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第14部

第一章 想いは変わらず④

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「さて。まずは鎧機兵のメンテナンスを依頼しにいこうか」

 宿屋の一階。
 酒場を兼ねた食堂で、キャスリンが言った。
 丸テーブルの上では、少し遅めの朝食が空になっていた。

「……メンテンスか」

 ホークスが、コーヒーを片手に反芻する。

「確かに、連戦が続いている。反対では、ないが……」

 双眸を細めた。

「この国の……技術力は、どのぐらい……なのだ?」

 この国――名前はアティス王国というらしい――は平和の国ということで有名らしい。
 セラ大陸は鎧機兵発祥の地だが、ここは大陸とは違う離島。その上、平和を謳うような牧歌的なこの国で、戦闘用の鎧機兵のメンテナンスなど可能なのだろうか。
 寡黙な彼は、言外でそう語っていた。
 すると、キャスリンが、

「う~ん、そうだね。お~い!」

 カウンターの方に向かって声を掛けた。
 店主がグラスを磨きつつ、視線をキャスリンに向けた。

「何か御用で? お客さん」

「この辺で腕のいい鎧機兵の職人って知らないかい? 戦闘用も扱えるって人」

 キャスリンがそう尋ねると、

「戦闘用ですか? それならどこの店でも扱っていますが……そうですね」

 店主はグラスを、コツンと置いた。

「実戦的なものなら……師匠のところがいいですかね」

「「「……師匠?」」」

 黙り込んでいたレナも含めて、全員が反芻する。
 店主は苦笑を浮かべた。

「この国の有名人ですよ。とんでもなく強い職人です」

「へえ。そんな凄い職人なんすか」

 と、ダインが感心した声を上げる。

「いえ。『凄い』んじゃなくて、『強い』んですが……」

 店主は、ポリポリと頬をかいた。

「腕も悪くはないという話ですね。師匠は何でも元騎士だったとか」

「へえ~」キャスリンが興味深そうに目を細める。「どんな人なんだい?」

「そうですねえ……」

 店主は、視線を遠くした。

「一言で言うと、とにかくモテる人ですね」

「……モテるんすか?」

 ダインが眉をひそめる。店主は頷いた。

「ええ。それも美女や美少女ばかり。私が知るだけでも五人、いや六人かな? 付き合っていると噂されている女性がいますね。王女さまとの噂が事実なら七人ですかね」

「うわっ、何だい、それ……」

 キャスリンが、不快そうに顔をしかめた。
 ダインとハークスも不愉快そうだ。レナは興味もなくコーヒーを呑んでいたが。

「もしかしてあれかい? 都落ちした元騎士が田舎で好き放題にしているって奴かい?」

 キャスリンが、そう尋ねる。
 それは、辺境ではよくある話だった。
 都会ではレベルが低い扱いでも、場所が変われば高いと評価されることもある。
 あえて、自分よりもレベルが低い場所に下りて悦に入るという訳だ。
 その職人も、その類の輩かと思ったが……。

「いやいや。そうじゃないですよ」

 店主が、パタパタと手を振った。

「師匠は、結構生真面目な性格をしていますから。好き放題ってこともないですね。意外と気遣いの人ですよ。気さくで友人も多いですし。ですがまあ、仮に、あの師匠が思うがままに好き放題にしたら……」

 店主は、ブルっと体を震わせた。

「多分、国さえも落とせるんじゃないでしょうか……」

「いや、国落としって……」

 ダインは呆れた。

「それは言いすぎっすよ。どこの化け物っすか」

「はは、師匠なら、それぐらいやってのけるんじゃないかって思わせる人なんですよ。依頼とか関係なく一度会ってみるもいいですよ。彼自身が、すでにアティス王国の名物みたいになっていますから」

「ふ~ん……」

 キャスリンは、あごに指先を置いた。

「面白そうだね。その人。一度会いに行ってみようか。団長」

 と、レナに尋ねるが、

「好きにしろよ。キャスに任せるよ」

 レナは素っ気ない態度で丸投げするだけだった。落ち込んでいることもあるが、無理やりバカンスに連れてきたことで少し拗ねているようだ。
 キャスリンは苦笑した。

「分かったよ。その人もメンテナンスの候補に入れておこう。もう少し情報を集めてから決めてもいいしね」


 そうして、三十分後。
 四人は、街外れの停留所にいた。
 あの後、市街区で情報収集した結果、誰もが『師匠』の名を出したため、依頼してみようということに決めたのだ。
 四人は、田畑が広がる牧歌的な光景の中を歩いていた。

「ふむ」

 キャスリンが、皮肉気に口角を崩した。

「噂に聞くハーレム君は、こんな田舎に住んでいるんだね」

「田舎だからじゃないっすか? むしろ好き勝手できるでしょうし」

 ダインも、皮肉気に笑った。
 街で聞いた『師匠』の噂は凄いものだった。
 なにせ、その情報のほとんどが『強い』『モテる』の二つなのだから。
 ちなみに、肝心の職人としての腕に関しては、「ん? 別に悪くはねえんじゃねえ?」といった意見が多かった。

