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第十二章 価値観は、それぞれなんです
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その後、細かな人事が全て決まると、審議は終了した。するとボネーラが、フィリッポの元へやって来た。
「おめでとうございます、フィリッポ殿。早速ですが、宮廷魔術師のお部屋へご案内しましょう」
そこへジュダが、遠慮がちに声をかけた。
「よかったら、ご一緒しても?」
「もちろんです」
フィリッポが微笑む。するとルチアーノが言い出した。
「では、皆で行くとするか。マスミも、どうだ?」
「はい、是非」
こうして五人は、王宮内にある、宮廷魔術師専用の部屋へと向かった。その道中、ジュダはフィリッポに謝った。
「勝手に喋って、悪かった。けど、どうしても言いたかったんだ。自分の父親が禁忌を犯したというのに、黙って知らぬふりを通すなんて、できなくて」
「いいんですよ」
フィリッポは、あっさり答えた。
「熱い正義感にあふれた気性は、火属性の特徴ですしね」
「蛍火程度しか出せなくてもか?」
「そうですよ」
フィリッポは、クスクス笑った。
「ただ熱血すぎて、相手によってはぶつかりやすいのでご注意を。……そうですね、例えば水属性の人とは、反発しやすい」
「僕?」
真純は、目を丸くして自分を指さした。
「そんな関係性があるんですか」
「ええ、属性相性というものがありますから」
ジュダは、合点したように頷いた。
「俺が、マスミとなかなか反りが合わなかったのは、それが理由か」
一方的に疎まれていた気もするが、今となっては些細な話だ。真純は、聞き流すことにした。
「属性相性って、他にはどんなものがあるんです?」
「そうですね。例えば、私の土とマスミさんの水は、大変に相性が良いそうです。どちらも、堅実で冷静」
フィリッポが、真純の肩に軽く触れる。ルチアーノは、即座にその手を押しのけた。
「眉唾ものだな。フィリッポ殿が堅実とは、信じがたい」
「マスミが冷静ってのもな」
ジュダが付け加える。ボネーラは、まあまあと皆をとりなした。
「他には、どのような関係性が? 陛下の風属性は、どうなのです?」
「風と土は、非常に反発し合うそうです」
フィリッポが、間髪を容れずに答える。ルチアーノは、大きく頷いた。
「前言を撤回しよう。属性相性とは、一理ある。ちなみに、風と水はどうなのだ?」
「互いを強め合う、最良の相性だとか」
フィリッポは、渋々といった様子で答えた。まるで、ジュダが呪文を唱える時のような棒読みだ。
「ほう」
ルチアーノは、満足げな顔をした。ボネーラも顔をほころばせ、ジュダはちぇっと舌打ちした。
「何だよ。最初っから、俺の負け確定じゃんか」
フィリッポは、そんな彼を見やると、呟いた。ごく小さな声だった。
「ちなみに、ね。火と土も、とても相性がいいんですよ……」
だが、ジュダにその言葉は聞こえていなかったらしかった。え、と聞き返す。だがその時、ボネーラが声を上げた。
「着きました。皆様、こちらです!」
目の前には、金の装飾が施された、立派な扉があった。ここが、宮廷魔術師の部屋か。ボネーラが厳かに扉を開けると、豪華な空間が現れた。面積は、畳にして二十畳はあるだろうか。質の良さそうな机や書棚が、ずらりと並んでいる。書棚には、すでに魔術書が収納されていた。パッソーニが隠していたものだろう。
「歴代宮廷魔術師が使用してきた部屋です」
ボネーラは、フィリッポに微笑みかけた。
「ですが……、最後は、あのパッソーニが使用したわけで。もし、お嫌なら……」
「いえ。こちらを使わせていただきます」
フィリッポは、きっぱり答えた。
「ベゲット様がお使いだった部屋なのですから。私も、ここで職務に励みたく存じます」
そう言うとフィリッポは、入室した。しみじみと、室内を見渡す。
「ここが……。師匠の名に恥じぬよう、精進せねばなりませんね。転送魔法は習得したので、今度は転移魔法でしょうか。あれが使えていたら、ギルリッツェにもすぐに到着できましたのに」
するとルチアーノが、フィリッポをチラと見た。
「それで思い出したのだが。ギルリッツェで体験したが、飛行魔法とは、手を握るだけでも実現できるものなのだな。そなた、ギルリッツェまでマスミを抱いて運んだのであろう? マスミは、否定しなかったぞ」
真純は、真っ赤になった。フィリッポが、しれっと答える。
「あの時は私も、手を握るだけでよいとは知りませんでしたので」
(嘘だ。役得とか言ってたくせに……!)
