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39 別な確認作業が必要らしい
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僕がナハトの膝の上で目が覚めたのに気付いたようで、さっきの精霊王達が代わる代わる覗き込んできて、僕はいまだに起き上がれないんだけど。
『よかった。心配したよ』
代表して闇の精霊王ブレンがそう言ってきたけど、そもそもの原因は貴方達だからね?
「・・・・・・とりあえず、大丈夫ですので。えーと、エアリアル、コレはどうすれば・・・・・・?」
そう言いながら近くにいたエアリアルに尋ねる。
すると苦笑しながら応えてくれた。
「ユラには申し訳ないんだけど、鍛錬場から私の執務室に一度戻るようかな。いいかい?」
「うん。それがいいと思う」
たぶんナハト達も精霊王達のさっきの発言に関して思うところがあるんだと思う。僕も色々聞きたいし。
「えーと、この人、じゃない精霊王様達も一緒です?」
たぶん彼らに聞かないと分からないよね。それでもって、彼らも着いてきたそうな眼差しだもんね。
「ええ、先ほど少し話しまして、ご一緒して下さるそうです」
「・・・・・・ッチ」
「いやぁ、精霊王様全員揃い踏み。凄いよねぇ。初めて視たわ」
エアリアルが苦笑しながらそう言うとナハトは口汚く舌打ちをして不機嫌を隠そうともしない。そしてダオラはウキウキしながら感心している。
僕が倒れている間に何かしらあったのだろう。すんなりと決まったようだった。
結局、ナハトに抱っこされて皆してギルマスの執務室に逆戻りすることになった。抱っこ移動はナハトの中ではすでにデフォルトなんだろうか? 歩かないと足腰が・・・・・・。
───ところで。
「・・・・・・あの、コレって、普通の人には僕達四人しか見えてないんだよね?」
「そうだな」
地下鍛錬場から移動してきてチラッとギルド内を見れば『もう戻ってきたのか?』という怪訝そうな職員や冒険者達の視線があちこちから飛んできた。
精霊が視えてないからこその視線だろうけど、実際にはとんでもない美人を七人もぞろぞろと引き連れて歩いてるんだけどね。
冒険者の中には精霊が視える人もいたのか、その人だけは僕達をガン見していて、執務室に消えるまで視線が離れることはなかった。
うん、気持ちは分かる。
───いや本当、何でこうなった・・・・・・?
僕はこの世界に来てたった三日で起こった想定外過ぎる出来事に頭を抱えるのだった。
ただ単に自分のステータスの確認だけだったのに、人外美人精霊王達を引っかけてしまった。
精霊を視てエアリアル達に魔法の知識や使い方のレクチャーをして貰うだけのはずだったのに・・・・・・。
移動して来たギルマスの執務室には、エアリアルとダオラとナハトと僕、それに七人の精霊王達がギチギチに入っていた。デカい輩が僕を除いて十人・・・・・・窮屈そうだな。
視えない人にはだだっ広い執務室に見えるそこは、僕達視える人にとっては圧迫面接のような感じ。
いや尋問は訓練で経験あるけど圧迫面接はないな。だからたぶん物理的な圧迫だな。
「ははは・・・・・・」
思わず乾いた笑いが溢れたのは許して欲しい。
精霊王達は只人とは違って疲れたりしないそうで、ソファには僕達が座ることを彼らに薦められた。
じゃあ遠慮なく、と座ったナハトの膝の上に横向きに座る僕・・・・・・。コレがナハトのデフォ(以下略)。
エアリアルが僕達の向かいに座って、ダオラは念のためと執務室の出入り口の扉の前に立った。
精霊王達は僕を囲うように僕の背後にずらりと並んで立っている。
「───さて、改めて自己紹介いたします。精霊王達方。私はアムリタの冒険者ギルドのエアリアル。扉の前の者がサブギルマスのダオラ」
「俺はS冒険者ナハト、そして彼が俺の番いのユラだ」
『我らは先ほど言ったように、各々の属性の精霊達の王だ』
僕が自分で何か言う前にナハト達がサッと軽い自己紹介をした。
そしてやっぱり僕が倒れている間に軽く話をしてたようで、お互い分かってるよ、みたいな雰囲気だ。
『とりあえず、其方らの疑問に我らが応える形で話そうか』
精霊王達を代表して闇の精霊王ブレンがそう言ったのを合図に、質疑応答が始まった。
『よかった。心配したよ』
代表して闇の精霊王ブレンがそう言ってきたけど、そもそもの原因は貴方達だからね?