「まあ……一度、会って判断すれば、いいだろう。ここまで、名が……出ると、俺も、流石に、気になる……」

 と、ホークスが告げる。
 三人は『師匠』の店に行くことにした。レナは「好きにしろ」の一言だ。
 そうして四人は乗合馬車に乗って、街外れにまでやって来たのである。

「しっかし、本当に田舎だね。ここら辺は」

 額に手を当てて、周囲を見渡すキャスリン。
 周囲には田畑があり、家屋はまばら。遠くには街を囲む大きな壁が見える。
 まさに、絵にかいたような田舎だ。
 整地された市街区とは、全く別の街のように見える。
「こんな場所で儲かるのかね」と、キャスリンが呟いた時だった。

「――おっ! あそこみたいっすよ!」

 少し先行していたダインが叫ぶ。
 彼が指差す方向には、二階建ての店舗があった。
 周辺の他の家屋とは違う。一階が作業場ガレージになっているようだ。
 鎧機兵の店舗であることに間違いはないだろう。
 四人は、店の前にまで足を進めた。

「きっと、ここっすよ、ここ。街で言ってた元騎士がやってる店って」

 そう告げるダインに、キャスリンは皮肉気に返した。

「……はてさて。大丈夫かねえ、そんな落伍者みたいな職人で」

「まあ、こんなド田舎の国なら、どこの店だって似たようなもんっすよ。別に改造まで頼むって訳でもないっすから。きっと大丈夫っすよ」

 そう告げるダインも、少し苦笑していた。
 彼も内心では、あまり期待していないのだ。

「とりあえず、入るぞ……」

 ホークスが言う。三人は開かれた作業場ガレージ内へと歩を進めた。
 そんな中、レナだけは、何となく顔を上げた。
 そこには、この店の看板があった。
 そして――。

(……え)

 トクン、と。
 心が、震えた。
 何故なら、その看板には思いがけない名前が記載されていたからだ。

『クライン工房』

 レナが大きく目を見開く。と、

「いらっしゃい。クライン工房へようこそ」

 ドクン、と。
 今度は、激しく鼓動が高鳴った。
 あまりにも。
 それは、あまりにも懐かしい声だった。

「あ、店員さんっすか。いいっすか。鎧機兵のメンテナンスを頼みたいんすけど」

 と、ダインが応対している。
 店員であろうその青年は、にこやかな笑みを見せていた。

「ああ、任せてくれ。こう見えても鎧機兵のメンテナンスは――」

 と、そこで。
 その青年と、レナの視線は重なった。
 年齢は二十代前半か。
 黒い双眸と、毛先だけがわずかに黒い白髪が印象的な青年だ。
 身に纏っているのは白いつなぎ。やや痩身ではあるが、その肉体が恐ろしく鍛え上げられていることは、傭兵であるレナにはすぐに分かった。

(あ、ああ……)

 レナは、唖然として立ち尽くしていた。
 心臓の鼓動だけが、どんどん早くなっていく。
 髪の色が違う。身長や体格、顔立ちもあの頃とは少し違っていた。
 だけど分かる。自分には分かる。

 ――彼は、間違いなく……。

 すると、白髪の青年は少しだけ眉根を寄せた。
 彼を凝視するレナを、不思議に思ったのだろう。

「……団長?」

 その時、キャスリンが、レナに声を掛けてきた。
 けれど、レナには何も答えられない。

「ん? どうかしたんすか? 団長?」

 と、ダインも声を掛けてきた。
 ホークスも言葉にはしないが、疑問に思っているようだ。
 レナの鼓動は、もう限界まで跳ね上がっていた。
 そして――。

トウ・・……?」

 ポツリ、と彼の名を呟く。
 青年は「え……」と呟き、大きく目を瞠った。
 それは、いきなり名前を呼ばれて驚いた顔だった。
 彼の表情を見た途端、レナの瞳から、ボロボロと涙が零れ落ちてきた。

「ふえええ……」

 次いで、声まで溢れ始める。
 もう、感情を抑えることが出来なかった。

「ふええええええええええええええええええええええええェェェん!」

「え?」「だ、団長?」「どうした……?」

 仲間たちがギョッとする。

「お、お客さん……?」

 青年もまた困惑していた。
 昔、あの村で過ごした時に、彼が何度も見せていた表情だ。
 レナは、もう我慢できなかった。

「トウヤああ! トウヤあああぁあ!」

 彼の名を叫んで、青年の首に飛びついた。
 青年はかなり驚いていたようだが、身長差から足が浮いてしまうレナを気遣い、腰を支えてくれた。あの日と同じように。

「うあああああ……」

 レナの瞳から、涙が溢れ出てくる。

「よかったああ! やっぱり! やっぱり生きてたんだあああ!」

 青年はまだ困惑しつつも、彼女が落ちないように抱きしめた。
 こうして。
 彼ら二人は、ようやく再会を果たしたのであった。
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