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ついうっかり安心してしまったようだ
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『あ、アレットが……』
ミリアンの声に、リュカが慌てて椅子から立ち上がった。
振り落とされそうになったロイクが、肩から飛び降りる。
「え……? わたし……どうして、ここに?」
ぼーっとした様子で起き上がろうとするのを、リュカが彼女の背中に腕を回して支えた。
そして、そのままベッドの端に腰掛ける。
「えーと……。マノンさんの屋敷で倒れたんだ」
さて、この続きをどう話そうかと迷っていると、アレットはもっと別のことが気になったようで、いきなり話が飛んだ。
「伯爵は、行っちゃったのね」
『え? 知ってるのか』
いつの間にか、アレットの膝の上に乗っていたロイクが驚いてたずねた。
目の前にいる黒猫が視えないアレットは、少し視線を泳がせる。
「ええ、夢で見たの。淡いピンクのドレスを着た綺麗な女の人と一緒だったわ。二人とも、とっても幸せそうに寄り添ってて……あの人、伯爵が探してた王女様なんでしょ? 頭にティアラがあったもの。ネージュ・リリーもちゃんと持ってたわ」
「そうか、伯爵たち、アレットにお礼を言いに来たんだな」
うっとりとした表情で話すアレットに、リュカが納得した。
あのまま、アレットに何も言えないまま消えたのかと思っていたが、伯爵はなかなか義理堅かったようだ。
「うん。わたしに、ありがとうって……。良かったわ。ずっと探していた王女様がみつかって」
「そうだね」
笑顔で話している二人の距離が、えらく近い。
彼女が起き上がるのを助けたリュカの手は、そのまま彼女の肩に回されていた。
回した方も回された方も、とても自然な様子でいることに気付いたロイクが、嬉しいとも悲しいともつかないような複雑な表情を浮かべ、ベッドから飛び降りて離れていった。
「二人ともとってもお似合いで、本当に、素敵だったわ。これで、伯爵も幸せになれるのよね」
「二百五十年も頑張って、幸せになれなかったら、嘘だろ」
「そうね……。よかった。でも、どうやってあの二人は出会えたの?」
「え? あ、その……王女様って、ちょっとアレットに似ていなかった?」
マノンの屋敷での事件を、どう話すのかまだ決めかねていたから、慌てて話をそらす。
「そうかしら?」
「絶対、似てるって! だから、伯爵はずっと君のことを守って………え? ロイク!」
『キャーッ。ロイク!』
リュカが驚いて振り向くのと、ミリアンの悲鳴が同時だった。
部屋の中央に座って、二人の様子を見ていた黒猫の姿が、金色の輝きに包まれ始めている。
彼自身も、うろたえた様子で、光をまとい始めた自分の手足や尻尾を確認している。
「ちょ……っと。ロイク! おいっ!」
慌てて駆け寄り彼の目の前にかがみ込むと、ロイクが微苦笑しながら見上げてきた。
『ついうっかり、安心してしまったようだ』
「うっかりって何だよ! そう簡単に安心するな! おいっ、待てよ。まだ消えるには早いだろ!」
黒猫の身体を揺すって叫ぶが、ロイクはもう、達観したような静かな眼をしていた。
『お前だって知ってるだろ? こうなったらもう、止められない……』
「そんな……。見届けなくていいのかよ、ロイク!」
『いいんだ。もう、何の心配もしていない。お前に託すよ。リュカ』
その言葉に呼応するように、ロイクのまとっている光が、さらに輝きを増した。
「くそっ! この馬鹿猫!」
リュカは、乱暴な手つきでロイクを抱き上げると、ベッドから降りようとしていたアレットの膝に彼を押し付けた。
そして、彼女の両手を取ると、自分の手を重ねてロイクの身体の上に置いた。
まるで父親か兄かのように、誰よりも彼女を案じ大切に守り続けてきた小さな亡霊。
そんな彼の姿を、せめて最後にアレットに見せてあげたかった。
彼の姿がアレットの眼に映るように、必死で念じていると、彼女の手がぴくりと動いた。
「あ……、ロイク?」
『アレット。視える……のか?』
アレットの眼に、全身が金色に光り輝く、懐かしい黒猫の姿が浮かび上がっていく。
滑らかな毛並みの手触りも、掌に伝わる温もりも、膝にかかる重みまで甦ってくる。
亡霊になってから初めて、アレットとロイクの眼が合った。
お互い、驚きと感動で眼を見開き、しばらく口もきけなかった。
「ロイ……ク。ロイク!」
アレットがようやく名を口にすると、黒猫をぎゅっと抱きしめた。
抱きしめることも、抱きしめられることも、もうとうに諦めていたことだ。
こんな奇跡が起こるなんて思ってもいなかった。
互いの温もりに触れ、二人は懐かしさに身体を震わせる。
