15 / 43
大魔術師フリードリヒ・クラッセン
早く、そこから離れろ!
しおりを挟む
学院の正門を出てから二時間近く歩き続け、ティルアはようやく小さな町の商店街に到着した。
いつもより早い時間だったため、開店しているお店はまばらで人気も少ない。
前回はキャンディをたくさん買った。
その前はクッキー。
しばらくお菓子が続いていたので、今回は絵本を買おうと決めていた。
商店街の中程にあるお目当ての書店は、ちょうど店主が看板を掲げたところだった。
「おじさん。おはようございます」
「ああ、ティルア、おはよう。久しぶりだね。今日はウチの番かい?」
白い口ひげの店主は顔を綻ばせると、入り口の扉を大きく開け、店内に導き入れてくれた。
古本も扱う小さな書店は、埃っぽさの中にインクの香りが混ざる静かな空間だ。
本が傷まないよう、日光がほとんど入らない造りになっているから薄暗い。
ティルアは迷うことなく、子ども向けの絵本が置かれた一角に向かった。
本棚に立てられた絵本の背表紙を指でなぞりながら見ていくと、この国でよく知られた童話を見つけた。
「あ……。この本」
孤児院時代、幼い頃は年長の子どもたちに読んでもらい、成長してからは自分が幼い子どもたちに読み聞かせてあげた本だ。
懐かしさに棚から引き出し、その表紙に息を飲む。
「こんなに、きれいな表紙だったんだ……」
主人公の少年も、悪い魔術師も、動物たちも、薄暗い中でもはっきりと分かるほど色鮮やかに描かれていた。
孤児院にあった絵本は、あちこち破れ、表紙はすっかり色あせてぼんやりしていた。
ティルアが孤児院を出てからかなり年数が経っているから、あの本は今ではもっと酷い状態になっているだろう。
「よし、決めた!」
これ以上に価値のある絵本はないだろうと、ほくほく気分で本を閉じる。
しかし、裏表紙に書かれている値段を確認してぎょっとした。
どうしよう。
この一冊で、ほとんどのお金を使い切ってしまう……。
三冊ぐらい買うつもりでいたから、絵本の値段をじっと見つめたまま悩んでいると、店主が近づいてきた。
「その本なら、中古もあるがね?」
しかし、そう言われて決心した。
孤児院時代は服も絵本も玩具も、何もかもがお下がりの古ぼけたものだったから、新しいものに憧れていたのだ。
中古ではダメだ。
「ううん。新しい本がいいの。だから、これにする」
「そうかい。じゃあ、これはおじさんからキーリッツのみんなに」
そう言って店主は、同じ棚から薄い絵本を一冊取り出して、ティルアの持っている本の上に置いてくれた。
「いいの? 嬉しい! おじさん、ありがとう」
ティルアは絵本をぎゅっと胸に抱いた。ポケットは軽くなってしまうが、絵本の重みが嬉しい。
ふわりと感じる新品のインクの香りが、くすぐったい。
「あの……この本、届けてもらえますか?」
「ああ、もちろんさ。きれいに包んでリボンをかけてあげよう」
「あたしからだって、言わないでね」
魔術学院に入ったばかりの頃は、お土産のお菓子や絵本を持って、孤児院に顔を出していた。
しかし、最初の留年が決まって以降は、一度も孤児院の門をくぐることがなかった。
奇跡のような成績で選抜試験に合格したティルアを、院長や面倒を見てくれたシスター、仲間たちは自分のことのように喜んでくれた。
だから、これほど派手に落ちこぼれてしまったことが後ろめたいのだ。
「分かってるよ」
店主は絵本を受け取ると、ティルアの肩をぽんぽんと叩いた。
孤児院の近くにあるこの商店街の人々も、ティルアの落ちこぼれっぷりは噂で聞いているはずだ。
けれども、何も言わずに孤児院への届け物を引き受けてくれることが、ありがたかった。
書店を出てから、近くのパン屋で焼きたてのプレッツェルを一個買う。
これでポケットのお金はほとんどなくなってしまった。
朝食を食べずに長距離を歩いてきたので腹ぺこだったが、ぐっと我慢して、商店街の横道に入り、裏手に広がる住宅地を通り抜け、広葉樹の林に囲まれた湖に出る。
