3 / 8
*ネコだけどネコになっちゃった?!
しおりを挟む*前半R18。背後注意*
「おーい、トンじゃった? リナリア?」
「・・・・・・あとりうむ?」
ぺちぺち頬を叩かれ、焦点の合った琥珀色の瞳にアトリウムを映す。
綺麗なアイスブルーと銀色にへらりと笑う。
「・・・・・・カッコいいねぇ・・・アトリウムって」
「・・・どうした、急に?」
「キレイだねえ・・・アトリウム」
「---おーい? 話が噛み合わねえぞ。クソ、あの潤滑油、媚薬効果も多少あるっていうから試したのに、コイツにはヘンに効き過ぎてないか? あのヤロウ後でとっちめて・・・」
「あとりうむ?」
「あ、ああ悪い」
「なんかお腹、奥、ムズムズするの。奥、擦ってぇ?」
「---っ、アアもう!! 後で文句は無しな!!」
「うえっ?!」
ぼーっとしたまま思ったことを呟いていれば、アトリウムが怒ったような感じで腰を動かし始めた。
もはや生えてるようにしか見えない尾てい骨からの尻尾は、根元を扱くと、性感帯のようでグッと力が入ってビクビクする。
ぐちゅぐちゅと接合部からは水っぽい粘着質な音がひっきりなしに聞こえ、リナリアの口からは『気持ちいい』と言葉にならない喘ぎ声が聞こえた。
アトリウムの腰使いに初心者のリナリアは為す術もなく、翻弄され、色んな体位で攻め続けられ、遂に気絶して漸く終わったのはその日の夕方。
朝イチから昼ご飯抜きでずっとヤリまくっていたらしい。
僕が目覚めたのは次の日の朝。
気付いて起きようとしたら腰が痛くて抜けてて動けなかった。
魔塔にはアトリウムが連絡してくれたようで、二人揃って遅い朝ご飯タイム。
「あの、アトリウムは、その」
「俺も休んだ。やることあるからな」
「ソ、ソウデスカ」
---何で僕を抱いたの?と聞きそびれてしまった。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
お互い無言のまま、お茶を飲み干す。
「・・・・・・あ、あの、じゃあこれで・・・」
帰ろうと腰を浮かしたら尻尾を掴まれた。
「みぎゃっ!! 掴まないでよ、痛い痛い!」
「・・・・・・これ、どういう仕組みなんだ?」
「・・・え? そういえば、何で外れないんだろう?」
「え? 魔導具じゃないのか?」
「魔導具の、はず・・・だけど、僕の作った物じゃないから」
そういえば、説明書き付いてたよな?
ポケットから出したぐちゃぐちゃの紙切れを広げて読む。
「えーと、なになに? 『コレは魔導具ですが、装着した人が適合者だった場合は体に馴染んで一体化します。そうなると外れません。ちなみに、一体化すると人間の耳は消えてなくなります』」
「・・・・・・」
「・・・・・・僕の耳・・・」
「ないな、ケモ耳以外」
「・・・・・・何ですと---!!」
ない!
本当にない!
マジか---!!
ガックリ項垂れていると、アトリウムが続きを読み出した。
「『なお、猫神様の加護を持った人間しか適合しません。見た目じゃ分かりませんが、概ねマタタビに酔う傾向があります。適合者はケモ耳尻尾が可愛いだけで実害はありません。但し、ケモ耳尻尾は性感帯なので、恋人や伴侶以外の人には触らせないこと。製作者・猫神様の下僕』」
「---・・・・・・はあ?!」
なにそれなにそれ?!
てか、何でウチにあったし?!
でもってよく読まないでそんなのつけるなって僕のおバカ!!
・・・・・・あ、おバカだったわ。
「・・・・・・」
アトリウムの冷たい視線にガクブルのリナリアだった。
「・・・・・・はあ、まあ、おいおいそこは追及するとして」
「ひえ、あ、いや、スミマセン・・・」
じとっと睨まれた。
怖いよアトリウム。
「はいコレ、ココにサインして」
「え、はい。・・・コレでいい?」
「・・・・・・はあ・・・、いや、良いけど。お前さ、もう少し警戒心とか持てよ。よく読みもせずに言われるがままサインしてさあ」
「え?」
「『婚姻届』。コレで俺等は晴れて夫夫な。届出してきて」
「畏まりました。大至急手続きして参ります」
「へあ? ・・・・・・婚姻? 誰と誰が?」
「アトリウムとリナリアが」
「・・・・・・はああ---!!」
再びの叫びに自分の耳も思わず塞いでしまった。
ケモ耳性能良すぎ!!
「・・・・・・お前さ、ほんっと、馬鹿」
うう、否定できないのがつらみ・・・・・・。
39
お気に入りに追加
195
あなたにおすすめの小説

