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第二章 王都編
王都観光二日目 1
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おはようございます。
いや、おそようございます?
昨日、美味しく頂かれたアルカスです。
ベッドの中からこんにちは。
・・・・・・じゃねえよ!
足腰立たねぇ。
抱き潰された。
昨日、ヘンなスイッチ入って煽りまくった記憶はある。
番だからなのか、いやと言うほど求めてしまった。
そもそも、何がきっかけでこうなった?
クラビスが『可愛い』『誰にも見せたくない』て事を言ってた気がするから、何か不安な事ではなかったと思うけど。
それにしても・・・・・・。
「お腹空いた」
昨夜から何も食べずにもうお昼過ぎ・・・。
「動けない。治癒魔法で節々を直しても、空腹はどうにもならん・・・。クラビス、御飯~!」
もう叫んじゃうよ?
いや、気持ちだけで、大声出ないけど。
「おはよう、アルカス。お待たせ、御飯用意したよ」
さわやかイケメン登場。
何でそんなに元気なの?
これがSランク冒険者の体力か。艶々した顔をしやがって。
「無理させてごめんね? アルカスがあまりにも可愛くって、歯止めが効かなかった」
「・・・・・・俺も煽った気がするから、お互い様で。とりあえず食べたい。お腹と背中が仲良しこよしで死にそう」
そう言ったら、安定の膝上であーんしてくれた。
怠いからおけおけ。
「そのままでいいから聞いてくれる? 腕輪とピアスが出来たって連絡が来たから、この後、支度して取りに行こう。いい?」
「んぐ、いいけど。もうできたの? 昨日の今日だよね?」
「うん。張り切って徹夜したみたい」
「ぇ、大丈夫なのか? こっちの人って皆、タフガイ?!」
「タフガイが何か分からないけど、あの人は特に元気だから、2,3日徹夜しても問題ない」
へー、俺も鍛えよう。
「クラビス、俺もレベルアップして強くなりたい。クラビスを護りたい」
「俺が護るよ?」
クラビスが甘やかすけど。
「俺も護りたい。夫夫って、番ってそういうもんだろう? お互いがお互いを大切に思う気持ちは一緒だろ?」
クラビスが大好きだから。
一瞬、目を瞠ってから優しい目で見て、クラビスが破顔した。
「そうだね。嬉しいよ」
食事の後、着替えをして昨日ぶりの王都へと向かった。
今日は馬車で移動。
・・・うん。安定の馬(巨大猫)です。
乗る前にめっちゃモフりまくった。もちろん許可は取ってある。
父さんも兄ちゃんも騎乗して行ってるから、普通にタウンハウスの馬車用の馬(猫)。
俺の癒し!!
例によって、皆には引かれましたが何か?
一緒に滞在中のフェイやウィステリアにも引かれましたが?
皆、損してる!
でもいいんだよ。このもふもふの凄さは俺だけが知ってればいいんだ!
出だしが遅れたが、無事にミックさんのお店に着いた。
「こんにちは!」
「おお、来たか! 待ってたぞ」
徹夜したとは思えないテンションだ。いや、徹夜明けテンションか?
「ほれほれ、どうだ?!」
「・・・うわっ、何これ、凄い!」
腕輪は5ミリ幅の細身でアイビーの蔦模様が透かし彫りしてある。所々に蒼と翠と紅の石が埋め込まれてる。
ピアスはイヤーカフになってた。確かにピアスホール開けてないしな。
こっちもお揃いでアイビーの透かし彫りに腕輪より大きめの蒼と翠と紅の石が一つずつ埋め込まれていた。
「素晴らしい出来だ。ありがとう、ミックさん」
クラビスが感嘆の声を漏らす。
「本当に凄い! 綺麗!」
語彙力足りなくてごめんね?
お互いに身に着け合う。
クラビスは邪魔にならない左腕と左耳に、俺は対になるように右腕と右耳にそれぞれ着けた。
「互いの魔力を込めてごらん」
ミックさんに言われてお互いに込める。
腕輪はサイズが変わって、腕に吸い付いたみたい。
イヤーカフも着いてるのが分からないくらいピタッとしてる。
「うむ。これでお互いが外そうとしなければ何をしても外れないぞ」
「・・・へえ。そんな事出来るんだ?」
「いや、普通は無理だ。その素材のお陰だの」
「・・・・・・素材」
「土台はオリハルコンだからな」
・・・・・・
オリハルコンって、異世界あるあるの、アレ?