「・・・・・・とりあえず、大丈夫ですので。えーと、エアリアル、コレはどうすれば・・・・・・?」
そう言いながら近くにいたエアリアルに尋ねる。
すると苦笑しながら応えてくれた。
「ユラには申し訳ないんだけど、鍛錬場から私の執務室に一度戻るようかな。いいかい?」
「うん。それがいいと思う」
たぶんナハト達も精霊王達のさっきの発言に関して思うところがあるんだと思う。僕も色々聞きたいし。
「えーと、この人、じゃない精霊王様達も一緒です?」
たぶん彼らに聞かないと分からないよね。それでもって、彼らも着いてきたそうな眼差しだもんね。
「ええ、先ほど少し話しまして、ご一緒して下さるそうです」
「・・・・・・ッチ」
「いやぁ、精霊王様全員揃い踏み。凄いよねぇ。初めて視たわ」
エアリアルが苦笑しながらそう言うとナハトは口汚く舌打ちをして不機嫌を隠そうともしない。そしてダオラはウキウキしながら感心している。
僕が倒れている間に何かしらあったのだろう。すんなりと決まったようだった。
結局、ナハトに抱っこされて皆してギルマスの執務室に逆戻りすることになった。抱っこ移動はナハトの中ではすでにデフォルトなんだろうか? 歩かないと足腰が・・・・・・。
───ところで。
「・・・・・・あの、コレって、普通の人には僕達四人しか見えてないんだよね?」
「そうだな」
地下鍛錬場から移動してきてチラッとギルド内を見れば『もう戻ってきたのか?』という怪訝そうな職員や冒険者達の視線があちこちから飛んできた。
精霊が視えてないからこその視線だろうけど、実際にはとんでもない美人を七人もぞろぞろと引き連れて歩いてるんだけどね。
冒険者の中には精霊が視える人もいたのか、その人だけは僕達をガン見していて、執務室に消えるまで視線が離れることはなかった。
うん、気持ちは分かる。
───いや本当、何でこうなった・・・・・・?
僕はこの世界に来てたった三日で起こった想定外過ぎる出来事に頭を抱えるのだった。
ただ単に自分のステータスの確認だけだったのに、人外美人精霊王達を引っかけてしまった。
精霊を視てエアリアル達に魔法の知識や使い方のレクチャーをして貰うだけのはずだったのに・・・・・・。
移動して来たギルマスの執務室には、エアリアルとダオラとナハトと僕、それに七人の精霊王達がギチギチに入っていた。デカい輩が僕を除いて十人・・・・・・窮屈そうだな。
視えない人にはだだっ広い執務室に見えるそこは、僕達視える人にとっては圧迫面接のような感じ。
いや尋問は訓練で経験あるけど圧迫面接はないな。だからたぶん物理的な圧迫だな。
「ははは・・・・・・」
思わず乾いた笑いが溢れたのは許して欲しい。
精霊王達は只人とは違って疲れたりしないそうで、ソファには僕達が座ることを彼らに薦められた。
じゃあ遠慮なく、と座ったナハトの膝の上に横向きに座る僕・・・・・・。コレがナハトのデフォ(以下略)。
エアリアルが僕達の向かいに座って、ダオラは念のためと執務室の出入り口の扉の前に立った。
精霊王達は僕を囲うように僕の背後にずらりと並んで立っている。
「───さて、改めて自己紹介いたします。精霊王達方。私はアムリタの冒険者ギルドのエアリアル。扉の前の者がサブギルマスのダオラ」
「俺はS冒険者ナハト、そして彼が俺の番いのユラだ」
『我らは先ほど言ったように、各々の属性の精霊達の王だ』
僕が自分で何か言う前にナハト達がサッと軽い自己紹介をした。
そしてやっぱり僕が倒れている間に軽く話をしてたようで、お互い分かってるよ、みたいな雰囲気だ。
『とりあえず、其方らの疑問に我らが応える形で話そうか』
精霊王達を代表して闇の精霊王ブレンがそう言ったのを合図に、質疑応答が始まった。
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