そして湖をぐるりと囲む小道を少し歩き、樹齢数百年にもなるであろうオークの根元まで来ると立ち止まった。
ここはティルアのお気に入りの場所。
孤児院へのプレゼントを買いに来た時は、必ずここで休憩することにしていた。
空を覆うように広がる枝を見上げると、柔らかな緑の若葉に透けた春の日差しが降ってくる。
水面を渡って吹く、冷んやりとした風が心地よい。
ティルアは、顔にかかる髪を大きくかきあげながら、湖の向こう岸に視線を向けた。
木々の隙間から、茶色の屋根の古い建物が見える。
ティルアが十年近く暮らした、キーリッツ孤児院だ。
小道を歩けばすぐにたどり着ける、自分の家ともいえる懐かしいその場所が、今はひどく遠く感じる。
「あの絵本、みんな喜んでくれるかな」
感傷に沈みそうになる心を、色鮮やかな絵本の表紙を思い出すことで立て直し、オークの根元に腰を下ろした。
ごつごつとした幹に背中を預け、プレッツェルが入った紙袋を開くと、香ばしい香りに刺激されて、お腹がぐうと鳴った。
早速中身を取り出し、たっぷりまぶされた塩を落としてかじりつく。
ほんのり残った塩味が美味しくて、思わずほうとため息をついた、そのとき。
『ティルアっ!』
聞き慣れた声に、視線を向ける。
こんな場所にいるはずのない人物の姿にぎょっとして、口いっぱいに頬張ったプレッツェルが喉に詰まった。
「むぐっ……くっ。ユーリ? な、なんで?」
『早く、そこから離れろ!』
胸をどんどんと叩きながらの質問に、彼は答えない。
血相を変えて走ってくる。
彼がここにいるということは、きっと、こっそり後をつけてきたのだ。
これまでの自分の行動を見られていたのだと思うと、急に丸裸にされたかのように恥ずかしくなり、同時にひどく腹立たしくなった。
「まさか、わたしの後をつけてきたの? なんでそんなことするの!」
『聞こえないのか! 早くどけよっ!』
「なんて悪趣味なのよ! 人の秘密をこそこそ覗き見るなんて、最低!」
頭にかっと血が上がり、次々と自分の口から飛び出してくる罵り声にも遮られて、彼が何を叫んでいるのか耳に入らなかった。
ユーリウスの方も、ティルアの声が聞こえていないのか、焦った様子のまま、真っすぐに突っ込んでくる。
『どけって言ってるだろ!』
「やだっ! なんなの!」
彼が触れられないことは分かっているのに、彼が伸ばした手を避けようと、ティルアはとっさに身をよじった。
『わっ! 馬鹿! そっちじゃない!』
逃げるティルアに合わせて方向を変えた彼の手が、顔面に迫ってくる。
「きゃああああ!」
しかし、彼の掌に塞がれた視界は次の瞬間には開け、その直後、必死な形相の彼の顔が大写しになった。
ぶつかる——。
『うわぁああっ!』
なんの衝撃も、痛みもない。
ただ、彼が自分をすり抜けながら叫んだ悲鳴が直接頭の真ん中で響き、耳の奥がぐわんぐわんした。
やがて、風が木の葉を揺する微かな音が聞こえてきて、恐る恐る目を開く。
彼の一方の足が左胸から、もう一方が腹から突き出しているとんでもない光景に、また悲鳴を上げそうになり、慌てて立ち上がった。
「あーっ!」
気付くと、手に持っていたはずのプレッツェルがない。
慌てて辺りを見回すと、少し離れた地面に、土にまみれて転がっていた。
「そんなぁ……。まだ、一口しか食べていなかったのに……」
口の中に残る香ばしい風味が、空腹感をいっそう増幅させる。
もう食べられないのだと思えば、なおさらだ。
ティルアは、大木に上半身を突っ込んだままじたばたしているユーリウスを、恨めしい思いで睨みつけた。
「ねえっ! ユーリのせいで、あたしのプレッツェルが台無しになっちゃったじゃない!」
『ごめんなさい。ごめんなさい。こんなつもりじゃなかったんです』
全く彼らしくない、奇妙ほどに丁寧な謝罪の言葉に、耳を疑った。
「……は? どうしたの? 気味が悪いわね」
『うわっ……。すみません。今すぐ、助けます』
どうやら、自分に対しての謝罪ではなさそうだ。
