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幸せな思い出、そして
第74話 君は観客じゃない
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すぐに出ていきたい気持ちもあったけれど、その内容は、私の衝動を押さえた。
避けられているかも、とは感じていた。けど、気のせいだと思っていた。彼は私とも、九十九くんとも、ちゃんと話してくれるから。だけど。
「例の、妙なテーマの雑談か」
「『今日の禅問答のコーナー』だね」
「……なんだそれは」
「あれ? 聞いてない? 人見さんはそう呼んでるんだって。君の返しが変に深いものだからって」
距離があるのに、九十九くんの呆れたようなため息が聞こえた気がした。
そう。体育祭が終わったくらいからだろうか。進藤くんは、私と九十九くんがセットのところにはあまり来なくなった。
それどころか、九十九くんと二人で何か会話しているところに私が混ざろうとすると、自然に会話を打ち切ってどこかへ行ってしまう。
こっそり二人の会話を盗み聞きするような形になると、クラスメイトたちからストーカー疑惑を持ち上げられてしまうと私は学んだ。
なので、積極的に話しかけていくよう気をつけるようになったのだけれど、その結果があれだったので結局すぐにこっそり聞くスタイルに戻ってしまったのだ。
やはり、意図的に、私の前で『今日の禅問答のコーナー』を開かないようにしていたのだろうか。
「俺を気遣っているなら、そんなものはいらない」
「そうもいかないさ。それに、君だけを心配しているわけじゃない」
こうして聞くまで、全く気が付かなかった。私は知らないうちに、彼に心配をかけてしまっていたらしい。
「あいつなら、むしろ喜んでると思うが」
「だからだよ」
九十九くんに盗み聞きで彼のことを知ろうとして喜んでいるのを見抜かれているのも大概恥ずかしいのだけれど、それ以上に、それを進藤くんに心配されているとは思っていなかった。
真咲ちゃんや結季ちゃんには、奇行に走る友人の将来や如何に、みたいな心配のされ方をされているけれど、進藤くんはむしろ面白がっていると思っていたから。
「僕はね、人見さんほど純粋な人を見たことがない」
いきなり予想外の評価が飛んでくる。思わず漏れそうになった声を抑えられたことを、誰か褒めて欲しい。
「まあ、わからなくはない」
九十九くんも、なんで同意するのだろう。そんなことはないと思う。
一人であたふたと慌てていると、バレちゃうから、と先輩に窘められる。そんなこちらを顧みず、会話は進んでいく。
「そりゃあね。君が分からないはずはない。彼女は誰よりも、君の言葉を真っ直ぐ吸収しているんだから」
「俺だけじゃ、ないだろ」
「だろうね。だけど、君は他と一線を画している。自覚はないかい?」
九十九くんの言葉が止まる。それが肯定なのかどうか、私には分からない。でも私には、自覚がある。彼のくれた言葉が、私の特別である自覚が。
「僕の目が曇っているのでなければね、ときどき、盲信の域にある気がするんだ」
「それで、あいつが俺の言う事を真に受けすぎることを心配してるのか」
「実際に、倒れたこともあるしね」
体育祭のとき。でも、あれは。
「あれは、お前のせいじゃないだろ」
「直接的にはね。でも気がついていたでしょ? あの時、彼女は君との距離感を掴めずにいたことを」
その結果が、私の無茶に繋がった。進藤くんの主張は、きっとそういうことだ。
「それが、俺とお前の会話のせいだと?」
「さあね。そればかりは、僕にはなんとも」
違う、と思った。あの時は二人の会話じゃなくて、お昼休みの、女子会の会話がきっかけで。
そう思ったけれど、よく思い返せば、その時に私が思考の軸にしたのは、五月に進藤くんが九十九くんに聞いた、好きな異性のタイプの質問の答えだった。
彼らのせいだと言うつもりも勿論ないけれど、彼らの会話は私が倒れたこととは全く関係ない、とは、私には言えない。
「でもね、たまたまあの時のが関係なかったとしても同じことさ。文化祭のときなんか顕著だった。彼女は君の言葉を受けて、次々に行動が変化していく」
