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俺の……せい?
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「もともとは、あの魔術師母娘が考えたことです」
コデルリエ公爵家は由緒ある古い家柄ながら、先代の浪費癖により経済状態は逼迫し、王族の中でも軽んじられるようになっていた。
そんな中、家督を継いだ現在の当主は、息子の霊媒体質をきっかけに、魔術に興味を持つようになった。
独学で魔術を研究していた公爵に目を付けたのが、黒魔術師のエドウィーナ。
彼女の力添えで、公爵家は徐々に権力を取り戻していった。
同時に公爵は、どす黒い欲望に取り憑かれていく。
彼の王位継承権は十数番目であったが、いつか王位に就き、周辺諸国をも跪かせたいと考えた。
「そこで、エドウィーナは貴方を利用することを、彼に勧めたのです。貴方の悪魔の器を育てて悪魔に成り代わらせ、その悪魔を下僕にしようと考えたのです」
そのために、まず、フェリクスにつけていた白魔術師を殺害した。
次いで母親を呪殺。
幼い妹と引き離し、フェリクスを幽閉した。
「な……。お母様やばあやが殺されたのは、俺の……せい?」
父親はすぐにエドウィーナを後妻に迎え、リュシエンヌを養女にした。
母親らが殺されたのは、父親が病弱な妻を疎ましく思ったからだと思っていたのだが。
すべては、僕の悪魔の器のためだったのか。
戦慄に震えるデューを、ベリトはさも面白そうに見つめた。
「ふふふ。そうとも言えますねぇ。貴方がいなければ、父親は魔術に興味を持つことはなく、母親も殺されずにすんだでしょう」
「だまれっ!」
デューが叫ぶと、悪魔の全身に、短剣で斬りつけたような無数の傷ができた。
悪魔は悲鳴を上げてぐったりとなったが、しばらくして、ふうと息をつくと、傷が走る右手の甲をぺろりと舐めた。
折れていたはずの右腕は、いつの間にか治っているようだ。
「嫌だなぁ。八つ当たりしないでくださいよ。その頃はまだ、私は無関係なのですから」
「……それで?」
「貴方は父親とあの母娘から、かなり酷い仕打ちを受けたのでしょう? 憎しみを募らせ、孤独に苛まれた貴方の悪魔の器は、見る見る成長していったのです。そして……私が呼ばれた。まぁ、彼らの計画は、失敗したのですがね」
「失敗?」
「そう。本当なら、私が貴方に成り代わるはずだったのですよ。しかし、召還儀式の凄惨な現場を初めて目の当たりにした貴方は、かなりの衝撃を受けた。そのせいで、予想以上に器が大きくなってしまったのです」
「それで、お前の力を超えたと?」
しかしフェリクスは、魔術師や悪魔に対する恐怖心から、その事実に気付けなかった。
自身の運命を呪いながら、彼らの言いなりになっていた。
そうすることでしか、自分の身を守る術はないと思っていた。
召還されたベリトは、フェリクスに取り憑くことによって、人界にとどまることができた。
それは、黒魔術を行う上での労力を格段に減らした。
フェリクス——ベリトの前に、次々と若い女性が生け贄として捧げられ、むごたらしい儀式が繰り返された。
「あれはですね、私の力を利用することだけが目的ではなかったのですよ」
「まさか、僕の悪魔の器をさらに大きくしようとした……?」
「ご名答! しかし貴方は目の前の惨劇から目をそらし、耳を塞ぎ、心を閉ざした。そうやって自分を守る術を身につけたせいで、器の成長はじきに止まってしまったのです。だから彼らは次の策を講じた」
フェリクスの記憶を奪って、白魔術師一族の元に送り込み、向こうでの生活に馴染んだ適当な時期をみて回収。
血塗られた記憶を戻す。
そうすれば戻された過去に、強い嫌悪を抱くだろうと考えたのだ。
「くそ……っ」
デューが自分の胸をかきむしった。
あの家で過ごした温かな日々と、ロラへの想い、未来への希望。
それらを全て蹂躙して、悪魔の器は、黒魔術師達の目論見通りに成長を遂げた。
ロラがあれほど必死に手に入れてくれた、大天使のクロスも奪われてしまい、もう器の力を封じることもできない。
