一年前の忘れ物

花房ジュリー

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奉仕

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 玲は、仰向けになったアレンの上に馬乗りになると、黙ってシャツのボタンを外し始めた。
「何? レイ、いいの?」
「決まってるだろ? 特別な場所なんだから……」
「じゃあ……」
 アレンは身を起こして体勢を入れ替えようとしたが、玲は突っぱねた。
「俺がする。今日はアレンの合格祝いでもあるんだから、俺が全部してあげるよ。アレンは何もしないで」
 上半身を全て脱がせると、玲はアレンの首筋から鎖骨にかけてゆっくり口づけた。
 ――本当に、綺麗だよな……。
 細っこい自分とは大違いの、羨ましくなるほど引き締まった美しい胸筋。見慣れているはずの彼の裸体に、玲は思わず見とれた。
 チュッ。
 音を立てて、乳首に吸い付いてみる。アレンにいつもされているのを思い出しながら、玲はしばらくの間、舌と唇で愛撫を続けた。しかしいつまで経っても、アレンに変化は無い。
「気持ち良くない?」
 不安になって尋ねると、アレンは微苦笑した。
「うーん、むしろくすぐったいかな?」
 ――同じようにやってみたのに、何が違うんだろう……。
 その時ふと、玲は硬いものが当たる感触に気づいた。下も脱がせると、やはりアレンは完全に勃起していた。玲が手で軽く扱いただけで、それはみるみる勢いを増し、腹に付かんばかりになった。
「気持ち良くないって言ったくせに……」
「だって、レイのそんなやらしい姿を見ていたら、興奮もするよ……」
「じゃあもっと興奮させてあげる……」
 玲は、アレンの下腹部に顔を寄せると、ちゅっとそれに口づけた。
 ――こっちなら、何度かチャレンジしたし。少しは上手くなっているはず……。
 大きすぎてとても全ては収まりそうもないので、半分ほど口に含み、後は手を使ってみる。懸命に舌と唇を動かすうち、次第にアレンの息づかいが荒くなってきた。
 ――感じてくれてる……?
「レイ、もう……」
 アレンの声が上ずる。同時に、苦味が口の中に広がった。
「レイ、駄目だって!」
 アレンは、焦ったように玲の頭をつかんで引き剥がそうとしたが、間に合わなかった。どろりと熱い液体が、玲の口の中に広がる。玲は素直に飲みこもうとしたが、予想以上の量に、思わずむせて咳き込んだ。アレンは、慌てて身を起こすと、玲の背をさすった。
「大丈夫? 無理しなくてよかったのに」
「だって……。アレンはいつも、飲んでくれてる」
「だからって、そんな無茶……。ほら、交代。今度は、僕がレイを気持ちよくしてあげるから」
「駄目」
 玲は、首を横に振った。
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