頼んで、マウリを婚約者として、ミルヴァと共に自分のお屋敷に連れて帰る。  本性が本当は最強のドラゴンだったマウリとミルヴァ。  二人を元の領地に戻すために、酷い父親をザマァして、後継者の地位を取り戻す物語。 ※毎日更新です! ※一章はざまぁ、二章からほのぼのになります。 ※四章まで書き上げています。 ※小説家になろうサイト様でも投稿しています。 表紙は、ひかげそうし様に描いていただきました。

地上最強ヤンキーの転生先は底辺魔力の下級貴族だった件

フランジュ
ファンタジー
地区最強のヤンキー・北条慎吾は死後、不思議な力で転生する。 だが転生先は底辺魔力の下級貴族だった!? 体も弱く、魔力も低いアルフィス・ハートルとして生まれ変わった北条慎吾は気合と根性で魔力差をひっくり返し、この世界で最強と言われる"火の王"に挑むため成長を遂げていく。

婚約解消して次期辺境伯に嫁いでみた

cyaru
恋愛
一目惚れで婚約を申し込まれたキュレット伯爵家のソシャリー。 お相手はボラツク侯爵家の次期当主ケイン。眉目秀麗でこれまで数多くの縁談が女性側から持ち込まれてきたがケインは女性には興味がないようで18歳になっても婚約者は今までいなかった。 婚約をした時は良かったのだが、問題は1か月に起きた。 過去にボラツク侯爵家から放逐された侯爵の妹が亡くなった。放っておけばいいのに侯爵は簡素な葬儀も行ったのだが、亡くなった妹の娘が牧師と共にやってきた。若い頃の妹にそっくりな娘はロザリア。 ボラツク侯爵家はロザリアを引き取り面倒を見ることを決定した。 婚約の時にはなかったがロザリアが独り立ちできる状態までが期間。 明らかにソシャリーが嫁げば、ロザリアがもれなくついてくる。 「マジか…」ソシャリーは心から遠慮したいと願う。 そして婚約者同士の距離を縮め、お互いの考えを語り合う場が月に数回設けられるようになったが、全てにもれなくロザリアがついてくる。 茶会に観劇、誕生日の贈り物もロザリアに買ったものを譲ってあげると謎の善意を押し売り。夜会もケインがエスコートしダンスを踊るのはロザリア。 幾度となく抗議を受け、ケインは考えを改めると誓ってくれたが本当に考えを改めたのか。改めていれば婚約は継続、そうでなければ解消だがソシャリーも年齢的に次を決めておかないと家のお荷物になってしまう。 「こちらは嫁いでくれるならそれに越したことはない」と父が用意をしてくれたのは「自分の責任なので面倒を見ている子の数は35」という次期辺境伯だった?! ★↑例の如く恐ろしく省略してます。 ★9月14日投稿開始、完結は9月16日です。 ★コメントの返信は遅いです。 ★タグが勝手すぎる!と思う方。ごめんなさい。検索してもヒットしないよう工夫してます。 ♡注意事項~この話を読む前に~♡ ※異世界を舞台にした創作話です。時代設定なし、史実に基づいた話ではありません。【妄想史であり世界史ではない】事をご理解ください。登場人物、場所全て架空です。 ※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義なのでリアルな世界の常識と混同されないようお願いします。 ※心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。 ※価値観や言葉使いなど現実世界とは異なります(似てるモノ、同じものもあります) ※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。 ※話の基幹、伏線に関わる文言についてのご指摘は申し訳ないですが受けられません

愛されていないはずの婚約者に「貴方に愛されることなど望んでいませんわ」と申し上げたら溺愛されました

海咲雪
恋愛
「セレア、もう一度言う。私はセレアを愛している」 「どうやら、私の愛は伝わっていなかったらしい。これからは思う存分セレアを愛でることにしよう」 「他の男を愛することは婚約者の私が一切認めない。君が愛を注いでいいのも愛を注がれていいのも私だけだ」 貴方が愛しているのはあの男爵令嬢でしょう・・・? 何故、私を愛するふりをするのですか? [登場人物] セレア・シャルロット・・・伯爵令嬢。ノア・ヴィアーズの婚約者。ノアのことを建前ではなく本当に愛している。  × ノア・ヴィアーズ・・・王族。セレア・シャルロットの婚約者。 リア・セルナード・・・男爵令嬢。ノア・ヴィアーズと恋仲であると噂が立っている。 アレン・シールベルト・・・伯爵家の一人息子。セレアとは幼い頃から仲が良い友達。実はセレアのことを・・・?

王太子様には優秀な妹の方がお似合いですから、いつまでも私にこだわる必要なんてありませんよ?