いつもより早い時間だったため、開店しているお店はまばらで人気も少ない。
前回はキャンディをたくさん買った。
その前はクッキー。
しばらくお菓子が続いていたので、今回は絵本を買おうと決めていた。
商店街の中程にあるお目当ての書店は、ちょうど店主が看板を掲げたところだった。
「おじさん。おはようございます」
「ああ、ティルア、おはよう。久しぶりだね。今日はウチの番かい?」
白い口ひげの店主は顔を綻ばせると、入り口の扉を大きく開け、店内に導き入れてくれた。
古本も扱う小さな書店は、埃っぽさの中にインクの香りが混ざる静かな空間だ。
本が傷まないよう、日光がほとんど入らない造りになっているから薄暗い。
ティルアは迷うことなく、子ども向けの絵本が置かれた一角に向かった。
本棚に立てられた絵本の背表紙を指でなぞりながら見ていくと、この国でよく知られた童話を見つけた。
「あ……。この本」
孤児院時代、幼い頃は年長の子どもたちに読んでもらい、成長してからは自分が幼い子どもたちに読み聞かせてあげた本だ。
懐かしさに棚から引き出し、その表紙に息を飲む。
「こんなに、きれいな表紙だったんだ……」
主人公の少年も、悪い魔術師も、動物たちも、薄暗い中でもはっきりと分かるほど色鮮やかに描かれていた。
孤児院にあった絵本は、あちこち破れ、表紙はすっかり色あせてぼんやりしていた。
ティルアが孤児院を出てからかなり年数が経っているから、あの本は今ではもっと酷い状態になっているだろう。
「よし、決めた!」
これ以上に価値のある絵本はないだろうと、ほくほく気分で本を閉じる。
しかし、裏表紙に書かれている値段を確認してぎょっとした。
どうしよう。
この一冊で、ほとんどのお金を使い切ってしまう……。
三冊ぐらい買うつもりでいたから、絵本の値段をじっと見つめたまま悩んでいると、店主が近づいてきた。
「その本なら、中古もあるがね?」
しかし、そう言われて決心した。
孤児院時代は服も絵本も玩具も、何もかもがお下がりの古ぼけたものだったから、新しいものに憧れていたのだ。
中古ではダメだ。
「ううん。新しい本がいいの。だから、これにする」
「そうかい。じゃあ、これはおじさんからキーリッツのみんなに」
そう言って店主は、同じ棚から薄い絵本を一冊取り出して、ティルアの持っている本の上に置いてくれた。
「いいの? 嬉しい! おじさん、ありがとう」
ティルアは絵本をぎゅっと胸に抱いた。ポケットは軽くなってしまうが、絵本の重みが嬉しい。
ふわりと感じる新品のインクの香りが、くすぐったい。
「あの……この本、届けてもらえますか?」
「ああ、もちろんさ。きれいに包んでリボンをかけてあげよう」
「あたしからだって、言わないでね」
魔術学院に入ったばかりの頃は、お土産のお菓子や絵本を持って、孤児院に顔を出していた。
しかし、最初の留年が決まって以降は、一度も孤児院の門をくぐることがなかった。
奇跡のような成績で選抜試験に合格したティルアを、院長や面倒を見てくれたシスター、仲間たちは自分のことのように喜んでくれた。
だから、これほど派手に落ちこぼれてしまったことが後ろめたいのだ。
「分かってるよ」
店主は絵本を受け取ると、ティルアの肩をぽんぽんと叩いた。
孤児院の近くにあるこの商店街の人々も、ティルアの落ちこぼれっぷりは噂で聞いているはずだ。
けれども、何も言わずに孤児院への届け物を引き受けてくれることが、ありがたかった。
書店を出てから、近くのパン屋で焼きたてのプレッツェルを一個買う。
これでポケットのお金はほとんどなくなってしまった。
朝食を食べずに長距離を歩いてきたので腹ぺこだったが、ぐっと我慢して、商店街の横道に入り、裏手に広がる住宅地を通り抜け、広葉樹の林に囲まれた湖に出る。
そして湖をぐるりと囲む小道を少し歩き、樹齢数百年にもなるであろうオークの根元まで来ると立ち止まった。
ここはティルアのお気に入りの場所。
