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47 そして思い知るチート 2
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「ところで試し撃ち用に的みたいなものってあるのかな?」
向こうの世界じゃ練習用の銃も的も色々あったけど、コッチもあるのかな?
「ああ、銃や投げナイフなどの投擲、弓の練習用にありますよ。固定されてるモノから動くモノまで色々とね」
「ユラ君なら動く的でいけるでしょ? えーと、直したばかりだけどココでやる?」
エアリアルとダオラがそう言って、今直したばかりの地面と壁を見た。
うん、鑑定で結界とか強化したのバレてるな。
僕としては他がまたボコボコになっても面倒───コホン、困るのでココでやりたいな。
「ココで問題ないなら。ガチガチに物理・魔法耐性の結界張っといたから、たぶん大丈夫!」
そう言って笑ったら呆れた顔をされた。
「ついでにそのガチガチの結界魔法を地下鍛錬場全体に張ってくれると助かるんですけどね」
「え? いいよ」
何だ、それくらいならお安いご用だ。
「・・・・・・はい?」
「はぁ!?」
「・・・・・・ユラ」
「そうすればちょっとやそっとじゃ壊れないから鍛錬し放題だし、修理費用? も減るよね?」
戸惑うエアリアル達を他所に、一石二鳥でいい考えだとばかりにパッと魔法で強化した。
「はい。これでいくらでも鍛錬し放題!」
そう言って笑ったら、ナハトはぎゅっと抱きしめて頭を撫で撫で。エアリアルとダオラはポカンとしたあと溜め息を吐いた。
「・・・・・・まあ、冒険者ギルドには不利益じゃないし」
「───はぁ・・・・・・規模が違うよぉ、ユラ君。助かるけどぉ」
「ユラは凄い。可愛い」
「凄いはいいけど、別に可愛くはないよね?」
相変わらずの平常運転のナハトに笑って背中をポンポンして離れて貰う。
「それで? 動く的って、どういうの?」
見回しても全然見当たらないけど?
「ああ、それはこれです。魔導具なんです」
そう言ってエアリアルが差し出したのはスマートフォンサイズの薄い板状のもの。
「魔導具?」
「ええ、ギルドで管理しているので事前に貸し出し予約をして貰っています」
「そこそこ高価なものなのと、悪戯防止ですねぇ。面白がって使われると迷惑だし危ないし」
僕がキョトンとしているとエアリアル達が更に詳しく説明してくれた。
「この四角い魔導具に使用者が魔力を流すとランダムに的になるモノ、魔法が飛んだり現れたりするんです。初心者レベルから段階ごとに引き上げられます」
飛んでくるのは魔力を込めたただの塊だから命中すれば霧散して消えるそうだ。だから爆発したりすることもなくて安全なんだって。
「デフォルトだと初心者レベルからクリアごとにレベルアップ。その他には任意で好きなレベルに設定もできるよぉ」
「ユラ君はよく分からないでしょうから今回は私が操作しますね」
どうやらエアリアルが使ってくれるらしい。確かに僕じゃあ使い方知らないし、手間が省けていいや。
それにしても言っちゃあアレだけど、シューティングゲームみたいだ。
「ユラは初めてだろうから、最初はデフォルトでどこまで行けるかやってみるといい」
「ほうほう。じゃあそれで!」
ナハトにそう言われて一も二もなく頷く。
向こうでいうクレー射撃みたいな感じなのかな?
せっかく結界を全体に張ったことだし、投擲用の一画にいこうと移動した先には障害物となる岩や草木などが設置された場所があって、なかなか本格的だった。
いやあ、楽しみ!
「・・・・・・楽しそうだね」
「たぶんだけど、初心者レベルは意味ないと思うよぉ」
「確かに全レベルクリアしそうだな」
ナハトの言葉に同意する二人。
「本人はどちらかというと威力とかの確認をしたいんじゃない?」
「だろうな」
「命中率は暗殺者やってただけあって文句なしだろうし」
「・・・・・・そうだね」
うんうん。三人の声が聞こえるけど、その通りだと思うよ。
当てるのは当然として、問題は属性を付与した場合の威力とか。あと、飛距離もおかしかったからどのくらいまでイケるのかとかね。
「ねーねー、とりあえず銃一丁からやるねー。で、必要になったら二丁使うからねー」
「・・・・・・おう、さじ加減は任せる。まあ、ないと思うが止めたいときは言ってくれ」
「はーい! じゃあお願いします!」
僕はとりあえず一丁の銃を右手で握って、腕をぶらんと下げた状態で待つ。
「───始め!」
ナハトの合図でエアリアルが魔導具を操作した。
───さあ、殺るぞ。
僕は暗殺者にスイッチを切り替えた。
向こうの世界じゃ練習用の銃も的も色々あったけど、コッチもあるのかな?
「ああ、銃や投げナイフなどの投擲、弓の練習用にありますよ。固定されてるモノから動くモノまで色々とね」
「ユラ君なら動く的でいけるでしょ? えーと、直したばかりだけどココでやる?」
エアリアルとダオラがそう言って、今直したばかりの地面と壁を見た。
うん、鑑定で結界とか強化したのバレてるな。
僕としては他がまたボコボコになっても面倒───コホン、困るのでココでやりたいな。
「ココで問題ないなら。ガチガチに物理・魔法耐性の結界張っといたから、たぶん大丈夫!」
そう言って笑ったら呆れた顔をされた。
「ついでにそのガチガチの結界魔法を地下鍛錬場全体に張ってくれると助かるんですけどね」
「え? いいよ」
何だ、それくらいならお安いご用だ。
「・・・・・・はい?」
「はぁ!?」
「・・・・・・ユラ」
「そうすればちょっとやそっとじゃ壊れないから鍛錬し放題だし、修理費用? も減るよね?」
戸惑うエアリアル達を他所に、一石二鳥でいい考えだとばかりにパッと魔法で強化した。
「はい。これでいくらでも鍛錬し放題!」
そう言って笑ったら、ナハトはぎゅっと抱きしめて頭を撫で撫で。エアリアルとダオラはポカンとしたあと溜め息を吐いた。
「・・・・・・まあ、冒険者ギルドには不利益じゃないし」
「───はぁ・・・・・・規模が違うよぉ、ユラ君。助かるけどぉ」
「ユラは凄い。可愛い」
「凄いはいいけど、別に可愛くはないよね?」
相変わらずの平常運転のナハトに笑って背中をポンポンして離れて貰う。
「それで? 動く的って、どういうの?」
見回しても全然見当たらないけど?
「ああ、それはこれです。魔導具なんです」
そう言ってエアリアルが差し出したのはスマートフォンサイズの薄い板状のもの。
「魔導具?」
「ええ、ギルドで管理しているので事前に貸し出し予約をして貰っています」
「そこそこ高価なものなのと、悪戯防止ですねぇ。面白がって使われると迷惑だし危ないし」
僕がキョトンとしているとエアリアル達が更に詳しく説明してくれた。
「この四角い魔導具に使用者が魔力を流すとランダムに的になるモノ、魔法が飛んだり現れたりするんです。初心者レベルから段階ごとに引き上げられます」
飛んでくるのは魔力を込めたただの塊だから命中すれば霧散して消えるそうだ。だから爆発したりすることもなくて安全なんだって。
「デフォルトだと初心者レベルからクリアごとにレベルアップ。その他には任意で好きなレベルに設定もできるよぉ」
「ユラ君はよく分からないでしょうから今回は私が操作しますね」
どうやらエアリアルが使ってくれるらしい。確かに僕じゃあ使い方知らないし、手間が省けていいや。
それにしても言っちゃあアレだけど、シューティングゲームみたいだ。
「ユラは初めてだろうから、最初はデフォルトでどこまで行けるかやってみるといい」
「ほうほう。じゃあそれで!」
ナハトにそう言われて一も二もなく頷く。
向こうでいうクレー射撃みたいな感じなのかな?
せっかく結界を全体に張ったことだし、投擲用の一画にいこうと移動した先には障害物となる岩や草木などが設置された場所があって、なかなか本格的だった。
いやあ、楽しみ!
「・・・・・・楽しそうだね」
「たぶんだけど、初心者レベルは意味ないと思うよぉ」
「確かに全レベルクリアしそうだな」
ナハトの言葉に同意する二人。
「本人はどちらかというと威力とかの確認をしたいんじゃない?」
「だろうな」
「命中率は暗殺者やってただけあって文句なしだろうし」
「・・・・・・そうだね」
うんうん。三人の声が聞こえるけど、その通りだと思うよ。
当てるのは当然として、問題は属性を付与した場合の威力とか。あと、飛距離もおかしかったからどのくらいまでイケるのかとかね。
「ねーねー、とりあえず銃一丁からやるねー。で、必要になったら二丁使うからねー」
「・・・・・・おう、さじ加減は任せる。まあ、ないと思うが止めたいときは言ってくれ」
「はーい! じゃあお願いします!」
僕はとりあえず一丁の銃を右手で握って、腕をぶらんと下げた状態で待つ。
「───始め!」
ナハトの合図でエアリアルが魔導具を操作した。
───さあ、殺るぞ。
僕は暗殺者にスイッチを切り替えた。
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