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84.ディートリッヒ2
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お久しぶりです、ディートリッヒです。ええ、結婚しましたがそれが何か? あ、失礼、こういうぶっきらぼうな態度は損をすると、この間ヨハネスにやんわりとたしなめられたばかりであった。そういうつもりはなかったのだが……。
ありがたいことにヨハネスとの結婚生活は、意外にもうまくいっている。ヨハネスが我慢強く私につき合ってくれるからな。できた人を伴侶に得られたものだ。
それにしても、朝食を誰かと食べるというのはいいものだな。私はこう見えて朝が弱いのだ。エリー様曰く、人の頭は寝てる間に情報処理をするらしいが、私が日々得る情報量が多いため、頭が処理しきれなくて起動に時間がかかるのであろうと。なるほどそういうことであったか。
以前であれば、起きた後は椅子に座って一時間ほど思考停止をしていたものだが……。よく侍女に、彫像かと思いましたと驚かれたものだ。今はヨハネスが入れてくれたコーヒーを飲みながら、ふたりでクッキーなどを軽くつまんでいる。ヨハネスと今日の予定や、夕食に食べたいもの、おもしろかった新刊の話なんかをするうちに、頭がはっきりしてくるんだ。
こういう日々は悪くない。確か以前エリー様が、『何でもないような事が、幸せだったと思う』と不思議な節回しで歌っておられたが……。なるほど、やっと理解できた。
そういえば領地の事業で悩んでいたとき、『民の平凡な日常を守れればそれでいいのです。民が働いてそこそこのお金を稼げて、明日食べるものに悩まなくていいのなら、それが正解なのです。』とも言われたな。上に立つ者として肩肘張って無理をしていたが、その言葉で随分楽になったし、目標が明確になった。
民の何でもない日常を守るために、私の力を尽くそう。それがエリー様の望むことであるしな。さて、そのエリー様のお悩みを聞かねばならぬ。浮かれまくっていたパブが、珍しく反省しておった。ゲオルグ様のことを話し続けて、エリー様のお話をろくに聞かなかったらしい。仕方のないやつだ。
「エリー様、データです。……お、これは……。お邪魔でしたか。出直します」
「あ、データちゃん、大丈夫よ。ごめんなさいね。……フィー、少し外してくれる? また後でね」
「うん」
「……フィー、おめでとう。よかったな。」
「はい。……ありがとうございます。……データさんも、おめでとうございます。では」
「エリー様も、おめでとうございます」
「ありがとう。データちゃんもおめでとう、幸せそうで嬉しいわ。皆がこんなに急に結婚するなんて驚いたけれど……。ふふふ、パブちゃんがなんだか張り切っていましたものね」
「はい。……パブが気にしておりました。先日、エリー様のお話を聞かずに、一方的にゲオルグ様の話をしてしまったと」
「まあ、ほほほ。そんなこと気にしなくてよろしいのに。カウンセラーは話を聞くためにいるのですから」
「パブが、エリー様が何かお悩みではないかと言っておりました。パブは人の気持ちを読むのに長けておりますから。……何かございましたか?」
「まあ……そうねぇ。悩んでいるのかしら、わたくし……。そう、わたくしはずっと、答えを知っている課題を、先回りして解いていくような……そんな生活を送っておりました。周りの人を、自分の持つ情報を元に色眼鏡をかけて見てるような、その人自身を見ていないような……。わたくしは本当の自分を見てもらいたいと密かに願いながら、他の人を先入観で決めつけていたのですわ。それに最近気づいたのですわ……」
「それは……なるほど……。曇りなき眼で見定め、決める! 以前エリー様はそのようにおっしゃっておりましたが、その思いをさらに強められたということでしょうか?」
「あら、ほほほ。わたくし、そのようなことを言っておりましたのね。ふふふ、そうね、そうしたいと思うわ。……カウンセラーはとても楽しかったの。人に向き合って、その方の悩みに寄り添って、わたくしなりの考えをのべる。わたくしにも出来ることがあるんだわ、って嬉しかったの」