そこへ、朗らかな声が響き渡った。
「坊ちゃま! 運んで参りましたぞ!」
この声は、グレゴリオか。振り返って、真純はおやと思った。彼が持って来たのは、何枚もの絵だったのだ。ルチアーノが尋ねる。
「これは?」
「歴代宮廷魔術師の、肖像画です。かつて、この部屋に飾られていました。当然、ベゲット家の方々です。パッソーニが嫌がったので、いったん外されていた次第です」
ボネーラが答える。するとグレゴリオが補足した。
「パッソーニは、これらを焼却処分しろと命令したのですがね。とても、できませんでした。それで私が、こっそり保管していたのです」
フィリッポは、それを聞いてグレゴリオの元に近寄った。しっかりと手を取る。
「グレゴリオ様、感謝します。本当に、ありがとうございました」
しみじみと礼を述べると、フィリッポは、そのうちの一枚を手に取った。感慨深げに、語りかける。
「ベゲット様。ああ、何と懐かしい……」
そしてフィリッポは、ジュダにその絵を見せた。
「どうぞ。あなたのお父上ですよ」
ジュダは、恐る恐るといった様子で、絵を手に取った。ルチアーノや真純たちも、のぞき込む。描かれていたのは、若い赤毛の男性だった。穏やかで賢そう、そんな印象だ。顔の造作は、そっくりとまではいかないものの、確かにジュダを彷彿とさせた。
ジュダは、ひたすら黙って肖像画を見つめている。ついにしびれを切らしたのか、フィリッポが尋ねた。
「どうです? 感想は」
「まあ、似てるけど。俺の方が男前だ」
ジュダが、軽口を叩く。皆は、微笑ましげに笑った。ジュダは、一瞬ためらってから、こう告げた。
「なあ、フィリッポさん。教えてくれないか。父は、どんな人だったんだ?」
フィリッポは、パッと瞳を輝かせた。
「もちろんですとも。そうですね、穏やかな方でしたよ。魔法の能力はもちろんですが、知性と教養にもあふれてらっしゃいました。まさに完璧、と言いたいところでしたが。唯一の欠点が、運動神経の無さでしてね」
「へえ、俺とは違うな」
ジュダは、興味深げに相づちを打った。
「そうなんですよ。ある時なんてね……」
フィリッポは、思い出に浸っている様子だ。ルチアーノは、真純たちを促した。
「二人きりにしよう」
真純もボネーラもグレゴリオも、心得たとばかりに頷いた。二人を残し、そっと部屋の扉を閉める。心ゆくまで語り合えればいい、真純はそう願ったのだった。
「おめでとうございます、フィリッポ殿。早速ですが、宮廷魔術師のお部屋へご案内しましょう」
そこへジュダが、遠慮がちに声をかけた。
「よかったら、ご一緒しても?」
「もちろんです」
フィリッポが微笑む。するとルチアーノが言い出した。
「では、皆で行くとするか。マスミも、どうだ?」
「はい、是非」
こうして五人は、王宮内にある、宮廷魔術師専用の部屋へと向かった。その道中、ジュダはフィリッポに謝った。
「勝手に喋って、悪かった。けど、どうしても言いたかったんだ。自分の父親が禁忌を犯したというのに、黙って知らぬふりを通すなんて、できなくて」
「いいんですよ」
フィリッポは、あっさり答えた。
「熱い正義感にあふれた気性は、火属性の特徴ですしね」
「蛍火程度しか出せなくてもか?」
「そうですよ」
フィリッポは、クスクス笑った。
「ただ熱血すぎて、相手によってはぶつかりやすいのでご注意を。……そうですね、例えば水属性の人とは、反発しやすい」
「僕?」
真純は、目を丸くして自分を指さした。
「そんな関係性があるんですか」
「ええ、属性相性というものがありますから」
ジュダは、合点したように頷いた。
「俺が、マスミとなかなか反りが合わなかったのは、それが理由か」
一方的に疎まれていた気もするが、今となっては些細な話だ。真純は、聞き流すことにした。
「属性相性って、他にはどんなものがあるんです?」
「そうですね。例えば、私の土とマスミさんの水は、大変に相性が良いそうです。どちらも、堅実で冷静」
フィリッポが、真純の肩に軽く触れる。ルチアーノは、即座にその手を押しのけた。
「眉唾ものだな。フィリッポ殿が堅実とは、信じがたい」
「マスミが冷静ってのもな」
ジュダが付け加える。ボネーラは、まあまあと皆をとりなした。
「他には、どのような関係性が? 陛下の風属性は、どうなのです?」
「風と土は、非常に反発し合うそうです」
フィリッポが、間髪を容れずに答える。ルチアーノは、大きく頷いた。
「前言を撤回しよう。属性相性とは、一理ある。ちなみに、風と水はどうなのだ?」
「互いを強め合う、最良の相性だとか」