木山楽斗
恋愛
公爵令嬢であるラルリアは、優秀な妹に比べて平凡な人間であった。 これといって秀でた点がない彼女は、いつも妹と比較されて、時には罵倒されていたのである。 しかしそんなラルリアはある時、王太子の婚約者に選ばれた。 それに誰よりも驚いたのは、彼女自身である。仮に公爵家と王家の婚約がなされるとしても、その対象となるのは妹だと思っていたからだ。 事実として、社交界ではその婚約は非難されていた。 妹の方を王家に嫁がせる方が有益であると、有力者達は考えていたのだ。 故にラルリアも、婚約者である王太子アドルヴに婚約を変更するように進言した。しかし彼は、頑なにラルリアとの婚約を望んでいた。どうやらこの婚約自体、彼が提案したものであるようなのだ。

婚約も結婚も計画的に。

cyaru
恋愛
長年の婚約者だったルカシュとの関係が学園に入学してからおかしくなった。 忙しい、時間がないと学園に入って5年間はゆっくりと時間を取ることも出来なくなっていた。 原因はスピカという一人の女学生。 少し早めに貰った誕生日のプレゼントの髪留めのお礼を言おうと思ったのだが…。 「あ、もういい。無理だわ」 ベルルカ伯爵家のエステル17歳は空から落ちてきた鳩の糞に気持ちが切り替わった。 ついでに運命も切り替わった‥‥はずなのだが…。 ルカシュは婚約破棄になると知るや「アレは言葉のあやだ」「心を入れ替える」「愛しているのはエステルだけだ」と言い出し、「会ってくれるまで通い続ける」と屋敷にやって来る。 「こんなに足繁く来られるのにこの5年はなんだったの?!」エステルはルカシュの行動に更にキレる。 もうルカシュには気持ちもなく、どちらかと居言えば気持ち悪いとすら思うようになったエステルは父親に新しい婚約者を選んでくれと急かすがなかなか話が進まない。 そんな中「うちの息子、どうでしょう?」と声がかかった。 ルカシュと早く離れたいエステルはその話に飛びついた。 しかし…学園を退学してまで婚約した男性は隣国でも問題視されている自己肯定感が地を這う引き籠り侯爵子息だった。 ★↑例の如く恐ろしく省略してます。 ★8月22日投稿開始、完結は8月25日です。初日2話、2日目以降2時間おき公開(10:10~) ★コメントの返信は遅いです。 ★タグが勝手すぎる!と思う方。ごめんなさい。検索してもヒットしないよう工夫してます。 ♡注意事項~この話を読む前に~♡ ※異世界を舞台にした創作話です。時代設定なし、史実に基づいた話ではありません。【妄想史であり世界史ではない】事をご理解ください。登場人物、場所全て架空です。 ※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義なのでリアルな世界の常識と混同されないようお願いします。 ※心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。 ※価値観や言葉使いなど現実世界とは異なります(似てるモノ、同じものもあります) ※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。 ※話の基幹、伏線に関わる文言についてのご指摘は申し訳ないですが受けられません

World of Fantasia

神代 コウ
ファンタジー
ゲームでファンタジーをするのではなく、人がファンタジーできる世界、それがWorld of Fantasia(ワールド オブ ファンタジア)通称WoF。 世界のアクティブユーザー数が3000万人を超える人気VR MMO RPG。 圧倒的な自由度と多彩なクラス、そして成長し続けるNPC達のAI技術。 そこにはまるでファンタジーの世界で、新たな人生を送っているかのような感覚にすらなる魅力がある。 現実の世界で迷い・躓き・無駄な時間を過ごしてきた慎(しん)はゲーム中、あるバグに遭遇し気絶してしまう。彼はゲームの世界と現実の世界を行き来できるようになっていた。 2つの世界を行き来できる人物を狙う者。現実の世界に現れるゲームのモンスター。 世界的人気作WoFに起きている問題を探る、ユーザー達のファンタジア、ここに開演。

お荷物認定を受けてSSS級PTを追放されました。でも実は俺がいたからSSS級になれていたようです。

幌須 慶治
ファンタジー
S級冒険者PT『疾風の英雄』 電光石火の攻撃で凶悪なモンスターを次々討伐して瞬く間に最上級ランクまで上がった冒険者の夢を体現するPTである。 龍狩りの一閃ゲラートを筆頭に極炎のバーバラ、岩盤砕きガイル、地竜射抜くローラの4人の圧倒的な火力を以って凶悪モンスターを次々と打ち倒していく姿は冒険者どころか庶民の憧れを一身に集めていた。 そんな中で俺、ロイドはただの盾持ち兼荷物運びとして見られている。 盾持ちなのだからと他の4人が動く前に現地で相手の注意を引き、模擬戦の時は2対1での攻撃を受ける。 当然地味な役割なのだから居ても居なくても気にも留められずに居ないものとして扱われる。 今日もそうして地竜を討伐して、俺は1人後処理をしてからギルドに戻る。 ようやく帰り着いた頃には日も沈み酒場で祝杯を挙げる仲間たちに報酬を私に近づいた時にそれは起こる。 ニヤついた目をしたゲラートが言い放つ 「ロイド、お前役にたたなすぎるからクビな!」 全員の目と口が弧を描いたのが見えた。 一応毎日更新目指して、15話位で終わる予定です。 作品紹介に出てる人物、主人公以外重要じゃないのはご愛嬌() 15話で終わる気がしないので終わるまで延長します、脱線多くてごめんなさい 2020/7/26

処理中です...