しかし、もうわずかな時間しか残されていなかった。
『アレット……オレはもう、行かなきゃならない』
ロイクは首を伸ばして、愛おしそうに彼女の頬に頭をすり寄せた。
「嫌! どうしていなくなっちゃうの。わたしを置いて行かないで!」
アレットが黒猫をさらに抱きしめて、小さい子どもがいやいやをするように、身体を揺すった。
彼女の悲痛な声に、リュカが唇を噛んで眼を背ける。
『もう、オレがそばについていなくても大丈夫だ。お前にもちゃんと、幸せな未来が待ってるんだから』
「ロイク、嫌よ。ここにいて! 行かないで」
『泣かないで。最後に見たアレットの顔がそんなんじゃ、悲しいよ』
ロイクが伸び上がって、白い頬を伝う涙を優しく舐め取った。
『笑って見送ってくれないか。アレット、お願いだから……』
ロイクの輝きが強くなりすぎて、もう、身体の輪郭が分からないくらいになっていた。
アレットは腕を緩めてロイクを見つめた。
そして、彼の望みに応えて、涙をこらえながら笑ってみせた。
彼女にも分かっている。
これが本当の最後だと。
だから、無理をしてでも笑って見送る。
『リュカ、ありがとう。最後にオレの姿を見せてくれて。……アレットを頼む』
「ああ」
振り向かずに告げるロイクの背中に、リュカがずしりと重い一言を返した。
『アレット、どうか幸せに。お前の母親と一緒に、遠くから見守っているから』
「ロイク……今まで、ありがとう……」
アレットを見つめる金色の瞳も、とうとう光に溶けた。
そしてアレットの腕の中は、ただのぽっかりとした空間になった。
「アレット」
リュカが彼女の手に添えていた手を滑らせ、そのまま彼女の指先を握る。
「う……ロイク……」
彼女の眼から涙がぱたぱた落ちて、すみれ色のドレスに紫色の丸い模様をたくさん付けていく。
しかし、涙を拭いたくても、顔を覆いたくても、リュカに手をとられてしまって、どうにもできない。
「……リュカ……手…………離して……」
しかしリュカは、彼女の言葉とは逆に、両手を強く握りしめる。
「アレット」
静かで真剣な声に呼ばれ、アレットが涙に濡れた顔を上げた。
リュカは彼女の前に膝を落とし、真っすぐなグレーの瞳で彼女を見つめた。
ロイクは、自分が消える本当の理由を、アレットに説明しなかった。
ただ「幸せな未来が待っている」としか言わなかったのは、遠慮したからだ。
俺が直接、アレットに告げるべきことだからだ。
だから……。
「アレット。俺……君のこと」
リュカが思い切って口を開いた。
ミリアンの声に、リュカが慌てて椅子から立ち上がった。
振り落とされそうになったロイクが、肩から飛び降りる。
「え……? わたし……どうして、ここに?」
ぼーっとした様子で起き上がろうとするのを、リュカが彼女の背中に腕を回して支えた。
そして、そのままベッドの端に腰掛ける。
「えーと……。マノンさんの屋敷で倒れたんだ」
さて、この続きをどう話そうかと迷っていると、アレットはもっと別のことが気になったようで、いきなり話が飛んだ。
「伯爵は、行っちゃったのね」
『え? 知ってるのか』
いつの間にか、アレットの膝の上に乗っていたロイクが驚いてたずねた。
目の前にいる黒猫が視えないアレットは、少し視線を泳がせる。
「ええ、夢で見たの。淡いピンクのドレスを着た綺麗な女の人と一緒だったわ。二人とも、とっても幸せそうに寄り添ってて……あの人、伯爵が探してた王女様なんでしょ? 頭にティアラがあったもの。ネージュ・リリーもちゃんと持ってたわ」
「そうか、伯爵たち、アレットにお礼を言いに来たんだな」
うっとりとした表情で話すアレットに、リュカが納得した。
あのまま、アレットに何も言えないまま消えたのかと思っていたが、伯爵はなかなか義理堅かったようだ。
「うん。わたしに、ありがとうって……。良かったわ。ずっと探していた王女様がみつかって」
「そうだね」
笑顔で話している二人の距離が、えらく近い。
彼女が起き上がるのを助けたリュカの手は、そのまま彼女の肩に回されていた。
回した方も回された方も、とても自然な様子でいることに気付いたロイクが、嬉しいとも悲しいともつかないような複雑な表情を浮かべ、ベッドから飛び降りて離れていった。
「二人ともとってもお似合いで、本当に、素敵だったわ。これで、伯爵も幸せになれるのよね」
「二百五十年も頑張って、幸せになれなかったら、嘘だろ」
「そうね……。よかった。でも、どうやってあの二人は出会えたの?」
「え? あ、その……王女様って、ちょっとアレットに似ていなかった?」
マノンの屋敷での事件を、どう話すのかまだ決めかねていたから、慌てて話をそらす。
「そうかしら?」
「絶対、似てるって! だから、伯爵はずっと君のことを守って………え? ロイク!」
『キャーッ。ロイク!』