「ふふふ。なかなかいい計画だったでしょう? リュシーが考えたのですよ」
「リュシーが……。くそっ。なにが婚約者だ!」
彼女は、フェリクスにとっては義理の姉。
憎しみの対象でしかない黒魔術師の女だ。
彼女の汚い嘘が、ロラを傷つけ苦しめた。
デューは自分の存在を呪った。
自分を利用しようとする者たちが憎かった。
「ふふふ。フェリクス。奴らに復讐したいと思っているのでしょう?」
まるで思考を読んだかのような声が、間近で聞こえ、デューがはっと顔を上げた。
さっきまで床に座り込んでいたベリトが、いつの間にか、すぐ目の前に立っている。
「俺に触るな!」
デューは誘惑するように伸ばされた悪魔の手を、激しく払いのけた。
しかし、悪魔はその場所から離れようとしない。
歪んだ笑みを浮かべた顔を、ぐっと近づける。
「奴らが、憎いのでしょう? でしたら、いいことを教えてあげましょうか」
囁くような声は妙に耳に心地よく、甘美に響く。
しかしデューは惑わされることはなかった。
ぎっと睨みつけると、悪魔は冷たい床に叩き付けられ、悲鳴を上げた。
「俺は悪魔と契約などしない! お前の力は借りない!」
むくりと起き上がった悪魔は、それでも、口元の不気味な笑みを消さなかった。
「契約など、必要ありませんよ。貴方の父上は魔王サタンを召還しようと考えているのです。魔王を従わせることができれば、この世のすべてを手に入れられますからね。そこで私は、貴方の器に魔王を召還するという契約を彼と交わしました。だから貴方には、その契約完了まで、邪魔をしないでいただきたい」
「ばかな! 何をふざけたことを!」
悪魔は再度、激しく床に打ち付けられたが、すぐにゆらりと立ち上がる。
「……ふざけてなんか、いませんよ。それが貴方の復讐になるのです。たかが人間が、魔界の王を隷属させようなどとは笑わせる。奴らは召還と同時に、八つ裂きにされるでしょう。貴方は何の労力を使わずとも、復讐できるのです。そして、私は円滑に契約が果たせる。ふふっ、一石二鳥ではないですか」
「ふん。そんな魔王が召還されたら、俺はどうなる?」
「魔王は貴方の悪魔の器に召還されます。そうしたら、今の私のように、魔王を支配すれば良いじゃないですか。この世のすべてが貴方のものになりますよ」
その言葉に、デューの眉がぴくりと動いた。
コデルリエ公爵家は由緒ある古い家柄ながら、先代の浪費癖により経済状態は逼迫し、王族の中でも軽んじられるようになっていた。
そんな中、家督を継いだ現在の当主は、息子の霊媒体質をきっかけに、魔術に興味を持つようになった。
独学で魔術を研究していた公爵に目を付けたのが、黒魔術師のエドウィーナ。
彼女の力添えで、公爵家は徐々に権力を取り戻していった。
同時に公爵は、どす黒い欲望に取り憑かれていく。
彼の王位継承権は十数番目であったが、いつか王位に就き、周辺諸国をも跪かせたいと考えた。
「そこで、エドウィーナは貴方を利用することを、彼に勧めたのです。貴方の悪魔の器を育てて悪魔に成り代わらせ、その悪魔を下僕にしようと考えたのです」
そのために、まず、フェリクスにつけていた白魔術師を殺害した。
次いで母親を呪殺。
幼い妹と引き離し、フェリクスを幽閉した。
「な……。お母様やばあやが殺されたのは、俺の……せい?」
父親はすぐにエドウィーナを後妻に迎え、リュシエンヌを養女にした。
母親らが殺されたのは、父親が病弱な妻を疎ましく思ったからだと思っていたのだが。
すべては、僕の悪魔の器のためだったのか。
戦慄に震えるデューを、ベリトはさも面白そうに見つめた。
「ふふふ。そうとも言えますねぇ。貴方がいなければ、父親は魔術に興味を持つことはなく、母親も殺されずにすんだでしょう」
「だまれっ!」
デューが叫ぶと、悪魔の全身に、短剣で斬りつけたような無数の傷ができた。
悪魔は悲鳴を上げてぐったりとなったが、しばらくして、ふうと息をつくと、傷が走る右手の甲をぺろりと舐めた。
折れていたはずの右腕は、いつの間にか治っているようだ。
「嫌だなぁ。八つ当たりしないでくださいよ。その頃はまだ、私は無関係なのですから」
「……それで?」