それは、確かにそうだった。でも、良いことだけでもなかったけれど、私はそれが誇らしかった。
「そして次は、君の番だ。彼女の変化を受けて、君も変化する。君が、自分のしたことで生まれた人の変化から、目を逸らせるはずがないからね」
それも、きっと確かなことだ。でも、私はそれが、嬉しかった。私のしたことが、彼の心の一部になってくれたことが。
「人と関わるって、そういうことだろう」
そうだ。だから、それらはきっと、悪いことじゃない。私と彼が繋がっていて、一緒に生きていることの、何よりの証明であるはずだ。
「そうだね。だから、それが悪いって言ってるわけじゃないさ。むしろ、良い変化の方が多いと思う。ただね、ハジメ。僕は怖いんだ」
「何がだ」
「僕のしたことの、影響がだよ」
その言葉を聞いて、ようやく彼が何を言いたいのか、わかった気がした。
「君の人間性を掘り下げて、人見さんの前に明らめて、それが人見さんにどれほどの変化をもたらすのか。その変化が、君にどれほどの変化をもたらすのか。その結果、君たちがどうなるのか。分からないのが、怖い。だって、そうだろう?」
進藤くん。君は、私が思っているよりもずっと。ずっと、あの日の言葉を重く受け止めていたんだ。
「君が教えてくれたんだよ、ハジメ。君も、人見さんも、僕の人生の舞台装置なんかじゃないって」
君は今も、受け止めたその言葉の置きどころを、探しているんだね。
私はただ喜んでいた。九十九くんのことを深く知れるのを。彼と関係性を深めて、お互いに影響を与え合っていることを。それを心配してくれている人がいるだなんて、思っていなかった。
大丈夫だよ。嬉しかったよ。そう言いたいけれど、それが彼の心配や不安を取り除く言葉かどうか、分からなくて。
私は何を伝えるべきか迷ってしまったけれど、九十九くんは、驚くほど迷わなかった。
「馬鹿かお前は」
迷わなすぎて、こちらの方が驚いてしまったくらい。
「えっと、これでも結構真面目に話したんだけど」
「だからだろ」
九十九くんは、当然みたいに言う。
「俺たちがお前の人生の舞台装置じゃないからって、影響を与えないよう遠ざけて、自分から観客になってどうするんだ」
進藤くんが今どんな顔をしているのか、ここからでは見えないけれど、目を閉じれば、瞼の裏に浮かぶような気がした。
きっと私も今、同じような顔をしている。
「分からなくて怖いなら、知ろうとすればいい。無責任でいたくないのなら尚更、隣にいろよ」
私も、それがいい。進藤くんに、わがままを一つ言ってもいいのなら、そうしてくれたら、私は嬉しい。だって、私達の人生は、それぞれがそれぞれのものではあるけれど、それでも。
「俺達は今、同じ場所で生きてるだろ」
「……君にそんなことを言われる日が来るとは、思わなかったな」
「これも、どこかの誰かさんがくれた変化だ。……捨てたもんじゃないだろ」
ははははっ、と笑う進藤くんの声は、さっきまでの真面目くさったものではなく、もうすっかり、いつも通りだった。
どこかの誰かさんである私は、遠くを見つめる二人の背後にこっそり忍び寄って、九十九くんの頬に買ってきた飲み物を当てる。
「……おい」
ビクリと震えてから、怒った顔で九十九くんは振り返るけれど、顔だけで、本当に怒っているわけではない。それが分かるのも、彼とちゃんと関わってきた証だから。
「私も、九十九くんがくれた変化を大切に思っているよ。だから、大丈夫」
「やっぱり、バッチリ聞いてたね?」
「ふふ。ごめんね」
先輩も出てきて、進藤くんに飲み物を渡す。途中から話に集中しすぎて先輩のことを気にしていなかった。出てくるタイミングも私が勝手に決めてしまったが、大丈夫だっただろうか。
そう思って今更ながら様子を窺ってみるけれど、どうやら大丈夫そうだ。満足そうな顔で進藤くんがこぼす不満を聞き流している。
「そんなことより、そろそろ写真見せあおっか。園閉まっちゃう」
男子二人はやや不満げな顔をしていたが、こちらで勝手に始めてしまうと渋々といった様子で混ざってくれる。