孤児院へのプレゼントを買いに来た時は、必ずここで休憩することにしていた。
空を覆うように広がる枝を見上げると、柔らかな緑の若葉に透けた春の日差しが降ってくる。
水面を渡って吹く、冷んやりとした風が心地よい。
ティルアは、顔にかかる髪を大きくかきあげながら、湖の向こう岸に視線を向けた。
木々の隙間から、茶色の屋根の古い建物が見える。
ティルアが十年近く暮らした、キーリッツ孤児院だ。
小道を歩けばすぐにたどり着ける、自分の家ともいえる懐かしいその場所が、今はひどく遠く感じる。
「あの絵本、みんな喜んでくれるかな」
感傷に沈みそうになる心を、色鮮やかな絵本の表紙を思い出すことで立て直し、オークの根元に腰を下ろした。
ごつごつとした幹に背中を預け、プレッツェルが入った紙袋を開くと、香ばしい香りに刺激されて、お腹がぐうと鳴った。
早速中身を取り出し、たっぷりまぶされた塩を落としてかじりつく。
ほんのり残った塩味が美味しくて、思わずほうとため息をついた、そのとき。
『ティルアっ!』
聞き慣れた声に、視線を向ける。
こんな場所にいるはずのない人物の姿にぎょっとして、口いっぱいに頬張ったプレッツェルが喉に詰まった。
「むぐっ……くっ。ユーリ? な、なんで?」
『早く、そこから離れろ!』
胸をどんどんと叩きながらの質問に、彼は答えない。
血相を変えて走ってくる。
彼がここにいるということは、きっと、こっそり後をつけてきたのだ。
これまでの自分の行動を見られていたのだと思うと、急に丸裸にされたかのように恥ずかしくなり、同時にひどく腹立たしくなった。
「まさか、わたしの後をつけてきたの? なんでそんなことするの!」
『聞こえないのか! 早くどけよっ!』
「なんて悪趣味なのよ! 人の秘密をこそこそ覗き見るなんて、最低!」
頭にかっと血が上がり、次々と自分の口から飛び出してくる罵り声にも遮られて、彼が何を叫んでいるのか耳に入らなかった。
ユーリウスの方も、ティルアの声が聞こえていないのか、焦った様子のまま、真っすぐに突っ込んでくる。
『どけって言ってるだろ!』
「やだっ! なんなの!」
彼が触れられないことは分かっているのに、彼が伸ばした手を避けようと、ティルアはとっさに身をよじった。
『わっ! 馬鹿! そっちじゃない!』
逃げるティルアに合わせて方向を変えた彼の手が、顔面に迫ってくる。
「きゃああああ!」
しかし、彼の掌に塞がれた視界は次の瞬間には開け、その直後、必死な形相の彼の顔が大写しになった。
ぶつかる——。
『うわぁああっ!』
なんの衝撃も、痛みもない。
ただ、彼が自分をすり抜けながら叫んだ悲鳴が直接頭の真ん中で響き、耳の奥がぐわんぐわんした。
やがて、風が木の葉を揺する微かな音が聞こえてきて、恐る恐る目を開く。
彼の一方の足が左胸から、もう一方が腹から突き出しているとんでもない光景に、また悲鳴を上げそうになり、慌てて立ち上がった。
「あーっ!」
気付くと、手に持っていたはずのプレッツェルがない。
慌てて辺りを見回すと、少し離れた地面に、土にまみれて転がっていた。
「そんなぁ……。まだ、一口しか食べていなかったのに……」
口の中に残る香ばしい風味が、空腹感をいっそう増幅させる。
もう食べられないのだと思えば、なおさらだ。
ティルアは、大木に上半身を突っ込んだままじたばたしているユーリウスを、恨めしい思いで睨みつけた。
「ねえっ! ユーリのせいで、あたしのプレッツェルが台無しになっちゃったじゃない!」
『ごめんなさい。ごめんなさい。こんなつもりじゃなかったんです』
全く彼らしくない、奇妙ほどに丁寧な謝罪の言葉に、耳を疑った。
「……は? どうしたの? 気味が悪いわね」
『うわっ……。すみません。今すぐ、助けます』
どうやら、自分に対しての謝罪ではなさそうだ。
0
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説
黒隼の騎士のお荷物〜実は息ぴったりのバディ……んなわけあるか!
