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38.ヤドヴィガ様

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 ようこそいらっしゃいませ、ヤドヴィガ様。わたくしがエリザベートですわ。

 えぇ、かしこまりました。ふわふわリコッタチーズパンケーキとアールグレイティーですね。


 はい、あら、そうなんですの? まぁ、転生して幸せでいらっしゃるのね。素敵ですわ。

 まあ、あらまあ、そうだったのですね。前世ではいわゆるオネエでいらっしゃったのですね。えぇ、やっと心と体が一致されて……これほど嬉しいことはない、生きててよかったと。本当に、おめでとうございます。


 まぁ、天職を得られたんですの? えぇ、まあ、美の伝道師? それは一体どのような? はぁ、学園で有閑倶楽美をお作りになって? 悩める子羊たちを清く正しく美しく導いていらっしゃるの? まあ。ええっと、まだちょっとよく分からないですわ……。


 えぇ、えぇ、なるほど。ふふふふ、強引でございますこと。ほほほ、磨けば光るもったいない乙女たちを、公爵家の威光を笠に着て部室に連れ込み、劇的ビフォーアフターをやっていらっしゃると。ええっと、本気で怯えられていらっしゃるのでは……?


 かわいいは正義……? まぁ、そうですけれど……まぁいっか。

 
 それで、わたくしに何をご相談されたいのですかしら?

 ええっ、そろそろメンズも手掛けたいですって? あー、えーっと、女性同士ならまだしも、ヤドヴィガ様が男性を部室に連れ込むと、ヤドヴィガ様の外聞が死ぬのでは? あぁ、侍女と一緒なら大丈夫ですかしら?


 えええっ、秘密厳守のため二人きりがいいのですか? あぁ、なるほど、もし隠れオネエの方がいらっしゃっても、他の人がいると打ち明けられないと……。


 あぁぁぁ、これは難題ですわ。わたくし今から長考に入りますわ。しばらくお待ち下さいませ。


 でっきるっかな、でっきるっかな、ハテハテ フム~
 
 でっきるっかな、でっきるっかな、さてさて ホホ~


 出ました。はい、えぇ、困ったときの教会ですわ。ありがたいですわ。そうです、教会の告解室ですわ。ここなら堂々と二人きりになれますわ。え? 間に壁があるからメイクが施せない? 取り外し可能な壁にすればよろしいわ。それこそ公爵家の威光でなんとでもできますでしょう? ヤドヴィガ様専用の告解室を作ればよいのです。



 百花繚乱
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