実在するんだ?
ていうか、何ちゅうもんで作ってる!
「依頼ついでに手に入れたモノだから」
何をサラッと言ってる!
まあ、別にいいけどね?
俺もだけど、クラビスも大概非常識だと思うわ。
「じゃあ、次は、今度の依頼でアルカスが身に着ける防具をちょっと・・・」
あー・・・そうだった。
「俺、分かんないからクラビスにお任せね?」
前回同様丸投げして、異空間収納バッグからお茶とお菓子を取り出して、勝手に寛いだ。
その間にも昨日と同じように素材を出してああだこうだと騒ぎ出して、それを子守歌に今日もやっぱりうたた寝していた。
だって昨夜のせいで寝不足気味で疲労が溜まってるんだもん。
やっぱりもっとレベル上げないとだな。
「さすがに明日って訳にはいかないから、2日くらい時間をくれ」
いや、2日で出来んのか?!
そっちのがビックリだわ。
「そんなに頑張らないで。体壊しちゃうよ。無理しないで仕事して!」
「優しいの。誰かさんとは大違いだ。うむ、無理しないでやるから心配せんでいい」
そう言って笑っていた。
店を後にして、冒険者ギルドへ向かう。
昨日の調査&討伐依頼の件だ。
クラビスに聞いたら、フェイの他にウィステリアも着いてくることになったらしい。
どのみちフォレスター領に戻るんだから、ついでにって事らしい。
ウィステリアがいれば心強い。
・・・へへへ、色々とね?
「でも、ウィステリア様って冒険者だった?」
「ああ、あの方はEX(エクストラ)の冒険者なんだ。俺より上、と言うか現在ただ一人の特級クラスだね」
「へあ・・・・・・まじ?」
「うん。まじ」
クスッと笑った。
「へえ、お爺ちゃんは凄いお爺ちゃんだったんだ!」
「ふはっ」
クラビスが吹き出したけど気にしない。
「今度冒険譚とか聞きたいなあ」
「そうだね」
淡々と魔物を屠ってそう。
いや、おそようございます?
昨日、美味しく頂かれたアルカスです。
ベッドの中からこんにちは。
・・・・・・じゃねえよ!
足腰立たねぇ。
抱き潰された。
昨日、ヘンなスイッチ入って煽りまくった記憶はある。
番だからなのか、いやと言うほど求めてしまった。
そもそも、何がきっかけでこうなった?
クラビスが『可愛い』『誰にも見せたくない』て事を言ってた気がするから、何か不安な事ではなかったと思うけど。
それにしても・・・・・・。
「お腹空いた」
昨夜から何も食べずにもうお昼過ぎ・・・。
「動けない。治癒魔法で節々を直しても、空腹はどうにもならん・・・。クラビス、御飯~!」
もう叫んじゃうよ?
いや、気持ちだけで、大声出ないけど。
「おはよう、アルカス。お待たせ、御飯用意したよ」
さわやかイケメン登場。
何でそんなに元気なの?
これがSランク冒険者の体力か。艶々した顔をしやがって。
「無理させてごめんね? アルカスがあまりにも可愛くって、歯止めが効かなかった」
「・・・・・・俺も煽った気がするから、お互い様で。とりあえず食べたい。お腹と背中が仲良しこよしで死にそう」
そう言ったら、安定の膝上であーんしてくれた。
怠いからおけおけ。
「そのままでいいから聞いてくれる? 腕輪とピアスが出来たって連絡が来たから、この後、支度して取りに行こう。いい?」
「んぐ、いいけど。もうできたの? 昨日の今日だよね?」
「うん。張り切って徹夜したみたい」
「ぇ、大丈夫なのか? こっちの人って皆、タフガイ?!」
「タフガイが何か分からないけど、あの人は特に元気だから、2,3日徹夜しても問題ない」
へー、俺も鍛えよう。
「クラビス、俺もレベルアップして強くなりたい。クラビスを護りたい」
「俺が護るよ?」
クラビスが甘やかすけど。
「俺も護りたい。夫夫って、番ってそういうもんだろう? お互いがお互いを大切に思う気持ちは一緒だろ?」
クラビスが大好きだから。
一瞬、目を瞠ってから優しい目で見て、クラビスが破顔した。
「そうだね。嬉しいよ」
食事の後、着替えをして昨日ぶりの王都へと向かった。
今日は馬車で移動。
・・・うん。安定の馬(巨大猫)です。
乗る前にめっちゃモフりまくった。もちろん許可は取ってある。
父さんも兄ちゃんも騎乗して行ってるから、普通にタウンハウスの馬車用の馬(猫)。
俺の癒し!!