「エリー様はなんでも卒なくこなす超人だと世間では言われておりますが……」
「まあ、わたくしは皆がいなければ何もできませんわよ。この複雑なドレスはカッちゃんがいなければ着れませんし……。細かい帳簿付けは見てるだけで頭が痛くなるわ、データちゃんのおかげで苦手なことから逃げていられるのよ。新しい商品を思いついても、実際作るのはマネちゃんにお任せですし、その商品を宣伝するのはパブちゃんですわ……」
「マネがエリー様に教わったと言っておりました。ひとりで全部できる必要はない。別々の得意分野がある人間を集めて、総合力で勝てばよいと。現状はエリー様の思惑通りでは?」
「あら、言われてみればそうですわねぇ。そうなのですわ、うまく回っているから、もうこの国にわたくしは必要ないのではないかと、そう思って……」
ガッチャン
「わああああーーー、データちゃん、紅茶まみれーー。早く早く、これで拭いて……」
「……エリー様はどこか別の国に住みたいと、そういうことでしょうか? であればすぐに引き継ぎを始めないと……。カトリンさんとマネは一緒に行くとしてパブはどうであろうか……」
「デ、データちゃん、早まらないで。チラッと、そう、チラーっと思っただけだから。ね、もしかしたらいずれそうなるとしても、今すぐではなくてよ……」
「そうですか、安心しました。さすがに今我々がごっそり抜けると、この国がもちません。それに……聖女リリアンヌ様がエリー様のいないこの国に留まるでしょうか……。万一、王妃が国を移りたいと言い出すと……王家の威光が地に落ちます」
「う、それはまずいわ。ちょっと冷静になりましょう。そうね、わたくし燃え尽き症候群なのかもしれませんわ。今まで、そのー、妙な騒動に巻き込まれないよう、リリたんの恋路を邪魔しないよう、必死だったのよね。リリたんが殿下とうまくいってるみたいだから、気が抜けたんだわ」
「分かりました。エリー様がやりがいを感じられる何かを探しましょう。……カウンセラーはまだ続けられるのですよね?」
「ええ、そうね。ずっとあちらにいると、えっと、フィーが寂しがるから、依頼が入ったときだけ出張しようかしら……」
「エリー様がカウンセラーにやりがいを感じておられるなら、どうでしょう、こちらでもやられてはいかがですか?」
「まあ、公爵家のわたくしに相談したいという、奇特な方はいらっしゃるかしら? オフェーリア様からは相談受けましたけれどねぇ」
「では、貴族ではなく、平民はいかがです? 民の声を直接聞くというのは、刺激があってよろしいのではないかと。民の声から新しい事業を思いつかれるかもしれませんし」
「まあ、データちゃん、それは妙案ですわ。楽しそうですわ、やりたいですわ。ふふふ、データちゃんは、立派なカウンセラーですわね」
「それでは、四天王で詳細をつめてから、またご相談します。……あの、そういえば、四天王の中でも最弱ですが、私になりそうです。よろしいでしょうか?」
「……四天王で最弱? ……んん? ……ああ、あれね! ええ、はい、もちろんですわ。いつやれるか考えますわね、ほほほほ」
「……楽しみです。ところで、その言葉はどういった口調で言えばいいのでしょうか? 誇らしげなのか、純粋な喜びなのか……。練習しておきたいと思いまして」
「……うう、あの、データちゃん。データちゃんが最弱の四天王になるなら、その言葉は他の四天王が言うのですわ。データちゃんは言われる立場ですわ……」
「……よく、理解が……できません……」
「ひぃーーー。えーっとですね、例えば、何か王都で賭博大会などを開いたとしましょう。四天王が組となって、賭博パーティーと競い合いますね。ひとりずつ対戦して、最初にデータちゃんが負けます。そのときに、例えば、マネちゃんが『データがやられたようだな……』と言ったのを受けて、パブちゃんが『フフフ……奴は四天王の中でも最弱…』って言い、最後にカッちゃんが『賭博パーティーごときに負けるとは四天王の面汚しよ……』と言うのが様式美なのですわ……」
「……パブ、騙したな」
「いやいやいや、騙してない、騙してない。わたくしが、わたくしがきちんと伝えてなかったのが悪い。わたくしが全面的に悪いです、はい」
「…………」
