プリンセスクロッサー勇と王王姫纏いて魔王軍に挑む

第百十三話

    ハーメルイトンは首を傾げる。どうもおかしい、時間になったというのに一人も子供達が来ないのだ。



  やはり勇者の妨害に遭っているのかと不安になった。



「あの、仮面伯爵様。もしかしてそちらで何か異常があったりしませんかね？」



   通信魔法で上司に尋ねる。



「さあ、どうでしょう？こちらは異常なく平穏な日々ですが」



「そ、そうですか…………」



   ハーメルイトンの不安は拭えないが納得した。



   仮面伯爵はまったく嘘など言っていない。が、それは人間にとっての平穏でありハーメルイトンにとってはまったくの嘘であった。



    仮面伯爵は大人達が翻弄される様を見ていたいので部下を蔑ろにすることにする。



「あんた最低だな」



   部下を見捨てたことで壊羅に非難されるも肩をすくめるだけだ。



「ううっ！奇襲とはちょこざいな！」



   そんな時魔弾が飛んできてハーメルイトンは受け止めた。



    ハーメルイトンは人間の分際でなんて汚い真似をと思う。



「バレたか。総員突撃！」



   国王が勇達や騎士団に号令をかける。奇襲がバレた以上隠れているのみは無意味だ。



   ドドドドドドドドドドド！！！！！



   派手な音を立てテント内に可愛い子供達ではなく屈曲な騎士団達が突入してきた。