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後日談
4-1 ミリヤムはグーで殴ろうと思った
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その兄弟は本当に正反対で。
まず、ヴォルデマーは実は朝に弱い。どちらかというと早朝はぼんやりしているタイプだった。
起きるとベッドの上ではしばらくぼんやりしている。まだ薄暗い室内で、無言のまま。
その姿を初めて目にした時、ミリヤムはかなりの衝撃を受けたらしい。
『なんだこれ堪らなく可愛い、ずっと見ていられる』と。実際よく眺めていたものだった。
だが、残念な事に、現在その姿はとても稀なものとなってしまった。そもそも仕事で忙しいと彼はあまり眠らないので、誰もその姿を見ることが出来ない。今は子育ての一端をも担っている彼は、眠っても短い仮眠を取るくらいだった。起きる時も、大抵子供達の泣く声で飛び起きるので、ぼんやりしている暇はない。
妻であるミリヤムも今は子育てに忙しく双子に翻弄されまくりで、そんな姿にゆっくりお目にかかれることはないのだった。
──それに比べ……呆れるほど朝に強いのが彼の兄、ギズルフだった。
彼は昔から弟とは違い、早朝ぱっちり目を覚ますことが出来る。そして寝入りも恐ろしく良く、殆ど夢を見ることもないらしい。
彼は起き上がったベッドの上にゆっくり留まる事もしない。今日もギズルフは身支度もそこそこに、さっさと部屋を飛び出して行った。
そんな──祭の朝の子供のように目覚めのいい男が、毎朝一番最初に向かう行き先はといえば、それは決まって訓練場だった。
男は愛剣を引っ掴むと、いつも一目散に朝稽古をしにそこへ走って行った。そうしてそれがすむと朝食を求めて食堂へ──と、いうのがいつものパターンだった。のだが。
最近、その行き先が変わった。
この人の迷惑を、まったく、綺麗なほどにかえりみない男の行く先は──勿論……
「おい! 尻は……!?」
ばぁん!! と……その扉を撥ね開けた途端、本日はそのふっさりした眉間に掌底突きが飛んで来た。
「う゛……」
「……煩いぞギズルフ。扉をノックしろ」
掌の持ち主、辺境伯の息子の低血圧な方、ヴォルデマーは、騒々しい兄を睨んだが……残念な事にギズルフは全然懲りた様子がなかった。ギズルフは部屋の奥から赤子の鳴き声がするのを聞きつけると、そわそわして弟を押し退け、発生源たる寝台の方へ駆け寄って行った。そしてゆりかごを覗き込んで豪快に笑う。
「おい、ランドルフよ! 呆れたやつだな、貴様こんなに早朝から泣き喚くなど、さては朝夕の区別もまだついておらぬのだな? 騒々しいやつめ!」
「…………」
ギズルフはそう言って、わー! と、嬉しそうに泣くランドルフを抱き上げたが、その背後では彼の弟が、『どの口が言う』と言いたげな顔をしている。
「……あれ? またですか若様……」
寝台の上でせっせとルドルフの世話をしていたミリヤムは、その乱入者になれきっていたが、一先ずため息をついて見せた。
「? なんだ?」
問い返してくる巨体の人狼の邪気の無い様子に、ミリヤムはやれやれと疲れを滲ませる。
「なんだじゃないんですよ、若様。はー……毎日繰り返されるこのやり取りに最早息切れ気味ですが、失敗を恐れずに申し上げさせていただくとですね……若様には、デリカシーが足らない」
と、ギズルフは拗ねたような顔で目を細める。
「もうそれは聞き飽きた」
「聞き飽きても治りませんか……ええ、ええ、もうちょっと分かっておりましたがね!? でも言わせていただけるのならば、若様、今日は駄目ですよ、今日は!!」
「? 何故だ?」
きょとんとするギズルフに、ミリヤムは目を剥いた。
「お分かりにならない? 本当にお分かりにならないので!?」
その仰け反る寝巻き姿(髪ボサボサ。現在、ヴォルデマーが手でせっせと整え中)のミリヤムに、ギズルフはむっとしたように唸る。
「なんなんだ貴様、壊れ物の分際で……」
と、彼が言うと、ミリヤムは、背後で己の髪を整えていた夫に、ルドルフをそっ……と託す。と──寝台に立ち上がり、目を剥いたまま、唐突にギズルフの頭をがしっと両手で掴む。
「っ!? っ!?」
「若様……今日は……何の日……でしたっけ……?」
