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第三章 辺境編
コカトリス
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アルカスが落ち着くのを待って、森の入り口から離れた平原に移動した。
騎士達は辺りの警戒と馬の世話をしている。
どうやら落ち着いたらしいアルカスがごめんなさいと謝罪を口にした。
「謝る必要は無い。逆にこちらが助かったのだ。辛い思いをしてまで持ち帰った情報は役に立ったよ、感謝するのはこちらだ」
アーサーが心から言ったので安心したようだ。
「それにしてもコカトリスとは・・・ちょっと想定外だったな」
フェイが思案顔で言う。
何かに追われて出た可能性は持っていたが、予想外の大物で戸惑う。
一度戻ってギルドに報告をしてから対策を練らなくてはならない。
ただ、そのコカトリスも割と浅い場所に居る事が分かった今、このまま放置して戻るわけにもいかない。
いつこちらに被害が出るか分からないのだ。
皆が最適案を出しあぐねている中、アルカスがクラビスに言った。
「クラビス、使っていい魔石とかって有る?」
「ああ、そんなのはごろごろ有るが、どうするんだ?」
「ごろご・・・・・・、ああ、えっと、その魔石に俺の結界魔法を込めて、四隅に置いてね、こう、ピラミッド型・・・ええと、四角錐に発動して閉じ込めるのって出来そうかな?って」
ほら、俺の結界ってこの間見せたように頑丈じゃない?
さすがに森全体は大変だからさあ。
・・・って言ったら、皆が目から鱗が落ちたようだった。
「その手があった!」
アーサーがキラン!とした目で叫んだ。
フェイがすかさずクラビスに尋ねる。
「クラビス、魔石は出来るだけデカくて良質で大きさが揃ってるヤツで!」
「ああ、ちょうど竜種のヤツが4個有る。これでいけるか?」
「え、そんなのあるの?! しかも4つ?!」
最後のはアルカスだ。
そりゃあ竜種の魔石4個は驚くだろう。
「さすがはクラビスだの。当然のように持っているとは」
「・・・有り得ねえ。一つでも凄いのに・・・・・・」
ウィスタリアとリリーも感心しきりだ。
「じゃあ、これ使わせてもらうね。・・・・・・うーん。ほいっ!」
「何、その間抜けなかけ声・・・・・・」
「アルカスらしいが」
「煩いなあ。出来れば何でもいいんだよ!」
フェイの言葉にぷんすか口を尖らせるアルカスに笑いが溢れる。
出来上がった結界の魔石は、鑑定の結果、国宝級の出来になっていた。
皆、乾いた笑いしか出なかったという・・・。
そして、じゃあこの魔石を誰が設置しに行くかという話になり。
アーサーをこっそり呼んで、防音結界を張って暴露した。もちろん皆の許可は取った。
曰く、転移魔法を使えるので、べんりなマップくんを使って四方に魔石を転移して起動させると。
魔石は基本アルカスの魔力が尽きるまで起動できる。
破壊出来ないように魔石自体にも防御結界機能をつけてあるので、ほとんど破壊不可なこと。
それらを説明して、転移魔法が普通に使えることは秘密にして貰った。
「そんなこと、当然だ。この剣に誓って何があろうと約束は守る」
男前な台詞にちょっとどきどきして、クラビスににっこり笑顔を貰った。
うん。目が笑ってねえ!
お仕置き確定だな・・・・・・。
ともかく、そんなわけで結界魔石をちゃちゃっと転移して起動してみました。
・・・・・・うん。ちゃんと起動してます。大丈夫!
そういうわけで、ひとまずアーサーの邸に戻ることになった。
ああ、俺のスローライフが遠退くぜ・・・・・・。
*もう一つの長編小説とたまたま戦闘シーンが被ってしまい、こんがらがったので向こうが落ち着くまで時間がかかりました。スミマセン*
騎士達は辺りの警戒と馬の世話をしている。
どうやら落ち着いたらしいアルカスがごめんなさいと謝罪を口にした。
「謝る必要は無い。逆にこちらが助かったのだ。辛い思いをしてまで持ち帰った情報は役に立ったよ、感謝するのはこちらだ」
アーサーが心から言ったので安心したようだ。
「それにしてもコカトリスとは・・・ちょっと想定外だったな」
フェイが思案顔で言う。
何かに追われて出た可能性は持っていたが、予想外の大物で戸惑う。
一度戻ってギルドに報告をしてから対策を練らなくてはならない。
ただ、そのコカトリスも割と浅い場所に居る事が分かった今、このまま放置して戻るわけにもいかない。
いつこちらに被害が出るか分からないのだ。
皆が最適案を出しあぐねている中、アルカスがクラビスに言った。
「クラビス、使っていい魔石とかって有る?」
「ああ、そんなのはごろごろ有るが、どうするんだ?」
「ごろご・・・・・・、ああ、えっと、その魔石に俺の結界魔法を込めて、四隅に置いてね、こう、ピラミッド型・・・ええと、四角錐に発動して閉じ込めるのって出来そうかな?って」
ほら、俺の結界ってこの間見せたように頑丈じゃない?
さすがに森全体は大変だからさあ。
・・・って言ったら、皆が目から鱗が落ちたようだった。
「その手があった!」
アーサーがキラン!とした目で叫んだ。
フェイがすかさずクラビスに尋ねる。
「クラビス、魔石は出来るだけデカくて良質で大きさが揃ってるヤツで!」
「ああ、ちょうど竜種のヤツが4個有る。これでいけるか?」
「え、そんなのあるの?! しかも4つ?!」
最後のはアルカスだ。
そりゃあ竜種の魔石4個は驚くだろう。
「さすがはクラビスだの。当然のように持っているとは」
「・・・有り得ねえ。一つでも凄いのに・・・・・・」
ウィスタリアとリリーも感心しきりだ。
「じゃあ、これ使わせてもらうね。・・・・・・うーん。ほいっ!」
「何、その間抜けなかけ声・・・・・・」
「アルカスらしいが」
「煩いなあ。出来れば何でもいいんだよ!」
フェイの言葉にぷんすか口を尖らせるアルカスに笑いが溢れる。
出来上がった結界の魔石は、鑑定の結果、国宝級の出来になっていた。
皆、乾いた笑いしか出なかったという・・・。
そして、じゃあこの魔石を誰が設置しに行くかという話になり。
アーサーをこっそり呼んで、防音結界を張って暴露した。もちろん皆の許可は取った。
曰く、転移魔法を使えるので、べんりなマップくんを使って四方に魔石を転移して起動させると。
魔石は基本アルカスの魔力が尽きるまで起動できる。
破壊出来ないように魔石自体にも防御結界機能をつけてあるので、ほとんど破壊不可なこと。
それらを説明して、転移魔法が普通に使えることは秘密にして貰った。
「そんなこと、当然だ。この剣に誓って何があろうと約束は守る」
男前な台詞にちょっとどきどきして、クラビスににっこり笑顔を貰った。
うん。目が笑ってねえ!
お仕置き確定だな・・・・・・。
ともかく、そんなわけで結界魔石をちゃちゃっと転移して起動してみました。
・・・・・・うん。ちゃんと起動してます。大丈夫!
そういうわけで、ひとまずアーサーの邸に戻ることになった。
ああ、俺のスローライフが遠退くぜ・・・・・・。
*もう一つの長編小説とたまたま戦闘シーンが被ってしまい、こんがらがったので向こうが落ち着くまで時間がかかりました。スミマセン*
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