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竜人にジョブチェンジ
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あれからユーリと近くの街へ行き、僕はユーリの従魔として登録をされた。
下手に竜だと知られたら大騒ぎになるだろうということで、普段は翼を畳んで背中に消し(実は体の中にしまえた!)、従魔用の足輪を左足に付けてケープのようなフードを被っている。
ぱっと見はちっちゃいトカゲに見えるが、何とも言いがたい体色のせいで物珍しそうにジロジロ見られるので、もっぱらユーリのフードの中に隠れている。
会話はユーリとなら念話出来るので気兼ねなく使っている。
一緒に過ごすことになってから一年あまり経った頃。
僕は人化を覚えた。
早速試してみたら、6歳くらいの幼児になった。顔は前世と変わらず、髪と目の色が今仕様だったので前よりも女の子っぽくなった。
ユーリにチュニックを着せられたらどう見ても女の子だった。解せん。
もっと成長すれば人化も変わるはず。当分は最初のサイズに変化してトカゲっぽいまま過ごそう。
大きくはなったが、色んな意味で最小サイズが一番楽だった。
ランと契約を交わして一年あまり経った頃、人化出来るようになったと言って、宿に泊まったときに試してみたらクソ可愛い幼女っぽくなった。
6歳くらいの幼児だが、顔が女の子っぽくて思わずチュニックを着せてみたら、何処からみても幼女!
カワイイは正義!
ランに聞いたところ、普通は成人するころに人化出来るようになるらしい。
自分を比較対象にするなと言われた。
そもそもラン以外で竜をみたことがないんだから、比較もなにもないだろう。
面倒だからと初めのサイズの竜のまま、いや、トカゲに擬態して相変わらず俺のフードの中で寛いでいる。
これはこれで可愛い。
俺、可愛いしか言ってなくねえ?
でも可愛いんだから仕方がないだろう?
長命種の種族は一般的に成長が遅いから、ランも後何年か、何十年かはまだ小さいだろう。
まだまだ可愛いが続くな。
なんて思ってた時期がありました・・・。
更に2年が過ぎて、相変わらず小さいサイズでトカゲもどきになってたランが。
久しぶりに人化したと思ったら、見た目15歳くらいの成人した人族の姿になってた。
瞳は丸いが、よく見ると瞳孔が縦になったりする。ソレに耳の先が俺程じゃないが尖ってる。
やっぱり竜だな。
更に普通の竜の姿になったら2mくらいになってた。
まじか。
「成長が早くないか?」
「うーん。やっぱりネームドだったから普通とは違う育ち方みたい?」
そう言って着替える。
人化すると裸なんだよな。
てっきりまだ小さいと思ってたから、さすがに用意してなくて今回は俺の服を着る。
でも、人化だとまだ俺の方がデカいから袖が余っててシャツの裾もお尻が隠れるくらい長い。
彼シャツ、萌え袖。
・・・いかん。思考がおかしい。
でも顔がいまだ女の子っぽくて、髪は腰まであるし、儚げ美人?美青年?
「これ、僕が死ぬ前の姿と同じだ。髪は短かったけど」
「え、じゃあこれって18歳のラン?」
「そうだね。たぶん人化はこれ以上はほとんど大きくならないと思うよ。竜体はまだ大きくなるけど」
衝撃の事実!
ランの前世の種族は小柄で童顔が多いんだって。
今のランの背の高さは170cmくらい。
前は175cmで、それでも割と大きい方だったんだと。
これで?