そのおどろおどろしい異様な形相に、ギズルフが耳をぺったり倒す。
「やめろ、なんだその気味の悪い顔は!! ランダルが怖がるだろうが!!」
「お、黙んなさい、この若様め!! 我が子を思いやって下さるお心がけは美しいですがね!? その前に想って差し上げるべき大切な御方がいらっしゃるでしょう!?」
ミリヤムは、ギズルフの頭を掴む手に、ぎゅーっ! と力を込めた。と、ギズルフがその精一杯痛くしているつもりらしい娘の米神に浮かぶ青筋に悲鳴を上げる。
「っ!? やめろ!! 貴様力いっぱいやっているつもりか!? 全然痛くなさ過ぎて怖い!! お前の脆弱さを物語るようだ!!」
そんな恐怖で暴れだしそうなギズルフの腕から、ヴォルデマーが無言でランドルフを取り上げる。
そして、それを確認したミリヤムは、ギズルフの頭を握っていた手を離すと──そのふんわりした頬にすべり下ろし──……
「?」
ミリヤムの行動にきょとんとしているギズルフの目を、彼女は真正面から捉えた。
「……もう一度言いましょう……お黙んなさい……このっ、御嫡男様め!!」
「っ!? っ!?」
今度は頬を目一杯つねり上げた。無駄な贅肉がないのか、殆ど伸びないその頬に、ミリヤムが「伸びない!!」と、憎々しげな顔をする。それからミリヤムはギズルフの三角の耳を片方ぐいっと持ち上げ、そのほぼ零距離で叫んだ。
「っ!?」
「今日は!! 若様の! 麗しのクローディア様とのっ!! ご結婚式でしょう!?」
ミリヤムは“麗しの”に嫌に力を篭めている。
ヴォルデマーは双子を抱えて、やれやれとため息をついている。
そうして、怒鳴られたギズルフは──……
「…………」
彼はミリヤムの寝台の傍に立ったまま、きょとんと何事かを考えて──そして言った。
「……それがなんなのだ?」
そのけろりとした様子に、途端、ミリヤムの目が吊り上がる。
「いい加減にしろ!? もーあんたグーだぞ!? グーで殴ってやる!!」
「っ!?」
怒っていきなり飛び掛ってきた猿のような娘に、ギズルフが目を丸くしている。
ミリヤムは──……「クローディア様を式場で一秒たりともお待たせしたら、一発じゃすまないぞ!!」と──……パジャマ姿のままで憤慨するのだった……
まず、ヴォルデマーは実は朝に弱い。どちらかというと早朝はぼんやりしているタイプだった。
起きるとベッドの上ではしばらくぼんやりしている。まだ薄暗い室内で、無言のまま。
その姿を初めて目にした時、ミリヤムはかなりの衝撃を受けたらしい。
『なんだこれ堪らなく可愛い、ずっと見ていられる』と。実際よく眺めていたものだった。
だが、残念な事に、現在その姿はとても稀なものとなってしまった。そもそも仕事で忙しいと彼はあまり眠らないので、誰もその姿を見ることが出来ない。今は子育ての一端をも担っている彼は、眠っても短い仮眠を取るくらいだった。起きる時も、大抵子供達の泣く声で飛び起きるので、ぼんやりしている暇はない。
妻であるミリヤムも今は子育てに忙しく双子に翻弄されまくりで、そんな姿にゆっくりお目にかかれることはないのだった。
──それに比べ……呆れるほど朝に強いのが彼の兄、ギズルフだった。
彼は昔から弟とは違い、早朝ぱっちり目を覚ますことが出来る。そして寝入りも恐ろしく良く、殆ど夢を見ることもないらしい。
彼は起き上がったベッドの上にゆっくり留まる事もしない。今日もギズルフは身支度もそこそこに、さっさと部屋を飛び出して行った。
そんな──祭の朝の子供のように目覚めのいい男が、毎朝一番最初に向かう行き先はといえば、それは決まって訓練場だった。
男は愛剣を引っ掴むと、いつも一目散に朝稽古をしにそこへ走って行った。そうしてそれがすむと朝食を求めて食堂へ──と、いうのがいつものパターンだった。のだが。
最近、その行き先が変わった。
この人の迷惑を、まったく、綺麗なほどにかえりみない男の行く先は──勿論……
「おい! 尻は……!?」
ばぁん!! と……その扉を撥ね開けた途端、本日はそのふっさりした眉間に掌底突きが飛んで来た。
「う゛……」
「……煩いぞギズルフ。扉をノックしろ」
