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第四章 エルフの里編
一方その頃(sideフェイ)
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アルカス達が湖で精霊王と遭っていた頃、フェイはエルフの里の中でも一番の魔導具屋というお店に来ていた。
エルフは手先が器用で細々とした細工物や魔導具制作に長けているという。
もちろん薬を作ることも。
が、外部に流出するモノはほとんどない。
たまにウィステリアのようなエルフが外に持ち出したり、制作して売ったりするくらいで、それもほんの一握りなのだ。
そんな技術を間近で見られるとなったら、アルカスじゃあないが、興奮して昨夜は余り眠れなかった。
フェイは黙っていればエルフに引けを取らない美人だ。
寝不足のせいでやや憂い顔になって更に美しさに磨きをかけていた。
・・・・・・口を開かなければ。
先日、運良く光の精霊と契約を交わして何となくキラキラが増したようだが、本人は割とガサツなので頓着しなかった。
しかし里のエルフ達は精霊が視えるので、この前よりもフェイに下心を持って近づく若いエルフが結構いて、魔導具屋に着くまでにかなりのナンパを受けてちょっとイライラしていた。
そうして辿り着いた店の前。
『只今の時間、留守にしております』
そんな看板が目に入った。
「---っああもう! せっかく楽しみにしてたのに胸クソ。アイツらのせいで! 俺の事なんかほっとけよ!」
声を荒げたとき、ふと後ろに気配を感じて飛び退いた。
---が、誰もいない?
用心深く気配を探ると、いないと思っていたその場所に違和感を覚えた。
・・・・・・いる。確実に何かいる。
「何だ? 誰だ?」
攻撃を仕掛けてくる感じでもないので、警戒はしながら声をかけた。
すると、すうっと空気が歪んでウィステリアばりの美形なエルフが姿を現した。
もちろんウィステリアよりもガッチリしているが。
フェイよりも頭一つ分高く、体の厚みも倍くらいあった。
美丈夫と言う言葉が似合う、アルカスが言うところのガチムチというヤツである。
フェイは呆気にとられて固まってしまった。
-でっか。エルフのイメージじゃない。
結構失礼な事を考えていたことは内緒だ。
彼はエルバートという。
この魔導具屋の店主で、魔導具制作も手がけているそうだ。
さっきは自作の魔導具の試作品の性能テストをしていたところで、ちょうど戻ってきた時にフェイが店先にいて、フェイが立ち去るのを待つか裏口から入るか迷っていたんだという。
「いや、そこはさっさと姿を現して店を開けろよ!」
思わずフェイが愚痴ったら、無表情だった口角をあげて笑った。
「まさか気配を読まれるとは思わなかったのでな。良い経験になった。感謝する」
自分では最高の出来だと思っていたが見破られるとはな、と何故か嬉しそうだった。
フェイも自己紹介をした。
先日ウィステリアと一緒に里にきた一人だと言ったら、今日店を訪ねる事はウィステリアから聞いていたらしい。
だが、朝イチで来ると聞いていたのになかなか来ないので、今日は都合が悪くなったのかと思って、性能テストを兼ねて外出していたと。
「---あ゛-クソ、途中でめちゃくちゃ声かけられて断るのに時間食ったんだよ。外面が良いのも考えもんだよな」
「それが素なんですね」
「アルカスにはよくギャップ萌えとか言われる。これでもAランク冒険者だからな。物理で相手をボコボコにするくらいはデキるぜ。皆、返り討ちにしてやった」
それを聞いてエルバートが微笑んだ。
それから二人は魔導具談義に花を咲かせて、夜に食事をする約束をして一旦別れた。
そして夜に美味しいお酒と料理を堪能したフェイは、いつの間にかエルバートの店舗兼自宅に連れ込まれ、エルバートに惹かれていたのもあって、遂に遅い初体験を済ませることになった。
が、そのまま婚姻してしまうとは誰が予想したであろうか・・・・・・。
本人ですら予想外だった。
エルフは手先が器用で細々とした細工物や魔導具制作に長けているという。
もちろん薬を作ることも。
が、外部に流出するモノはほとんどない。
たまにウィステリアのようなエルフが外に持ち出したり、制作して売ったりするくらいで、それもほんの一握りなのだ。
そんな技術を間近で見られるとなったら、アルカスじゃあないが、興奮して昨夜は余り眠れなかった。
フェイは黙っていればエルフに引けを取らない美人だ。
寝不足のせいでやや憂い顔になって更に美しさに磨きをかけていた。
・・・・・・口を開かなければ。
先日、運良く光の精霊と契約を交わして何となくキラキラが増したようだが、本人は割とガサツなので頓着しなかった。
しかし里のエルフ達は精霊が視えるので、この前よりもフェイに下心を持って近づく若いエルフが結構いて、魔導具屋に着くまでにかなりのナンパを受けてちょっとイライラしていた。
そうして辿り着いた店の前。
『只今の時間、留守にしております』
そんな看板が目に入った。
「---っああもう! せっかく楽しみにしてたのに胸クソ。アイツらのせいで! 俺の事なんかほっとけよ!」
声を荒げたとき、ふと後ろに気配を感じて飛び退いた。
---が、誰もいない?
用心深く気配を探ると、いないと思っていたその場所に違和感を覚えた。
・・・・・・いる。確実に何かいる。
「何だ? 誰だ?」
攻撃を仕掛けてくる感じでもないので、警戒はしながら声をかけた。
すると、すうっと空気が歪んでウィステリアばりの美形なエルフが姿を現した。
もちろんウィステリアよりもガッチリしているが。
フェイよりも頭一つ分高く、体の厚みも倍くらいあった。
美丈夫と言う言葉が似合う、アルカスが言うところのガチムチというヤツである。
フェイは呆気にとられて固まってしまった。
-でっか。エルフのイメージじゃない。
結構失礼な事を考えていたことは内緒だ。
彼はエルバートという。
この魔導具屋の店主で、魔導具制作も手がけているそうだ。
さっきは自作の魔導具の試作品の性能テストをしていたところで、ちょうど戻ってきた時にフェイが店先にいて、フェイが立ち去るのを待つか裏口から入るか迷っていたんだという。
「いや、そこはさっさと姿を現して店を開けろよ!」
思わずフェイが愚痴ったら、無表情だった口角をあげて笑った。
「まさか気配を読まれるとは思わなかったのでな。良い経験になった。感謝する」
自分では最高の出来だと思っていたが見破られるとはな、と何故か嬉しそうだった。
フェイも自己紹介をした。
先日ウィステリアと一緒に里にきた一人だと言ったら、今日店を訪ねる事はウィステリアから聞いていたらしい。
だが、朝イチで来ると聞いていたのになかなか来ないので、今日は都合が悪くなったのかと思って、性能テストを兼ねて外出していたと。
「---あ゛-クソ、途中でめちゃくちゃ声かけられて断るのに時間食ったんだよ。外面が良いのも考えもんだよな」
「それが素なんですね」
「アルカスにはよくギャップ萌えとか言われる。これでもAランク冒険者だからな。物理で相手をボコボコにするくらいはデキるぜ。皆、返り討ちにしてやった」
それを聞いてエルバートが微笑んだ。
それから二人は魔導具談義に花を咲かせて、夜に食事をする約束をして一旦別れた。
そして夜に美味しいお酒と料理を堪能したフェイは、いつの間にかエルバートの店舗兼自宅に連れ込まれ、エルバートに惹かれていたのもあって、遂に遅い初体験を済ませることになった。
が、そのまま婚姻してしまうとは誰が予想したであろうか・・・・・・。
本人ですら予想外だった。
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