「貴方は父親とあの母娘から、かなり酷い仕打ちを受けたのでしょう? 憎しみを募らせ、孤独に苛まれた貴方の悪魔の器は、見る見る成長していったのです。そして……私が呼ばれた。まぁ、彼らの計画は、失敗したのですがね」
「失敗?」
「そう。本当なら、私が貴方に成り代わるはずだったのですよ。しかし、召還儀式の凄惨な現場を初めて目の当たりにした貴方は、かなりの衝撃を受けた。そのせいで、予想以上に器が大きくなってしまったのです」
「それで、お前の力を超えたと?」
しかしフェリクスは、魔術師や悪魔に対する恐怖心から、その事実に気付けなかった。
自身の運命を呪いながら、彼らの言いなりになっていた。
そうすることでしか、自分の身を守る術はないと思っていた。
召還されたベリトは、フェリクスに取り憑くことによって、人界にとどまることができた。
それは、黒魔術を行う上での労力を格段に減らした。
フェリクス——ベリトの前に、次々と若い女性が生け贄として捧げられ、むごたらしい儀式が繰り返された。
「あれはですね、私の力を利用することだけが目的ではなかったのですよ」
「まさか、僕の悪魔の器をさらに大きくしようとした……?」
「ご名答! しかし貴方は目の前の惨劇から目をそらし、耳を塞ぎ、心を閉ざした。そうやって自分を守る術を身につけたせいで、器の成長はじきに止まってしまったのです。だから彼らは次の策を講じた」
フェリクスの記憶を奪って、白魔術師一族の元に送り込み、向こうでの生活に馴染んだ適当な時期をみて回収。
血塗られた記憶を戻す。
そうすれば戻された過去に、強い嫌悪を抱くだろうと考えたのだ。
「くそ……っ」
デューが自分の胸をかきむしった。
あの家で過ごした温かな日々と、ロラへの想い、未来への希望。
それらを全て蹂躙して、悪魔の器は、黒魔術師達の目論見通りに成長を遂げた。
ロラがあれほど必死に手に入れてくれた、大天使のクロスも奪われてしまい、もう器の力を封じることもできない。
「ふふふ。なかなかいい計画だったでしょう? リュシーが考えたのですよ」
「リュシーが……。くそっ。なにが婚約者だ!」
彼女は、フェリクスにとっては義理の姉。
憎しみの対象でしかない黒魔術師の女だ。
彼女の汚い嘘が、ロラを傷つけ苦しめた。
デューは自分の存在を呪った。
自分を利用しようとする者たちが憎かった。
「ふふふ。フェリクス。奴らに復讐したいと思っているのでしょう?」
まるで思考を読んだかのような声が、間近で聞こえ、デューがはっと顔を上げた。
さっきまで床に座り込んでいたベリトが、いつの間にか、すぐ目の前に立っている。
「俺に触るな!」
デューは誘惑するように伸ばされた悪魔の手を、激しく払いのけた。
しかし、悪魔はその場所から離れようとしない。
歪んだ笑みを浮かべた顔を、ぐっと近づける。
「奴らが、憎いのでしょう? でしたら、いいことを教えてあげましょうか」
囁くような声は妙に耳に心地よく、甘美に響く。
しかしデューは惑わされることはなかった。
ぎっと睨みつけると、悪魔は冷たい床に叩き付けられ、悲鳴を上げた。
「俺は悪魔と契約などしない! お前の力は借りない!」
むくりと起き上がった悪魔は、それでも、口元の不気味な笑みを消さなかった。
「契約など、必要ありませんよ。貴方の父上は魔王サタンを召還しようと考えているのです。魔王を従わせることができれば、この世のすべてを手に入れられますからね。そこで私は、貴方の器に魔王を召還するという契約を彼と交わしました。だから貴方には、その契約完了まで、邪魔をしないでいただきたい」
「ばかな! 何をふざけたことを!」
悪魔は再度、激しく床に打ち付けられたが、すぐにゆらりと立ち上がる。
「……ふざけてなんか、いませんよ。それが貴方の復讐になるのです。たかが人間が、魔界の王を隷属させようなどとは笑わせる。奴らは召還と同時に、八つ裂きにされるでしょう。貴方は何の労力を使わずとも、復讐できるのです。そして、私は円滑に契約が果たせる。ふふっ、一石二鳥ではないですか」
「ふん。そんな魔王が召還されたら、俺はどうなる?」
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