掌の持ち主、辺境伯の息子の低血圧な方、ヴォルデマーは、騒々しい兄を睨んだが……残念な事にギズルフは全然懲りた様子がなかった。ギズルフは部屋の奥から赤子の鳴き声がするのを聞きつけると、そわそわして弟を押し退け、発生源たる寝台の方へ駆け寄って行った。そしてゆりかごを覗き込んで豪快に笑う。
「おい、ランドルフよ! 呆れたやつだな、貴様こんなに早朝から泣き喚くなど、さては朝夕の区別もまだついておらぬのだな? 騒々しいやつめ!」
「…………」
ギズルフはそう言って、わー! と、嬉しそうに泣くランドルフを抱き上げたが、その背後では彼の弟が、『どの口が言う』と言いたげな顔をしている。
「……あれ? またですか若様……」
寝台の上でせっせとルドルフの世話をしていたミリヤムは、その乱入者になれきっていたが、一先ずため息をついて見せた。
「? なんだ?」
問い返してくる巨体の人狼の邪気の無い様子に、ミリヤムはやれやれと疲れを滲ませる。
「なんだじゃないんですよ、若様。はー……毎日繰り返されるこのやり取りに最早息切れ気味ですが、失敗を恐れずに申し上げさせていただくとですね……若様には、デリカシーが足らない」
と、ギズルフは拗ねたような顔で目を細める。
「もうそれは聞き飽きた」
「聞き飽きても治りませんか……ええ、ええ、もうちょっと分かっておりましたがね!? でも言わせていただけるのならば、若様、今日は駄目ですよ、今日は!!」
「? 何故だ?」
きょとんとするギズルフに、ミリヤムは目を剥いた。
「お分かりにならない? 本当にお分かりにならないので!?」
その仰け反る寝巻き姿(髪ボサボサ。現在、ヴォルデマーが手でせっせと整え中)のミリヤムに、ギズルフはむっとしたように唸る。
「なんなんだ貴様、壊れ物の分際で……」
と、彼が言うと、ミリヤムは、背後で己の髪を整えていた夫に、ルドルフをそっ……と託す。と──寝台に立ち上がり、目を剥いたまま、唐突にギズルフの頭をがしっと両手で掴む。
「っ!? っ!?」
「若様……今日は……何の日……でしたっけ……?」
そのおどろおどろしい異様な形相に、ギズルフが耳をぺったり倒す。
「やめろ、なんだその気味の悪い顔は!! ランダルが怖がるだろうが!!」
「お、黙んなさい、この若様め!! 我が子を思いやって下さるお心がけは美しいですがね!? その前に想って差し上げるべき大切な御方がいらっしゃるでしょう!?」
ミリヤムは、ギズルフの頭を掴む手に、ぎゅーっ! と力を込めた。と、ギズルフがその精一杯痛くしているつもりらしい娘の米神に浮かぶ青筋に悲鳴を上げる。
「っ!? やめろ!! 貴様力いっぱいやっているつもりか!? 全然痛くなさ過ぎて怖い!! お前の脆弱さを物語るようだ!!」
そんな恐怖で暴れだしそうなギズルフの腕から、ヴォルデマーが無言でランドルフを取り上げる。
そして、それを確認したミリヤムは、ギズルフの頭を握っていた手を離すと──そのふんわりした頬にすべり下ろし──……
「?」
ミリヤムの行動にきょとんとしているギズルフの目を、彼女は真正面から捉えた。
「……もう一度言いましょう……お黙んなさい……このっ、御嫡男様め!!」
「っ!? っ!?」
今度は頬を目一杯つねり上げた。無駄な贅肉がないのか、殆ど伸びないその頬に、ミリヤムが「伸びない!!」と、憎々しげな顔をする。それからミリヤムはギズルフの三角の耳を片方ぐいっと持ち上げ、そのほぼ零距離で叫んだ。
「っ!?」
「今日は!! 若様の! 麗しのクローディア様とのっ!! ご結婚式でしょう!?」
ミリヤムは“麗しの”に嫌に力を篭めている。
ヴォルデマーは双子を抱えて、やれやれとため息をついている。
そうして、怒鳴られたギズルフは──……
「…………」
彼はミリヤムの寝台の傍に立ったまま、きょとんと何事かを考えて──そして言った。
「……それがなんなのだ?」
そのけろりとした様子に、途端、ミリヤムの目が吊り上がる。
「いい加減にしろ!? もーあんたグーだぞ!? グーで殴ってやる!!」
「っ!?」
怒っていきなり飛び掛ってきた猿のような娘に、ギズルフが目を丸くしている。
ミリヤムは──……「クローディア様を式場で一秒たりともお待たせしたら、一発じゃすまないぞ!!」と──……パジャマ姿のままで憤慨するのだった……
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