溺愛じゃおさまらない
すずかけあおい
BL
上司の陽介と付き合っている誠也。
どろどろに愛されているけれど―――。
〔攻め〕市川 陽介(いちかわ ようすけ)34歳
〔受け〕大野 誠也(おおの せいや)26歳

顔も知らない番のアルファよ、オメガの前に跪け!
小池 月
BL
男性オメガの「本田ルカ」は中学三年のときにアルファにうなじを噛まれた。性的暴行はされていなかったが、通り魔的犯行により知らない相手と番になってしまった。
それからルカは、孤独な発情期を耐えて過ごすことになる。
ルカは十九歳でオメガモデルにスカウトされる。順調にモデルとして活動する中、仕事で出会った俳優の男性アルファ「神宮寺蓮」がルカの番相手と判明する。
ルカは蓮が許せないがオメガの本能は蓮を欲する。そんな相反する思いに悩むルカ。そのルカの苦しみを理解してくれていた周囲の裏切りが発覚し、ルカは誰を信じていいのか混乱してーー。
★バース性に苦しみながら前を向くルカと、ルカに惹かれることで変わっていく蓮のオメガバースBL★
性描写のある話には※印をつけます。第12回BL大賞に参加作品です。読んでいただけたら嬉しいです。応援よろしくお願いします(^^♪
11月27日完結しました✨✨
ありがとうございました☆
名もなき花は愛されて
朝顔
BL
シリルは伯爵家の次男。
太陽みたいに眩しくて美しい姉を持ち、その影に隠れるようにひっそりと生きてきた。
姉は結婚相手として自分と同じく完璧な男、公爵のアイロスを選んだがあっさりとフラれてしまう。
火がついた姉はアイロスに近づいて女の好みや弱味を探るようにシリルに命令してきた。
断りきれずに引き受けることになり、シリルは公爵のお友達になるべく近づくのだが、バラのような美貌と棘を持つアイロスの魅力にいつしか捕らわれてしまう。
そして、アイロスにはどうやら想う人がいるらしく……
全三話完結済+番外編
18禁シーンは予告なしで入ります。
ムーンライトノベルズでも同時投稿
1/30 番外編追加
悩ましき騎士団長のひとりごと
きりか
BL
アシュリー王国、最強と云われる騎士団長イザーク・ケリーが、文官リュカを伴侶として得て、幸せな日々を過ごしていた。ある日、仕事の為に、騎士団に詰めることとなったリュカ。最愛の傍に居たいがため、団長の仮眠室で、副団長アルマン・マルーンを相手に飲み比べを始め…。
ヤマもタニもない、単に、イザークがやたらとアルマンに絡んで、最後は、リュカに怒られるだけの話しです。
『悩める文官のひとりごと』の攻視点です。
ムーンライト様にも掲載しております。
よろしくお願いします。
捨て猫はエリート騎士に溺愛される
135
BL
絶賛反抗期中のヤンキーが異世界でエリート騎士に甘やかされて、飼い猫になる話。
目つきの悪い野良猫が飼い猫になって目きゅるんきゅるんの愛される存在になる感じで読んでください。
お話をうまく書けるようになったら続きを書いてみたいなって。
京也は総受け。

王様お許しください
nano ひにゃ
BL
魔王様に気に入られる弱小魔物。
気ままに暮らしていた所に突然魔王が城と共に現れ抱かれるようになる。
性描写は予告なく入ります、冒頭からですのでご注意ください。
悩める文官のひとりごと
きりか
BL
幼い頃から憧れていた騎士団に入りたくても、小柄でひ弱なリュカ・アルマンは、学校を卒業と同時に、文官として騎士団に入団する。方向音痴なリュカは、マルーン副団長の部屋と間違え、イザーク団長の部屋に入り込む。
そこでは、惚れ薬を口にした団長がいて…。
エチシーンが書けなくて、朝チュンとなりました。
ムーンライト様にも掲載しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる