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第二章 王都編
王都のタウンハウスで初めまして
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王様との謁見が爆睡中に終わるという、前代未聞の結末だったが、何をどうしたのか丸く収まったらしい。
ちょっとクラビスが凹んでた気がするけど。
問題ないなら俺に否やはない。
俺、空気読める子!
面倒ごとが寝ているうちに終わったので気持ちが楽になった。
ところで、このタウンハウスに来るのは初めてなのだ。
伝達魔導具で父さん達と話すときにたまに使用人達も顔を出すので、見知った顔の人もいるが、ほとんどの人は分からない。
というわけで、せっかくだから数日泊まることになった。
「アルカスです。ほぼ初めましてですが、よろしくお願いします」
初めの印象大事!
お互い気持ちよく過ごすためには、挨拶しっかり、愛想よく!
「こちらこそよろしくお願い致します。アルカス坊ちゃま」
坊ちゃまって、照れる。
「奥様呼びの方がよろしいでしょうか?」
と言われたが、そっちの方が恥ずかしい!
「坊ちゃまでいいです!」
顔が熱い。
皆の視線が生温かい。くそう。
もう夕方なので、御飯食べて明日の予定を決める事に。
「父さんとクレイン、ガラシアは残念ながら仕事でいないが、グラキス達は滞在するから安心して過ごすといい。夜にはなるべく戻るからな」
「ありがとう。でも無理はしないでね?」
そんな会話をしていると、学園から帰ったレイブンが来た。
「ただ今帰りました。グラキスお祖母様、父上、アルカスお兄様、クラビスさんご無沙汰しております」
「おー、お帰り、レイブン」
「御結婚おめでとうございます。お兄様」
「えへへ、ありがとう」
「そうだ、クレイン叔父様の子には会いましたか?」
レイブンに言われて気付く。
そういえばもうすぐ3歳になる甥っ子。ここに住んでるんだっけ。
「・・・恥ずかしながら、少し前まで爆睡してて、まだ会ってない。もっと言えば、王様の謁見も、寝てるうちに終わっちゃって・・・」
気まずくて視線が明後日の方を見てしまう・・・。
「・・・・・・」
何かを察したのか、無言で生温かい目を向けてくるレイブン。
賢すぎる。まだ7歳だろう?
色んな意味で甥っ子に勝てそうにないわ。
そうこうしているうちに、ガラシアが子供を抱っこしてきた。
あの子が甥っ子のシエロだな。
ふわふわのくせっ毛の黒髪にエメラルドグリーンの、アーモンド型の瞳。
目の前に降ろされたその子の身長が俺の胸くらいまである・・・・・・。
うん、何となく分かってたけどね?
俺の知ってる3歳児の身長じゃねえよ。
120㎝くらいはあるよね?
日本人の7歳児くらいの身長だよ?
・・・・・・これじゃあ、俺、確かに未成年に見えるわ。
「はじめまちて。あるかすおじさま。しえろです」
ちょっと舌っ足らずな可愛い声で挨拶された。
ナニコレ可愛い!
「初めまして。アルカスです。お兄様って呼んでくれると嬉しいな?」
「あるかすおにいちゃま」
コテンと首を傾げてにこやかに言ってくれて、俺のテンション爆上がりした。
身長とかどうでもいい!
「可愛すぎるだろう! 俺もこんな子欲しい!」
思わず抱きしめて叫んだら、クラビスに引き離された。
3歳児に嫉妬かよ。
「アルカスが望むならすぐにでも作れるよ? 何人でも・・・」
耳元でコソッと囁かれて、ゾクッとする。
「でもまだ蜜月だから、暫くは2人がいいな」
そんな事を言われて、顔を真っ赤にして思わずコクコクと頷いてしまった。
そうしてハッと気がつく。
皆いるじゃん!
うわーうわー、恥ずかしい!
もうこんなんばっか!!
わたわたしつつも、クラビスの膝の上で御飯を食べさせてもらい、風呂で世話を焼かれ、当然の流れでベッドイン。
次の日は王都観光なのでさすがに抱き潰されなかったが、1回がものすっごく長くてねちっこかった。俺は何回もイかされたのにクラビスは1回って・・・。
1回の意味を教えてくれ。
俺がイクのが1回じゃないの?
クラビスの1回に付き合ったら体力保たねえよ。
結局、気絶して終わった。
腰が立たない。
朝には起きたけど、あんま意味ないんじゃ・・・?
