心のままに

YUKI

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残暑に思う景色

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陽射しはまだ夏の盛り
やっと見つけた木陰のベンチ
重くなった体と心を
預けるには十分な憩い

風に乗り微かな金木犀の香り
秋の気配は感じられるのに
照り返される熱気に
弱音が顔を出すばかり

一足先に山に赴く友より
労り励ましの言葉は
記憶に残る
懐かしの風景を映し出す
高い空からの陽射しは
あくまで透明で
山より吹く風は心地よく
緑鮮やかな丘に放牧された牛たち
水飲み場となる澄み渡る池には
青い空と白い雲が映る
瞼を閉じればいつでも思い出せる
だが実際に目にする風景は
車の群れと
道路に立ち昇る陽炎

魂だけでも思い出の場所に
飛んで行けたらと願う昼下がり


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