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59.ホリーナ様

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 ようこそいらっしゃいませ、ホリーナ様。わたくしエリザベートと申しますわ。

 はい、フルーツヨーグルトとマンゴーラッシーですね。かしこまりました。

 え? 前世の体型ですか? いえ、太めよりの標準体型ですわ。年々代謝が落ちるので、維持するのが大変でしたわ。気を抜くとすぐ太りましたわねぇ。えぇ、今はおかげさまで、無理せず保てますわ。今のところは、ですが……。


 ホリーナ様はとてもほっそりされてますけれど、気をつかっていらっしゃるの? え? あら、食べても食べても太れない……。う、うらやましい……。ええっ、そうですの、もう少し肉付きをよくしたいのですか? まぁ……。


 あら、細すぎて脱いだら残念……そんな。胸元の開いたドレスは、鎖骨とあばらが痛々しいので着られない……ううっ。少し椅子に当たっただけで、あざができる、肉がないから……ええっ、そんな感じなんだ。馬車が拷問。……え? どうしてですの? お尻に肉がないから座っていると骨が痛い……ヒェー。


 知りませんでしたわ、そんな悩みがあるだなんて……。未知の世界ですわ……。


 まぁ、前世でもスリムでいらしたの? でも前世は痩せ信仰の強い国でしたから、圧倒的な勝者でいらっしゃったのでは? それはそれで悩みがありましたの? 食べても太れないとこぼしたら、陰口の嵐……ああー。痩せてていいよねー、と突っかかられる……うっ。ブラの必要性がない……ひぃっ。スカートがクルクル回る。それはどういう現象ですの? まぁ、細い方は歩いているとスカートが回ってズレるのですね。色んな問題がございますのねぇ。


 まぁ、転生してまたしてもガリガリで泣いたのですか? せっかくなら豊満ボディで殿方を悩殺したかった……それは、無念ですわね。でも華奢な女性を好む殿方もたくさんいらっしゃいますわ。えぇ、脱いでガッカリされるのはもうたくさん? ええー、服を着ていたら可憐な妖精でも、脱いだら貧相な餓鬼……。ひーーー言い方ーーー。


 あのー、わたくしスライム製特殊ボディースーツを開発しておりまして……。えぇ、まぁ、色々ございまして……。ほほほほ。試供品を差し上げますから、ホリーナ様の理想の体型に改良なさってみては?


 えぇ、明るい光の下でまじまじと見られると危険ですわ。薄暗い、これが重要です。えぇ、シラフだと違和感を覚えると思いますわ。はい、お酒の力を使ってくださいな。えぇ、はい、着たままで大丈夫です。そのようにできておりますから。そう、そうです、避妊も必要ございません。



 明るい家族計画。



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