平田加津実
恋愛
王国随一の貿易商に仕えるレナエルとジネットは双子の姉妹。二人は遠く離れて暮らしていても、頭の中で会話できる能力を持っていた。ある夜、姉の悲鳴で目を覚ました妹のレナエルは、自身も何者かに連れ去られそうになる。危ないところを助けてくれたのは、王太子の筆頭騎士ジュールだった。しかし、姉のジネットは攫われてしまったらしい。
女ながら巨大馬を駆り剣を振り回すじゃじゃ馬なレナエルと、女は男に守られてろ!という考え方のジュールは何かにつけて衝突。そんな二人を面白がる王太子や、ジネットの婚約者を自称する第二王子の筆頭騎士ギュスターヴらもそれぞれの思惑で加わって、ジネット救出劇が始まる。
魔力ゼロの異世界転移者からちょっとだけ譲り受けた魔力は、意外と最強でした
淑女
ファンタジー
とあるパーティーの落ちこぼれの花梨は一人の世界転移者に恋をして。その彼・西尾と一緒にパーティーを追放される。
二年後。花梨は西尾の下で修行して強くなる。
ーー花梨はゲームにもはまっていた。
何故ならパーティーを追放された時に花梨が原因で、西尾は自身のとある指輪を売ってしまって、ゲームの景品の中にそのとある指輪があったからだ。
花梨はその指輪を取り戻し婚約指輪として、西尾へプレゼントしようと考えていた。
ある日。花梨は、自身を追放したパーティーのリーダーの戦斧と出会いーー戦斧はボロ負け。
戦斧は花梨への復讐を誓う。
それがきっかけで戦斧は絶体絶命の危機へ。
その時、花梨はーーーー
猫に転生したらご主人様に溺愛されるようになりました
あべ鈴峰
恋愛
気がつけば 異世界転生。
どんな風に生まれ変わったのかと期待したのに なぜか猫に転生。 人間でなかったのは残念だが、それでも構わないと気持ちを切り替えて猫ライフを満喫しようとした。しかし、転生先は森の中、食べ物も満足に食べてず、寂しさと飢えでなげやりに なって居るところに 物音が。
悪役令嬢になりたくないので、攻略対象をヒロインに捧げます
久乃り
恋愛
乙女ゲームの世界に転生していた。
その記憶は突然降りてきて、記憶と現実のすり合わせに毎日苦労する羽目になる元日本の女子高校生佐藤美和。
1周回ったばかりで、2週目のターゲットを考えていたところだったため、乙女ゲームの世界に入り込んで嬉しい!とは思ったものの、自分はヒロインではなく、ライバルキャラ。ルート次第では悪役令嬢にもなってしまう公爵令嬢アンネローゼだった。
しかも、もう学校に通っているので、ゲームは進行中!ヒロインがどのルートに進んでいるのか確認しなくては、自分の立ち位置が分からない。いわゆる破滅エンドを回避するべきか?それとも、、勝手に動いて自分がヒロインになってしまうか?
自分の死に方からいって、他にも転生者がいる気がする。そのひとを探し出さないと!
自分の運命は、悪役令嬢か?破滅エンドか?ヒロインか?それともモブ?