「ううう、データちゃん、泣かないで。ごめんなさい。わたくしがなんとかしますから、ね。許してちょうだい。わたくしが、責任をもって、わたくしの全知力を捧げて、案を出しますから。ね、データちゃんが納得がいくまで、何度でも考えますから。ね」
「はい、取り乱して申し訳ございませんでした。では、これにて失礼いたします」
様式美か……。私には分からないが……エリー様にお任せしよう。そう、こんなときはマネのアレだな。なーむ~。
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以前であれば、起きた後は椅子に座って一時間ほど思考停止をしていたものだが……。よく侍女に、彫像かと思いましたと驚かれたものだ。今はヨハネスが入れてくれたコーヒーを飲みながら、ふたりでクッキーなどを軽くつまんでいる。ヨハネスと今日の予定や、夕食に食べたいもの、おもしろかった新刊の話なんかをするうちに、頭がはっきりしてくるんだ。
こういう日々は悪くない。確か以前エリー様が、『何でもないような事が、幸せだったと思う』と不思議な節回しで歌っておられたが……。なるほど、やっと理解できた。
そういえば領地の事業で悩んでいたとき、『民の平凡な日常を守れればそれでいいのです。民が働いてそこそこのお金を稼げて、明日食べるものに悩まなくていいのなら、それが正解なのです。』とも言われたな。上に立つ者として肩肘張って無理をしていたが、その言葉で随分楽になったし、目標が明確になった。
民の何でもない日常を守るために、私の力を尽くそう。それがエリー様の望むことであるしな。さて、そのエリー様のお悩みを聞かねばならぬ。浮かれまくっていたパブが、珍しく反省しておった。ゲオルグ様のことを話し続けて、エリー様のお話をろくに聞かなかったらしい。仕方のないやつだ。
「エリー様、データです。……お、これは……。お邪魔でしたか。出直します」
「あ、データちゃん、大丈夫よ。ごめんなさいね。……フィー、少し外してくれる? また後でね」
「うん」
「……フィー、おめでとう。よかったな。」
「はい。……ありがとうございます。……データさんも、おめでとうございます。では」
「エリー様も、おめでとうございます」
「ありがとう。データちゃんもおめでとう、幸せそうで嬉しいわ。皆がこんなに急に結婚するなんて驚いたけれど……。ふふふ、パブちゃんがなんだか張り切っていましたものね」
「はい。……パブが気にしておりました。先日、エリー様のお話を聞かずに、一方的にゲオルグ様の話をしてしまったと」
「まあ、ほほほ。そんなこと気にしなくてよろしいのに。カウンセラーは話を聞くためにいるのですから」
「パブが、エリー様が何かお悩みではないかと言っておりました。パブは人の気持ちを読むのに長けておりますから。……何かございましたか?」
「まあ……そうねぇ。悩んでいるのかしら、わたくし……。そう、わたくしはずっと、答えを知っている課題を、先回りして解いていくような……そんな生活を送っておりました。周りの人を、自分の持つ情報を元に色眼鏡をかけて見てるような、その人自身を見ていないような……。わたくしは本当の自分を見てもらいたいと密かに願いながら、他の人を先入観で決めつけていたのですわ。それに最近気づいたのですわ……」
「それは……なるほど……。曇りなき眼で見定め、決める! 以前エリー様はそのようにおっしゃっておりましたが、その思いをさらに強められたということでしょうか?」
「あら、ほほほ。わたくし、そのようなことを言っておりましたのね。ふふふ、そうね、そうしたいと思うわ。……カウンセラーはとても楽しかったの。人に向き合って、その方の悩みに寄り添って、わたくしなりの考えをのべる。わたくしにも出来ることがあるんだわ、って嬉しかったの」
「エリー様はなんでも卒なくこなす超人だと世間では言われておりますが……」
「まあ、わたくしは皆がいなければ何もできませんわよ。この複雑なドレスはカッちゃんがいなければ着れませんし……。細かい帳簿付けは見てるだけで頭が痛くなるわ、データちゃんのおかげで苦手なことから逃げていられるのよ。新しい商品を思いついても、実際作るのはマネちゃんにお任せですし、その商品を宣伝するのはパブちゃんですわ……」