私のお気に入りは、遊歩道の紅葉の下で九十九くんが撮ってくれた写真と、冬紗先輩が撮った囲炉裏にあたる九十九くんの写真だ。
いつの間にこんなものを、という顔をする九十九くんをよそに、私達は三人で盛り上がった。
避けられているかも、とは感じていた。けど、気のせいだと思っていた。彼は私とも、九十九くんとも、ちゃんと話してくれるから。だけど。
「例の、妙なテーマの雑談か」
「『今日の禅問答のコーナー』だね」
「……なんだそれは」
「あれ? 聞いてない? 人見さんはそう呼んでるんだって。君の返しが変に深いものだからって」
距離があるのに、九十九くんの呆れたようなため息が聞こえた気がした。
そう。体育祭が終わったくらいからだろうか。進藤くんは、私と九十九くんがセットのところにはあまり来なくなった。
それどころか、九十九くんと二人で何か会話しているところに私が混ざろうとすると、自然に会話を打ち切ってどこかへ行ってしまう。
こっそり二人の会話を盗み聞きするような形になると、クラスメイトたちからストーカー疑惑を持ち上げられてしまうと私は学んだ。
なので、積極的に話しかけていくよう気をつけるようになったのだけれど、その結果があれだったので結局すぐにこっそり聞くスタイルに戻ってしまったのだ。
やはり、意図的に、私の前で『今日の禅問答のコーナー』を開かないようにしていたのだろうか。
「俺を気遣っているなら、そんなものはいらない」
「そうもいかないさ。それに、君だけを心配しているわけじゃない」
こうして聞くまで、全く気が付かなかった。私は知らないうちに、彼に心配をかけてしまっていたらしい。
「あいつなら、むしろ喜んでると思うが」
「だからだよ」
九十九くんに盗み聞きで彼のことを知ろうとして喜んでいるのを見抜かれているのも大概恥ずかしいのだけれど、それ以上に、それを進藤くんに心配されているとは思っていなかった。
真咲ちゃんや結季ちゃんには、奇行に走る友人の将来や如何に、みたいな心配のされ方をされているけれど、進藤くんはむしろ面白がっていると思っていたから。
「僕はね、人見さんほど純粋な人を見たことがない」
いきなり予想外の評価が飛んでくる。思わず漏れそうになった声を抑えられたことを、誰か褒めて欲しい。
「まあ、わからなくはない」
九十九くんも、なんで同意するのだろう。そんなことはないと思う。
一人であたふたと慌てていると、バレちゃうから、と先輩に窘められる。そんなこちらを顧みず、会話は進んでいく。
「そりゃあね。君が分からないはずはない。彼女は誰よりも、君の言葉を真っ直ぐ吸収しているんだから」
「俺だけじゃ、ないだろ」
「だろうね。だけど、君は他と一線を画している。自覚はないかい?」
九十九くんの言葉が止まる。それが肯定なのかどうか、私には分からない。でも私には、自覚がある。彼のくれた言葉が、私の特別である自覚が。
「僕の目が曇っているのでなければね、ときどき、盲信の域にある気がするんだ」
「それで、あいつが俺の言う事を真に受けすぎることを心配してるのか」
「実際に、倒れたこともあるしね」
体育祭のとき。でも、あれは。
「あれは、お前のせいじゃないだろ」
「直接的にはね。でも気がついていたでしょ? あの時、彼女は君との距離感を掴めずにいたことを」
その結果が、私の無茶に繋がった。進藤くんの主張は、きっとそういうことだ。
「それが、俺とお前の会話のせいだと?」
「さあね。そればかりは、僕にはなんとも」
違う、と思った。あの時は二人の会話じゃなくて、お昼休みの、女子会の会話がきっかけで。
そう思ったけれど、よく思い返せば、その時に私が思考の軸にしたのは、五月に進藤くんが九十九くんに聞いた、好きな異性のタイプの質問の答えだった。
彼らのせいだと言うつもりも勿論ないけれど、彼らの会話は私が倒れたこととは全く関係ない、とは、私には言えない。
「でもね、たまたまあの時のが関係なかったとしても同じことさ。文化祭のときなんか顕著だった。彼女は君の言葉を受けて、次々に行動が変化していく」
それは、確かにそうだった。でも、良いことだけでもなかったけれど、私はそれが誇らしかった。
「そして次は、君の番だ。彼女の変化を受けて、君も変化する。君が、自分のしたことで生まれた人の変化から、目を逸らせるはずがないからね」
それも、きっと確かなことだ。でも、私はそれが、嬉しかった。私のしたことが、彼の心の一部になってくれたことが。
「人と関わるって、そういうことだろう」
そうだ。だから、それらはきっと、悪いことじゃない。私と彼が繋がっていて、一緒に生きていることの、何よりの証明であるはずだ。
「そうだね。だから、それが悪いって言ってるわけじゃないさ。むしろ、良い変化の方が多いと思う。ただね、ハジメ。僕は怖いんだ」
「何がだ」
「僕のしたことの、影響がだよ」
その言葉を聞いて、ようやく彼が何を言いたいのか、わかった気がした。
「君の人間性を掘り下げて、人見さんの前に明らめて、それが人見さんにどれほどの変化をもたらすのか。その変化が、君にどれほどの変化をもたらすのか。その結果、君たちがどうなるのか。分からないのが、怖い。だって、そうだろう?」
進藤くん。君は、私が思っているよりもずっと。ずっと、あの日の言葉を重く受け止めていたんだ。
「君が教えてくれたんだよ、ハジメ。君も、人見さんも、僕の人生の舞台装置なんかじゃないって」
君は今も、受け止めたその言葉の置きどころを、探しているんだね。
私はただ喜んでいた。九十九くんのことを深く知れるのを。彼と関係性を深めて、お互いに影響を与え合っていることを。それを心配してくれている人がいるだなんて、思っていなかった。
大丈夫だよ。嬉しかったよ。そう言いたいけれど、それが彼の心配や不安を取り除く言葉かどうか、分からなくて。
私は何を伝えるべきか迷ってしまったけれど、九十九くんは、驚くほど迷わなかった。
「馬鹿かお前は」
迷わなすぎて、こちらの方が驚いてしまったくらい。
「えっと、これでも結構真面目に話したんだけど」
「だからだろ」
九十九くんは、当然みたいに言う。
「俺たちがお前の人生の舞台装置じゃないからって、影響を与えないよう遠ざけて、自分から観客になってどうするんだ」
進藤くんが今どんな顔をしているのか、ここからでは見えないけれど、目を閉じれば、瞼の裏に浮かぶような気がした。
きっと私も今、同じような顔をしている。
「分からなくて怖いなら、知ろうとすればいい。無責任でいたくないのなら尚更、隣にいろよ」
私も、それがいい。進藤くんに、わがままを一つ言ってもいいのなら、そうしてくれたら、私は嬉しい。だって、私達の人生は、それぞれがそれぞれのものではあるけれど、それでも。
「俺達は今、同じ場所で生きてるだろ」
「……君にそんなことを言われる日が来るとは、思わなかったな」
「これも、どこかの誰かさんがくれた変化だ。……捨てたもんじゃないだろ」
ははははっ、と笑う進藤くんの声は、さっきまでの真面目くさったものではなく、もうすっかり、いつも通りだった。
どこかの誰かさんである私は、遠くを見つめる二人の背後にこっそり忍び寄って、九十九くんの頬に買ってきた飲み物を当てる。
「……おい」
ビクリと震えてから、怒った顔で九十九くんは振り返るけれど、顔だけで、本当に怒っているわけではない。それが分かるのも、彼とちゃんと関わってきた証だから。
「私も、九十九くんがくれた変化を大切に思っているよ。だから、大丈夫」
「やっぱり、バッチリ聞いてたね?」
「ふふ。ごめんね」
先輩も出てきて、進藤くんに飲み物を渡す。途中から話に集中しすぎて先輩のことを気にしていなかった。出てくるタイミングも私が勝手に決めてしまったが、大丈夫だっただろうか。
そう思って今更ながら様子を窺ってみるけれど、どうやら大丈夫そうだ。満足そうな顔で進藤くんがこぼす不満を聞き流している。
「そんなことより、そろそろ写真見せあおっか。園閉まっちゃう」
男子二人はやや不満げな顔をしていたが、こちらで勝手に始めてしまうと渋々といった様子で混ざってくれる。
私のお気に入りは、遊歩道の紅葉の下で九十九くんが撮ってくれた写真と、冬紗先輩が撮った囲炉裏にあたる九十九くんの写真だ。
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