ゲーム修正が入らないことを祈りつつ、転生仲間を探し出し、この乙女ゲームの世界を生き抜くのだ!
他サイトにて別名義で掲載していた作品です。
RiCE CAkE ODySSEy
心絵マシテ
ファンタジー
月舘萌知には、決して誰にも知られてならない秘密がある。
それは、魔術師の家系生まれであることと魔力を有する身でありながらも魔術師としての才覚がまったくないという、ちょっぴり残念な秘密。
特別な事情もあいまって学生生活という日常すらどこか危うく、周囲との交友関係を上手くきずけない。
そんな日々を悶々と過ごす彼女だが、ある事がきっかけで窮地に立たされてしまう。
間一髪のところで救ってくれたのは、現役の学生アイドルであり憧れのクラスメイト、小鳩篠。
そのことで夢見心地になる萌知に篠は自身の正体を打ち明かす。
【魔道具の天秤を使い、この世界の裏に存在する隠世に行って欲しい】
そう、仄めかす篠に萌知は首を横に振るう。
しかし、一度動きだした運命の輪は止まらず、篠を守ろうとした彼女は凶弾に倒れてしまう。
起動した天秤の力により隠世に飛ばされ、記憶の大半を失ってしまった萌知。
右も左も分からない絶望的な状況化であるも突如、魔法の開花に至る。
魔術師としてではなく魔導士としての覚醒。
記憶と帰路を探す為、少女の旅程冒険譚が今、開幕する。
【完結】髪は女の命と言いますが、それよりも大事なものがある〜年下天才魔法使いの愛には応えられません〜
大森 樹
恋愛
髪は女の命。しかし、レベッカの髪は切ったら二度と伸びない。
みんなには秘密だが、レベッカの髪には魔法が宿っている。長い髪を切って、昔助けた男の子レオンが天才魔法使いとなって目の前に現れた。
「あなたを愛しています!絶対に絶対に幸せにするので、俺と結婚してください!よろしくお願いします!!」
婚約破棄されてから、一人で生きていくために真面目に魔法省の事務員として働いていたレベッカ。天才魔法使いとして入団してきた新人レオンに急に告白されるが、それを拒否する。しかし彼は全く諦める気配はない。
「レベッカさん!レベッカさん!」とまとわりつくレオンを迷惑に思いながらも、ストレートに愛を伝えてくる彼に次第に心惹かれていく…….。しかし、レベッカはレオンの気持ちに答えられないある理由があった。
年上訳あり真面目ヒロイン×年下可愛い系一途なヒーローの年の差ラブストーリーです。
婚約破棄寸前の悪役令嬢に転生したはずなのに!?
もふきゅな
恋愛
現代日本の普通一般人だった主人公は、突然異世界の豪華なベッドで目を覚ます。鏡に映るのは見たこともない美しい少女、アリシア・フォン・ルーベンス。悪役令嬢として知られるアリシアは、王子レオンハルトとの婚約破棄寸前にあるという。彼女は、王子の恋人に嫌がらせをしたとされていた。
王子との初対面で冷たく婚約破棄を告げられるが、美咲はアリシアとして無実を訴える。彼女の誠実な態度に次第に心を開くレオンハルト
悪役令嬢としてのレッテルを払拭し、彼と共に幸せな日々を歩もうと試みるアリシア。
異世界転移したら、死んだはずの妹が敵国の将軍に転生していた件
有沢天水
ファンタジー
立花烈はある日、不思議な鏡と出会う。鏡の中には死んだはずの妹によく似た少女が写っていた。烈が鏡に手を触れると、閃光に包まれ、気を失ってしまう。烈が目を覚ますと、そこは自分の知らない世界であった。困惑する烈が辺りを散策すると、多数の屈強な男に囲まれる一人の少女と出会う。烈は助けようとするが、その少女は瞬く間に屈強な男たちを倒してしまった。唖然とする烈に少女はにやっと笑う。彼の目に真っ赤に燃える赤髪と、金色に光る瞳を灼き付けて。王国の存亡を左右する少年と少女の物語はここから始まった!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる