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第五十三話 鳴り続ける電話②
しおりを挟む「もしかして、隆くんまだ電話に出ないの?」
祐子が烈太の様子を察する。
「さっきから何度もかけてるんだけど」
烈太は肩の横で手を広げる。
「まったく、新しい友達になに心配させてんのよ」
祐子が烈太の代わりに怒る。
「ま、やばくなったらディリハさんが知らせてくれるでしょ」
烈太は諦めたように言う。
「やっぱり、心配?」
祐子は烈太の諦めの中にある心情を逃さなかった。
「せっかく出来た友達だからね」
おかげで烈太の気が少しだけ楽になった。
「明日も学校よ、無事だったらちゃんと登校してるわよ」
「そうだな」
祐子が笑って励ますと烈太は思わず口元から笑みが出た。そうだ、今は心配することはない、希望は明日に託せばいいのだ。
☆☆☆☆☆☆☆
そんな心配などつゆ知らず、隆はハルピィとの食事を楽しく終えた。
レストランの出入り口で隆がハルピィに微笑む。
「今日はフィギュアも貰って、こんな美味しい食事にも誘って貰えてほんと最高です!ありがとうございます!」
「わたしもよ、あなたに出会えて良かった」
ハルピィが微笑み返し二人でフフッと笑う。
「ねえ、また会わない?」
「いいんですか!?」
ハルピィが誘うと隆は思ってもいなかったと興奮する。
「ええ。こんないい出会い、一度きりなんてもったいないもの。またどこかに行きましょ」
ハルピィは隆への愛しさを剥き出しにした。
「俺もまたハルピィさんに会いたいです」
隆はそれに呼応するようにハルピィを愛しく感じた。
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