「マネがエリー様に教わったと言っておりました。ひとりで全部できる必要はない。別々の得意分野がある人間を集めて、総合力で勝てばよいと。現状はエリー様の思惑通りでは?」
「あら、言われてみればそうですわねぇ。そうなのですわ、うまく回っているから、もうこの国にわたくしは必要ないのではないかと、そう思って……」
ガッチャン
「わああああーーー、データちゃん、紅茶まみれーー。早く早く、これで拭いて……」
「……エリー様はどこか別の国に住みたいと、そういうことでしょうか? であればすぐに引き継ぎを始めないと……。カトリンさんとマネは一緒に行くとしてパブはどうであろうか……」
「デ、データちゃん、早まらないで。チラッと、そう、チラーっと思っただけだから。ね、もしかしたらいずれそうなるとしても、今すぐではなくてよ……」
「そうですか、安心しました。さすがに今我々がごっそり抜けると、この国がもちません。それに……聖女リリアンヌ様がエリー様のいないこの国に留まるでしょうか……。万一、王妃が国を移りたいと言い出すと……王家の威光が地に落ちます」
「う、それはまずいわ。ちょっと冷静になりましょう。そうね、わたくし燃え尽き症候群なのかもしれませんわ。今まで、そのー、妙な騒動に巻き込まれないよう、リリたんの恋路を邪魔しないよう、必死だったのよね。リリたんが殿下とうまくいってるみたいだから、気が抜けたんだわ」
「分かりました。エリー様がやりがいを感じられる何かを探しましょう。……カウンセラーはまだ続けられるのですよね?」
「ええ、そうね。ずっとあちらにいると、えっと、フィーが寂しがるから、依頼が入ったときだけ出張しようかしら……」
「エリー様がカウンセラーにやりがいを感じておられるなら、どうでしょう、こちらでもやられてはいかがですか?」
「まあ、公爵家のわたくしに相談したいという、奇特な方はいらっしゃるかしら? オフェーリア様からは相談受けましたけれどねぇ」
「では、貴族ではなく、平民はいかがです? 民の声を直接聞くというのは、刺激があってよろしいのではないかと。民の声から新しい事業を思いつかれるかもしれませんし」
「まあ、データちゃん、それは妙案ですわ。楽しそうですわ、やりたいですわ。ふふふ、データちゃんは、立派なカウンセラーですわね」
「それでは、四天王で詳細をつめてから、またご相談します。……あの、そういえば、四天王の中でも最弱ですが、私になりそうです。よろしいでしょうか?」
「……四天王で最弱? ……んん? ……ああ、あれね! ええ、はい、もちろんですわ。いつやれるか考えますわね、ほほほほ」
「……楽しみです。ところで、その言葉はどういった口調で言えばいいのでしょうか? 誇らしげなのか、純粋な喜びなのか……。練習しておきたいと思いまして」
「……うう、あの、データちゃん。データちゃんが最弱の四天王になるなら、その言葉は他の四天王が言うのですわ。データちゃんは言われる立場ですわ……」
「……よく、理解が……できません……」
「ひぃーーー。えーっとですね、例えば、何か王都で賭博大会などを開いたとしましょう。四天王が組となって、賭博パーティーと競い合いますね。ひとりずつ対戦して、最初にデータちゃんが負けます。そのときに、例えば、マネちゃんが『データがやられたようだな……』と言ったのを受けて、パブちゃんが『フフフ……奴は四天王の中でも最弱…』って言い、最後にカッちゃんが『賭博パーティーごときに負けるとは四天王の面汚しよ……』と言うのが様式美なのですわ……」
「……パブ、騙したな」
「いやいやいや、騙してない、騙してない。わたくしが、わたくしがきちんと伝えてなかったのが悪い。わたくしが全面的に悪いです、はい」
「…………」
「ううう、データちゃん、泣かないで。ごめんなさい。わたくしがなんとかしますから、ね。許してちょうだい。わたくしが、責任をもって、わたくしの全知力を捧げて、案を出しますから。ね、データちゃんが納得がいくまで、何度でも考えますから。ね」
「はい、取り乱して申し訳ございませんでした。では、これにて失礼いたします」
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