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本編
100 再びの雑魚寝!
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ヘンな盛り上がりを見せた晩餐の後は、恒例の?雑魚寝である。
僕は学生なので夏期休暇という休みがあるが、ライナス父様達は公務があり、レオン兄様は皇太子として忙しく、カロンやロゼは初等科だから休暇はもちろんあるが、やはり皇族としての公務があって余りゆっくり出来ないそうだ。
・・・・・・僕だけ、養子と言うだけでそういうことを免除されている気がする。
こんなに自由にさせて貰って申し訳ない。
なので、ここで一つお願いをしてみた。
「ライナス父様、お願いがあるんだけど・・・」
さすがに寝そべって言うことではないので、布団の上で正座をします。
デレッとしていた父様が空気を読んで自分も居住まいを正す。
「なんだい、サクヤ。私に出来ることならば叶えよう」
ここで何でもと言わない辺りはさすが皇帝陛下。
権力者が容易く『何でも』なんて言ってはいけないのだから。
「僕が見ても問題のない範囲の書類仕事とか、兄様達の公務の手伝いをさせて欲しいんです」
「・・・・・・サクヤ、それは」
「もちろん養子だし今まで関わり合いがない事だから断ってくれていいんだけど。僕だけ何もしてないことが心苦しくて・・・」
「・・・・・・サクヤはこれまで、働き過ぎていたんだ。だから本来の時間に戻っただけだよ。ゆっくりして欲しいと思って・・・」
他の皆も頷いている。
確かに今までが異常な事は分かってるし、皆の気持ちも分かってるけど。
「じゃあ、この休暇中、お試しで時々やらせたら?」
スオウが落とし所を提案してくれて、ライナス父様も了承してくれた。
ありがとう、スオウ。
とりあえず明日、ライナス父様の執務室に行くことになって、じゃあ寝ようか?となった時に不意にカロンが言った。
「そう言えば今日の午後にお城中凄い揺れたけど、なんだったの?」
「え?」
「なんか大丈夫だよ-って言われただけで詳しいことは教えて貰えなかったのよね」
ロゼも話に加わった。
「レオン兄様は知ってる?」
「知ってるもなにも、現場を見てきた」
そういってジト目でサクヤとスオウを見るレオン。
そろーっと目を逸らす2人にピンときたカルロス達は詰め寄った。
「サクヤ兄様達が原因?」
「・・・ごめんね。騎士団の鍛錬に混じってちょっと・・・」
「ちょっとどころじゃないぞ。2人で死合いしてた。結界張っててアレとか、本気だったらと思うと・・・・・・」
レオクランがカルロス達に加勢した。
「あら、じゃあ、上映会しましょう! どうせイヤーカフに記録してあるのでしょう?」
「どっちの方を見る?」
「どっちも見るに決まってるでしょ! まずはスオウ兄様から・・・・・・」
サクヤ達を置き去りにして話は進み、結局2人の手合わせが上映された。
手の空いている影達も密かに隠れて見に来ており、実は結構な人数の上映会となった。
その後、興奮したカルロス達を寝かしつけるのに一苦労だった。
*皇妃の語尾の『・・・じゃ』はプライベートでは使わない設定。公務で威厳を出すためと思って下さい*
僕は学生なので夏期休暇という休みがあるが、ライナス父様達は公務があり、レオン兄様は皇太子として忙しく、カロンやロゼは初等科だから休暇はもちろんあるが、やはり皇族としての公務があって余りゆっくり出来ないそうだ。
・・・・・・僕だけ、養子と言うだけでそういうことを免除されている気がする。
こんなに自由にさせて貰って申し訳ない。
なので、ここで一つお願いをしてみた。
「ライナス父様、お願いがあるんだけど・・・」
さすがに寝そべって言うことではないので、布団の上で正座をします。
デレッとしていた父様が空気を読んで自分も居住まいを正す。
「なんだい、サクヤ。私に出来ることならば叶えよう」
ここで何でもと言わない辺りはさすが皇帝陛下。
権力者が容易く『何でも』なんて言ってはいけないのだから。
「僕が見ても問題のない範囲の書類仕事とか、兄様達の公務の手伝いをさせて欲しいんです」
「・・・・・・サクヤ、それは」
「もちろん養子だし今まで関わり合いがない事だから断ってくれていいんだけど。僕だけ何もしてないことが心苦しくて・・・」
「・・・・・・サクヤはこれまで、働き過ぎていたんだ。だから本来の時間に戻っただけだよ。ゆっくりして欲しいと思って・・・」
他の皆も頷いている。
確かに今までが異常な事は分かってるし、皆の気持ちも分かってるけど。
「じゃあ、この休暇中、お試しで時々やらせたら?」
スオウが落とし所を提案してくれて、ライナス父様も了承してくれた。
ありがとう、スオウ。
とりあえず明日、ライナス父様の執務室に行くことになって、じゃあ寝ようか?となった時に不意にカロンが言った。
「そう言えば今日の午後にお城中凄い揺れたけど、なんだったの?」
「え?」
「なんか大丈夫だよ-って言われただけで詳しいことは教えて貰えなかったのよね」
ロゼも話に加わった。
「レオン兄様は知ってる?」
「知ってるもなにも、現場を見てきた」
そういってジト目でサクヤとスオウを見るレオン。
そろーっと目を逸らす2人にピンときたカルロス達は詰め寄った。
「サクヤ兄様達が原因?」
「・・・ごめんね。騎士団の鍛錬に混じってちょっと・・・」
「ちょっとどころじゃないぞ。2人で死合いしてた。結界張っててアレとか、本気だったらと思うと・・・・・・」
レオクランがカルロス達に加勢した。
「あら、じゃあ、上映会しましょう! どうせイヤーカフに記録してあるのでしょう?」
「どっちの方を見る?」
「どっちも見るに決まってるでしょ! まずはスオウ兄様から・・・・・・」
サクヤ達を置き去りにして話は進み、結局2人の手合わせが上映された。
手の空いている影達も密かに隠れて見に来ており、実は結構な人数の上映会となった。
その後、興奮したカルロス達を寝かしつけるのに一苦労だった。
*皇妃の語尾の『・・・じゃ』はプライベートでは使わない設定。公務で威厳を出すためと思って下さい*
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