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4 第一異世界人に遭遇
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色々と検証したあと、辺りが薄暗くなってきたのに気付いてこの森での食材調達は諦め、ポーチの中のレーションを食べることにした。
「さすがにいきなり異世界の食べ物を口にするのは怖いし、鑑定で食べられるって出てもせいぜい食べられるのは果物くらいだろう」
調味料とか調理器具なんて、さすがにないもんな。
「それに・・・・・・ここら辺、生き物の気配がしないんだよなぁ」
目覚めてからだいぶ経つ。今の時間を見るに、湖畔で気が付いたのはお昼頃らしかった。それからずっと何かしらの生き物の気配がないまま。
───まあ、生き物じゃない気配は微かに感じるんだけど。
なんていうか、霊的な・・・・・・?
気になってとりあえず湖を鑑定してみたら『聖域の湖』って出たんだけど・・・・・・詳しくは鑑定でも分からなかった。ヘンな気配もよく分からなかったし。
鑑定魔法も万能じゃないってことか?
それにしても聖域って何? ここじゃ知ってて常識なのかな?
ただ、何となく日本で言うところの神社とかパワースポット的なモノかなと思う。空気が澄んでいて気持ちがいいから。
「生き物も地球とは違うのかな? 僕みたいな人間だけかな? 魔物とかいうのもいるのかな?」
そういったこの世界の常識が全く分からない。本当に知らないうちに神のような存在が知識を与えてくれたとしても中途半端が過ぎる。
───気が進まないけど、やっぱり近いうちに誰かと接触しないといけないか。
「まあ、接触するにしてもそこは追々と。今日はもう疲れた。レーション食べたら焚き火を消して早めに休もう」
上着はないけど、所持品の中にサバイバル用の保温シートが入っていたからそれに包まったら寒くはないだろう。
そうして後片付けをして近くの大きな木の枝に飛び乗ると保温シートに包まり、幹に背を預けて目を閉じた。
これがフラグとも知らずに───。
◇◇◇
───夜も更けた頃、音は聞こえないが微かな気配を感じ、意識が浮上する。
もともと訓練で十数分から数時間睡眠で動けるように慣らされているし、気配に敏いせいですぐに意識がハッキリするんだ。
こういうときは助かる。
ポーチから折りたたみ式ナイフを取り出し、目を瞑ったまま神経を研ぎ澄ませていると僕のそばの空気が動いた。
「───ッ」
瞬間、相手が息を呑むのが分かった。目を開けると僕の目の前の男と目が合った。
僕の左手の艶消しの折りたたみ式ナイフは、男の顎の下辺りをぎりぎりで止めてあてている。おそらくあと数ミリ動けば皮が切れるだろう。よく留まったな。
チラッと男を観察する。
二十代後半に見える男は漆黒の長髪を後ろで一つに括っていて、やや吊り目の切れ長の瞳を見開いていた。月明かりの逆光でよく分からないが、赤紫色に見える、澄んだ瞳だ。
黒シャツに黒パンツ、黒のワークブーツにフード付きの丈の長い外套を身に纏っている。全身真っ黒。裏仕事中の僕みたいな黒ずくめだ。
腰には長剣らしいモノが見えた。ということはこの世界は中世ヨーロッパ的な感じなのか?
でも銃やスタンガンは手元に残ってるから、きっと似たような武器は存在するんだろう。
「・・・・・・何者だ」
「・・・・・・それはこっちのセリフ。アンタこそ誰?」
男がそう問いかけてきたのを質問で返すと、僕は視線を男の目に戻して無表情で男に先を促す。もちろんナイフはあてたまま。
男は息を吐くと、降参というように両手を顔の横に上げて身を引いた。僕はナイフを握ったまま左手を下ろす。
どうやら敵意はなさそうだ。
「俺はナハト・オスクリタという。この森の南にある辺境の街アムリタの冒険者で、今回はこの聖域の調査で来た」
「・・・・・・冒険者? 聖域・・・・・・調査?」
僕がオウム返しに呟いたのを怪訝に思ったのか、シャツの胸元からチェーンに通した金属のプレートのようなモノを引っ張りだし、僕に見えるように掲げた。
僕のドッグタグに似ているそれは、名前と冒険者のランクらしいモノが刻まれていた。おお、読める。これも転移特典ってヤツか。
「冒険者ランク、S? って、凄いの?」
小説あるあるだと上位ランクだろうが、この世界ではどうなのか分からないからそう聞くと、男──ナハトが一瞬驚いた様子を見せながら教えてくれた。
「まあ、そうだな。ランクとしては一番上だ。これは偽造出来ない身分証だから信用してくれていい」
冷たそうな容貌を柔らかい微笑みに変えてそう言ったナハトに、張り詰めていた神経を緩める。
何となく、この男は大丈夫だと思えた。だから僕はナイフをポーチに収納した。
「僕は唯颯。あの、調査って何? 聖域って? あと冒険者って何する人? てか、ここはどこ?」
僕はここぞとばかりに質問をする。だってせっかく話せる人が来たんだから、情報収集しないと。
またいつ人に会えるか分からないじゃん。調査で来たってことは、それが終わったら帰っちゃうってことでしょ?
