上 下
14 / 41
2興味

2-3 パワースポット

しおりを挟む
「ごめんね うん じゃ またね」

アカリさんは何に対してなのか 最後まで謝ってから くるりとUターンしてほぼ小走りで帰っていく

電車、すぐにあるといいな。まだ通学時間帯だから30分に一本はあるよね?
心配した割には、電車はすぐに来た。黒い輩も今日は居ない。ほっとしてシートに腰を下ろして 気がついた

「あ!アカリさんの連絡先知らない」


 家は知ってるけど、電話番号を知らないとか?今時は小学生でもあり得ない?っというか今時ならLINEとかかな?
まあ いいや お寺さんなんだから突然行って、あの大きな木の葉音を聞いていてもいいよね?あそこはとっても気持ちがいい所だものね「パワースポット」かもしれない。次に行った時は本堂にお参りしてお賽銭を入れよう。

「ねえ お母さん、鈴王寺ってお寺さん知ってる?」

「知らないなあ どこにあるの?」

「福寿院前駅から割と近い所にあるんだけど」

「ふーん、福寿院さんじゃなくてリンオウジなのね?で、リンオウジさんがどうしたの?」

「あのね そこのアカリさんと友達になってこれ貰った」

じゃーんっとのんびり焼きを差し出すと、母親の顔がニンマリと笑顔になった。
もしかして、もしかしなくても、ワタシもこんな顏をしたのかな?それでアカリさんはワタシの顏を見て”幸せそう”って言ったのかあ……確かに幸せそうな顔だわ


**


アカリさんのキラキラ効果、なのか オニイサンのお祓いオーラに接したからなのか、ここ2-3日黒い輩に遭遇していない。すごく”普通”な子になって”普通”な生活をしている気がする。お礼を言いに行った方が良いのかな?

善は急げ。だよね? 翌日 帰宅部のワタシは福寿院駅で途中下車した。
改札を出で、赤いポストに今日もキラキラが居るかな、と目をやると、ポストの上にソラが座っていた。

「あ!ヒナタちゃん」
「ソラ 何してんの?」

ソラがピョンとワタシの方に飛んでくる。

「ぼく?アカリさんを待っているんだよ そろそろ来るよ」

「いっしょに居なくていいの?」

「えーと僕ここからあんまり離れると気持ち悪くなるんだ。電車の中なら大丈夫なんだけど……それに、ソラって呼ぶ声が時々 頭の中でするからアカリさんと一緒じゃなくても寂しく無いよ」

「そっか」

これが”名づけ効果”なのかな? ソラって呼ぶ声はアカリさんがソラの事を考えている時なのかな?どれどれ「ソラ!」ワタシも心で呼んで、ソラの様子を伺う。

「どうしたの?」

「今 ソラって頭の中で聞こえた?」

「ううん。聞こえないよ 今アカリさん電車に乗ってるところだし」

ワタシではダメらしいな。そもそも名づけに反対してたんだしね。

「あ!帰って来た!」

電車の走る音が聞こえて来た。これにアカリさんが乗ってるの?確かに学校(町の中心)の方から来た電車だけどさ…… ソラがワタシと改札を交互に見ている。迎えに行こうか考えてるのかな。これ見てたらワタシならソラじゃなくてハチって名前にするね。忠犬ハチ公のハチね

