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48.オクタヴィア様

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 ようこそいらっしゃいませ、オクタヴィア様。わたくしエリザベートと申しますわ。

 はい、チョコレートとコーヒーですわね。承知いたしました。

 あら、そうですの、オクタヴィア様は両片思いのジレジレものがお好きなのですね? まぁ、もうーお前らつきあっちゃえよー、ともだえるのがお好きなのですか。なるほど。ははぁ、胸がキューンとなる甘酸っぱさ、砂糖を吐いてしまいそうな甘々がよいと、たまらんと、そういうことなのですね。

 え? わたくしですか? わたくしは割とせっかちですので、たんたーんと詰めていく方が好きですわ。初手、王手みたいな。あら? そんな、肉食獣だなんて……。ほほほほ、あながち外れてはおりませんけれど。


 そうしますと、オクタヴィア様は転生先でジレジレを楽しんでいらっしゃいますの? まぁ、そうですの、よかったですわねぇ。なるほど、今まで本やマンガで仕入れた技術を存分にお使いになって、あの手この手で両片思いをなさっているのですね? ほほほほ、充実した日々を送っていらっしゃるのねぇ。


 あらら、実践経験がなかったから、最後の詰めが甘いのですか? まぁ、タイミングを逃して他の人にいっちゃう? それはもったいないですわねぇ。あぁ、でもどんどん次がくるから、気にしないと。美人に生まれ変わってよかったと。ふふふふ。


 まぁ、ずっと悩んでいることが? なんでしょう? 両思いになった途端、飽きてしまうんじゃないか、ですか……。そうですわねぇ、あり得ると思いますわ。どうしたらって、それは場合によりけりですけれど。せっかくですから、まずは両思いをお楽しみになられたらよいのでは? デートに行ったり、プレゼントを送ったり、身体接触をはかったり。それで、やっぱりもういいやってことなら、別れればいいと思いますわ。


 えっ、身体接触が怖いのですか? あら、彼氏いない歴イコール年齢で……清い体だったと……。なるほど。無駄に知識はあるから、頭でっかちで、考えすぎて怖くなると。あんなものが出し入れするだなんて……ですか。まあ。


 そうですわねぇ、まあ、そちらの世界の貞淑さの概念は分かりませんけれど、貴族女性ですし、殿方にお任せしておけばよろしいのでは? 天井のシミの数を数えていれば、そのうち終わりますわよ。


 えぇ、そうです、受け身です。ただ流されていればよいのですわ。困ったときのために、魔法の言葉をお伝えいたしますわ。




 恥ずかしい




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