質問攻めにされたナハトは呆気にとられたあと少し微笑んで、僕の質問に応えてくれた。
「聖域とは神が祝福を与えた場所で、世界にいくつか存在する、清浄で魔物の発生しない場所のことだ。悪しき心根のモノも近づけない」
「魔物・・・・・・」
やっぱりいるんだ魔物。でもって悪人も近寄れない、安心安全な場所ね。はいはい。
・・・・・・ん? 僕は結構汚れ仕事してたけど、悪人枠じゃないのか?
思わず首を傾げると何を思ったのかナハトも同じように首を傾げた。何故? しかもそんな仕草がカッコいいのに可愛いって、何なんだ。
そんなナハトはまたすぐに顔を真っ直ぐに戻して話し始めたけど。一体何だったんだ?
「今回、その聖域に何やら異変を感じた冒険者ギルドからの指名依頼で俺が調査を受けた」
「・・・・・・はぁ」
・・・・・・それって僕が急にここに現れたから、だよね、たぶん。
「冒険者の仕事は、主に魔物を討伐したり様々な素材を集めたり、駆け出しの新人は雑用を受けたりと何でも屋みたいな感じだな」
「・・・・・・ヘぇ」
やっぱり小説あるあるな感じみたいだ。でもって何かあっても自己責任なんだろうな。
そんなことを考えながら生返事で相づちを打っていたからか、ナハトが心配げに顔を覗き込んできた。
「・・・・・・ッ」
「大丈夫か? ユラ」
───っびっくりしたー!
唇が触れそうなくらい至近距離に顔面凶器なイケメンが迫っていてビクッとした。
この人、気配がもの凄く薄いんだよ。いつの間に近付いたんだ!?
内心ドキドキしながらも顔は無表情で応えた。
「───大丈夫。あと、ここの異変? は、たぶん僕のせい・・・・・・だと思う」
「え?」
「あそこの畔にね、知らないうちにずぶ濡れで倒れてたんだ。どうやって来たのか全然分からないんだけど、その辺り記憶が曖昧で・・・・・・」
そう言って指差す。暗くて見えづらいだろうけどあそこだよ。
「どのくらい倒れてたのか分からないけど、気付いたのはお昼頃かな。それから今までココにいるんだけど・・・・・・いたらマズい?」
実際、移動手段は分からないし。でも聖域って言うくらいだから一般人は立ち入り禁止なのかも。
若干気まずそうにそう言うと、ナハトは少し考えたあと教えてくれた。
「・・・・・・時間的には異変の時期と合致するな。しかし、そうか。・・・・・・うん、まあマズくはないが、ここには何もないから留まるのは賛成しないな」
そういう理由? 場を穢すとかじゃないんだ? まあ確かに雨風を凌ぐ家も食べ物もないもんね。家はともかく食べ物は手持ちのレーションしかないし。
・・・・・・でも、そうしたら、うーん、どうしようか。
「どのみち調査依頼の内容から君を保護することになるから、俺と一緒にアムリタの街に行こう」
「───え? あ・・・・・・」
考え事で俯いていた顔を上げればナハトの瞳と視線がぶつかる。赤紫色の瞳が輝きを増してルビーレッドに染まった気がした。
その瞬間、抗えないほどの睡魔に襲われて、僕の意識は闇の中に落ちていった。
※攻めキター。まだ今は種族は秘密です。出たらタグに追加します。
作者の別作品『迷い子の月下美人』を読んで下さってる読者様がいましたら、こちらを集中して書き溜めているところなので、あちらはちょっと滞ります。すみません!
