私は今もクズです。

新しい父親。

　私は昔から｢真面目｣だとか｢努力家｣だとか、肯定的な評価をされてきました。
　誰に対しても低姿勢。自分の中に妙な正義感を持っており、その正義感に基づいて行動をして生きています。

　ですが、その正義感とはアメリカのアニメに良く出てくるチーズくらい穴だらけで、他人に迷惑をかけないことならば何をしても許されると思い込んでいましたし、今でもそのガバガバ正義感システムをアップデート出来ずにいます。
　三つ子の魂百までとはよく言ったものですね。

　今回は私の人間性を知ってもらうためにその正義感について書いていきたいと思います。

　人に迷惑をかけない行為ならば何をしてもいいと思っていた私は義務教育を受けていた9年間、ほぼ全ての宿題をしてくることはありませんでした。
　6歳ながらに｢勉強とは自分のためにするものである｣という謎の理解をしており、それがマイナス方向に進んだのだと今でも思っています。例えば｢母親のためにしなければならない｣と思っていれば、｢母親に迷惑がかかるから｣と宿題を確実にしていたと、たらればの話ですが思います。

 ｢ちょっと待てよ｣と、読んでくれている方は思うと思います。
｢真面目で努力家はどうした｣と。大丈夫なんです。私は屑でありながら臆病なので、家で宿題をすることはありませんでしたが、学校に行ってから授業が始まるまでの時間に友達に宿題の答えを写させてもらい、｢真面目で努力家｣という外面を守っていました。
　中身はスカスカなハリボテ。それが私です。
　当時はありがとうございました、同級生の方々。

　今になって思うと、この宿題をしないことこそが私の性格形成に多大な影響を与えていると言えるかもしれません。
｢するべきことをしなくても後からなんとでもなる｣
　私検定があるとすればこの名言はテストに出るので、赤ペンで書いていてください。ちなみに私は小学3年生から授業内容の板書をしていませんでした。

　ですので、今でも｢努力した風｣は出来ても｢努力｣は出来ない体質になっています。もう、体質ですのでどうしようもありません。この発言が既に屑ですが。
｢わたしー、痩せにくい体質だから｣くらいどうしようもありません。

｢親は何をしていたのか｣
　そう言われることもあります。
　私が宿題をやらなくてもいいと判断したのが6歳、小学１年生。当時、私の実の父親は出ていっておりまして。母親は昼間タクシードライバー、夜はスナックで朝方まで働き、お酒の抜けないうちからまたタクシードライバーという過労勤務でしたのでほとんど家にいない状況でした。
　そして、時期を同じくして母親はスナックの客と結婚します。その男は九州出身の国家公務員で、見た目はとても誠実な男性というイメージでした。
　父親が出来たことにより母親の過労勤務はなくなりましたが、父親は仕事が忙しかった為に連れ子の学習状況など興味を持てなかったのでしょう。母親も時間が出来ても、家事などを理由に自分の子どもが宿題をしているかしていないかの確認などすることはありません。そもそもそんな習慣がなく過ごしてきたわけですから、今更するはずもありません。

　そんな私ですが｢他人に迷惑をかける行為｣に対してはとても厳しく、ポイ捨てや公共の場での迷惑行為には抵抗がありました。
　友人がポイ捨てをしようものなら、天から話しているのかという物言いで、ゴミを拾わせていました。
　本当のゴミは自分なのに、と今では思います。

　こんな人間がどう育っていくのか、少しは興味が湧いてきませんか。
　大丈夫です。誰でも人生に波はあるでしょうが、私の屑さはずっと高い位置で真っ直ぐです。安定して屑です。
　野球で例えると入団から引退まで打率7割超えです。
　
　｢いやいや誰でもそんな面はあるから。自分だけが特別だと思うなよ｣
　ごもっともです。ですが、私という人間を知れば知るほど｢ちゃんと屑｣だと分かって頂けると思います。
　まさか｢ちゃんと｣という言葉も、｢屑｣にくっつけられるとは思っていなかったでしょう。

　ちゃんと屑。それが私です。