リュカが驚いて振り向くのと、ミリアンの悲鳴が同時だった。
部屋の中央に座って、二人の様子を見ていた黒猫の姿が、金色の輝きに包まれ始めている。
彼自身も、うろたえた様子で、光をまとい始めた自分の手足や尻尾を確認している。
「ちょ……っと。ロイク! おいっ!」
慌てて駆け寄り彼の目の前にかがみ込むと、ロイクが微苦笑しながら見上げてきた。
『ついうっかり、安心してしまったようだ』
「うっかりって何だよ! そう簡単に安心するな! おいっ、待てよ。まだ消えるには早いだろ!」
黒猫の身体を揺すって叫ぶが、ロイクはもう、達観したような静かな眼をしていた。
『お前だって知ってるだろ? こうなったらもう、止められない……』
「そんな……。見届けなくていいのかよ、ロイク!」
『いいんだ。もう、何の心配もしていない。お前に託すよ。リュカ』
その言葉に呼応するように、ロイクのまとっている光が、さらに輝きを増した。
「くそっ! この馬鹿猫!」
リュカは、乱暴な手つきでロイクを抱き上げると、ベッドから降りようとしていたアレットの膝に彼を押し付けた。
そして、彼女の両手を取ると、自分の手を重ねてロイクの身体の上に置いた。
まるで父親か兄かのように、誰よりも彼女を案じ大切に守り続けてきた小さな亡霊。
そんな彼の姿を、せめて最後にアレットに見せてあげたかった。
彼の姿がアレットの眼に映るように、必死で念じていると、彼女の手がぴくりと動いた。
「あ……、ロイク?」
『アレット。視える……のか?』
アレットの眼に、全身が金色に光り輝く、懐かしい黒猫の姿が浮かび上がっていく。
滑らかな毛並みの手触りも、掌に伝わる温もりも、膝にかかる重みまで甦ってくる。
亡霊になってから初めて、アレットとロイクの眼が合った。
お互い、驚きと感動で眼を見開き、しばらく口もきけなかった。
「ロイ……ク。ロイク!」
アレットがようやく名を口にすると、黒猫をぎゅっと抱きしめた。
抱きしめることも、抱きしめられることも、もうとうに諦めていたことだ。
こんな奇跡が起こるなんて思ってもいなかった。
互いの温もりに触れ、二人は懐かしさに身体を震わせる。
しかし、もうわずかな時間しか残されていなかった。
『アレット……オレはもう、行かなきゃならない』
ロイクは首を伸ばして、愛おしそうに彼女の頬に頭をすり寄せた。
「嫌! どうしていなくなっちゃうの。わたしを置いて行かないで!」
アレットが黒猫をさらに抱きしめて、小さい子どもがいやいやをするように、身体を揺すった。
彼女の悲痛な声に、リュカが唇を噛んで眼を背ける。
『もう、オレがそばについていなくても大丈夫だ。お前にもちゃんと、幸せな未来が待ってるんだから』
「ロイク、嫌よ。ここにいて! 行かないで」
『泣かないで。最後に見たアレットの顔がそんなんじゃ、悲しいよ』
ロイクが伸び上がって、白い頬を伝う涙を優しく舐め取った。
『笑って見送ってくれないか。アレット、お願いだから……』
ロイクの輝きが強くなりすぎて、もう、身体の輪郭が分からないくらいになっていた。
アレットは腕を緩めてロイクを見つめた。
そして、彼の望みに応えて、涙をこらえながら笑ってみせた。
彼女にも分かっている。
これが本当の最後だと。
だから、無理をしてでも笑って見送る。
『リュカ、ありがとう。最後にオレの姿を見せてくれて。……アレットを頼む』
「ああ」
振り向かずに告げるロイクの背中に、リュカがずしりと重い一言を返した。
『アレット、どうか幸せに。お前の母親と一緒に、遠くから見守っているから』
「ロイク……今まで、ありがとう……」
アレットを見つめる金色の瞳も、とうとう光に溶けた。
そしてアレットの腕の中は、ただのぽっかりとした空間になった。
「アレット」
リュカが彼女の手に添えていた手を滑らせ、そのまま彼女の指先を握る。
「う……ロイク……」
彼女の眼から涙がぱたぱた落ちて、すみれ色のドレスに紫色の丸い模様をたくさん付けていく。
しかし、涙を拭いたくても、顔を覆いたくても、リュカに手をとられてしまって、どうにもできない。
「……リュカ……手…………離して……」
しかしリュカは、彼女の言葉とは逆に、両手を強く握りしめる。
「アレット」
静かで真剣な声に呼ばれ、アレットが涙に濡れた顔を上げた。
リュカは彼女の前に膝を落とし、真っすぐなグレーの瞳で彼女を見つめた。
ロイクは、自分が消える本当の理由を、アレットに説明しなかった。
ただ「幸せな未来が待っている」としか言わなかったのは、遠慮したからだ。
俺が直接、アレットに告げるべきことだからだ。
だから……。
「アレット。俺……君のこと」
リュカが思い切って口を開いた。
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