【完結】悪役令嬢のカウンセラー

14．カトレア様とクロ様

　ようこそいらっしゃいませ、カトレア様とく、ひぇーーーーあわわわ


　よよよようこそいらっしゃいませ、カトレア様とクロ様。わたくしエリザベート……


　おおおお座りになってくださいませ。どうぞメニューですわ。ミックスジュースとシーザーサラダ、ありったけの生肉ですね。はい、承りました。


　まあ、そうですの、ご婚約なされましたのね？　それはそれは、おめでとうございます。えーと、念のため確認ですが、カトレア様とクロ様が、そうですわよね、ええ、ええ、喜ばしいことですわ。ほほほほほほほほ。


　あのーつかぬことをお伺いいたしますが、ご家族は、あのー喜んでいらっしゃる？　ああ、まだ伝えてないと。なるほど。


　あの、なんでしょう、カトレア様とクロ様の世界では異種間恋愛は一般的ですの？　ああ、一般的ではない。さようでございますか。ああ、クロ様は人化されるのですね？　え、しない？　あのー、意志の疎通はどのように？　念話？　え、なんとなく？　はあ。


　そうですか、それで本日は一体どのようなお悩みで？　え、子供が欲しいけどどうすればいいか？　子供？　どうすれば？　しばし、しばしお待ちいただけますかしら？　すぐ戻りますのでお待ちくださいませね。


　もしもーし、オグちゃーん、ワニ来たワニ。そう、ワニよ、デッカイとにかくデッカイ。いや、人化はしないし念話もできない。カトちゃんクロちゃんが子供が欲しいけどどうしたらいいかって。そうねそうね、ファンタジーだからなんでもありだよね、そうだよね。うんうんうん、そっかーだよねー、もー慌てちゃったよー。

　そうだよね、二次元を俺の嫁って言ったり、芸能人追っかけたり、それと一緒だよね。いや、むしろリアルで婚約してるだけ、よっぽど実現性が高いよね。うんうん。猫がいるから男はいらないとか、よくある話だよねー。いやー、焦ったわー。ありがと、うん落ち着いた。保健の先生のつもりでがんばる。



　お待たせいたしましたわ。えーコホン。まずーオシベとメシベについてお話ししましょう。え、いらない？　あ、そんなの分かってる？　ですよね、ですよねー。


　あら、それでは一体何を？　物理的に入らない？　物理的に入らない。入らない……まーそれはそうでしょうね。


　えーっと、確認ですが、したいのですか、それとも子供が欲しいだけですか？　ああ、したいし子供が欲しい。はあ。あのーそのー、やり方にも色々ございますわよね？　ドッキングなしでやればいいのでは？　そして、子供は顕微授精、ええ、うまいこと魔術を使ってなんやらすればよろしいかと。


　ドッキングして普通に子供を授かりたいと。えーそこで普通を求めちゃうんだ！


　魔法ですよ、魔法でなんとかしましょう、それしかない。カトレア様が大きくなるか、クロ様が小さくなる、もしくはお互い歩みよる。よろしいですわね、あらゆる魔導書を当たり、魔女や魔王に相談するのです。きっとどこかに方法が伝わっているはず。


　サイズ感が合ってきたら、あとはもうがんばるしかございません。


　ハラヘタマヘ　キヨメタマへ
　カンナガラ　マモリタマへ
　サキワヘタマへ