ある程度書き溜めたら向こうも更新しますね。
「さすがにいきなり異世界の食べ物を口にするのは怖いし、鑑定で食べられるって出てもせいぜい食べられるのは果物くらいだろう」
調味料とか調理器具なんて、さすがにないもんな。
「それに・・・・・・ここら辺、生き物の気配がしないんだよなぁ」
目覚めてからだいぶ経つ。今の時間を見るに、湖畔で気が付いたのはお昼頃らしかった。それからずっと何かしらの生き物の気配がないまま。
───まあ、生き物じゃない気配は微かに感じるんだけど。
なんていうか、霊的な・・・・・・?
気になってとりあえず湖を鑑定してみたら『聖域の湖』って出たんだけど・・・・・・詳しくは鑑定でも分からなかった。ヘンな気配もよく分からなかったし。
鑑定魔法も万能じゃないってことか?
それにしても聖域って何? ここじゃ知ってて常識なのかな?
ただ、何となく日本で言うところの神社とかパワースポット的なモノかなと思う。空気が澄んでいて気持ちがいいから。
「生き物も地球とは違うのかな? 僕みたいな人間だけかな? 魔物とかいうのもいるのかな?」
そういったこの世界の常識が全く分からない。本当に知らないうちに神のような存在が知識を与えてくれたとしても中途半端が過ぎる。
───気が進まないけど、やっぱり近いうちに誰かと接触しないといけないか。
「まあ、接触するにしてもそこは追々と。今日はもう疲れた。レーション食べたら焚き火を消して早めに休もう」
上着はないけど、所持品の中にサバイバル用の保温シートが入っていたからそれに包まったら寒くはないだろう。
そうして後片付けをして近くの大きな木の枝に飛び乗ると保温シートに包まり、幹に背を預けて目を閉じた。
これがフラグとも知らずに───。
◇◇◇
───夜も更けた頃、音は聞こえないが微かな気配を感じ、意識が浮上する。
もともと訓練で十数分から数時間睡眠で動けるように慣らされているし、気配に敏いせいですぐに意識がハッキリするんだ。
こういうときは助かる。
ポーチから折りたたみ式ナイフを取り出し、目を瞑ったまま神経を研ぎ澄ませていると僕のそばの空気が動いた。
「───ッ」
瞬間、相手が息を呑むのが分かった。目を開けると僕の目の前の男と目が合った。
僕の左手の艶消しの折りたたみ式ナイフは、男の顎の下辺りをぎりぎりで止めてあてている。おそらくあと数ミリ動けば皮が切れるだろう。よく留まったな。
チラッと男を観察する。
二十代後半に見える男は漆黒の長髪を後ろで一つに括っていて、やや吊り目の切れ長の瞳を見開いていた。月明かりの逆光でよく分からないが、赤紫色に見える、澄んだ瞳だ。
黒シャツに黒パンツ、黒のワークブーツにフード付きの丈の長い外套を身に纏っている。全身真っ黒。裏仕事中の僕みたいな黒ずくめだ。
腰には長剣らしいモノが見えた。ということはこの世界は中世ヨーロッパ的な感じなのか?
でも銃やスタンガンは手元に残ってるから、きっと似たような武器は存在するんだろう。
「・・・・・・何者だ」
「・・・・・・それはこっちのセリフ。アンタこそ誰?」
男がそう問いかけてきたのを質問で返すと、僕は視線を男の目に戻して無表情で男に先を促す。もちろんナイフはあてたまま。
男は息を吐くと、降参というように両手を顔の横に上げて身を引いた。僕はナイフを握ったまま左手を下ろす。
どうやら敵意はなさそうだ。
「俺はナハト・オスクリタという。この森の南にある辺境の街アムリタの冒険者で、今回はこの聖域の調査で来た」
「・・・・・・冒険者? 聖域・・・・・・調査?」
僕がオウム返しに呟いたのを怪訝に思ったのか、シャツの胸元からチェーンに通した金属のプレートのようなモノを引っ張りだし、僕に見えるように掲げた。
僕のドッグタグに似ているそれは、名前と冒険者のランクらしいモノが刻まれていた。おお、読める。これも転移特典ってヤツか。
「冒険者ランク、S? って、凄いの?」
小説あるあるだと上位ランクだろうが、この世界ではどうなのか分からないからそう聞くと、男──ナハトが一瞬驚いた様子を見せながら教えてくれた。
「まあ、そうだな。ランクとしては一番上だ。これは偽造出来ない身分証だから信用してくれていい」
冷たそうな容貌を柔らかい微笑みに変えてそう言ったナハトに、張り詰めていた神経を緩める。
何となく、この男は大丈夫だと思えた。だから僕はナイフをポーチに収納した。
「僕は唯颯。あの、調査って何? 聖域って? あと冒険者って何する人? てか、ここはどこ?」
僕はここぞとばかりに質問をする。だってせっかく話せる人が来たんだから、情報収集しないと。
またいつ人に会えるか分からないじゃん。調査で来たってことは、それが終わったら帰っちゃうってことでしょ?
