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第一章 フォレスター編
ステータスオープン!! 言わねぇよ?!
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目が覚めた。毛布に包まれていた。デジャブ。いや、テントの中だった。それだけ違った。
「えーと、神様が言うことには・・・」
俺は元々ここの人間。貴族・・・はどうでもいい。両親や家なんか知らないし、神様も情報くれなかったから、多分死んだことになってるんだろう。
お詫びに加護をくれたらしい。確認確認! いざ!!
『ステータスオープン』
・・・・・・口になんか出せるか! 恥ずか死ぬ!
頭で唱えれば目の前にこれまたあるあるな半透明な画面。
「何々?」
【名前:アルカス・フォレスター(コウキ・エンドウ)
年齢:19才 性別:男
魔法属性:光、水、風
魔法:治癒魔法、水魔法、風魔法、生活魔法、鑑定EX、隠蔽EX
称号:異世界より戻りし者、強運者
加護:エストレラ神の加護】
*()の名前は非表示。ステータスには反映されません。
---アルカスって、コッチの世界の名前か?
神様が何も言わなかったのって、これで捜せるよね?って事か。楽しやがったな?!
日本名は本当の名前ではないからコッチでは使えないって事か。まあ19年使った名前だけど、本当の両親がくれた名前には負けるな。
もう向こうに行くこともないし。別にいいや。
ところでコレって普通なのか全く分からないですけど? 神様。
そしてエストレラって名前なんですね? 説明雑っ!!
てか、俺って強運なんだ?
ある意味宝クジ一等当てたような?
悪運じゃねえの?!
だったら異世界にポイ捨て禁止!
・・・・・・・・・もうクラビスさんに見て貰ってどうするか決めよう。強運者を信じる!クラビスさんいい人っぽいし。
悶々と考えていたら、クラビスさんが声をかけてきた。
「大丈夫か? 朝飯食えるか?」
「あ、はい。ありがとうございます」
毛布を片付けてテントから出ると、昨日と同じスープとパンを渡された。
「同じ物で悪いな。昨日もろくに食べなかったろう。お腹空いているだろう?食べよう」
「あの、昨日はすみませんでした。取り乱してしまって・・・」
「問題ない。・・・落ち着いたか?」
「はい」
朝からキラキラしい! 眩しい! 性格もイケメンか!
スープは具沢山で、お腹が膨れてしまった。普通に美味しかった。これなら食事には困らないかな。日本人って食に拘るし。
「ご馳走様でした」
「口に合ったようでよかった。じゃあ、昨日のこと、分かる範囲で聞いても?」
「はい、あの、その前に聞いてもいいですか?」
ステータスの話の前に確認しておかないと。
「何だ?」
「自分の能力って見ること出来るんですか? 自分のこと、よく分からなくて・・・。出来たら色々分かるかなあ、と」
クラビスさんはジッと俺を見て、少し考えてから口を開いた。
「可能だ。自分を見るなら『ステータス』で、これは他人には見えない。他人を見るのは『鑑定魔法』で。ただ、他人に鑑定魔法を使うのは、暗黙の了解で無断で見てはいけないんだ。相手に了承を得てからだ」
「なるほど。確かにマナー違反ですもんね。色々ばれちゃうだろうし」
「鑑定のレベルで見える物は違うけど、裸を覗き見するようなものだ」
おお、なるほど! そう言われるとヤバさが分かる。
「ステータスはオープンと言えば他人にも見せられるが、信頼出来る者にだけ見せるんだよ」
小さい子に言い聞かせるような言い方で俺に教えてくれるが。
ひょっとしてコレってあるあるなやつでは・・・。確かに俺ってば向こうでも童顔の部類だったが。いや、気にしたら負けだ!!
「では、ステータスを見せるので、一緒に確認してもらえますか?」
そう言ったら、クラビスさんが驚いた顔をして言った。
「俺の言葉を聞いてたか?信頼出来る者に」
「だからです。クラビスさんは絶対大丈夫です! そう思ってます。・・・もし悪い人だったとしても自己責任です!」
水の中に助けに来て、その後もずっと面倒を見てくれて。騙すならとっくに騙してると思う。
「大丈夫です」
俺と目を合わせて、折れないと分かったようだ。
「・・・分かった。では確認しよう。いいか?」
「はい、お願いします。ス、ステータスオープン」
恥ずかしくて噛んじゃったよ!
