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エピソード3 頭脳を無駄遣いインテリ系オタク 姫の元へ集え選ばれし聖騎士たちよ・・!
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今回は銃痕があったため、出っ歯はヒーローとして扱われた。
「なっつんの悲鳴が聞こえて、拙者命がけで奴らと戦ったんでござる。
襲い掛かる奴らを右になげ、左に投げ、そしてこの右手が奴らをつらぬき…」
朝から何度も放送されているインタビューは、
途中でフェイドアウトするようになった。
良かったのかはわからないが、デブも無実が認められた。
所持品については書類送検され、接近禁止の誓約書を書かせた。
その上で奈都はデブを許しお礼を言った。
「私たちは近づくことが出来ないけれど、これからも見守っていて下さいね」
っと。
佐倉奈都は一連の騒動の中で、確信した。
まずひとつ、私を狙う彼らはどこかしらから謎の穴をつくってやってくる。
奈都の部屋に開けなかったあたり、多少条件があるのだろう。
もうひとつ、なぜか彼らはオタクを攻撃できない。
ーはっきり”オタク”って言ってたわ
デブも出っ歯もオタクと認識された。TAKASHIは認識されなかった。
見た目の違い・・・?
オタクの定義に確信がもてるまで、デブと出っ歯には近くにいたもらう方がよい。
奈都の変貌ぶりにはグループメンバーもファン達も驚いた。
ひとりひとりに丁寧に対応をし、女性や子供、イケメンよりも
いかにもという感じのアイドルオタクたちを歓迎した。
名前をおぼえ、手を握り上目遣いに「きてくれてありがとう」
「さびしかった」と囁いた。
TVの報道も功をそうし、握手会では大行列、
またたくまに親衛隊ができた。
コンサート直前の会場で、オタクたちが語っていた。
「なっつんは、いや姫、姫だ!命を狙われるんだから姫だ!」
「こないだのコンサートで姫は俺に向かって微笑んだんだ・・・」
「あーれーはー俺に微笑んだんだ、よ!」
会話の外から男が割って入ってきた。
「いや、拙者でござるよ」
「あぁ!貴殿は名誉会員の幡中氏!」
出っ歯=幡中は身を挺して奈都を守ったと名誉会員の称号を得ていた。
「また姫をお助けした時のお話を聞かせて下さいっ!」
「あの、みなさん奈都さんのファンなんですよね」
再び外野が割って入ってきた。前髪が長めの青年だ。
「いかにも!」
「これ、一緒にやりませんか」
渡されたパンフレットの表紙にはこう書かれていた
”佐倉奈都嬢護衛計画 聖騎士制度概要”
SNSを駆使し、聖騎士同士連携をとり、常に奈都を見守る。つまり公式ストーカーだ。
「これは・・!公式!?運営サイドの募集でござるか!?」
「いえ、僕が考えました」
上がったテンションが一気に下がった。
「拙者は遠慮するでござる」
「ぼくもいいです」
「おや、いいんですか」
うざい前髪がニヤリと笑った。
「SNSで連絡を取るのは我々だけではなく奈都さんも含まれます」
「妄想としては悪くないですが、参加しませんよ」
「要は奈都さんのプライバシーが守られ、かつ安全を確保することが重要です。
実現すれば見守り交代時の『おつかれさま』『ありがとう』
『よろしくね』などのメッセージも期待出来ます」
オタクたちはちょっと想像してふわふわソワソワしはじめた。
「個人的なやりとりも期待できると見込んでいます」
オタクたちはへらへらしている。
「さらにぼくは!奈都さんから『素敵な計画ですね』という言質をとっています!」
おぉとどよめきが起こった。
「まぁ‥拙者、参加してあげてもいいでござるよ」
出っ歯が顔を赤らめ、素知らぬ方向を見ながら言った。
「!! ぼ、ぼくも参加します!」
ぼくも、おれも、とさらに十人ほどが手を挙げた。
「このパンフレット、よくできてるでござる・・。お主、何者でござる」
うざい前髪を横に流し、男が答えた。
「ぼくは 愛も授業料も!すべてをなっつんにつぎこむ只のファンだ!