例によって、皆には引かれましたが何か?
一緒に滞在中のフェイやウィステリアにも引かれましたが?
皆、損してる!
でもいいんだよ。このもふもふの凄さは俺だけが知ってればいいんだ!
出だしが遅れたが、無事にミックさんのお店に着いた。
「こんにちは!」
「おお、来たか! 待ってたぞ」
徹夜したとは思えないテンションだ。いや、徹夜明けテンションか?
「ほれほれ、どうだ?!」
「・・・うわっ、何これ、凄い!」
腕輪は5ミリ幅の細身でアイビーの蔦模様が透かし彫りしてある。所々に蒼と翠と紅の石が埋め込まれてる。
ピアスはイヤーカフになってた。確かにピアスホール開けてないしな。
こっちもお揃いでアイビーの透かし彫りに腕輪より大きめの蒼と翠と紅の石が一つずつ埋め込まれていた。
「素晴らしい出来だ。ありがとう、ミックさん」
クラビスが感嘆の声を漏らす。
「本当に凄い! 綺麗!」
語彙力足りなくてごめんね?
お互いに身に着け合う。
クラビスは邪魔にならない左腕と左耳に、俺は対になるように右腕と右耳にそれぞれ着けた。
「互いの魔力を込めてごらん」
ミックさんに言われてお互いに込める。
腕輪はサイズが変わって、腕に吸い付いたみたい。
イヤーカフも着いてるのが分からないくらいピタッとしてる。
「うむ。これでお互いが外そうとしなければ何をしても外れないぞ」
「・・・へえ。そんな事出来るんだ?」
「いや、普通は無理だ。その素材のお陰だの」
「・・・・・・素材」
「土台はオリハルコンだからな」
・・・・・・
オリハルコンって、異世界あるあるの、アレ?
実在するんだ?
ていうか、何ちゅうもんで作ってる!
「依頼ついでに手に入れたモノだから」
何をサラッと言ってる!
まあ、別にいいけどね?
俺もだけど、クラビスも大概非常識だと思うわ。
「じゃあ、次は、今度の依頼でアルカスが身に着ける防具をちょっと・・・」
あー・・・そうだった。
「俺、分かんないからクラビスにお任せね?」
前回同様丸投げして、異空間収納バッグからお茶とお菓子を取り出して、勝手に寛いだ。
その間にも昨日と同じように素材を出してああだこうだと騒ぎ出して、それを子守歌に今日もやっぱりうたた寝していた。
だって昨夜のせいで寝不足気味で疲労が溜まってるんだもん。
やっぱりもっとレベル上げないとだな。
「さすがに明日って訳にはいかないから、2日くらい時間をくれ」
いや、2日で出来んのか?!
そっちのがビックリだわ。
「そんなに頑張らないで。体壊しちゃうよ。無理しないで仕事して!」
「優しいの。誰かさんとは大違いだ。うむ、無理しないでやるから心配せんでいい」
そう言って笑っていた。
店を後にして、冒険者ギルドへ向かう。
昨日の調査&討伐依頼の件だ。
クラビスに聞いたら、フェイの他にウィステリアも着いてくることになったらしい。
どのみちフォレスター領に戻るんだから、ついでにって事らしい。
ウィステリアがいれば心強い。
・・・へへへ、色々とね?
「でも、ウィステリア様って冒険者だった?」
「ああ、あの方はEX(エクストラ)の冒険者なんだ。俺より上、と言うか現在ただ一人の特級クラスだね」
「へあ・・・・・・まじ?」
「うん。まじ」
クスッと笑った。
「へえ、お爺ちゃんは凄いお爺ちゃんだったんだ!」
「ふはっ」
クラビスが吹き出したけど気にしない。
「今度冒険譚とか聞きたいなあ」
「そうだね」
淡々と魔物を屠ってそう。
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