「えーと、神様が言うことには・・・」
俺は元々ここの人間。貴族・・・はどうでもいい。両親や家なんか知らないし、神様も情報くれなかったから、多分死んだことになってるんだろう。
お詫びに加護をくれたらしい。確認確認! いざ!!
『ステータスオープン』
・・・・・・口になんか出せるか! 恥ずか死ぬ!
頭で唱えれば目の前にこれまたあるあるな半透明な画面。
「何々?」
【名前:アルカス・フォレスター(コウキ・エンドウ)
年齢:19才 性別:男
魔法属性:光、水、風
魔法:治癒魔法、水魔法、風魔法、生活魔法、鑑定EX、隠蔽EX
称号:異世界より戻りし者、強運者
加護:エストレラ神の加護】
*()の名前は非表示。ステータスには反映されません。
---アルカスって、コッチの世界の名前か?
神様が何も言わなかったのって、これで捜せるよね?って事か。楽しやがったな?!
日本名は本当の名前ではないからコッチでは使えないって事か。まあ19年使った名前だけど、本当の両親がくれた名前には負けるな。
もう向こうに行くこともないし。別にいいや。
ところでコレって普通なのか全く分からないですけど? 神様。
そしてエストレラって名前なんですね? 説明雑っ!!
てか、俺って強運なんだ?
ある意味宝クジ一等当てたような?
悪運じゃねえの?!
だったら異世界にポイ捨て禁止!
・・・・・・・・・もうクラビスさんに見て貰ってどうするか決めよう。強運者を信じる!クラビスさんいい人っぽいし。
悶々と考えていたら、クラビスさんが声をかけてきた。
「大丈夫か? 朝飯食えるか?」
「あ、はい。ありがとうございます」
毛布を片付けてテントから出ると、昨日と同じスープとパンを渡された。
「同じ物で悪いな。昨日もろくに食べなかったろう。お腹空いているだろう?食べよう」
「あの、昨日はすみませんでした。取り乱してしまって・・・」
「問題ない。・・・落ち着いたか?」
「はい」
朝からキラキラしい! 眩しい! 性格もイケメンか!
スープは具沢山で、お腹が膨れてしまった。普通に美味しかった。これなら食事には困らないかな。日本人って食に拘るし。
「ご馳走様でした」
「口に合ったようでよかった。じゃあ、昨日のこと、分かる範囲で聞いても?」
「はい、あの、その前に聞いてもいいですか?」
ステータスの話の前に確認しておかないと。
「何だ?」
「自分の能力って見ること出来るんですか? 自分のこと、よく分からなくて・・・。出来たら色々分かるかなあ、と」
クラビスさんはジッと俺を見て、少し考えてから口を開いた。
「可能だ。自分を見るなら『ステータス』で、これは他人には見えない。他人を見るのは『鑑定魔法』で。ただ、他人に鑑定魔法を使うのは、暗黙の了解で無断で見てはいけないんだ。相手に了承を得てからだ」
「なるほど。確かにマナー違反ですもんね。色々ばれちゃうだろうし」
「鑑定のレベルで見える物は違うけど、裸を覗き見するようなものだ」
おお、なるほど! そう言われるとヤバさが分かる。
「ステータスはオープンと言えば他人にも見せられるが、信頼出来る者にだけ見せるんだよ」
小さい子に言い聞かせるような言い方で俺に教えてくれるが。
ひょっとしてコレってあるあるなやつでは・・・。確かに俺ってば向こうでも童顔の部類だったが。いや、気にしたら負けだ!!
「では、ステータスを見せるので、一緒に確認してもらえますか?」
そう言ったら、クラビスさんが驚いた顔をして言った。
「俺の言葉を聞いてたか?信頼出来る者に」
「だからです。クラビスさんは絶対大丈夫です! そう思ってます。・・・もし悪い人だったとしても自己責任です!」
水の中に助けに来て、その後もずっと面倒を見てくれて。騙すならとっくに騙してると思う。
「大丈夫です」
俺と目を合わせて、折れないと分かったようだ。
「・・・分かった。では確認しよう。いいか?」
「はい、お願いします。ス、ステータスオープン」
恥ずかしくて噛んじゃったよ!
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