…まぁ大学は東大だがね」
「東大・・そうかやはり只者ではなかったのでござるな」
出っ歯が握手を求め、うざい前髪の東大生がそれに答えた。
歓声がわきあがった。泣いているものもいた。
その騒ぎはコンサートの注意が始まり、スタッフが直々に注意しにくるまで続いたという。
東大生は授業料滞納で退学した。
「なっつんの悲鳴が聞こえて、拙者命がけで奴らと戦ったんでござる。
襲い掛かる奴らを右になげ、左に投げ、そしてこの右手が奴らをつらぬき…」
朝から何度も放送されているインタビューは、
途中でフェイドアウトするようになった。
良かったのかはわからないが、デブも無実が認められた。
所持品については書類送検され、接近禁止の誓約書を書かせた。
その上で奈都はデブを許しお礼を言った。
「私たちは近づくことが出来ないけれど、これからも見守っていて下さいね」
っと。
佐倉奈都は一連の騒動の中で、確信した。
まずひとつ、私を狙う彼らはどこかしらから謎の穴をつくってやってくる。
奈都の部屋に開けなかったあたり、多少条件があるのだろう。
もうひとつ、なぜか彼らはオタクを攻撃できない。
ーはっきり”オタク”って言ってたわ
デブも出っ歯もオタクと認識された。TAKASHIは認識されなかった。
見た目の違い・・・?
オタクの定義に確信がもてるまで、デブと出っ歯には近くにいたもらう方がよい。
奈都の変貌ぶりにはグループメンバーもファン達も驚いた。
ひとりひとりに丁寧に対応をし、女性や子供、イケメンよりも
いかにもという感じのアイドルオタクたちを歓迎した。
名前をおぼえ、手を握り上目遣いに「きてくれてありがとう」
「さびしかった」と囁いた。
TVの報道も功をそうし、握手会では大行列、
またたくまに親衛隊ができた。
コンサート直前の会場で、オタクたちが語っていた。
「なっつんは、いや姫、姫だ!命を狙われるんだから姫だ!」
「こないだのコンサートで姫は俺に向かって微笑んだんだ・・・」
「あーれーはー俺に微笑んだんだ、よ!」
会話の外から男が割って入ってきた。
「いや、拙者でござるよ」
「あぁ!貴殿は名誉会員の幡中氏!」
出っ歯=幡中は身を挺して奈都を守ったと名誉会員の称号を得ていた。
「また姫をお助けした時のお話を聞かせて下さいっ!」
「あの、みなさん奈都さんのファンなんですよね」
再び外野が割って入ってきた。前髪が長めの青年だ。
「いかにも!」
「これ、一緒にやりませんか」
渡されたパンフレットの表紙にはこう書かれていた
”佐倉奈都嬢護衛計画 聖騎士制度概要”
SNSを駆使し、聖騎士同士連携をとり、常に奈都を見守る。つまり公式ストーカーだ。
「これは・・!公式!?運営サイドの募集でござるか!?」
「いえ、僕が考えました」
上がったテンションが一気に下がった。
「拙者は遠慮するでござる」
「ぼくもいいです」
「おや、いいんですか」
うざい前髪がニヤリと笑った。
「SNSで連絡を取るのは我々だけではなく奈都さんも含まれます」
「妄想としては悪くないですが、参加しませんよ」
「要は奈都さんのプライバシーが守られ、かつ安全を確保することが重要です。
実現すれば見守り交代時の『おつかれさま』『ありがとう』
『よろしくね』などのメッセージも期待出来ます」
オタクたちはちょっと想像してふわふわソワソワしはじめた。
「個人的なやりとりも期待できると見込んでいます」
オタクたちはへらへらしている。
「さらにぼくは!奈都さんから『素敵な計画ですね』という言質をとっています!」
おぉとどよめきが起こった。
「まぁ‥拙者、参加してあげてもいいでござるよ」
出っ歯が顔を赤らめ、素知らぬ方向を見ながら言った。
「!! ぼ、ぼくも参加します!」
ぼくも、おれも、とさらに十人ほどが手を挙げた。
「このパンフレット、よくできてるでござる・・。お主、何者でござる」
うざい前髪を横に流し、男が答えた。
「ぼくは 愛も授業料も!すべてをなっつんにつぎこむ只のファンだ!
…まぁ大学は東大だがね」
「東大・・そうかやはり只者ではなかったのでござるな」
出っ歯が握手を求め、うざい前髪の東大生がそれに答えた。
歓声がわきあがった。泣いているものもいた。
その騒ぎはコンサートの注意が始まり、スタッフが直々に注意しにくるまで続いたという。
東大生は授業料滞納で退学した。
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