心のままに

YUKI

文字の大きさ
上 下
11 / 65

桔梗……永遠の愛

しおりを挟む
暦は秋を促すが
まだまだ夏は健在
昼は蝉が
最後の演奏とばかり精をだす
夜は秋を呼ぶ虫の音が
ひんやりとした風を連れてくる
1年前に君が抱えていた鉢植え
ベルベットのようなしっとりとした
紫の衣を纏った桔梗
君の白い肌に映え美しかった
君は俺に似た花だと言う
君は俺への気持ちだと言う
その時は深く考えず
二人で庭に植えた
俺の嫌いな漆黒の髪
漆黒の瞳
君は好きだと微笑んでくれる
俺は君の色素の薄い
髪や瞳が好きだ
君は願い事を託し髪を伸ばし始めた
願いは何?と尋ねても
笑って誤魔化すばかり
懐かしい
恋しい
庭に咲く桔梗に君を重ねる
さらさらと柔らかい滑らかな髪に
指を絡ませ
桔梗の花弁のようにしっとりとした肌に触れ
君を…
音を為さない唇から漏れる吐息
言葉を唇に乗せゆっくりと紡がれる
俺への思い
俺も君への思い
この唇で君の唇に乗せよう

愛してると


しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

勘違い令嬢の心の声

にのまえ
恋愛
僕の婚約者 シンシアの心の声が聞こえた。 シア、それは君の勘違いだ。

秘事

詩織
恋愛
妻が何か隠し事をしている感じがし、調べるようになった。 そしてその結果は...

職場のパートのおばさん

Rollman
恋愛
職場のパートのおばさんと…

お父さんのお嫁さんに私はなる

色部耀
恋愛
お父さんのお嫁さんになるという約束……。私は今夜それを叶える――。

愛されない女

詩織
恋愛
私から付き合ってと言って付き合いはじめた2人。それをいいことに彼は好き放題。やっぱり愛されてないんだなと…

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

処理中です...