今日も今日とてクラビスに抱っこ移動。
何時もと変わんないじゃんか!
ちょっとクラビスが凹んでた気がするけど。
問題ないなら俺に否やはない。
俺、空気読める子!
面倒ごとが寝ているうちに終わったので気持ちが楽になった。
ところで、このタウンハウスに来るのは初めてなのだ。
伝達魔導具で父さん達と話すときにたまに使用人達も顔を出すので、見知った顔の人もいるが、ほとんどの人は分からない。
というわけで、せっかくだから数日泊まることになった。
「アルカスです。ほぼ初めましてですが、よろしくお願いします」
初めの印象大事!
お互い気持ちよく過ごすためには、挨拶しっかり、愛想よく!
「こちらこそよろしくお願い致します。アルカス坊ちゃま」
坊ちゃまって、照れる。
「奥様呼びの方がよろしいでしょうか?」
と言われたが、そっちの方が恥ずかしい!
「坊ちゃまでいいです!」
顔が熱い。
皆の視線が生温かい。くそう。
もう夕方なので、御飯食べて明日の予定を決める事に。
「父さんとクレイン、ガラシアは残念ながら仕事でいないが、グラキス達は滞在するから安心して過ごすといい。夜にはなるべく戻るからな」
「ありがとう。でも無理はしないでね?」
そんな会話をしていると、学園から帰ったレイブンが来た。
「ただ今帰りました。グラキスお祖母様、父上、アルカスお兄様、クラビスさんご無沙汰しております」
「おー、お帰り、レイブン」
「御結婚おめでとうございます。お兄様」
「えへへ、ありがとう」
「そうだ、クレイン叔父様の子には会いましたか?」
レイブンに言われて気付く。
そういえばもうすぐ3歳になる甥っ子。ここに住んでるんだっけ。
「・・・恥ずかしながら、少し前まで爆睡してて、まだ会ってない。もっと言えば、王様の謁見も、寝てるうちに終わっちゃって・・・」
気まずくて視線が明後日の方を見てしまう・・・。
「・・・・・・」
何かを察したのか、無言で生温かい目を向けてくるレイブン。
賢すぎる。まだ7歳だろう?
色んな意味で甥っ子に勝てそうにないわ。
そうこうしているうちに、ガラシアが子供を抱っこしてきた。
あの子が甥っ子のシエロだな。
ふわふわのくせっ毛の黒髪にエメラルドグリーンの、アーモンド型の瞳。
目の前に降ろされたその子の身長が俺の胸くらいまである・・・・・・。
うん、何となく分かってたけどね?
俺の知ってる3歳児の身長じゃねえよ。
120㎝くらいはあるよね?
日本人の7歳児くらいの身長だよ?
・・・・・・これじゃあ、俺、確かに未成年に見えるわ。
「はじめまちて。あるかすおじさま。しえろです」
ちょっと舌っ足らずな可愛い声で挨拶された。
ナニコレ可愛い!
「初めまして。アルカスです。お兄様って呼んでくれると嬉しいな?」
「あるかすおにいちゃま」
コテンと首を傾げてにこやかに言ってくれて、俺のテンション爆上がりした。
身長とかどうでもいい!
「可愛すぎるだろう! 俺もこんな子欲しい!」
思わず抱きしめて叫んだら、クラビスに引き離された。
3歳児に嫉妬かよ。
「アルカスが望むならすぐにでも作れるよ? 何人でも・・・」
耳元でコソッと囁かれて、ゾクッとする。
「でもまだ蜜月だから、暫くは2人がいいな」
そんな事を言われて、顔を真っ赤にして思わずコクコクと頷いてしまった。
そうしてハッと気がつく。
皆いるじゃん!
うわーうわー、恥ずかしい!
もうこんなんばっか!!
わたわたしつつも、クラビスの膝の上で御飯を食べさせてもらい、風呂で世話を焼かれ、当然の流れでベッドイン。
次の日は王都観光なのでさすがに抱き潰されなかったが、1回がものすっごく長くてねちっこかった。俺は何回もイかされたのにクラビスは1回って・・・。
1回の意味を教えてくれ。
俺がイクのが1回じゃないの?
クラビスの1回に付き合ったら体力保たねえよ。
結局、気絶して終わった。
腰が立たない。
朝には起きたけど、あんま意味ないんじゃ・・・?
今日も今日とてクラビスに抱っこ移動。
何時もと変わんないじゃんか!
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