巻き込まれて気づけば異世界 ～その配達員器用貧乏にて～

～ワーク～ 異世界では面白おかしく仕事します

初エンカウントでございます

 いざ帰ろうと腰をあげる。あぁ、いくら若返らせてもらったとはいえ腰が痛いわ。軽く延びをして腰を叩いていると林の側に気になるものが目に入った。

これって葉っぱの形から見てあれだよな… 鑑定先生、そうっすよね？

林人参
林、その周辺に自生する人参

やっぱりそうか。この世界にはこんなものまであるんだな。俺は葉を持ち引き抜いてみた。うむ、人参だな。

近場に他にもないか探していると探知エリア内の俺に近い３つの赤が急に近づいてくるのを感じた。

俺は急いで林から距離をとった。気配察知や探知でくる方向はわかっていても、見えない所から何をしてくるかわからないと思ったからだ。

林から何かが飛び出してくる。先生お願いします。

ダッシュラビット
兎型魔獣 速さ特化

目の前に現れた兎は… でかいね。印象としてはそんな感じ。見た目はド○クエで出てくるつの生えた兎風だ。兎は俺の左手をやたら見ていた。なんでだ？

ちらりと左手を確認すると、そこには人参が。これ好きなんですか？ ダメです、俺のなのであげません。人参を収納にしまっちゃいます。

なんてやりとりをしていたら兎が思いきり地面を蹴り俺に向かって突っ込んできた！





でもごめんね～、全然見えてますわ。

俺は軌道を読み最小限でかわすと耳を掴み取り捕獲してみた。

近くで見ると…  やっぱりでかくて重い兎だわ。普通の兎となに違うんだろ？

もう２つの反応はまだ林から出てこないのをいいことに捕まえた兎を観察していた。すごい暴れるんで見にくいっすなぁ。

手元の兎はジタバタと暴れまくり後ろ足で蹴ろうとしてくる。うっとおしくなってきたので空いている手で思いきり払いのけた。

兎の耳が捻りパンの様に絡み付いていったと思ったら、ゴキンと鈍い音がした。

足を叩かれた兎は、捕まれてる耳を支点にぐるぐると回転して首も捻っちゃったみたいだ。ごめんよ兎。こんな捻れるくらい力いれてたと思わなかった…

先程まで感じられた残り２つの敵対反応は無くなっていた。首捻ったの見て逃げちゃったのかな？  

ところでこの兎食えるのかな？解析先生どうっすか？ あ、食える。なら美味しいいただきたいですな。ふむ、血抜きと皮剥ぎすか。

と、こんな感じで解析先生に確認を取りながら兎をさばいていく。

元田舎者なので動物解体なんぞは何回も見てるので血や臓物なんて何のその。

不必要な部分を埋めるため相棒を取り出す。



あ、初戦闘なのに相棒使い忘れた…