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74.ダニエル(騎士団長の子息)
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よう、俺はダニエル、騎士団で修行中だ。よろしくな。親父が騎士団長だけど、全く優遇されねーし、ぶっ倒れるまでしごかれる毎日だぜ。
まー、つれーけど、騎士団にいるとすげーモテんだよなー。騎士さま、騎士さまって女の子が寄ってくんだぜ。学園のときもそれなりにモテたけど、騎士団の制服すげー、最強。騎士団の制服着てるだけで、ホイホイ来る。逆に、私服で街に出てもなんもねー、なさすぎて笑える。だから騎士は休みの日でも制服着て出かけるんだぜ。頭いいだろ?
最近、アレクサンドル第一王子殿下と聖女リリアンヌ様が結婚したんだけど、そのあと周りで結婚する奴がめちゃくちゃ増えた。なんなんだ。俺は結婚はまだまだ先だなー。かわいい平民の女の子と、後腐れなく遊ぶ方がいいや。
貴族の子はめんどくせー。やれお茶会だ、舞踏会のエスコートだ、ダンスがどうのこうの、プレゼントはお花がいいとか、やっぱり街で人気のお菓子がいいだの、うがーーーって叫びたくなる。知らんわ、知らん知らん。
その点、平民の子は最高だぜ~。ちょっと手を貸してやっただけで、騎士さま~紳士だわ~ほわ~って言ってくれる。チョロい。飽きたら、貴族だからそろそろ婚約が……って言っておけば、そっと身をひいてくれっからなぁ。ああ? ひどくねーよ、みんなやってんじゃねーか。侯爵家の嫡男が、平民と本気でつき合うわけねーし。
まあ身分が低くても、聖女リリアンヌ様ぐらいかわいけりゃあ別だぜ。……あの子はかわいい、とにかくかわいい。まあ、今は人妻だからな、どうしようもねーが。……人妻って響きがいいよなー、なんかモゾモゾくるよなー。
ん? なんだこれ? ポケットに手紙入ってら。恋文じゃねーのー? かーー、まいるわーー、モテる男はつれーわーーー。
あ? なんだって? エリザベート様の侍女兼護衛との対戦状? 勝者には公爵家秘蔵の魔剣を進呈? いいじゃねーか、いっちょ魔剣もらいに行くか。えーっと、いつだって? げぇっ、今日じゃねーか、もうすぐじゃねーか、やべーーー。
んん? なんだこの看板? こちらが最後尾??
おいおいおいおい、一体何人と戦ったんだ? そこら中に男がのされてるじゃねーか。ええーーマジかよー、素手じゃねーか。どういうことだよ。ええええー、え、俺の番きちゃった? いやいやいやいや、ちょっと待って待って待って、心の準備がまだ……。
「……ダニエル様、またいらっしゃったのですか? もう三十二回目ですよ。いい加減諦めたらどうです?」
「カトリン様、どうかもう一度お願いします。俺は絶対に諦めません! カトリン様に勝って、カトリン様の婿に入らせていただきます!」
「……ダニエル様、あなたは侯爵家の嫡男です。子爵家のあたしに婿入りはあり得ないですよ……」
「いえ、親父には婿入りできるまで帰ってくるなと言われています。お願いします!」
「そこまで言うなら、仕方ない……。魔剣はあげれませんけど、婿入りは認めますよ。あたしもそろそろ子供作りたいですから」
「!!! 情熱的なカトリン様にさらに惚れました! 子作りがんばります!!」
まー、つれーけど、騎士団にいるとすげーモテんだよなー。騎士さま、騎士さまって女の子が寄ってくんだぜ。学園のときもそれなりにモテたけど、騎士団の制服すげー、最強。騎士団の制服着てるだけで、ホイホイ来る。逆に、私服で街に出てもなんもねー、なさすぎて笑える。だから騎士は休みの日でも制服着て出かけるんだぜ。頭いいだろ?
最近、アレクサンドル第一王子殿下と聖女リリアンヌ様が結婚したんだけど、そのあと周りで結婚する奴がめちゃくちゃ増えた。なんなんだ。俺は結婚はまだまだ先だなー。かわいい平民の女の子と、後腐れなく遊ぶ方がいいや。
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その点、平民の子は最高だぜ~。ちょっと手を貸してやっただけで、騎士さま~紳士だわ~ほわ~って言ってくれる。チョロい。飽きたら、貴族だからそろそろ婚約が……って言っておけば、そっと身をひいてくれっからなぁ。ああ? ひどくねーよ、みんなやってんじゃねーか。侯爵家の嫡男が、平民と本気でつき合うわけねーし。
まあ身分が低くても、聖女リリアンヌ様ぐらいかわいけりゃあ別だぜ。……あの子はかわいい、とにかくかわいい。まあ、今は人妻だからな、どうしようもねーが。……人妻って響きがいいよなー、なんかモゾモゾくるよなー。
ん? なんだこれ? ポケットに手紙入ってら。恋文じゃねーのー? かーー、まいるわーー、モテる男はつれーわーーー。
あ? なんだって? エリザベート様の侍女兼護衛との対戦状? 勝者には公爵家秘蔵の魔剣を進呈? いいじゃねーか、いっちょ魔剣もらいに行くか。えーっと、いつだって? げぇっ、今日じゃねーか、もうすぐじゃねーか、やべーーー。
んん? なんだこの看板? こちらが最後尾??
おいおいおいおい、一体何人と戦ったんだ? そこら中に男がのされてるじゃねーか。ええーーマジかよー、素手じゃねーか。どういうことだよ。ええええー、え、俺の番きちゃった? いやいやいやいや、ちょっと待って待って待って、心の準備がまだ……。
「……ダニエル様、またいらっしゃったのですか? もう三十二回目ですよ。いい加減諦めたらどうです?」
「カトリン様、どうかもう一度お願いします。俺は絶対に諦めません! カトリン様に勝って、カトリン様の婿に入らせていただきます!」
「……ダニエル様、あなたは侯爵家の嫡男です。子爵家のあたしに婿入りはあり得ないですよ……」
「いえ、親父には婿入りできるまで帰ってくるなと言われています。お願いします!」
「そこまで言うなら、仕方ない……。魔剣はあげれませんけど、婿入りは認めますよ。あたしもそろそろ子供作りたいですから」
「!!! 情熱的なカトリン様にさらに惚れました! 子作りがんばります!!」
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