「ソラ、名前 ハチにしない?それかハチ公とか?」

ソラは目をぱちくりとさせてから 口を尖らせた


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

ロリっ子がおじさんに種付けされる話

オニオン太郎
大衆娯楽
なろうにも投稿した奴です

追放されましたが、私は幸せなのでご心配なく。

cyaru
恋愛
マルスグレット王国には3人の側妃がいる。 ただし、妃と言っても世継ぎを望まれてではなく国政が滞ることがないように執務や政務をするために召し上げられた職業妃。 その側妃の1人だったウェルシェスは追放の刑に処された。 理由は隣国レブレス王国の怒りを買ってしまった事。 しかし、レブレス王国の使者を怒らせたのはカーティスの愛人ライラ。 ライラは平民でただ寵愛を受けるだけ。王妃は追い出すことが出来たけれど側妃にカーティスを取られるのでは?と疑心暗鬼になり3人の側妃を敵視していた。 ライラの失態の責任は、その場にいたウェルシェスが責任を取らされてしまった。 「あの人にも幸せになる権利はあるわ」 ライラの一言でライラに傾倒しているカーティスから王都追放を命じられてしまった。 レブレス王国とは逆にある隣国ハネース王国の伯爵家に嫁いだ叔母の元に身を寄せようと馬車に揺られていたウェルシェスだったが、辺鄙な田舎の村で馬車の車軸が折れてしまった。 直すにも技師もおらず途方に暮れていると声を掛けてくれた男性がいた。 タビュレン子爵家の当主で、丁度唯一の農産物が収穫時期で出向いて来ていたベールジアン・タビュレンだった。 馬車を修理してもらう間、領地の屋敷に招かれたウェルシェスはベールジアンから相談を受ける。 「収穫量が思ったように伸びなくて」 もしかしたら力になれるかも知れないと恩返しのつもりで領地の収穫量倍増計画を立てるのだが、気が付けばベールジアンからの熱い視線が…。 ★↑例の如く恐ろしく、それはもう省略しまくってます。 ★11月9日投稿開始、完結は11月11日です。 ★コメントの返信は遅いです。 ★タグが勝手すぎる!と思う方。ごめんなさい。検索してもヒットしないよう工夫してます。 ♡注意事項~この話を読む前に~♡ ※異世界を舞台にした創作話です。時代設定なし、史実に基づいた話ではありません。【妄想史であり世界史ではない】事をご理解ください。登場人物、場所全て架空です。 ※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義なのでリアルな世界の常識と混同されないようお願いします。 ※心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。 ※価値観や言葉使いなど現実世界とは異なります(似てるモノ、同じものもあります) ※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。 ※話の基幹、伏線に関わる文言についてのご指摘は申し訳ないですが受けられません

北新地物語─まるで異世界のような不夜街で彼女が死んだわけ─

大杉巨樹
ミステリー
彼女がなぜ死ななければならなかったのか、物語は一つの心中事件を追う展開となります。 第1部では彼女が死んだ事件に涼平(りょうへい)が出くわすまでの出来事を、高級クラブの黒服となった涼平の経緯とともに、高級クラブという職場の生活を黒服目線で描きながら進んでいきます。 第2部では高級クラブのホステスである萌未(めぐみ)の目線を通して高級クラブの世界を描きながら、事件の真相を追っていきます。 第3部は解決編です。事件の真犯人が分かるとともに、北新地に関わる様々な人たちの群像劇ともなっています。 本作は黒服、ホステス、客という三者の立場で見える北新地の姿を描きながら、殺人事件の真相を追っていくミステリーとなっております。最終回まですでに書き終えており、なかなかリアルな高級クラブの世界を描き切れたのではないかと自負しております。お水エンターテインメント作品として楽しんでいただければ幸いです。 ※本作品はフィクションです。実在する人物、団体、出来事とは関係ありません。

幼なじみとセックスごっこを始めて、10年がたった。

スタジオ.T
青春
 幼なじみの鞠川春姫(まりかわはるひめ)は、学校内でも屈指の美少女だ。  そんな春姫と俺は、毎週水曜日にセックスごっこをする約束をしている。    ゆるいイチャラブ、そしてエッチなラブストーリー。

自称「未来人」の彼女は、この時代を指して「戦前」と呼称した

独立国家の作り方
ミステリー
刺激の少ない大学生活に、一人のインテリ女子が訪れる。 彼女は自称「未来人」。 ほぼ確実に詐欺の標的にされていると直感した俺は、いっそ彼女の妄想に付き合って、化けの皮を剥ぐ作戦を思いつく。 そんな彼女は、会話の所々に今この時を「戦前」と呼んでいる事に気付く。 これは、それ自体が彼女の作戦なのか、そもそも俺に接触してくる彼女の狙いは一体何か。

車の中で会社の後輩を喘がせている

ヘロディア
恋愛
会社の後輩と”そういう”関係にある主人公。 彼らはどこでも交わっていく…

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

婚約者候補は辞退させてくださいませっ!

m
恋愛
蝶よ花よと大事に育てられた侯爵令嬢のマリーベル。  そんなマリーベルにアーサー殿下との婚約話が持ち上がる。 アーサー殿下を慕う令嬢達から妬まれ、 使用人を奴隷のようにこき使う悪女、と言われのない悪評をたてられていた。 その噂はアーサー殿下の耳にまで届き、マリーベルは呼び出される。 正式な婚約発表の時までに、悪い噂を払拭して人並みになれと。 「よいか、マリーベル! 婚約者として大切なことを3つ教える。 感謝と思いやり、愛情だ! まずは、私がお前の婚約者であることへ感謝するように!」 「そんなっ! 感謝できません!」 「なっ!」 威圧的な態度をとるアーサー殿下に、 婚約者候補辞退を申し出るマリーベル。 けれど、なぜかアーサー殿下は、辞退を認めてくれなくて……  混乱するマリーベルは、神殿へ修行に向かうことにする。 そこで自分自身を見つめなおすうちに、新たな出会いもあり。 マリーベルは、候補を辞退できるのか……? 31話完結 当初のタイトル変更しました 一時非公開としていましたが、2024年9月7日、多少変更して公開しています 宜しくお願い致します 〜ゆるい設定世界観のお話です。〜

処理中です...