質問攻めにされたナハトは呆気にとられたあと少し微笑んで、僕の質問に応えてくれた。
「聖域とは神が祝福を与えた場所で、世界にいくつか存在する、清浄で魔物の発生しない場所のことだ。悪しき心根のモノも近づけない」
「魔物・・・・・・」
やっぱりいるんだ魔物。でもって悪人も近寄れない、安心安全な場所ね。はいはい。
・・・・・・ん? 僕は結構汚れ仕事してたけど、悪人枠じゃないのか?
思わず首を傾げると何を思ったのかナハトも同じように首を傾げた。何故? しかもそんな仕草がカッコいいのに可愛いって、何なんだ。
そんなナハトはまたすぐに顔を真っ直ぐに戻して話し始めたけど。一体何だったんだ?
「今回、その聖域に何やら異変を感じた冒険者ギルドからの指名依頼で俺が調査を受けた」
「・・・・・・はぁ」
・・・・・・それって僕が急にここに現れたから、だよね、たぶん。
「冒険者の仕事は、主に魔物を討伐したり様々な素材を集めたり、駆け出しの新人は雑用を受けたりと何でも屋みたいな感じだな」
「・・・・・・ヘぇ」
やっぱり小説あるあるな感じみたいだ。でもって何かあっても自己責任なんだろうな。
そんなことを考えながら生返事で相づちを打っていたからか、ナハトが心配げに顔を覗き込んできた。
「・・・・・・ッ」
「大丈夫か? ユラ」
───っびっくりしたー!
唇が触れそうなくらい至近距離に顔面凶器なイケメンが迫っていてビクッとした。
この人、気配がもの凄く薄いんだよ。いつの間に近付いたんだ!?
内心ドキドキしながらも顔は無表情で応えた。
「───大丈夫。あと、ここの異変? は、たぶん僕のせい・・・・・・だと思う」
「え?」
「あそこの畔にね、知らないうちにずぶ濡れで倒れてたんだ。どうやって来たのか全然分からないんだけど、その辺り記憶が曖昧で・・・・・・」
そう言って指差す。暗くて見えづらいだろうけどあそこだよ。
「どのくらい倒れてたのか分からないけど、気付いたのはお昼頃かな。それから今までココにいるんだけど・・・・・・いたらマズい?」
実際、移動手段は分からないし。でも聖域って言うくらいだから一般人は立ち入り禁止なのかも。
若干気まずそうにそう言うと、ナハトは少し考えたあと教えてくれた。
「・・・・・・時間的には異変の時期と合致するな。しかし、そうか。・・・・・・うん、まあマズくはないが、ここには何もないから留まるのは賛成しないな」
そういう理由? 場を穢すとかじゃないんだ? まあ確かに雨風を凌ぐ家も食べ物もないもんね。家はともかく食べ物は手持ちのレーションしかないし。
・・・・・・でも、そうしたら、うーん、どうしようか。
「どのみち調査依頼の内容から君を保護することになるから、俺と一緒にアムリタの街に行こう」
「───え? あ・・・・・・」
考え事で俯いていた顔を上げればナハトの瞳と視線がぶつかる。赤紫色の瞳が輝きを増してルビーレッドに染まった気がした。
その瞬間、抗えないほどの睡魔に襲われて、僕の意識は闇の中に落ちていった。
※攻めキター。まだ今は種族は秘密です。出たらタグに追加します。
作者の別作品『迷い子の月下美人』を読んで下さってる読者様がいましたら、こちらを集中して書き溜めているところなので、あちらはちょっと滞ります。すみません!
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