こっちは人族でも180cmくらいが平均だからなぁ。エルフ族もそれくらい。
ちなみに俺はハイエルフでは高い方で、190cmある。
エルフは細くて筋肉モリモリにはならない。弓や魔法がメインだからな。
ランと体型的には変わらない。
「・・・うーん、どうする? ここまで大きくなったなら従魔じゃなくて竜人で冒険者登録をするか?」
ちらっとランの左足首を見ると、サイズの自動調整が付与されてるから従魔の証はそのままだ。
ランも視線を追って自分の脚を見た。
「・・・そうだね。ユーリに世話になりっぱなしで、ちょっと肩身が狭かったから冒険者になって一緒に依頼を受けたりしたいかな」
苦笑しながらランが言ったけど。
「まだ生まれて3年だろう。本来ならまだまだ赤ん坊なんだから気にしなくていいのに。でもまあ、パーティー組んで堂々と話せて一緒に過ごせるのはいいな」
念話は便利だけど、普通に会話をしながら過ごしたいな。
と言うわけで、冒険者ギルドに登録を変更しにきた訳だが。
「視線が鬱陶しい」
「ユーリに同意」
「・・・申し訳ありません」
受付のお兄さんが謝るが、お兄さんは全く関係ないからね。ごめんね。
「今の時間でしたらギルマスが対応できますので、部屋へご案内いたします」
どうぞ、と言われたので遠慮なく。
だって本当にウザい。
ユーリが凄いのはわかるけどジロジロ見すぎ。
僕のなんだから見ないで。
ユーリが減る!
「いや、お前を見てるんだって」
ユーリがランの鈍ちんめ、なんて言ってるけど知らん。
「ギルマス、お連れしました」
「ありがとう。入って座ってくれ」
そう言われて遠慮なく。
「やあ、顔を見るのは久し振りかな?」
「そうですね。あなたは相変わらずだ。・・・従魔を連れていると聞いていたが」
「ああ、この子。人化してるんだけど、従魔から冒険者登録に変更したい」
「・・・トカゲっぽかったが」
「竜です」
ランが何でもないように告げた。
ギルマスが目を瞠る。
「りゅ、う?」
「そう。竜人化してる。本来は・・・ああ、竜になると服が脱げちゃうや。人前じゃ無理」
「絶対止めて!!」
「ああ、翼くらいなら」
そう言ってシャツのボタンを外して背中を見せる。肩甲骨の辺り、バサッと竜の翼が現れた。
ギルマスが唖然としている。
「ね?」
すぐにしまってシャツを直した。
「本当に、竜・・・」
ユーリがあちゃあ、と手を額にあてて渋い顔をした。
「大っぴらにしたくないんで、ここで登録を変更してくれると助かるよ。出来るよね?」
「・・・ああ、やろう。従魔を取り消して新たに冒険者登録をして・・・組むのか?」
「うん。それでお願い」
「じゃあ、ここに記入を・・・書けるか?」
「大丈夫だよね、ラン」
「問題なし」
そう言って記入を始めた。
名前はラン。魔法がメイン。
・・・それだけ。
「後はタグに血を一滴と魔力を流す。これで他人には使えなくなり、タグの情報も本人とギルドの専用の魔導具しか分からない。まあ本人が許可すれば他人も見られるが、大概は隠すな」
「他人に知られて困るのは自分だもんね」
「もちろんギルドも最低限の情報しか見られない。有事以外は個人情報は秘匿だよ。さて、パーティーも組んで、と」
ユーリがタグを出す。
僕も貰ったばかりのタグを出すと、ギルマスが魔導具を出してそれにのせ、操作すると一瞬光って消えた。
タグを見ると、名前とランク、パーティーメンバー・・・ユーリの名前が見えた。
「俺の方はランの名前がのってる。うん大丈夫」
「僕はランクFだ」
「なりたてだからな。これからゆっくりあげればいい。時間はいくらでもある」
「そうだね」
「常時依頼の薬草採取でもしてこよう。邪魔したね、ギルマス」
「お邪魔しました!」
「お、おう。気を付けてな」
怒涛の展開に着いていけず、暫く呆然としていたが。
「・・・ま、はぐれエルフが居るんだ。伝説級の竜がここに居たって不思議じゃないか。生きているうちにいいもん見られたな」
ただ、暫くは騒がしそうだな、とこめかみに手をあてて呟く。
長命種は美醜に拘らないのか、2人とも驚くほどとびきりの美人なんだが・・・。
そんな事をギルマスが考えてるとは露知らず、2人で行く初めての薬草採集に胸躍らせていたランだった。
「ところで、従魔の証は外さないの?」
「うん。だってユーリからの大事な贈り物だからね。ソレに主ってのは嘘じゃないでしょ?」
僕はユーリのものだからね。
下手に竜だと知られたら大騒ぎになるだろうということで、普段は翼を畳んで背中に消し(実は体の中にしまえた!)、従魔用の足輪を左足に付けてケープのようなフードを被っている。
ぱっと見はちっちゃいトカゲに見えるが、何とも言いがたい体色のせいで物珍しそうにジロジロ見られるので、もっぱらユーリのフードの中に隠れている。
会話はユーリとなら念話出来るので気兼ねなく使っている。
一緒に過ごすことになってから一年あまり経った頃。
僕は人化を覚えた。
早速試してみたら、6歳くらいの幼児になった。顔は前世と変わらず、髪と目の色が今仕様だったので前よりも女の子っぽくなった。
ユーリにチュニックを着せられたらどう見ても女の子だった。解せん。
もっと成長すれば人化も変わるはず。当分は最初のサイズに変化してトカゲっぽいまま過ごそう。
大きくはなったが、色んな意味で最小サイズが一番楽だった。
ランと契約を交わして一年あまり経った頃、人化出来るようになったと言って、宿に泊まったときに試してみたらクソ可愛い幼女っぽくなった。
6歳くらいの幼児だが、顔が女の子っぽくて思わずチュニックを着せてみたら、何処からみても幼女!
カワイイは正義!
ランに聞いたところ、普通は成人するころに人化出来るようになるらしい。
自分を比較対象にするなと言われた。
そもそもラン以外で竜をみたことがないんだから、比較もなにもないだろう。
面倒だからと初めのサイズの竜のまま、いや、トカゲに擬態して相変わらず俺のフードの中で寛いでいる。
これはこれで可愛い。
俺、可愛いしか言ってなくねえ?
でも可愛いんだから仕方がないだろう?
長命種の種族は一般的に成長が遅いから、ランも後何年か、何十年かはまだ小さいだろう。
まだまだ可愛いが続くな。
なんて思ってた時期がありました・・・。
更に2年が過ぎて、相変わらず小さいサイズでトカゲもどきになってたランが。
久しぶりに人化したと思ったら、見た目15歳くらいの成人した人族の姿になってた。
瞳は丸いが、よく見ると瞳孔が縦になったりする。ソレに耳の先が俺程じゃないが尖ってる。
やっぱり竜だな。
更に普通の竜の姿になったら2mくらいになってた。
まじか。
「成長が早くないか?」
「うーん。やっぱりネームドだったから普通とは違う育ち方みたい?」
そう言って着替える。
人化すると裸なんだよな。
てっきりまだ小さいと思ってたから、さすがに用意してなくて今回は俺の服を着る。
でも、人化だとまだ俺の方がデカいから袖が余っててシャツの裾もお尻が隠れるくらい長い。
彼シャツ、萌え袖。
・・・いかん。思考がおかしい。
でも顔がいまだ女の子っぽくて、髪は腰まであるし、儚げ美人?美青年?
「これ、僕が死ぬ前の姿と同じだ。髪は短かったけど」
「え、じゃあこれって18歳のラン?」
「そうだね。たぶん人化はこれ以上はほとんど大きくならないと思うよ。竜体はまだ大きくなるけど」
衝撃の事実!
ランの前世の種族は小柄で童顔が多いんだって。
今のランの背の高さは170cmくらい。
前は175cmで、それでも割と大きい方だったんだと。
これで?
こっちは人族でも180cmくらいが平均だからなぁ。エルフ族もそれくらい。
ちなみに俺はハイエルフでは高い方で、190cmある。
エルフは細くて筋肉モリモリにはならない。弓や魔法がメインだからな。
ランと体型的には変わらない。
「・・・うーん、どうする? ここまで大きくなったなら従魔じゃなくて竜人で冒険者登録をするか?」
ちらっとランの左足首を見ると、サイズの自動調整が付与されてるから従魔の証はそのままだ。
ランも視線を追って自分の脚を見た。
「・・・そうだね。ユーリに世話になりっぱなしで、ちょっと肩身が狭かったから冒険者になって一緒に依頼を受けたりしたいかな」
苦笑しながらランが言ったけど。
「まだ生まれて3年だろう。本来ならまだまだ赤ん坊なんだから気にしなくていいのに。でもまあ、パーティー組んで堂々と話せて一緒に過ごせるのはいいな」
念話は便利だけど、普通に会話をしながら過ごしたいな。
と言うわけで、冒険者ギルドに登録を変更しにきた訳だが。
「視線が鬱陶しい」
「ユーリに同意」
「・・・申し訳ありません」
受付のお兄さんが謝るが、お兄さんは全く関係ないからね。ごめんね。
「今の時間でしたらギルマスが対応できますので、部屋へご案内いたします」
どうぞ、と言われたので遠慮なく。
だって本当にウザい。
ユーリが凄いのはわかるけどジロジロ見すぎ。
僕のなんだから見ないで。
ユーリが減る!
「いや、お前を見てるんだって」
ユーリがランの鈍ちんめ、なんて言ってるけど知らん。
「ギルマス、お連れしました」
「ありがとう。入って座ってくれ」
そう言われて遠慮なく。
「やあ、顔を見るのは久し振りかな?」
「そうですね。あなたは相変わらずだ。・・・従魔を連れていると聞いていたが」
「ああ、この子。人化してるんだけど、従魔から冒険者登録に変更したい」
「・・・トカゲっぽかったが」
「竜です」
ランが何でもないように告げた。
ギルマスが目を瞠る。
「りゅ、う?」
「そう。竜人化してる。本来は・・・ああ、竜になると服が脱げちゃうや。人前じゃ無理」
「絶対止めて!!」
「ああ、翼くらいなら」
そう言ってシャツのボタンを外して背中を見せる。肩甲骨の辺り、バサッと竜の翼が現れた。
ギルマスが唖然としている。
「ね?」
すぐにしまってシャツを直した。
「本当に、竜・・・」
ユーリがあちゃあ、と手を額にあてて渋い顔をした。
「大っぴらにしたくないんで、ここで登録を変更してくれると助かるよ。出来るよね?」
「・・・ああ、やろう。従魔を取り消して新たに冒険者登録をして・・・組むのか?」
「うん。それでお願い」
「じゃあ、ここに記入を・・・書けるか?」
「大丈夫だよね、ラン」
「問題なし」
そう言って記入を始めた。
名前はラン。魔法がメイン。
・・・それだけ。
「後はタグに血を一滴と魔力を流す。これで他人には使えなくなり、タグの情報も本人とギルドの専用の魔導具しか分からない。まあ本人が許可すれば他人も見られるが、大概は隠すな」
「他人に知られて困るのは自分だもんね」
「もちろんギルドも最低限の情報しか見られない。有事以外は個人情報は秘匿だよ。さて、パーティーも組んで、と」
ユーリがタグを出す。
僕も貰ったばかりのタグを出すと、ギルマスが魔導具を出してそれにのせ、操作すると一瞬光って消えた。
タグを見ると、名前とランク、パーティーメンバー・・・ユーリの名前が見えた。
「俺の方はランの名前がのってる。うん大丈夫」
「僕はランクFだ」
「なりたてだからな。これからゆっくりあげればいい。時間はいくらでもある」
「そうだね」
「常時依頼の薬草採取でもしてこよう。邪魔したね、ギルマス」
「お邪魔しました!」
「お、おう。気を付けてな」
怒涛の展開に着いていけず、暫く呆然としていたが。
「・・・ま、はぐれエルフが居るんだ。伝説級の竜がここに居たって不思議じゃないか。生きているうちにいいもん見られたな」
ただ、暫くは騒がしそうだな、とこめかみに手をあてて呟く。
長命種は美醜に拘らないのか、2人とも驚くほどとびきりの美人なんだが・・・。
そんな事をギルマスが考えてるとは露知らず、2人で行く初めての薬草採集に胸躍らせていたランだった。
「ところで、従魔の証は外さないの?」
「うん。だってユーリからの大事な贈り物だからね。ソレに主ってのは嘘じゃないでしょ?」
僕はユーリのものだからね。
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