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44 地下鍛錬場 再び! 2
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「えーと・・・・・・とりあえず地面直そうか?」
いつまでもこうしていたい気持ちに抗って、何とかナハトの胸から顔をあげるとそう言った。
ナハトはあからさまに残念そうな顔になったが、ここに来た目的を思い出したのか渋々離れた。
「そうだった。とりあえず凹んだ地面に地魔法で魔力を流すんだが、アレだな、土を掘り起こすイメージだ。やってみるか?」
「うん。えーと、畑を耕す感じかな?」
イメージ出来ればあとは何とかなりそうだ。試しに手前の一画をやってみると、ボコボコと土が細かく解れていった。
お、これはイケるか?
「上手いな。そうやって掘り起こした土を今度はギュッと固めるようにして、なおかつ平らになるイメージだな」
「ふんふん。圧縮する感じか」
平らな道路をイメージして魔力を流すと、キッチリ平らな地面になった。
「───おお! 出来た。面白い! ねえねえ、他もやっていい?」
イメージ通りに出来て楽しくなった僕は、ナハトに聞いた。
にこにこの僕に気をよくしたのかオッケーが出たので、早速残りも耕すことにした。
指導係の冒険者と新人冒険者達が見つめる中、僕は見える範囲の凹みを一気に耕す。
「・・・・・・一瞬でこの範囲をやるのか」
ナハトが呆れた感じで呟いたが気にしない。
次は平らに圧縮っと。
ビシッと音が聞こえそうな感じでこちらも一瞬で平らになった。
ついでにダオラが破壊した壁も修理する。こっちは壁だから、耕すんじゃなくてがれきを砕いてからコンクリートを塗りつけるように壁の穴を塞いで圧縮した。
「ヨシ、上手く出来たんじゃない? どう、ナハト?」
「・・・・・・完璧どころか、跡形もなく直ってるな」
じっくりと地面や壁を見つめてそう言うナハト。やった!
「あ、ついでに物理・魔法耐性の結界魔法も張ろうか? じゃないと僕の銃とかでまたボコボコになりそうだから」
「そうだな。ガッツリ頼む」
また直すの面倒だからな、というナハトに苦笑する。
結構修復に借り出されてると見た。
確かに昨日の決闘で撃った弾もめり込んでたし、このあと試し撃ちしてせっかく直した壁とか穴だらけになってもねえ。
自分で張れば強度も好きに上げられるし。
「・・・・・・直す前に試し撃ちやればよかったかな?」
「───地下鍛錬場が崩れるから止めてくれ」
そう言ったらナハトにガシッと肩を掴まれ、真面目な顔でそう言われたので大人しく頷いておいた。
・・・・・・さすがにソコまでは・・・・・・なくもないか?
ダオラとの組み手でアレだったんだから、僕が楽しくなって歯止めが効かなくなったらあり得るかも?
ふと視線を感じてソッチを見れば、新人指導中の冒険者に青い顔でぶんぶんと首を振られた。どうやらナハトと同じ意見らしい。
・・・・・・僕ってもしかして沸点の低い危険物扱い?
どうもこの世界に来てから箍が弛んで、確かにはっちゃけてるとは思う。
でも一応、僕やナハト達に害意がなければキレたりしないよ?
そういう意味を込めて彼に向かってにっこり笑ってやれば、ひえっという叫びが聞こえた。
僕の心からの笑みという超レアで貴重な顔だったのに失礼な。
「・・・・・・ラスボス感」
「何か言った?」
「イヤ、ナニモイッテナイ」
片言になって顔を明後日の方向に向かせたナハトを睨む。
ぼそっと言ったの、しっかり聞こえてるぞ。
まあいいや。
「じゃあ、お待ちかねの銃と魔法の試し撃ちやろっかな!」
ふっふっふ、楽しみー!
いつまでもこうしていたい気持ちに抗って、何とかナハトの胸から顔をあげるとそう言った。
ナハトはあからさまに残念そうな顔になったが、ここに来た目的を思い出したのか渋々離れた。
「そうだった。とりあえず凹んだ地面に地魔法で魔力を流すんだが、アレだな、土を掘り起こすイメージだ。やってみるか?」
「うん。えーと、畑を耕す感じかな?」
イメージ出来ればあとは何とかなりそうだ。試しに手前の一画をやってみると、ボコボコと土が細かく解れていった。
お、これはイケるか?
「上手いな。そうやって掘り起こした土を今度はギュッと固めるようにして、なおかつ平らになるイメージだな」
「ふんふん。圧縮する感じか」
平らな道路をイメージして魔力を流すと、キッチリ平らな地面になった。
「───おお! 出来た。面白い! ねえねえ、他もやっていい?」
イメージ通りに出来て楽しくなった僕は、ナハトに聞いた。
にこにこの僕に気をよくしたのかオッケーが出たので、早速残りも耕すことにした。
指導係の冒険者と新人冒険者達が見つめる中、僕は見える範囲の凹みを一気に耕す。
「・・・・・・一瞬でこの範囲をやるのか」
ナハトが呆れた感じで呟いたが気にしない。
次は平らに圧縮っと。
ビシッと音が聞こえそうな感じでこちらも一瞬で平らになった。
ついでにダオラが破壊した壁も修理する。こっちは壁だから、耕すんじゃなくてがれきを砕いてからコンクリートを塗りつけるように壁の穴を塞いで圧縮した。
「ヨシ、上手く出来たんじゃない? どう、ナハト?」
「・・・・・・完璧どころか、跡形もなく直ってるな」
じっくりと地面や壁を見つめてそう言うナハト。やった!
「あ、ついでに物理・魔法耐性の結界魔法も張ろうか? じゃないと僕の銃とかでまたボコボコになりそうだから」
「そうだな。ガッツリ頼む」
また直すの面倒だからな、というナハトに苦笑する。
結構修復に借り出されてると見た。
確かに昨日の決闘で撃った弾もめり込んでたし、このあと試し撃ちしてせっかく直した壁とか穴だらけになってもねえ。
自分で張れば強度も好きに上げられるし。
「・・・・・・直す前に試し撃ちやればよかったかな?」
「───地下鍛錬場が崩れるから止めてくれ」
そう言ったらナハトにガシッと肩を掴まれ、真面目な顔でそう言われたので大人しく頷いておいた。
・・・・・・さすがにソコまでは・・・・・・なくもないか?
ダオラとの組み手でアレだったんだから、僕が楽しくなって歯止めが効かなくなったらあり得るかも?
ふと視線を感じてソッチを見れば、新人指導中の冒険者に青い顔でぶんぶんと首を振られた。どうやらナハトと同じ意見らしい。
・・・・・・僕ってもしかして沸点の低い危険物扱い?
どうもこの世界に来てから箍が弛んで、確かにはっちゃけてるとは思う。
でも一応、僕やナハト達に害意がなければキレたりしないよ?
そういう意味を込めて彼に向かってにっこり笑ってやれば、ひえっという叫びが聞こえた。
僕の心からの笑みという超レアで貴重な顔だったのに失礼な。
「・・・・・・ラスボス感」
「何か言った?」
「イヤ、ナニモイッテナイ」
片言になって顔を明後日の方向に向かせたナハトを睨む。
ぼそっと言ったの、しっかり聞こえてるぞ。
まあいいや。
「じゃあ、お待ちかねの銃と魔法の試し撃ちやろっかな!」
ふっふっふ、楽しみー!
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