フィリッポは、渋々といった様子で答えた。まるで、ジュダが呪文を唱える時のような棒読みだ。
「ほう」
ルチアーノは、満足げな顔をした。ボネーラも顔をほころばせ、ジュダはちぇっと舌打ちした。
「何だよ。最初っから、俺の負け確定じゃんか」
フィリッポは、そんな彼を見やると、呟いた。ごく小さな声だった。
「ちなみに、ね。火と土も、とても相性がいいんですよ……」
だが、ジュダにその言葉は聞こえていなかったらしかった。え、と聞き返す。だがその時、ボネーラが声を上げた。
「着きました。皆様、こちらです!」
目の前には、金の装飾が施された、立派な扉があった。ここが、宮廷魔術師の部屋か。ボネーラが厳かに扉を開けると、豪華な空間が現れた。面積は、畳にして二十畳はあるだろうか。質の良さそうな机や書棚が、ずらりと並んでいる。書棚には、すでに魔術書が収納されていた。パッソーニが隠していたものだろう。
「歴代宮廷魔術師が使用してきた部屋です」
ボネーラは、フィリッポに微笑みかけた。
「ですが……、最後は、あのパッソーニが使用したわけで。もし、お嫌なら……」
「いえ。こちらを使わせていただきます」
フィリッポは、きっぱり答えた。
「ベゲット様がお使いだった部屋なのですから。私も、ここで職務に励みたく存じます」
そう言うとフィリッポは、入室した。しみじみと、室内を見渡す。
「ここが……。師匠の名に恥じぬよう、精進せねばなりませんね。転送魔法は習得したので、今度は転移魔法でしょうか。あれが使えていたら、ギルリッツェにもすぐに到着できましたのに」
するとルチアーノが、フィリッポをチラと見た。
「それで思い出したのだが。ギルリッツェで体験したが、飛行魔法とは、手を握るだけでも実現できるものなのだな。そなた、ギルリッツェまでマスミを抱いて運んだのであろう? マスミは、否定しなかったぞ」
真純は、真っ赤になった。フィリッポが、しれっと答える。
「あの時は私も、手を握るだけでよいとは知りませんでしたので」
(嘘だ。役得とか言ってたくせに……!)
そこへ、朗らかな声が響き渡った。
「坊ちゃま! 運んで参りましたぞ!」
この声は、グレゴリオか。振り返って、真純はおやと思った。彼が持って来たのは、何枚もの絵だったのだ。ルチアーノが尋ねる。
「これは?」
「歴代宮廷魔術師の、肖像画です。かつて、この部屋に飾られていました。当然、ベゲット家の方々です。パッソーニが嫌がったので、いったん外されていた次第です」
ボネーラが答える。するとグレゴリオが補足した。
「パッソーニは、これらを焼却処分しろと命令したのですがね。とても、できませんでした。それで私が、こっそり保管していたのです」
フィリッポは、それを聞いてグレゴリオの元に近寄った。しっかりと手を取る。
「グレゴリオ様、感謝します。本当に、ありがとうございました」
しみじみと礼を述べると、フィリッポは、そのうちの一枚を手に取った。感慨深げに、語りかける。
「ベゲット様。ああ、何と懐かしい……」
そしてフィリッポは、ジュダにその絵を見せた。
「どうぞ。あなたのお父上ですよ」
ジュダは、恐る恐るといった様子で、絵を手に取った。ルチアーノや真純たちも、のぞき込む。描かれていたのは、若い赤毛の男性だった。穏やかで賢そう、そんな印象だ。顔の造作は、そっくりとまではいかないものの、確かにジュダを彷彿とさせた。
ジュダは、ひたすら黙って肖像画を見つめている。ついにしびれを切らしたのか、フィリッポが尋ねた。
「どうです? 感想は」
「まあ、似てるけど。俺の方が男前だ」
ジュダが、軽口を叩く。皆は、微笑ましげに笑った。ジュダは、一瞬ためらってから、こう告げた。
「なあ、フィリッポさん。教えてくれないか。父は、どんな人だったんだ?」
フィリッポは、パッと瞳を輝かせた。
「もちろんですとも。そうですね、穏やかな方でしたよ。魔法の能力はもちろんですが、知性と教養にもあふれてらっしゃいました。まさに完璧、と言いたいところでしたが。唯一の欠点が、運動神経の無さでしてね」
「へえ、俺とは違うな」
ジュダは、興味深げに相づちを打った。
「そうなんですよ。ある時なんてね……」
フィリッポは、思い出に浸っている様子だ。ルチアーノは、真純たちを促した。
「二人きりにしよう」
真純もボネーラもグレゴリオも、心得たとばかりに頷いた。二人を残し、そっと部屋の扉を閉める。心ゆくまで語り合えればいい、真純はそう願ったのだった。
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